川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

人、どこかでそれを読む?

5月、石岡市の八郷蒸留所近く。 先日の昼間、下町の隘路を歩いていると、不意に植物の懐かしい匂いがした。この匂いは自分が少年だった頃、頻繁に嗅いだ匂いなのだと思わず立ち止まった。辺りに人気はなく、雑草が強い光を受けながら揺れているだけだった。…

或る中国語学習者

2月だから今年の遅い、中国語サークルの新年会の席(浅草の中国料理店)で、どんな話の流れだったろう、Tさんが唐突に「親父とは二度と会いたくないからね」と呟いた。そこから彼の身の上話を聞くことになる。 Tさん自身すでに70半ばに達しようとしている…

マンスリーで人生はステップアップするもの

火曜、雨の夜。飄逸に歩を進めるFさん。この人が中国語学習会のコアになっているから25年もつづいているのだ。馴染みの店で紹興酒をちびちびやりながら、「途中で何年か九州に飛ばされとるじゃろ?」と古参の会員に同意を求めるFさん。「どうしてですか?…

酒肉朋友

フェイフェイが春節を故郷の青島で過ごすため帰っており、FさんとHさん(男性)、プラス僕の酒肉朋友、そして今回ゲスト参加の中国語サークル仲間Oさんの4人で晩飯を食っている最中、フェイフェイがいないのなら、このあと(彼女が普段いるスナックに)…