このしみけんの有料noteを購入した。800円も出して。
800円といったら、ちょっと厚めの文庫本を買える値段なので、迷いに迷ったんだけれども、あやしい匂いがプンプンしてきて耐えきれず購入してしまいました。自分でも本当にアホだと思います。
このnoteは有料なので、なるべく中身を明かさずに努力します。
ちなみにしみけん有料部分と同じく総文字数は5000字を超えていますが、すべて無料です。完全に趣味です。
内容が誤っていてそのまま放置していては危険な部分
有料noteの内容を公開してしまうことは、おそらく法的に問題があります。しかし、そのまま情報を公開していては人の生命や健康に係るような危険が起こる可能性があるところがあり、その部分だけ指摘します。
HIVウイルス(エイズの原因)の感染力は低いけれど…
生でセックスをズバズバしても感染率は1回の性交渉でHIVに感染する確率は、0.1~1%と言われています。
HlVウイルスがコンドームなしの性交渉により感染する可能性は0.1%~1%という部分は正しい(【長岡】エイズ等性感染症について)のですが、御本人が記載している通りこれは1回の性行為の確率です。
回数を重ねるにつれ確率は上がってきますので、「生でズバズバ」という言葉をつけるのは誤っています。
そもそもですが、「生でズバズバしても1回の確率は低い」っていう言葉がおかしいです。
「どんぶりいっぱいの白米を食っても、一粒はカロリーが低い」と言われて、「なるほど!じゃあ、たくさん白米食べても太らない!これはゼロカロリー!」となりますか?
性病検査キットによる検査は検査として不十分
「性病は早期発見が重要!検査をしましょう!」という部分があります。
これだけなら何の問題もありませんが、そこで勧めているのが「しみけん監修の自宅性病検査キット」です…。
このキットが買われることによりどの程度しみけんにお金が流れるのは知りませんが、性病検査キットはきちんと検査ができないのではないかと、医師が危惧しています(参考:性病のお悩み~性感染症認定医が解説します | みうら泌尿器科クリニック)。
こんなの素人でも心配になりますよね。きちんと検体を採取できているのか、採取する時期は適切か、そのキット以外の病気が隠されているのか、いないのか…。
こういったものは、適当に検査をして陽性なのに陰性が出るリスクがある恐ろしいものだと思います。
しみけん、相手が説明書をろくに読めないような人に「このキットで陰性だったから大丈夫だよ!唾液って漢字読めなかったけど多分大丈夫!」とか言われても、安心してセックスできるのでしょうか?
性病検査に病院に行こう!って熱く語ってたしみけんはどこに行っちゃったんだよォ…。自宅で粘膜いじってないで、病院に行こうぜ。
クランベリーは細菌性膣炎に効果がある?
クランベリーに予防効果があるという報告がされています。
とあったのですが、これは本当でしょうか?
もし本当であればソースが欲しいところです。
私がざっと調べても、効果があるのではないか?と研究されているのは「膀胱炎」や「尿路感染症」に関するものです。膣炎では見つけられませんでした。
また、膀胱炎においてプラセボ群との有意差があるとされた研究でも、再発は完全に予防できているわけではない、とのこと。クランベリーの効果への期待は2005年ごろにはすでに言及されているようですが、臨床の現場で積極的に使われていないであろうことから、「予防効果があるという報告がされています」は言い過ぎではないかと思います。
ただこれは、私の調査不足により効果が確定している論文を発見できなかっただけかもしれません。新しい情報がありましたら教えて下さい。
無料部分のアオリは案の定過大
無料部分に書かれていることについて
しみけんは「27年間、毎日3回以上セックス」し続けている生活を送っているそうですが、性感染症にほとんどなったことがない、とのことです。
相手が性病だとしてもまったく怖くないと。しみけんからすると、「性病が怖い」というのは馬鹿で縁をつなぐ価値のない人だとまで言っています。
そして、
知識があればあなたも「生でしても感染しない」側に行ける
とまで豪語しています。
ここから読み取れることは、
しみけんの大量の経験と性病関連の知識によれば、コンドームを着用しない、いわゆる生でセックスをしても性病に(ほとんど)かからない。生で感染するのを恐れるのは愚か者。
