大阪の経営コンサルタントGMのブログ

経営・コンサルティング・仕事・人間に関することを中心に書いていきます。

本質を掴む

今回は、本質を掴むことについて。

 

最近、勉強・資格ブームや勉強会ブームなどがあり、

知識をつけて、資格を取ることが流行しています。

 

これ自体は私は悪くないと思っています。

 

知識や資格を身に着けた人が増えれば結果的に仕事の生産性が

上がると思います。(ひいては日本全体の活性化に)

 

しかし、ここで警鐘を鳴らしたい。

 

知識を身に着ける、資格を取るということに重点を置きすぎて、

学ぼうとしている概念の本質を掴むことができていないです。

 

例えば、書籍から知識を得ようとしたときに、

書いてある内容を散発的・場当たり的に読んで終わり、という

ケースが多いと感じています。

(そういう読み方をされてない場合はご容赦下さい)

 

知識を得たり、資格を取るといった場合に以下のことが必要と

感じています。

 ①一番重要(クリティカル)なことは何なのかを見極める

 ②概念を構造化してとらえる

 

①について

ある概念は、必ず本質的に重要な事柄で言い表せます。

1~5つぐらいの事柄で。(結晶化ともいう)

例えば、営業力をアップさせたいと思った時に、営業力の本質とは

何か、となると、私見ですが「相手に対する心配り」

に集約されると思っています。

これを念頭に置いて営業力をアップさせることに尽力するのと

しないのとでは格段に成果が違ってきます。

枝葉末節のテクニック的営業では継続的な営業力につながらない。

 

②について

書籍に書いてある内容や資格は、必ず体系的・構造的になっている

はずです。(そうなっていない本も多いので残念ですが)

①の重要な事柄があって、その下部的位置づけにいくつか事柄が

ぶら下がっているはずです。

①で出てきた営業力アップでいくと、相手に対する心配りが最重要

な位置づけにあって、下部的位置づけに、ターゲティングやセールス

トークなどが来るはずです。

 

①と②を合わせると、セールストークがいかにうまかろうが、相手に

対する心配りが無ければ継続的な営業力アップにはつながりません。

逆に心配りがマックスであれば、華麗な売り文句が無くても売れるはず

です。(しかし、心配りがマックスでも商品内容を全く知らない営業マンは

信頼しづらいですが・・・)

 

①と②の上部・下部構造を備えた体系的ツリーのようなものを頭に描きながら

知識を得る・資格を取る、をしないと、単なる物知りで終わってしまいます。

知識や資格が自分の中で整理されずバラバラに蓄積されているイメージ。

 

今の時代、単なる物知りでは付加価値は出せないですし、競争相手に

キャッチアップされやすくなります。

知識と知識を合わせて知恵を生み出せるようにならないとダメだと思います。

 

但し、研究開発や科学技術の分野は上記の限りではないかもしれませんが。

 

最近、やたら薄っぺらい本や記事、資格ブームが多いので、

警鐘を鳴らす意味で本記事を書きました。

 

以上。

 

 

 

 

経営コンサルは激務か?

経営コンサルは激務なのか?とよく聞かれますので

今回はそれについて書きます。

 

私の見解は、ひとことでいうと、

 

「できる人はそんなに激務ではない。」

 

です。

 

ただし、条件があります。それは、

 ①コンサル活動の設計(対象・範囲・工数・成果)が適切である

 ②目的に沿った業務遂行である

 ③パソコンスキルや資料作成が人より早い

上記3条件を満たしている人でも、そもそも仕事が好きでやっている、

もしくはプロジェクトの繁閑でどうしても夜中までやるときがある

場合は長時間労働となります。

 

基本的に3条件を満たしていれば、プロジェクトの繁閑以外では

終電も逃すような長時間労働にならないはずです。

 

超長時間労働になるのは、3条件を満たしていないとき、

すなわち、

 ・クライアントに約束した成果が現実離れしていて人員・時間を

  追加で投入しなければならないとき

 ・構想していた活動期間を超えそうになったときに無理やり期間内

  に収めるとき

 ・思ったような成果が出ない場合に追加で人員・時間を投入する

 ・プロジェクト終盤で順調だと思っていた進捗がどんでん返しに

  なったとき

 ・目的から外れた資料を作成している

  資料作成が目的になっており枝葉末節になっている、など

 ・パソコンや資料作成が遅い

  PCのタイピングが遅い、エクセルで手計算している等

  etc

これらの状況の場合は、若手のコンサルタントは死ぬことになります。

徹夜、もしくは日数追加になります。

改善できる部分もあれば、不可効力な部分もあります。

 

これは戦略・業務・IT・会計コンサルなどに限らず共通している

と思います。

戦略以外では徹夜の話はあまり聞かないかな・・・?

