hamaokaのDT日誌

DTラジオパーソナリティhamaokaが気付いたこと、考えたことを書いて行きます。主にビジネスよりの内容になると思います。

英語のリーディングの勉強に「Polyglots」というアプリを使う

先回、先先回に続いて英語勉強アプリを紹介したい。

過去の2回のエントリは英語のリスニングの勉強に使えるアプリだったが、今回はリーディングに使えるアプリだ。

しかもご安心いただきたい。

今回のアプリは「無料」である。

 

アプリの名前はタイトルにあるように「Polyglots」だ。

このアプリには下記のような特徴がある。

 

  • 「グノシー」のように、自分の興味のあるジャンルを登録し、それに見合った最新の海外ニュースを配信
  • 「 ペースメーカー機能」によりネイティブが読むスピードの体感が可能
  • 記事中の分からない単語をタッチすればその場で翻訳
  • 調べた単語は自動保存され、自分仕様の単語帳が作成
  • 単語テスト機能を装備(自分仕様の単語帳の復習や、あらかじめ登録されたTOEIC対策用の単語の学習が可能)
  • 自分が読むスピードは記録・保存され、自分の学習習熟度の把握が可能

 

リーディングの勉強において、海外の著名な雑誌の記事を読むことがよく推奨されている。例えば、「ニューヨークタイムズ」や「ウォールストリートジャーナル」などの記事だ。皆さんも読んだことがあるかどうかは置いておいて、雑誌名は知っているだろう。

 

かくいう僕も上記の雑誌のサイトにアップされている無料で読める記事にトライしたことがあるが、まず見出しの内容が分からなかったりして、全然頭に入ってこなかった苦い記憶がある。

 

これは日本語の勉強をしている外国人がいきなり日経新聞を読むようなもので、英語に自信のないビギナー寄りの人にはちょっとレベルが高い。

また、著名な雑誌は内容も固かったりして、記事自体に興味を惹かれなかったりもする。

 

一方、「Polyglots」は自分の興味に応じたニュースを配信してくれ、かつ分からない単語は画面上でタッチすればその場で意味が表示されるため、記事を読む上で強力なサポートが得られる。

 

 リーディングは英語の基本的な4つのスキル「リーディング」「リスニング」「スピーキング」「ライティング」の中で、最も基本的なスキルだと思う。

 

英語のリーディングというのは、言ってみれば英語の語順で文章の内容を理解することに他ならない。この英語の語順を繰り返し脳に刷り込むことで、英語脳(こういうものが脳科学的に実際あるのかは分からないが、概念として理解いただきたい)が形成される。

そして英語脳は「リーディング」以外のスキルを身に付ける上での土台になるものだ。

 

さらに「Polyglots」は自分仕様の単語帳を作ったり、抜き打ちの単語テストがあったり、習熟度が見えるなど、英語の勉強を継続させるための工夫が織り込まれている。

 

ちなみに「Polyglots」使用による英語の勉強の継続率は70%だそうだ。

100人中70人が挫折せずにこのアプリを使い続けているというのは、かなり高いレベルといえるのではないだろうか。

 

以上のことから英語力の基礎づくりをする上で、この「Polyglots」は大変役に立つのではないだろうか。

  

 

 

 

 

 

 

英会話アプリ「ライブ英会話」で生の英会話を学ぶ

先回のエントリに続いて英語アプリを紹介したいと思う。

 

今回紹介するのは英会話の勉強に役に立つ「ライブ英会話」だ。

 

簡単に言うと、よくニュースで流れる外国人のインタビュー映像を大量に集め、シチュエーション別に分類したものだ。

といっても、既存の映像を集めてきたわけではなく、制作陣がカメラ片手に額に汗をかきながらネイティブにインタビューしまくり、動画を編集し、日英の字幕をつけてジャンル別に分類するという、非常に泥臭く作られた代物だ。

