川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

或る中国語学習者

2月だから今年の遅い、中国語サークルの新年会の席(浅草の中国料理店)で、どんな話の流れだったろう、Tさんが唐突に「親父とは二度と会いたくないからね」と呟いた。そこから彼の身の上話を聞くことになる。 Tさん自身すでに70半ばに達しようとしている…

マンスリーで人生はステップアップするもの

火曜、雨の夜。飄逸に歩を進めるFさん。この人が中国語学習会のコアになっているから25年もつづいているのだ。馴染みの店で紹興酒をちびちびやりながら、「途中で何年か九州に飛ばされとるじゃろ?」と古参の会員に同意を求めるFさん。「どうしてですか?…

酒肉朋友

フェイフェイが春節を故郷の青島で過ごすため帰っており、FさんとHさん(男性)、プラス僕の酒肉朋友、そして今回ゲスト参加の中国語サークル仲間Oさんの4人で晩飯を食っている最中、フェイフェイがいないのなら、このあと(彼女が普段いるスナックに)…

ボタンを買いに(再)

年をまたいで再度ボタンを買いにいった。中古で手に入れた黒のカシミヤジャケットが家にある。これがプラスチックのボタンまで黒で、全体に真っ黒だ。これを変えたかった。 着物姿の若人が散見される雑踏。三宅唱『ケイコ 目を澄ませて』(2022)やヴィム・…