Buzzov•en / Sore








 

アーティスト:    

タイトル:    

ジャンル:    [stoner] [doom] [sludge] [old school] [legend]
[southern] [70s hard rock] [epic]

US 1994

Roadrunner Records 
RR 8998-2



メンバー:

Kirk     Vocals [Insults], Guitars

Ash Lee     Drums

LeDarrell     Bass

Buddy (R.I.P.)     Guitars



プロデュース:    



曲名:

1.     Sore     09:20     

2.     Unwilling to Explain     02:16      

3.     Hollow     05:09      

4.     Done     02:46      

5.     I Don't Like You     05:42      

6.     Broken     06:07      

7.     Pathetic     06:16      

8.     Should I     06:20      

9.     Behaved     02:31      

10.     Blinded     04:14      

11.     Grit     02:42      

12.     This Is Not....     19:41      

      01:13:04    





データ(terapad 10行):



PURSON / The Circle And The Blue Door











UK 2013 

Rise Above Records  RISECD152





BLOOD
CEREMONYからフルートとハードロック成分を抜いてサイケ成分を多めにしたような音で、当然メタルっぽさなどはほとんどない。昭和歌謡が好きな人に
アピールすることも出来るんじゃないかと思えるような音だけども、歌謡曲よりもずっとゴスっぽい手触りがあって、本人たちもインタビューでそのよ
うに公言している。というか中心人物のRosalieが前やっていたIPSO
FACTOというバンドがゴス方面らしい(こっちは聴いていないのでよくわからん)。

さて、こういうのは大好きな音のはずなのに、いまいちのめり込めなかった。何が不満なのかとよく考えてみると、自分はこの手の音にブラックミュー
ジックの影響を求めているようだ。このバンドの話に日本のグループサウンズ(以下GS)を持ち出すのはどうかと思うけど、私はGSが結構好きで、
ちょこちょこ聴いている。GSも黒いビートを指向しているバンドは、わかりやすい歌謡曲のふりををして足腰からファンク成分が漏れ出ていたりして
えらくかっこい
いんだけど、PUROSNはそこまで黒人音楽を指向していないように感じるので、そこが不満だったのかもしれない。まあ、生でライブ見てみないと
わかんないけど。これは単純に好みの問題。本当はフォーク寄りのバンドとして聴くべきなんだろう。





MEMBER:

Barnaby Maddick : Bass

Jack Hobbs : Drums

Samuel Shove : Keyboard, Mellotron, Wurlitzer

Rosalie Cunningham : Vocals, Guitar

George Hudson : Guitar





SONGS:

1. Wake Up Sleepy Head

2. The Contract

3. Spiderwood Farm

4. Sailor's Wife's Lament

5. Leaning on a Bear

6. Tempest and the Tide

7. Mavericks and Mystics

8. Well Spoiled Machine

9. Sapphire Ward

10. Rocking Horse

11. Tragic Catastrophe





データ(terapad 10行):





PRONG / Ruining Lives

Ruining Lives

Ruining Lives

発売されているのを知らなくて、昨年の後半に慌てて買った1枚。いまだにヘビロテになっています。いやはや、個人的にはPRONGの最高傑作、もしくは『Cleansing』とタメ張るといって差し支えない内容でした。少なくとも復活後の作品の中では最高なことは間違いないです。
まあ、ジャケもフォークの尖った先(prong)で目玉をぶっ刺すという『Cleansing』オマージュなものだし、メンバーも手応えがあるんでしょう。


再始動直後の彼らはまだまだ90年代のヘビーなサウンドを引きずっているような印象で、正直あんまりピンと来なかったんですが、以降リリースを重ねるごとに元々無駄の少なかったそのサウンドのさらなるシェイプアップが進むと同時に、全体的にテンポアップが進んできました。前作あたりで、もうほとんどスラッシュメタルのようなビートと刻みリフを有していましたが、元々彼らはデビュー当時「西のSUICIDAL TENDENCIES、東のPRONG」と称されたハードコア/クロスオーバーの出であるわけで、『Cleansing』でも「Cut-Rate」とかカミソリスラッシュなナンバーがあったし、本来もっていた要素が整理されて出てきたという順当な変化だと思います。


今作はスピードアップに加え、前作あたりで顕著になったメロディーの充実が大変すばらしく、#4とかほんと悶絶します。メロディーといってもメタル的な仰々しかったり雄々しいものじゃなくて、シンプル(メタル的なメロディーを期待していると、人によっては地味に感じるかもしれません)でポップともいえそうなものですが、楽曲の疾走感と演奏の切れと合わさってぐっと来る場面も多し。CARCASSともFOO FIGHTERSともどちらでもツアー一緒に回れそうな、ありそうで意外と他に類を見ないサウンドになりつつある気がします。