その苦労はアプリ紹介にある下記の情報に集約されている。

 
企画期間:24ヶ月/製作期間:36ヶ月/製作人数:232人 /撮影時間:66.5時間 
撮影容量:3,882GB
移動距離:19,655Km
 

まさに制作陣の努力の賜物だ。

こういうアプリはダメなアプリであるはずがなく、制作陣に対しては、頭を垂れて謹んで使わせていただくのが礼儀かもしれない。

アプリは有料だがたった¥120(15年9月現在)なので、200人の製作者が5年間心血を注いだアプリが缶コーヒー一本の値段で手に入ってしまうとは、時代の変化をしみじみと感じる。

 

昔(小学校5~6年の頃)小学館が運営する英会話教室 ホームパルというのに通っていたが、教材として購入した、少し大きめのアタッシュケースくらいの箱にテキストとカセットテープがぎっちりと入っていたやつはきっと1万円以上したに違いない。

 

僕がこのアプリをダウンロードした理由としては、制作陣の努力に対しての実際の価格の安さももちろんあるが、一番の理由としては下記だ。

 

「ネイティブの生の英語が聞ける!」

 

アプリ名が「ライブ英会話」というくらいだから、当たり前と言っては当たり前なのだが、僕にとってはこの「ライブ」=「生」というのがけっこう重要だった。

 

どういうことかというと、皆さんは英会話の勉強をしていて次のような違和感を感じたことはないだろうか。

「この本に書かれているような会話例って、実際にネイティブの人達の間で話されているの?」

もちろん英語教材なので、会話例はある程度 形式化してしまっているというのは仕方がないのだが、リアリティがなくて、なんとなく物足りない。

一番リアリティを感じることができるのは、実際に外国人と英語で会話をすることなのだが、それはここでは置いておく。

とにかく「ライブ英会話」は「生の英語」と「形式化された英語教材の会話例」の間をつなぐものとして、優れた英会話の勉強ツールであるのは間違いない。

 

アプリに登場するネイティブは500人いるらしく、それぞれ人の言い回しの違いだったり、アドリブのはさみ方だったりを聞いていくうちに、かなり実際に近い英会話の勉強になるのではないだろうか。

 

 

ライブ英会話

ライブ英会話

  • Waterbear Soft inc.
  • 教育
  • ¥120

 

 

 

 

 

 

 

 

TEDのアプリ(TEDi SUBTITLE)は英語のリスニング教材としてけっこう役立ちそう

先回は重量級のエントリーを投下してしまったので、少しライトにしていきたいと思う。

 
僕は世の会社員が直面しているように、御多分に洩れず「英語勉強しなくては圧力」を受けている。
 
それはそれで仕方がないものとして受け入れており、1日のそんなに多くない時間(30分くらい)を英語の勉強に当てている。
 
英語の基本の4スキル「リーディング」「リスニング」「スピーキング」「ライティング」のうち、リーディングは受験勉強や大学の研究室での論文の輪読などのおかげで、他のスキルよりは多少マシにできるが(といってもリーディングは突出して出来るという程でもない)、他の3スキルは全然ダメだ。
 
まず持ってリスニングを強化しようと思って、Podcastで英語系の番組を聴いたりしているが、なかなかしっくりこない(自分にはまだ能力的に、手を出すのが早いのかもしれない)。
 
そこで今度はアプリでリスニングを強化できるものがないか、探してみようと思いAppStoreで検索してみたら良いのがあったので、紹介したいと思う。
 
『TEDi SUBTITLE』
 
言わずと知れた数々のプレゼンを紹介する番組のアプリだ(いまさらと思われるかもしれないが)。
過去にはビル・ゲイツやミッシェル・オバマも登壇している。
このアプリを使うことの利点は下記2点だ。
 

1. 同時に2言語の字幕が表示できる

 

TEDなどの英語の動画を見てリスニングの勉強をする場合、以下のようなやり方がオーソドックスだと思う。

 
日本語字幕付きの英語の動画を最後まで通しで見る

②英語の字幕を表示させて動画を見る

③字幕を見ずに動画を見る

 