ということでしょうか。し・か・し
結局コンドームは必要やんけ
生でできる!性病怖くない!と無料であおりにあおっていますが、結局「予防法はコンドームです!」ってものがでてきます。または「ナマでも感染力は低い(ゼロじゃない)」「コンドームでは防ぎきれない」というもので、コンドームをしたほうがベターなもの。
「生でしても感染しない」側になんて行けません。
理論的に予防できても現実的ではない予防方法
一部の性病に限られますが、確かにコンドームをしていなくても感染や発症をおさえる予防方法もでてきます。
しかし、「感染の可能性がある性行為から72時間以内に薬を投与しなければならないもの」、「日常的に予防薬を飲まなければならないもの(ただし投与には条件あり)」といったもので、予防として一般的ではありません。
性行為から72時間以内に治療開始するなんて、相手に性病があると分かっていてナマで致すか、しみけんnote無料部分にあった「エイズの世界にようこそ (Welcome to the world of AIDS) 」に遭遇するか、みたいな超特殊な状況じゃないとできません。
また、日常的な予防薬も条件があり、健康な人はまず処方されません。ほかの内蔵に異常がでる副作用もあるらしく、あまりに長期投与はなされていない様子。
こちらの予防方法を使用できる人間はごく限られると思います。
※正しい知識ももちろんある
有料noteということもありあまり言及できないのですが、上記のほかにもたくさんの情報が掲載されており、多くは正しい知識や事実をもとにしていると思います。
自分も医師ではなく自信をもって言い切れることではないのですが、論文や自治体の情報などでだいたい裏取りはできました。
なので、すべて荒唐無稽な内容ではまったくありません。
ただしこのnoteは完全に情報商材
このnoteはですね。巷にあふれる情報商材そのものです。
まず、無料部分でいかにこのnoteが魅力があるものなのか、大げさな文章と小さな注意書き(誰でも効果があるとは限らない、完全ではない等)でアピールします。
そして、このnoteを読まない人や、このnoteの情報を知らずにいる人間はアホだとバカにします。
この2大特徴により、情弱な読者に対して「このnoteでしか得られない情報があり、これを読まずに生きている人間は愚か者とバカにされてしまう」と錯覚させるのです。
もう情報商材としてあるあるすぎる手口ですね。
ただ、情報商材界隈として珍しく、しみけんはAV男優という本業で人気を博しているため、ただただ怪しい情報商材よりも説得力が出やすいように思えます。実際、このnoteを紹介するポストに対する反応は概ね好意的です。
僕が性感染症にかかりにくいのには「理由」があります。
— AV男爵しみけん (@avshimiken) 2024年4月28日
男優として27年
コンドームだけでは防ぎきれない感染症達から身を守ってこれたのは「知識」があったからです。
悪用厳禁の
性病の人と生でヤっても感染しにくくするその方法とは…
性感染症から身を守る方法と知識https://t.co/O4rliz6g75
しかし、「コンドーム無しの性行為は怖くない」っていうけどゴムなしはやはり感染リスクありますし、「性病に感染しても怖くないというのは、治せる方法や、発病を防げる方法あるから!」ってのは、一般の人間の感覚から大幅にずれています。
通常は感染することすら恐ろしいはずですし、パートナーにうつしてしまったらどうするんでしょうか。
性病を怖がるやつは知識のないバカ?それは逆です
しみけんはこちらの有料note、無料部分で「性病を怖がる」人は知識がないバカで人生のQOLを下げていると煽っている。
しかし、私はしみけんの有料noteを読んで、ますます性病はおそろしいと思いましたよ。そこには、しみけんが罹患したことがある病気や、薬漬けの日々が綴られていたからです。
こんなの普通の生活ではないし、これを読んで「さすがです!」「怖くなくなりました!」なんて言っている人こそ愚かです。
ここで、しみけんの同業者である森林原人氏のお言葉を紹介します。
セックスを探求している方達との昼食会では、性感染症について詳しくなると、気軽にセックスできなくなると満場一致。本当はオーラルセックスの時もゴムを着用した方がいいんだけど、それは味気なさ過ぎるよねと女性陣が満場一致。結局、飽きなくて信頼できる相手を見つけるのが1番という結論。
