The fool shadow follows me.

【一言】さむくなってきましたね。【挨拶】

怠惰

 部屋のカウチに深く沈み込んでパソコンを抱えて、動画を見る。ドロドロに溶けた金属が、万遍なく周到にハンバーガーを焼いていくもの、プレス機で物体が変形していくスロー映像を眺めたりもする。どれも万遍なく、周到な動画だ。あとわずかになったポテトチップスを気にしながら、いつ寝ても構わない。

●茶道はやったことがないんだけど、茶道具のコレクションが増えてきた。

 棗や茶入れ、ぐい吞み、煙管と煙管入れなどなど。趣向に任せて古道具を手に入れていたら、木彫り人形が就いたコルク栓が気に入ってきた。最初は人形なんて興味が無かったのに、ギミックのある人形を動かしていると妙な高揚感がするようになってきてしまった。

 調べるとこの人形は、アンリ社というメーカーのものらしいことがわかった。手彫りなのであたたか味がある。

今日は掃除の日

 15年前に転居した際に、梱包したまんまだった段ボールと、その上に集積していった雑貨や布切れなどのゴミを片付けている。取っておかなければいけないと思っていたものが、発掘はしてみたものの15年も放置されていたということは、要らなかったんだと思う。中には記念になる書類や写真も発見したが、その多くは使えないものばかりだった。

 記憶とは不思議なもので、それを脳のどこかに保持しているはずなのに、普段は思い出せないことがいっぱいある。久しぶりに開けた段ボールの中を開けていくと梱包した時とその直前の生活の記憶が蘇ってくる。昔通っていたスーパー銭湯のスタンプ帳、なんで取っておいたんだろう?レンタルビデオ店の会員カード、個人事業の小さい所だったから今はもう無いだろうな。もう誰だかわからない名刺、お世話になったのかなぁ?

 ある人が死んで、遺品を引き取りたくて、自分の家を片付けなきゃいけなくなった。引き取るといったって大したものじゃないのに、輸送費までかけて持ってくる予定でいる。遺品が自分の家に来たらまた、思い出せることもあるかもしれないな。