つまり、英語の動画を見るというだけでも最低3ステップ必要になる。

数分の動画ならまだよいが、これが10分、20分 となってくると、①→②のステップがとても億劫に感じるのではないだろうか。

上記のアプリを使えばこの①②のステップをひとつにまとめられるため、効率良くリスニングの勉強ができる。

 

ちなみに、2言語表示というのは「日本語&英語」組合せに限ったわけではないので、

例えば「日本語&中国語」や「日本語&ドイツ語」の組合せにすれば上記のやり方で、

ほかの言語も学ぶことができる。

 

当然、動画の内容を理解していれば、より効率的に他言語を学ぶことができるため、1つの動画を一粒も二粒もおいしく味わえる。

 

2. 素晴らしいプレゼンが聞けで刺激的!

 

これは別にこのアプリを使わなくてもTED自体を見れば事足りるだが、どうせならリスニングの勉強もかねてしまえば一石二鳥だ。

 

ちなみに僕はこのアプリを使ってgoogle創始者のセルゲイ・ブリン &ラリー・ペイジのプレゼン動画や、テスラモータースCEO 現在の世界最高の経営者 イーロン・マスクの対談動画を観てみたが、食い入るように観てしまった。

 

日本にいると海外の経営者の声はニュースでの一部の引用だったり、日本人著者の書籍を通した又聞き情報だったりして、なかなかダイレクトに伝わってこなかったが、TEDでは本人がしゃべっているのでダイレクトな情報に加え、本人の思いも伝わる。

 

良質なプレゼン動画は何回も楽しめる。

僕はたまたま上記の動画を観たが、TEDには素晴らしいプレゼンが五万とある。

繰り返しが必要なリスニングの勉強にはTEDの動画はもってこいだ。

 

 以上、2点からこのアプリが英語のリスニングに役立つことは分かっていただけたと思う。ちなみにこのアプリは有料だが、上記のメリットを考えれば誤差みたいなものなので、あまり気にしなくてもいいと思う。

TOEICの受験料は1回で税込み¥5,725だ!)

 

ユダヤ人の頭(イディシェ・コップ)③

これまで、ユダヤ人とユダヤ教の歴史について説明してきた。おさらいも兼ねて、下記に示す。

ユダヤ人の歴史は迫害の歴史
ユダヤ教の特徴は下記の4つ
    A. 論理的、かつ解釈が必要
    B. 最後はハッピーエンド
    C. 非中央集権的
    D. 寄付の重要性

では、ようやく
ユダヤ人に成功者が多い秘密』について述べていきたいと思う。

ユダヤ人は度重なる迫害により、土地などの財産を持つことが出来なかった。
例えて言うなら、迫害の度にドラクエでいう初期状態(装備がひのきの棒、布の服、所持金0ゴールド)に戻されてしまうようなものだ。

そのような裸一貫の状態に度々させられてしまうユダヤ人にとって、武器となるものは、己の頭脳のみだった。

これがタイトルになっているユダヤ人の(イディシェ)頭(コップ)だ。

イディシェ・コップはユダヤ人がこれまでサバイバルしてきた考え方であり、ユダヤ人の4000年の知恵とユダヤ教のエッセンスが込められている。

とはいうものの、イディシェ・コップはそんな大仰なものではなく、知ってみれば、ある意味当たり前のことと思うかもしれない。

イディシェ・コップにはいくつもの要素があり、どんなものがあるか、ユダヤ教の特徴も含め、大きな時間軸に沿って説明していきたい。

まず、迫害によって初期状態になったユダヤ人は、そこで絶望して世捨て人にはならず、ユダヤ教の思想である『最後はハッピーエンド』(ユダヤ教の特徴B)がやって来ると考える。

そこで、ユダヤ人は『ハッピーエンドが来るまで、大変だけどなんとか生き延びよう』と考える。

そして裸一貫からスタートになるが、金なし、コネなしの状態である。(この金がないことに加え、コネがない状態、いわゆる行く先々で『マイノリティ』であるということは、イディシェ・コップに大きな影響を与えている)