— 森林原人◆fantia & How to学園 (@AVmoribayashi) 2019年2月12日
そう。性感染症のリスクについて学ぶにつれ、「セックスは怖くない」なんて言えなくなるはずなんですよね。確率は低いけれど、ゼロじゃない。発症までに時間がかかるものもあり、検査の合間にうつしてしまうリスクがある。
性病にかかる可能性を下げるのであれば「生でズバズバやる」なんて下品な言葉は出てこないはずで、「決まった相手とコンドームを着用する」がベスト。
しみけんはすでに離婚したとはいえ妻子がいたのに、性感染症は自分だけの問題ではなく、パートナーや子にまで被害がいき、しかも取り返しのつかない事態を引き起こす可能性があることに不安を覚えないのでしょうか…。
私は、万が一、いや億が一夫が気軽にズバズバ行為を行い、梅毒やHIVを持ち込んだとしたら一生許せないと思います。
ところで、森林原人氏はこちらの記事もとても良かったです。
AV男優に性病や性教育を語らせるのは違うだろ派な私ですが、彼はAV男優ならではの性の話をしています。
セックスは「ただの行為」、愛と勃起は別、AVはファンタジーで実際は女優さんが痛くないようにすべき等々、若い人にも読んでほしい素晴らしい内容だと思いました。
しみけん有料noteを買うようなやつはモテない
ここでタイトルに言及します。しみけん有料noteを含め、巷にあふれる情報商材の意趣返しで〆ようと思います。
知識があればあなたも「生でしても感染しない」側に行けるわけです。
こんな怪しいnoteを購入し、そのうえ中身を読んで納得しちゃってたら駄目です。コメント返信や引用で「タメになる!」「怖くなくなりました^^」なんて言ってる人は、文章が読めてません。
よくよく読めば、「コンドームはやっぱり必須じゃねぇかよ」、「感染は結局するやんけ」ってツッコミがでるはずですもん。
そんな人たちがしみけん有料noteを読んだら、「こんなにしっかりした対策方法があるからナマでも怖くないんだ!」なんて、都合の良いところだけ脳みそに刻みこむことになりますよ。正しい知識を広めるどころか、性病蔓延に貢献すらしているんじゃないかと思ってしまいました。
そんな人、モテると思いますか?そんなわけがありません!
※しみけん有料noteありがたがっている勢の皆さんへ。お前も買ってるじゃないか!モテないだろ!というツッコミができれば上出来です。そうです、モテません。こんなダラダラつっこむためだけに800円の有料noteを買う女なんてモテるわけないって分かるでしょう?私が男だったら、「しみけん?だぁれ?」っていう女選ぶわ。
【余談】性技を磨いてもモテないよ…
しみけん有料note即買い勢のなかには、しみけんみたいにセックスをうまく運べるようになれば女は自分の性技に酔いしれモテる!って思っている人が一定数いるように感じました。あくまで私の主観ですが。
しかし、性技を磨いたとしても女性にモテるようになるとは思えません。そもそも女性はセックスまでのハードルが高く、「性技を披露できる場に持ち込める=お前はすでにモテている状態」なんですよ。
まずはセックスできる関係性を築くことが大事で、しみくんにができるようになるのはそのあとです。
そもそもですが、セックス…!!むんむん…!!みたいなガツガツした男性はモテません。モテるためには、セックスから一度距離をとり、清潔感を身に着け、相手に対して気を使う、尊重するってことから始めたほうがいいと思うなぁ…。セックスを欲しがりすぎると、逆にセックスから遠ざかってしまう…、これはしみけんのジレンマとでも名付けましょうかね。
しみけんより森林原人のマインドが必要です。
【再掲】
でも買うなとは言わないよ
こちらの有料note、「性病にかからない方法を知りたい」という需要に応えられるものではないとは思いますが、しみけんが性病に関して知識を増やし、どのような対策を日々しているのかといったことは知ることができます。
そういった意味では購入する価値はあります。
AV男優という粘膜接触をしなければならないうえ、女優よりはるかに地位が低い。性病怖いからこんなん触れません!なんて口が避けても言えない現場なんでしょう…。しみけんがいかに体を張って仕事をしているのかは分かります。
しみけんの仕事への向き合い方が知りたい、という方にはおすすめです。
おしまい