ポンコツ香港雑記

2016年9月から香港中文大学に交換留学している大学生の日記

comix home base 動漫基地

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湾仔の新たなカルチャー拠点に行って来た。

まだ工事中の場所も多く展示もほとんどなかったけど…これからに期待。

中にはやたらお高いレストランや、雑貨屋がある。リノベーションされたらしい建物はPMQと同じようにモダンさとレトロさの合わさった良い空気感。

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このキャラが至る所にいる、かわいい。

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吹き抜けの下ではアートと微塵も関係のなさそうなおじさんがそれぞれ座って休憩していた。

漫画図書館というか、満喫のようなスペースがある(ほんの一部屋)が、そのうち1/4は日本の漫画の翻訳版だった。何を思って簡易読書スペースを作ったのだろうか…古本屋のほうがまだ系統だって色々ある。

日本のブックオフで立ち読みしていた頃が懐かしい。

香港は、芸術取引額は世界最高に近いらしいが、日本でふらっと上野の美術館に行くような文化は全くない。

だが香港政府の今後成長を期待する6産業にアート分野も含まれており、これから力を入れていくであろうことは確かである。

ポップカルチャーで台頭する日本、伝統とエネルギーを併せ持つ中国、新興東南アジア諸国、これら3つのハブとして、良い化学反応が起きることを待ち望んでいる。

リッツ・カールトン香港で飲茶

いくら美食大国香港にいても、学生という身分では奮発したご飯になかなかお目にかかれない。
香港への観光客は「中華圏としての香港」を楽しみにくるが、香港にいる人の実感する香港イメージとは少し乖離している。これを特に強く感じるのは、旅行者の「中華料理」を食べたいという要望を聞いた時だ。もちろん香港には広東料理上海料理をはじめとする中華の有名レストランが揃っている。しかし、香港にくるにもかかわらず香港料理があることを知らず、日本でいう「中華料理」の上位互換や高級食材だけを期待してくるのは違和感がある。それなら半額で食べられる中国本土に行けばいいのに。
せっかく香港にくるんだから、有名ホテルの中華だけでなく、街中のパイナップルパンや茶餐店の鴛鴦(ユンヨン)茶、焼味(ロースト)、米線なんかを試してみてほしい。
前置きが長くなったが、日本から親戚が来てリッツ・カールトン102階「天龍軒」のミシュラン高級中華をいただくことになった。
3週間前くらいに電話して予約。

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船が浮いていていい眺め!

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開放感があって落ち着く。年齢層は若め(20代後半から50代前半くらい?)

ディムサム(飲茶)が食べたいということだったので飲茶メニューを注文。

なんにでもイベリコ豚、鮑、フォアグラが絡んでいる…!一品3〜4人分で90〜140HKDだ。

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菠蘿包(パイナップルパン)に肉とパイナップルの入ったもの。添好運はこれで有名だけど、そちらのものとは別物だった。パン生地がもっちりしていておいしい。

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蘿蔔糕(大根餅)と貝柱。普通の味。

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蝦(海老)腸粉。海老が直径5センチくらい、厚みもあってプリプリ!腸粉の常識を覆された。

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イベリコ豚腸粉。豚の脂っぽさと腸粉の柔らかい皮の相性はイマイチ、ボンヤリしている。甘めの醤油はおいしい。

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海老餃子たけのこ入り。金粉がついていると海老餃子の宝石のようなつぶらな艶やかさが強調されてかわいい。

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叉焼包。生地がシフォンケーキのようにフワフワもっちりでおいしい!

これにタロイモペースト入り馬拉糕、チャーハンを注文。写真忘れ。わたしはタロイモの甘さが苦手だったのだが、これは甘さ控えめでおいしかった。

クッキーとタロイモムース?がついてきた。

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これで満腹、一人3000円程度だったよう。

普段は一品20ドルくらいのディムサムばかり、至れりつくせり高級飲茶は落ち着かなかったが、目を楽しませる料理は久しぶりで面白かった。

新年快樂!

友達の友達の家で新年飯(poon choi)をいただく。お家があるのは新界の西側、朗屏(ロンピン)というところで、初めて訪れた。そちら側は一駅の間隔が3〜4分あって日本の鉄道のようだ。

恭喜發財(ゴンヘーハッチョイ)と言うとお年玉をもらえる。香港では20ドル程度を既婚者が血縁関係なく未婚者にばらまく慣習があるので、初対面の私たちだけでなくマンションのドアマンなどにも渡す。

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大家楽という大手チェーンの新年鍋セットを温め、缶詰め鮑を投げ込む。鍋は全体的に茶色い(香港の通常仕様)

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中身はきのこや海鮮、豚の皮、鳥足など多岐にわたる。

それと一緒に年糕や大根餅を食べる。

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ここでもやはり、香港の人たちはアルコールはとらない。

昨日今日とローカルのお宅にお邪魔して気になったこと、これを一般化していいのかはわからないけれど。部屋の電気を昼間つけないので暗い。窓が小さく建物が密集しているから自然光は殆ど入らないのだが真っ暗な中で過ごしていた。あとテレビは  視台というチャンネルが強いようだ。