ここからいかにサバイバルをしていくかがユダヤ人のスタート地点であり、その中で産まれていったのがイディシェ・コップである。以下でその要素を述べて行きたい。

①論理と想像力を駆使する
これはユダヤ教の特徴のA(論理的、かつ解釈が必要)に基づいている。
どういうことかというと、ユダヤ教の開祖アブラムが、その論理的思考によって神を見出したように、世の中を俯瞰し、批評的に捉えることだ。ただしポイントとして、論理的なだけではただの理想になってしまうため、現実(事実)と関連付けながら考えなければ意味がない。この現実と関連付けるということが、いわゆる想像力を使うということである。(アブラムが、太陽と月は交互に現れるという現実に基づき思考したように)

②チャンスをつかむ
裸一貫からサバイバルをしなければいけないことが多かったユダヤ人が生き残るには、とにかくやってきたチャンスを捕まえることが重要だった。

損切りをする
もし取り組んでいることが上手くいかず、損を垂れ流すだけの状態になってしまったら、ためらうことなく中止することが必要だった。

『最後はハッピーエンド』からも分かるように、あくまで生き延びることが大切であるため、途中で力尽きてしまったら元も子もない。
一度状況をリセットし、別の取り組みを考える。

④他人の考えに敏感
ユダヤ人は長きに渡りマイノリティであり虐げられることが多かったため、その時々の権力者(マジョリティ)のさじ加減一つで、生命の危機に瀕してしまうことが珍しくなかった。

そのため周囲(他人)が何を考えているかを推し量ることは、自らの生命を守ることに直結していた。
この結果、他の文化に溶け込むことができ、マイノリティながらも様々な地域で生き延びることができた。

⑤ユーモアを大事にする
これも度重なる迫害の歴史が大きく影響している。つまり、あまりに無理ゲー過ぎる状況に追い込まれることが多く、もはや笑うしかなかったということだ。
笑いは心に余裕をもたらし、絶望的な状況から脱するアイデアを生み出す源泉となる。

⑥非排他的ネットワークの形成
これはユダヤ教の特徴C(非中央集権的)が大きく影響している。
ユダヤ人自体が各地域へ離散してしまっているということもあり、ユダヤ人がいれば自然とマイノリティ同士助け合い、一緒に生き延びようという思考を共有していた。
非排他的というのは、閉じたネットワークではなく、開かれたネットワークである。
排他的ネットワークは自分たちがマジョリティの時は良いが、大きな環境変化等で万が一マジョリティでなくなった時には脆弱なものになってしまう。
長期的に見れば閉じた排他的ネットワークよりも、開かれた非排他的ネットワークの方が、生き延びるという点に関して言えば好都合である。

⑦寄付をする
これはユダヤ教の特徴D(寄付の重要性)が大きく影響している。ここで言う寄付というのは『お金を施す』という限定的な意味ではなく、広く『社会正義を成す』ことを意味する。
この社会正義というのは、お金を寄付することも含まれるし、人権団体を立ち上げて活動することも含まれる。
つまり、自分の出来る範囲のことをして、弱きを助けるということだ。

ジョージ・ソロスも投資によって莫大な財産を築いたが、その財産で慈善のための財団を設立し、毎年500〜600億円の資本を慈善のために投下している。

日本の諺でも『情けは人の為ならず』というが、人に施しをすることが、長期的に見ると、自分にもその恩恵が返ってきて、結果として生き長らえることに繋がっていく。

⑧子供を教育してマイノリティから抜け出す
ユダヤ人は子供の教育に非常に熱心だ。前々回(ユダヤ人の頭①)でも書いたが、ノーベル賞受賞者の2割強がユダヤ人である。
このことは、本人の資質や学校教育も当然関係あると思うが、家庭教育の影響も無視できないだろう。