 

上の役職、いわゆるパートナーレベルになると、仕事を取って

くるのが仕事なので、実務はこなしません。

そうすると、そこまで激務ではありません。

普通の企業でもそうですよね。

その代り責任が伴うわけです。

 

今回は以上。

 

追記

地方へ出張して赴くスタイルのコンサル会社や、ハンズオン(現場に入り込んで

指導する)のコンサル会社は拘束時間や指導のための時間が比較的長くなります。

 

 

 

コンサルタントに必要な資質は?

今回はコンサルタントに必要な資質とはなにか?です。

 

経営コンサルタントとして働いている人は最近多くなって

きているとはいえ、まだまだマイナーな職業です。

 

ですので、出会った人に、どんな人が向いてるんですか?

どんな資質が必要ですか?とかよく聞かれます。

 

これは唯一絶対の正解はないですが、私なりの見解を申し上げます。

 

5つあります。

①素直

②真面目

③誠実

④粘り強い

⑤地頭がよい

 

です。ほとんど出来るサラリーマンの条件とあまり変わらない

かもしれません。

強いていうなら5番目が経営コンサルタント特有でしょうか。

 

5つのうち、一番重要なのは、

 

 

 

「素直」

 

 

です。

 

意外と思われるかもしれません。

5番目の地頭の良さじゃないの?と。

というか、学歴とか資格とかは重要じゃないの?という声も

聞こえてきそうです。

あまり関係ありません。

 

素直さが一番重要です。

 

なぜか?

 

経営コンサルタントは、問題の解決にあたるときに

赤子のような素直さで立ち向かう・考える必要があります。

 

これはなにかというと、実績のある人ほど、これはこういう風に

やるんだ、こういう考えでやらないとダメだ、それは前にも

試したからダメだ、といった前提・制約条件をつけてしまいがちです。

 

これらを振り払って、ゼロベースで取り組む必要があるのです。

 

また、貪欲に新たな概念・技術が発明されたときに素直に学べるか

どうか、というのも重要です。

できる人ほど過去の成功体験に縛られがちです。

 

(素直さ、というのは経営コンサルタントに必要な資質

という枠に収まらないかもしれませんが・・・)

 

ちなみに、5つの順番は(私個人の)重要性の高い順です。

コンサルタントは責任を取らない?

今回は、本業のコンサルティングについてお話します。

 

コンサルタントは責任を取らない?です。

 

よく、初めて知り合って、かつ利害関係のない方に

経営コンサルタントしてます、と自己紹介すると、

 

「あ~あの言うことだけ言って責任取らないやつね」

 

とか言われます。

 

これは、私からすると、半分合っているし、半分間違っている

と思います。

 

よく私は大学受験等の予備校の先生に例えて話をするのですが、

どんなに優秀な先生でも、確実に生徒全員を東大に合格させることは

不可能です。

 

ですよね?

 

教え方がうまい、説得力がある、引き込まれる、素晴らしい先生

だとしても、最終的に試験を受けるのは生徒です。

生徒がどれだけ頑張ったか、です。

 

これは経営コンサルタントでも同じです。

どんなに素晴らしい経営コンサルタントでも、クライアント企業

が実施しなければ、業績は改善しません。

 

予備校の先生のときは、あいつ責任とらね~とか言いません

よね?

 

但し、気を付けないといけないのは、

先生が優秀で生徒の成績が悪いパターンならまだいいのですが、

先生が下手くそで生徒の成績が悪いパターンがあることです。

 

この後者のパターンで、俺がわるいんじゃねえ、勉強してねえ

おまえらが悪いんじゃ!と言う方がいると、責任は先生にあるのでは?