かつて血肉としたインダストリアル要素はすっかりなりを潜めましたが、四つ打ちダンスビートにその面影を残してますね。通勤電車で聴いているので低音部分は余りよくわからず、バスドラほんとに四つ打っているのかスネアの音と混じって判然としないのですが、ノリは間違いなくダンスビート。メタリックなリフとダンスビートの組み合わせなんて、彼ら以降にも大量に作られてきたので珍しくも何ともないですが、前述のメロディーが合わさることで何ともいえない高揚感が生まれるので、これは無くして欲しくないなあ。


アルバム全体をみれば、冒頭からザクザクにスラッシーなリフで始まり、かなりアグレッシブな印象を受けるはず。サウンドプロダクションも、最近のメタルに多いコンプかけ過ぎでエッジがとれてしまったような丸いものではなく、すっきりかつ鋭い仕上がりで、この辺もポイント高いです。


3月には早くもカバーアルバム「Songs From The Black Hole」が出るそうなので、来日してくれんかなあ。
しかし、このカバー曲のリストもすごくいい。

EYEHATEGOD / ST

EYEHATEGOD (アイヘイトゴッド)

EYEHATEGOD (アイヘイトゴッド)


14年ぶり5枚目。まさかオリジナルアルバムでEYEHATEGODの新作が聴けるとは…と今年に入ったあたりからわくわくしてました。初めて聴いたのはもう20年近くも前になるんだと思うと目眩がしますね…。

バンド名以外の情報をほとんど知らずに手に取った1stはほとんど事故のようなもので、当時は確かデスメタルもCATHEDRALの1stも通過済みで、激しい音楽にはそこそこ免疫ができつつあったのに、再生して2〜3曲でいやーな気持ちになったのを覚えています。スローでヘビーなのに突然スイッチが入ったかのように突っ走る展開や、なんかもういやーな感じしかしない絶叫ボーカル、サバス風なのに全然メタルっぽくないグラグラしたグルーブ、田舎の離れでいやーなことが起こっているのを壁越しに聴いているかのような劣悪な音、などなど、何じゃこりゃ的な驚きにあふれておりました。


さて、肝心の新作の感想としては、「音良くなったなー」「でもかっけー」という頭の悪い2センテンスくらいしか浮かんできませんが、楽曲も演奏もいい意味で相変わらずで、よい1枚だと思っています。




個人的に、EYEHATEGODというと「サウンドプロダクションにこだわりがあるバンド」というイメージを持っています。これは、高音質ないわゆる「いい音」で録音するバンド、ということではなく(そういう意味では真逆)、自分たちの表現したいもの―楽曲、演奏、歌詞、世界観に合ったサウンドプロダクションで録音するという意味で、1stとか、音質は劣悪ですが、あの音が、曲・演奏・ジャケットなどの世界観にあまりにもぴったり合っていて、あの音質しか考えられないくらいのハマりっぷりです。

楽曲が整理されてEYEHATEGODのスラッジが完成した2ndでは音質の方も少し整理されると同時に生々しくごっつい音になったし、それをさらに突き詰めた3rdでは嫌がらせのような低音ブーストの極悪音に。
復活後の4thから、それまであったサザン成分が増大されて聴きやすさが増して、音の方もパートの分離がよいクリアなものに変わりましたが、このアルバムの延長にあるようなのが本作。いわゆる高音質ではないけれども、音が悪いなあと思う人はいないんじゃないだろうか。


作品ごとに作品に見合った音を選択するのはミュージシャンなんだから当たり前なんだろうけど、彼らはかなり強く意識してるんじゃないかなーと勝手に思っているのです。実際、今回はストレートなハードコアナンバーもいくつか入っていて、スラッジな曲にしても、あまり拷問のような場面はなく、楽曲的にも聴きやすいものが多い気がします(彼らにしては)。


正直もの物足りない部分もなくはないんですが、災害やメンバーの死や投獄を乗り越えてこうして新作を出してくれてありがとうという気持ちでいっぱいです。あと、物足りない部分もライブ見たら多分消えて無くなりそうな気もします。
極端な音が後退したおかげで、彼らの持っている普遍的な魅力が浮き上がってきたようにも思われ、まだEYEHATEGODやスラッジ、ストーナーなんかを聴いたことがない人にもお勧めしたい1枚でした。


EYEHATEGOD / ST

DOWN IV Part 1&2

ダウンIV~パート1&2~

ダウンIV~パート1&2~


IVのPart1が出たときに、買おうかなーと思ったのですが、そのうちPart2が出るらしいと知り、どうせならまとめて聴きたいとPart2が出るまで我慢をしてたのですが、これが結構長かった…さっさと購入しておくべきでした。

通して聴いてみると、どちらもこれまでのDOWNよりドゥーム成分が多め。あちこちでいわれているように、Part2の方がよりドゥーム度が高いものの、Part1の方もなかなかです。