現に、ノーベル賞物理学賞受賞者であるリチャード・ファインマンも父親から多大な影響を受けたと発言している。彼の父は、必ずしも金銭的に成功していたわけではないが、子供の教育に関しては成功したといえる。
ユダヤ人の子供の教育の特徴を一言でいうと『学ぶ楽しさを教える』だ。

ユダヤ教ではかつて子供が初めて文字を読めるようになった時、同時にスプーン一杯の蜂蜜を与えていた。これは子供に『学ぶことはスウィート(甘い・楽しい)ことだ』というとを教えるためであった。

この様に育てられた子供はどうなるか。アメリカを例にとってみると、アメリカのユダヤ人の56%が大学を卒業し、25%が大学院を卒業しており、全米の平均を大きく上回っている(2000ー2001年調査、大学、大学院卒業の全米平均はそれぞれ、29%、6%)。

ちなみに、アメリカのユダヤ人はもともと移民であり、その大半は東欧(主にオーストリアハンガリー[オーストラリア、ハンガリー辺りは当時ガリツィア地域と呼ばれていた]、ロシア)から19世紀後半に移民を開始している。

それから3、40年かけて、約200万人のユダヤ人がアメリカに移民としてやってきた。東欧からアメリカへのユダヤ人の移民は、全員が極貧層であり50ドル以上の現金を持っていたのは全体の約7%だった。

何が言いたいかというと、現在の高等教育を受けているアメリカのユダヤ人の数世代前は、ほとんど裸一貫であり、そんな状態でも、子供の教育に力を入れていたからこそ、現在のアメリカのユダヤ人の教育レベルが実現できたということだ

ここで、まとめとしてもう一度、ストーリー的にイディシェ・コップを説明したい。

1. ユダヤ人への迫害により無理ゲー(金なし、コネなしのマイノリティ)がスタート

2. 余りに過酷すぎて、もはや笑うしかない(⑤ユーモアを大事にする)

3. しかし、最後はハッピーエンドが来るはずなので、なんとか生き延びよう

4. サバイバルスタート、ただし持てる武器は己の頭のみ

5. イディシェ・コップを駆使(①論理と想像力を駆使する、②チャンスをつかむ、③損切りをする、④他人の考えに敏感、⑥非排他的ネットワークの形成)

6. 無理ゲー状態からなんとか脱出

7. かつての自分の様な辛い目にあっている人(ユダヤ人、ユダヤ人以外も)に寄付をしよう(⑦寄付をする)

8. 当然自分の子供には、しっかりと教育を施し、かつての自分が置かれていたマイノリティ状態(金なし、コネなし)から抜け出させよう(子供を教育しマイノリティから抜け出す)

9. 何世代にも渡り、長期安定的な生存状態を確保

以上、イディシェ・コップの要素を長々と書いてきた。始めにアナウンスした通り、目新しい要素はないと思う。しかし、だからこそある意味、普遍的な生き延びる知恵と言えるのではないだろうか。

最後に、今回のテーマである『なぜユダヤ人に成功者が多いのか?何か秘密があるんじゃなかろうか?』という問いに答えたい。

答え
ユダヤ人の成功の秘密など、実は何もなかった。敢えて言うなら、頭に汗をかき、仲間を作り、ユーモアを大事にし、弱気を助け、子供をしっかりと育てるというイディシェ・コップ、そしてこのイディシェコップを次の世代に伝承することである』





















ユダヤ人の頭(イディシェ・コップ)②

さて、①では『ユダヤ人とは』について説明したが、今度はユダヤ教について説明させていただきたい。

ユダヤ人に成功者が多いことの要因と、ユダヤ教は不可分の関係にあるからだ。

ユダヤ教の開祖(つまり最初のユダヤ人)は紀元前1800年頃、現在のイラクに住んでいた。彼の名はアブラム(後にアブラハムに改名)。

ユダヤ教は彼の論理的思考から始まっている。(ちなみにキリスト教イスラム教ユダヤ教から生まれており、アブラムはユダヤ教の父でもあり、キリスト教イスラム教の父でもある。そう考えると彼が世界に与えたインパクトは計り知れない)