となってしまいます。(生徒に責任転嫁している)

 

経営コンサルタントの仕事も、基本的には人に対して教える・指導する

ことなので、実施するのは当人です。

 

当人が実施して成功すれば、当人の努力のおかげ、当人が実施して

失敗すれば、コンサルが悪い・責任取らない、となってしまい

がちです。

 

世の中には、詐欺まがいのコンサルを名乗る人も多いので、

責任とらないやつね、と言われると中々反論しづらいですが、

今まで書いてきたようなことがあるので、少しは

考慮して頂けると幸いです。

 

ただ、私は「結局あなた次第なんでね。」といったことは

発言しません。逆に「必ず業績を上げます。」というのも

相手があることですので中々難しい。

自己省察

今回は自己省察についてです。

 

自己省察は自分で自分を振り返る、反省する、自己の良し悪しを

判断するなどの意味です。

 

大分昔から私は思っていましたが、

 ・他人を評価、判断する

 ・他人を思いやる

 ・共感、共鳴する

 ・鼓舞する

等の行動には、自己を省察することが大変重要です。

 

これはなにかというと、

自分が何者であるか、なにが強み・弱みなのか

自分の性格・性質・気質・得意、不得意分野などの状態

を知り抜かないと、

上記の事柄は実施できないということです。

 

自分を極限まで客観視出来る人は、他人を見たときも

ブレずに冷静に適切に評価・判断ができます。

 

この自己省察が弱い人は、空気が読めない・

自分の発言が相手にどう影響を与えているか

が全くわからない、自分は言われてもなんとも思わないこと

だから相手に言っても大丈夫だろうと言う・・・

などが起こります。

 

この自己省察をするには、「沈思黙考」が必要です。

 

静かな部屋で一人孤独に思いに耽る時間が必要です。

 

今の時代、テレビやパソコンやスマホが周りに

溢れている中でそういう時間を取ることは難しい

かもしれませんね。

 

 

 

昔と今の学び方

今回は学び方について。

 

ある記事を読んですごく感心したので書いてみる。

 

昔の人と今の人で物事に対する学び方が異なるらしい。

 

昔の人

①まず実践で転んで怪我して失敗する。

②理論を勉強する

③実践して失敗したことは理論としてはこういうことだったのか

 と学びを深める

 

今の人

①まず理論を覚える

②実践で転んで怪我して失敗する

③なるほど、教科書で書かれていたことは実践ではこういうこと

 だったのか、と学びを深める

 

どっちのアプローチが正解というわけではなく、

世代間によるギャップの差、ということです。

 

この記事を読んで、なるほどなと思いました。

昔の人はとりあえず実践して失敗して得るのが当たり前だ!

みたいな言い方だし、今の人はまずやり方を教えてください

というスタンス。

 

これは喧嘩になりますね(笑)

管理会計2

管理会計に関する内容を改めて書きます。

 

ただ、教科書的なことを書いてもつまらないので、

 

管理会計の本質をついた内容にします。

前回、管理会計というネーミングが気に入らない、というお話をしました。

 

本質的な管理会計の意味からすると当然です。

 

学者さんや会計士の方は否定されるかもしれませんが、

管理会計を広義(より抽象的・本質的表現)で捉えると、

 

数字で物事を見える化する、というのが定義だと思います。

 

これはなにかというと、物事の大小・長短・軽重・遠近などを比較・判断

するときに「数字」を用いないと客観的にできないというものです。

 

例えば、ダイエットをするときに、すごく運動した、とか今日はご飯少なめに

した、と言われても、第3者が客観的に善し悪しを判断できません。

 

しかし、今日は3,000kcal消費した・1時間運動した・1,200kcalだけ食べた

と数字で表現されれば、大小が一瞬でわかります。

 

そういう意味で、なるべく物事を数字化することにより、物事を判断

できる素地を作ろうというのが管理会計の本質です。

 

数字で物事を捉えるのは、なにも普段数字で表現されているもの以外

でも大丈夫です。視点を柔軟に捉えることが重要です。

 

例えば、営業マンが一日に電話をかけた回数は?とかお腹を壊した方が

トイレに入った回数は?とか社内イントラ辞書を使った回数は?とか

スマホを眺めている時間は何時間?とかなんでも数字化できます。

 

ただし、数字化すれば全てが解決するわけでもなく、逆に数字を取得

することが目的化して本来の目的が達成されないといったケースもある

ので気をつける必要があります。

例えば、警察の駐車違反のノルマ。交通の安全や往来の円滑さが

本来の目的なのに、駐車違反を見つけることに躍起になる・・・等。