虚勢
最近は、仕事への集中力がなぜか高まってきている。ここ数年の仕事のパターンを顧みると、出社後にとりあえずスケジュールを確認する、軽くこなせる雑事をこなす、そして次に課題にとりかかろうかと考えるが、その困難を想像すると怯んでしまい、一呼吸入れる。そこで緊張感が切れてしまう。そしてその後のスケジュールがきつくなるという悪循環を繰り返していた。
あるひとつの喪失経験を経たことでその循環が変化してきている。集中できるものの対象が減ったことも大きいのかもしれない。仕事にこんなにも集中できたのかと新鮮な驚きがある。そう考えると、あの時はどのような気持ちで行動していたのだろうと思う。なにか浮き足立ったような気持ちで毎日を過ごしていた。どこのどんな場面を思い出しても自分は「虚」であったような気がする。充実していたと思える時間さえも「虚」であった。ものごとに対してどのように立ち向かうのかわからずにおどおどしていた。真剣なつもりでもそうではなかったと今更ながらに思う。本当に悔しい。
この感覚は忘れてはならないし、この気持ちを生んだ喪失経験も忘れてはならない。
脚下
漫然と続けているゴルフの練習に対して、自分なりにテーマを設定してみた。スポーツにとって、バランスをとるための下半身の安定は欠かせないものだ。そのため、太ももに意識的に力を入れて下半身を安定させようと試みた。すると、単なる「打ちっぱなし」にちょっとした変化が生まれてきた。自分が放つ一打一打に対して、ああだこうだといちいち考えるようになり、良い意味での試行錯誤をするようになった。
下半身の動きに上半身が取り残されて真正面を向いていたり、太ももを意識的に使わないと身体が斜め右を向いていたりする。わかっているつもりでいたが、意識的に足腰を使わないと正しく合理的な動きを導き出せない。つまり、無意識的な良いフォームを作り出そうとすれば、大腿や腹筋の鍛錬は不可欠となる。
端正なフォームを披露してくれるプロスポーツ選手は、筋肉の部位までをもコントーロールしているのだ。
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憧憬
その言い方が人を怒らせる―ことばの危機管理術 (ちくま新書)
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快走
気ままなドライブやサイクリングとなると、やはり気持ちは海へ向かう。遠回りになっても海沿いの道を走りたい。
海の開放感とそれを見下ろす山の景色、そして風とがとても気持ちがいい。日々、建物の中で過ごして電車に揺られて過ごしているホコリっぽい生活である。少し場所を動かすだけで、人間の気持ちは大きく切り替えることが出来る。そしてそれが多少なりとも明日への活力になっているのだろう。
空のタンクを満タンにするかのように、いい刺激を受け上手く切り替えが出来れば、毎日のエネルギーは充実する。
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引き寄せ
先輩というか遊び友達と言うべきか、とある人物から突然に電話があった。電話の画面に現れた彼の名前を見て、何か用事があっただろうかと頭をはたらかせたが思い当たらない。電話に出てみると、きのう飲みに行くはずだったのに「行けなくて悪かった」という詫びの電話であった。自分としては、毎日のように飲みに行っているので、一回ぐらい誰が来なかったなどといちいち気にしていない。それなのにわざわざそのような電話をしてきてくれて恐縮してしまった。
いちいち気にしないと言ったが、実はその彼が来ていなかったことはわかっていて、忘れられたかなとは思っていた。来ないのは先輩の自由であるし、自己中心的なキャラクターもあるので、力関係で言えばこちらに主導権はない。だからこそ、詫びの連絡に妙に感心してしまった。そしてとても爽やかにも感じられた。ちょっとした挨拶でも人の心を掴んでしまうものなのである。
野村ボヤキ語録 人を変える言葉、人を動かす言葉 (角川oneテーマ21)
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本願
人に話しかけたり、働きかけるのが苦手な性格である。やってみたいことは、他人から誘われてたまたま出来たということが多い。「誰かがやってくれるだろう」という考えを心の奥底で持ってしまっている。また、人にお願いすることも億劫である。これには、この依頼が迷惑ではないか、嫌がられないだろうかという思考が含まれる。それがあまりにも高じると、さすがに生活や仕事に支障が出てくる。生活においては後悔が生まれ、仕事においては様々な不利益が付きまとう。
やらないこと、動かないことによってその先がどうなるのか想像をめぐらすことが足りない。いや、わかってはいるが動かずに痛い思いをしてから「やっぱりこうなった」と、自分の予想が当たったことに腑に落ちる。怠け癖というか変な諦め癖というべきか、とても悪い癖である。嫌な思いを背負わずに軽く生きたいものである。家族や責任など他に背負わなければならないものは沢山ある。過ぎ去って後悔することが予想出来ているなら、そうならないように主体的に行動を起こすのみ。話しかけることなんて、口の筋肉を少し動かすだけのことだ。
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