どういうことかというと、彼は論理的思考によって神の存在にたどり着いている。詳細は下記にて示す。

ⅰ. アブラムは3歳まで洞窟の中で暮らしており、3歳になった時洞窟を出る

ⅱ. 彼は食べ物を生み出す大地に感謝し、大地を信仰

ⅲ. 食べ物は雨が降らなければ育たないため、雨を降らせる空を信仰

ⅳ. 空は太陽に支配されており、大地を暖めることから太陽を信仰

ⅴ. 太陽は沈み月が顔を出すため、実は月が王だと考え、月を信仰

ⅵ. 月と太陽が交互に顔を出すことから、その規則を作った遥かな高い英知をもつものが天上にいるはずだと確信し、その存在=神を信仰

上記ⅰ〜ⅵのステップにに基づく合理性はユダヤ教の核となっている

次にユダヤ教のキーマンとして現れるのがモーゼだ。皆さんも名前くらいは聞いたことがあるだろう。

時代は不明(紀元前)だが、当時ユダヤ人の多くはエジプトに住んでいたが、ユダヤ人が多くなるにつれ、エジプト人が不快感を募らせ、ユダヤ人を迫害し始める(エジプト人による迫害)。これに対し、モーゼはユダヤ人を指導し、エジプトから脱出する(出エジプト、海を真っ二つに割って脱出した伝説が有名)。

その後、聖書によればモーゼはシナイ山で神と出会い、有名な十戒が書かれた石板(文書化されているということがポイント)や神からの口伝による戒律(後にトーラーと呼ばれ旧約聖書により文書化、613個もの戒律がある)を授かる

上記のモーゼの話をまとめると、ユダヤ教の基本は文書化された戒律集である。

ちなみにモーゼが神から授かった口伝は旧約聖書にて文書化されていないものもあり、紀元後に文書化されている。これらは『口伝版トーラー』と呼ばれ、後に『タルムード』と呼ばれる文書の基礎となっている。

タルムードは細かい生活習慣(食事の方法からセックスに至るまで)について書かれており、ユダヤ人社会の宗教・文化的核となっている。

少し話が脱線するが、ユダヤ人の成功の秘訣をこのタルムードに見出すビジネス書がいくつかあるが(特に日本人が書くビジネス書)、現在のユダヤ人にとってタルムードは読んだことすらないことが多く、あくまで研究者が研究する対象というような位置付けのようである。

ただし、ユダヤ人の成功と全く関係がないかというと、そういうわけでもなく、タルムードの内容というよりは文書構成自体が関与しているといえる。

タルムードの文書構成は口伝をまとめた部分(ミシュナ)と、それに対する解釈を記した部分(ゲマラ)で出来ている。実際には一つのページにミシュナと

ゲマラが記されている形になる。

このことが意味するのは、ユダヤ教では戒律自体に加え、その解釈も同じくらい重要だということである。しかもその解釈は想像力を駆使した論理的なものである。

このことは、ユダヤ人の成功とタルムードの関係性に関連するので、心に留めといて欲しい。

さて、ユダヤ教の基本が『文書化された戒律集』にあるということは説明したが、これは土台が出来ただけであり、現在のユダヤ教が完成に至るにはもう少し歴史的なトピックを必要とするため、説明にお付き合いいただきたい。

モーゼの没後、ユダヤ人は現在のイスラエル国のあるカナンという土地に落ち着き、首都をエルサレムとし、イスラエル王国をつくった(紀元前1000年頃)。イスラエルはソロモン王の時代(紀元前970年から933年)に繁栄を極めた。

ソロモン王はユダヤの寺院を建設し、僧侶によりトーラーに沿った祈祷が行われていた。

ソロモン王没後、内紛が起きイスラエルは分断され、イスラエルを含めたいくつかの国ができる。

その中の一つであるユダ王国は隣国のバビロンに占領され、ユダヤ人はバビロンに連行される(有名なバビロン捕囚)。幸いバビロンはユダヤ人には友好的であり、ユダヤ教の信仰を許可する。