その家から少し移動したところに、light railという路面電車がある。わたしはこの存在を知らなかったので新たな世界の広がりに驚いた。

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6路線ある小MTR世界が広がっていたとは。香港の乗り物事情は益々面白い。トラムと違って線路は道路と仕切られているが改札や踏切はなく、日本でいう都電荒川線みたいな感じ?の緩さだ。運賃も2ドル程度。駅の名前もbutterflyとかバス停のよう。

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車両の形もかなりバリエーションがある。

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天水圍駅近くには歴史のある村がある。

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レトロなのにどこか洒落た建物だ。レンガに鮮やかな南国の花が映える。

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爆竹が花びらのように落ちている。


離島プチ旅からの新年パレード@チム

自然豊かな漁村と世界有数の都市の熱気を1日で味わい尽くすことのできる香港は本当に面白い。車もいらないコンパクトさが好き。

塔門(Tap mun)という離島へ行った。西貢地区の黄石埠頭からフェリーで5分と少し、香港の東側にある小さな島だ。この付近は海岸線が複雑で島がたくさんある。

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港近くに水上住宅が集まっており、島の半分は森だ。

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「新有記」のうにチャーハンがおいしいと聞いて行ったのだがいかんせん元旦、ほとんどの店が閉まっており、探しながら歩いているうちに森にほど近い天后廟についてしまった。爆竹の残りで地面が赤く染められている。

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島の若者なのか大学生くらいの人たちが獅子舞をやっていた。天后廟で挨拶をしてから各家庭に回って行くようだ。写真を撮ろうとしたが、彼らのパフォーマンスはやる気がなく、後ろ足担当に至っては頭を出してウェディングドレスよろしく布を持っているだけだった。

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すっからかんの道でほぼ唯一開いていたレストランでウニチャーハンとウニ雲呑を食べる。

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子守をする母親とテレビを見ながら家のようにくつろいだ。

この島、牛だらけ!

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牛のフンがあちこちに落ちている。とんでもない大きさなので笑えない。臭くはないのがせめてもの救いだ。その隣でテントを張ってキャンプする人がいるのだから面白い。実は牛がウロウロしているのは島だけではない。来る途中の香港の海辺の道で牛に道をはばまれバスがしばらく困っていた。

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天気が悪くなり海風と雨に煽られながらベンチで大根餅を食べた。

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島は3〜4時間あればすっかり回れてしまうので、そこから西貢に戻り満記甜品の本店で休憩し、急いで尖沙咀へ!(西貢はレストランがたくさんあるのでまた来たい)

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旧正月パレードは廣東ロードから北京ロードを通ってネイザンロードへ、コの字にまわっていく。私たちは人が比較的少なく道幅が狭い北京道に待機した。8時スタートだが5時半時点では最前に普通にスペースをとれた。他の道は既に沿道が埋まっていたので穴場かもしれない。

時間前から予行演習的にいくつかの団体が回ってきていたので飽きることなく待っていられた。

アメコミコスプレ集団。こんな趣味でも前座できるとは…

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肝心の開始時間になると音沙汰なしで暇を持て余すこと30分、ようやく団体が流れてきた!毎回スポンサーのキャセイが先頭で、そこからダンス教室や中学校、企業、各国の出し物が交互にくる。

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サンリオ!

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ぐでたま襲来、香港特有の張り出した看板につかえそうなサイズ感だった。

ドイツの大道芸

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香港にいればお馴染みのブランドたち。

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GOとSTOPのプラカードで道が区切られ、流れを調節しているのでプラカード付近にいると止まって行うパフォーマンスがしっかり見られる。

ベリーダンスグループやバレエ教室。

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伝統の獅子舞

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金髪のねえちゃん集団に場が湧いた。

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また団体によってはモノをばらまくので必死にもらおう。私は今回ニワトリレゴキット、ディズニーステッカー、風船の指輪、光る腕輪をもらった。

いよいよディズニー!

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ディズニーはほんの一瞬だった……

政府機関訪問とローカルおおみそかの手作り蘿蔔糕

午前中は商工会の関係で香港への企業進出支援をしているinvestHongKong、香港から世界へ展開する支援をしているHongKongTDCという二つの政府機関を訪問し、日本企業がどのようにこれらを活かせるか考えるため聞き取りに行った。

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授業でもないのに1.5時間話を聞いたり質問するのは大変だったが、とても面白かった。私は学生で実務経験がないので、実務経験豊富な会長の質問内容に驚くばかりだった。

そこから北角近くにあるローカル友達Dのお宅へ。(香港にしては)広い!静かでゆったりとしている。D母は料理が得意なので、ここで大根餅(蘿蔔糕、ローバーゴウ)を教えてもらって作った。大根丸3本を使う。