不思議なことに、あまりDOWNらしくないな〜と思うような場面もちらほら。彼らって、自分たちの好きなことを好き勝手にやっているバンドという印象が強くて、ヘビーな曲の中にジャジーなパートやディープサウスなブルーズを混ぜ込んだり、ということをさらっとやる自由さも彼らの魅力の1つだと感じているのですが、今回はドゥーム度が高いせいか、自分たちを型に押し込めているように感じるところも。
色々できる才人が、自分の好きなこと1本に絞って攻撃してきたわけで、破壊力はもういうことナシなんですが、ちょっとあの豊かさが恋しく感じる場面もありました。ただ、DOWNは聴きこむごとによくなるタイプの音楽なので、来年には感想変わっているかもしれません。



さて、今年出たPart2ではカークの叔父貴が脱退しております。DOWNのツアーではフィルの喉を休ませるために結構休みが挟まれるそうですが、カークはそういうオフの日が好きではないようで、可能であればガンガンとショウをやりたい人なんだとか。演奏できないのであれば…とオフの日に他のプロジェクトのことをやりたくても、ホームから離れた土地でそうそうできるもんではなく、そうした状況を変えてCROWBARに集中したかったというのが理由のようです。

http://newnoisemagazine.com/interview-crowbars-kirk-windstein-talks-album-love-family-relationship/
http://www.revolvermag.com/news/interview-crowbar-frontman-kirk-windstein-talks-new-album-symmetry-in-black.html


カークのリフワークとか作曲のセンスってDOWNでかなり重要な位置を占めているような気がして、今後が若干心配なのですが、相変わらずフィルをはじめメンバーとは仲がいいようなので、フィルが行き詰まったりしたら曲作りの手助けみたいな形で関わってくれるのかもしれません。


カークの叔父貴の後任として加入したのは、HONKYのBobby Landgrafなる人物。DOWNのステージマネージャーも務めていたとあるので、彼らとの関わりも深いのでしょう。で、このHONKYというバンド、 bass&vocalがあのButthole Surfersのベーシスト、Jeff Pinkus。いやーこんなことしてたんだ。全然知らなかったんだけど、視聴してかなりツボだったので早速購入してしまいました。メタルな要素は少なくて スライドギターがいい具合にうねるコンパクトなサザンロック。ごつくないんです。陽気で埃っぽいいい塩梅なのですが、全体的にどことなく 崩壊しそうな不穏さを感じてしまうのは、Butthole Surfers関連という先入観でしょうか。DOWN好きでBobbyのプレイに興味のある人は聴いてみても損はないと思います。



Balls Out Inn

Balls Out Inn

CROWBAR / Symmetry in Black

Symmetry in Black

Symmetry in Black


重くてザクザクに切れ味が良いひんやりとした黒い鉄の塊。


ニューオーリンズの激重メタルバンドの10作目。今年で結成25周年になるんですねえ、もう十分ベテランの域に達したかのある彼らですが、まーったくブレることなく、独自の激重ヘビー路線を貫いております。


相変わらずクオリティは高く、スタイルにも大きな変化はありませんが、若干様子が変わってきたような印象も。これまでとにかく密室のような閉塞感を伴っていた音が、相変わらず重々しいものの巨大といってもいいようなスケール感のある音に変わっているように感じます。私はセルフタイトルの 2ndと、98年の5th「Odd Fellows Rest」、2000年の6th「Equilibrium」の3枚しか持っていないので、本作特有の音ではなく、ここ最近はこういう傾向にあるのかもしれません。



この印象ってどこかで同じようなものを感じたことあるなあ、と思い返してみると、METALLICAのブラックアルバムでした。ヘビーなのにものすごく広がりを持った、途方もなく巨大な石造りの大聖堂で鳴っているかのようなあの音。あそこまでではないですが、本作も広がりを感じさせる音が鳴っていると思います。ただその質感は青空的な爽快感を伴うものではなく、日の落ちてひんやりとしたアメリカの荒野を思わせるものですが。
全体的に確実に洗練が進んでいるので、昔の荒々しさや危うさは減退していますが、それを補って余りある音の気持ちよさと楽曲のクオリティのおかげで、個人的には断然名作と判断を下したい一枚です。あと、昔っから彼らのギターサウンドは圧倒的にいい音をしていますが、本作も歪み過ぎず芯があり、肉厚でザクザクで最高ですね。


新作に合わせて改めて昔の音源を聴き直してみると、カークはほんとに稀代のリフマスターですねえ。シンプルなのに、どこか「おお」と思わせるフックを仕込んだしびれるリフにあふれています。本作も、CROWBARの代名詞でもある、6弦をぐうぃーんとチョーキングするあのフレーズを絡めたリフもそこかしこに。彼が抜けたことでDOWNがほんの少し心配になるというのが正直なところです。