しかし、バビロンにはユダヤの寺院がないため、ユダヤ教は寺院を中心とした『中央集権的』な宗教ではなく、『非中央集権的』な宗教に変革した。

祈祷は寺院に代わり『シナゴーグ』と呼ばれる建物で行われ、僧侶の代わりに『ラビ』と呼ばれる人々が祈祷を仕切るようになった。

イスラエル王国では祈祷は世襲制の僧侶が行っていたが、ラビは教育を受けた普通の人がなるため、血筋ではなく、教育程度がユダヤの文化では重要視されるようになった。

ただし、多くのユダヤ人は信仰の自由はあるものの、上記のようなユダヤ教の変革について不満に思い、『バビロン捕囚』を次第に悲劇と考えるようになる。

ここで、ユダヤ教の重要な『メシア(救世主)思想』が生まれる。つまり、ユダヤ人にとって最悪の時にメシアが現れ、ユダヤ人を救ってくれるというハッピーエンドの思想である。

パピロンはその後、ペルシアに占領され、ペルシアはギリシャに占領される。

そして、ギリシャローマ帝国に占領され、それに伴いユダヤ人の地理的分散(前の記事で述べた『ディアスポラ』)が起こる。

この地理的分散により、ユダヤ教の『非中央集権化』と、文書版トーラー(モーゼが神から授かった口伝による戒律を文書化したもの)への依存度が高まっていく。

以上、ユダヤ教の歴史と変遷をつらつらと説明してきたが、ここで本題のユダヤ人の成功の秘訣と関わるユダヤ教のポイントとして、以下の4つにまとめたいと思う。

A.  論理的かつ、解釈が必要(アブラムの神の存在への到達や、タルムードの解釈込みで文書として成立)

B. 最後はハッピーエンド(メシア思想)

C. 非中央集権的(他国の占領によるユダヤ人のディアスポラ

D. 寄付の重要性

(唐突に出てきたが、ユダヤ教の戒律にもあり、ユダヤ人の成功の秘訣に関わるユダヤ教のポイントとして挙げておきたい。ちなみに『チャリティー』の語源はヘブライ語ユダヤ人の言語)の『ツェダガー』から来ている)

ユダヤ人の頭(イディシェ・コップ③)へ続く]










ユダヤ人の頭(イディシェ・コップ)①

皆さんはユダヤ人と聞くと何を思い浮かべるだろうか?

僕が思いつく限りでは、下記のようなことだ(思いついた順)

1.億万長者が多い(ロスチャイルド一、ジョージ・ソロスワーナー兄弟、マイケル・デル、マーク・ザッカーバーグ

2.歴史に名を残す学者が多い(アインシュタインファインマンフロイトマルクス

3.世界を牛耳ろうとしている(ユダヤの陰謀)

4.歴史上迫害を受け続けてきた(ナチスホロコーストなど)


一般的なイメージとしても上記に集約されるのではないだろうか。

ここで、なぜ僕がユダヤ人を取り上げたか、理由を簡単に書くと、下記のようなことを思ったからだ。

ユダヤ人は成功者(金銭的、学問的)
が多いけど、いったい何が優れているのだろう?何か秘密があるんじゃなかろうか?』

もちろん、突然思いついた訳ではなく、次の2つのようなことが、心に引っかかっていたからである。

1つは、成功者に共通する特徴としてユダヤ人ていうのがあるなと漠然と思っていたということと、2つ目は氾濫するビジネス書をいろいろつまみ食いして己を向上させるよりは、もっと普遍的なところから学んだ方が良いのではないかという問題意識があったということだ。