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香港のお家の特徴としてキッチンが細いことが挙げられる。間取りの余ったスペースに差し込んでいるのかと思うほどに、これまで訪問した3件ともすれ違うことすらままならない狭さだった。だが、ローカルはどの家にも大きな中華鍋がある。

ただ、家族のある家庭でなければ料理はあまりしないのでキッチンが小さくても問題はないよう。

のちのち冷蔵し、切って焼いた大根餅。

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Dの部屋がポスターだらけ、バスのレプリカ(香港は鉄道よりバスオタがメジャー)が置いてあるいわゆるオタ部屋で笑った。

その後近くの親戚の家へ移動し、福建式の正月ご飯をいただいた。ピーナッツ粉、海藻、春雨や海鮮、豆腐などをチャパティのような生地にのせて巻く。

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とてもおいしかったがボリュームが多いので二本で満腹。

10人近い親戚のうち2,3人が料理をし、残りの皆は食べながらぼんやりテレビを眺めている。日本のいつもの年末年始を思い出した。

初めてテレビを見たのだが、最初テレビドラマは20年前の再放送かと思った。違ったのだが。セットで化粧の濃い人たちがわちゃわちゃしている。香港のテレビはありえないつまらなさらしい。

広東語の話をしていて「ピーナッツが好きです(我鐘意食花生)」は、他人の不幸を喜ぶという意味もあると知った。みんなで食べる落花生を隣の分までとるというところから来ているらしい。

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紅磡(ホンハム)トンネル前、車がとんでもない量だった。橋の上から左右を眺めた紅白の対比が美しい。

政治風刺とキャラと食の総合アミューズメント、花墟

銅鑼灣のビクトリア公園でやっている花市場に行ってきた。日本のお祭りのように屋台が並んでいるのだが、半分は生花、もう半分は食べ物やキャラクタークッションなどグッズ。屋台を出しているのは中学校や大学のサークルから、政党、教会まで様々な団体だ。

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キャラクター大好き香港人らしいアイテムたち。ライセンスは全く無視だろうけど。

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政党は言論の自由とか民主自決とか書いたグッズを売っている。日本なら「ストップ!改憲法案」とかになるのだろうか?

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次期立法長官に立候補している人が来ていて人が群がっていた。

政治風刺の色がとても強く、香港の政治を知っている人ならクスッとしてしまうようなグッズがある。ランチョンミート模様のクッションとか。知らない人からしたら全くわからないが(わたしもわからない)。天安門事件の真相という写真ブースなんかもある。

そういえば大学にある自由の女神像は、もともと天安門広場にあった女神像を作ったのと同じひとの作品らしい。

毎年立法長官が視察にくるのだが、ここ数年は風刺が多すぎるせいか来ていないという。

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モノを売るのに壇上で話す人。

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花市場は水仙や超高級な胡蝶蘭などで溢れている。

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頼んだ言葉をかいてくれるブースで万事上手くいくよう書いてもらう。

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気前のよいおじさん、わたしの名前をきいてもう一筆名前を含めた四字熟語を書いてくれた。偶然だが自分とゆかりの深い人の名前の字が2つ付け足されていて驚いた。

書いてもらった紙と、配っていた金魚を机に飾ると華やかになる。

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すあまのような食感で優しい甘さの砵仔糕。

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ピーナッツ餅。どちらもおそらく上新粉で作られている。日本の伝統菓子より柔らかめの食感、控えめの甘さがおいしい。

お祭りを楽しんで、點點心でディムサムを食べ、今日公開のLALALANDを観た。あまりの多幸感に開始10分で涙し、そこからまたフワフワと陶酔感に包まれ、一瞬も気の抜けることなく引きこまれていた。それ以来ララランドのサントラしか聴いていない…

旧正月の威力

電車混みすぎ!金鐘で3本電車を見送った。

花束や段ボール箱をひきずる人。日本だとスーツケース以外の大荷物を持った人は見ないが、香港ではしばしば人一人入れそうな段箱や、ビニールシートのような素材でできたバッグを運ぶ老人を見かける。

自分のなかでは年末という気がしないので、本当に奇妙な気分だ。事実はわかっていても、中華圏の彼らの感覚は全くわからない。

寮にも梅の木と金柑の飾り。

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どちらも本物で、様々な建物のエントランスにある。どこから搬入したのだろう…

部屋の扉にでかでかと飾りを貼っている人も。

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あまりの仰々しさに一瞬たじろいだが、書いてある内容と言えばGPAが上がりますように、なんて学生らしい。

中華圏の年末年始に使う四字熟語を習ったのだが、リッチになれますようにの言い回しだけで20種類くらいあって笑った。あとは「 過三爆四」GPAが3から4に爆上がりますようにという言葉。香港では就職時にGPAがとりわけ重要らしく、切実だ。


このブログは自分の日記としてつけているので(飽き性で面倒くさがりのモチベーション維持のために公開している)記事を読んでも有益情報はあまり得られないと思うのだが、検索で来る人もそこそこいるので今度有益そうな情報をまとめようかと思う。

という宣言、これもまた自分への覚え書き。