以上の二つのことから『ちょっとユダヤ人から学んでみよう』と思ったのが、ユダヤ人をテーマにしたきっかけだ。

さて、ここでその秘密に入る前に、ユダヤ人に対するイメージについて振り返ってみたい。

1.億万長者が多い
2.歴史に名を残す学者が多い

上の1,2については事実であるし、特に異論はないだろう。
ちなみに1,2それぞれを金銭面、学問面と分けると、さらに以下のような事実がある。

金銭面:アメリカの富豪トップ200人の内25ー30%がユダヤ人(2003)

学問面:ノーベル賞受賞者の2割強がユダヤ人(2003)

では下記についてのイメージはどうだろうか。
3.世界を牛耳ろうとしている
4.歴史上迫害を受け続けてきた

これらを説明するにはまず、『ユダヤ人とは』というところから説明しなければならないので、少しユダヤ人について、歴史も含めて基礎を知っといていただきたい。

まず、『ユダヤ人』とは一般的な定義をみるとウィキペディアで下記のようにある。

ユダヤ教の信者(宗教集団)、あるいはユダヤ人を親に持つ者(血統)によって構成される民族集団

我々は◯◯人と聞くと、どうしても人種的なカテゴライズを考えがちだが、ユダヤ人とは、定義の前半にあるようにユダヤ教の信者のことも指す。

そして、実際にはこの定義に当てはまる場合が多い。
つまり、ユダヤ人と言っても、我々がイメージするような、なんとなく欧米人ぽい風貌の人もいれば、中東系もいるし、アジア系もいるということだ。

それは4.歴史的に迫害を受けてきたということと関係している。

詳細な歴史はここでは紹介しないが、
大まかに書くとすると、以下のような迫害の歴史がある

紀元前
・エジフト人による迫害
バビロニアでの迫害


紀元後
ローマ帝国での迫害(紀元前も一部含む)
キリスト教徒による迫害
・ロシアでの迫害
ナチスによる迫害

ユダヤ人の歴史は迫害の歴史である。
このことによりユダヤ人の大きな特徴として下記の2つが挙げられる

1つは国を持つことができなかったため、土地のような資産が持てないこと、
もう1つは地理的な拡散(ディアスポラという)である

5.イスラエル建国により、ユダヤ人はようやく国を持つことができた訳だが、その時にはユダヤ人は全世界に拡散してしまっていた。
この地理的拡散によって、様々な地域にユダヤ人が移り、そこの地域に溶け込み、子孫を残すことによって、様々な風貌のユダヤ人が生まれるに至ったのである。

ではここで世界に拡散したユダヤ人を含め、ユダヤ人は果たして世界に何人いるのだろうか?

正解は2010年で1,358万人だ。(世界の人口の0.02%で、東京都の人口ぐらい*1,338万人 2015年)

これを聞いて皆さんは正直どう思うだろうか、僕は「少な!」と思った。

そう考えると、3.世界を牛耳ろうとしているということに少し「?」が付いてくる。

東京都の人数かつ、全世界に拡散した状態でどうやって世界を牛耳るのだろうか?

反論として、「いやいや、ユダヤマネーとユダヤネットワークを使えば世界を牛耳ることも可能だ」というのもあるだろう。

しかし、それならば人口、ネットワークで中国人が世界を牛耳ろうとしている、という方が、まだ現実味があるのではないだろうか。

ちなみに現実の政治の世界、世界のリーダーたらんとするアメリカでは、歴代大統領にユダヤ人はいないし、ユダヤ人議員も上院、下院合わせても10%に満たない(2004年時点)。

世界を牛耳る云々のユダヤの陰謀的な話は一定数支持者がいると思われるが、ここでその議論をするつもりはなく、詳述はユダヤの陰謀系の本に譲りたいと思う。興味がある方は、そちらを
ご参照いただきたい。

ユダヤ人について基本的なところがわかってきたところで、ようやく本題の

ユダヤ人は成功者(金銭的、学問的)
が多いけど、いったい何が優れているのだろう?何か秘密があるんじゃなかろうか?』

に入っていこう。  

ここでもう一度、1,2で挙げられた下記の事実を振り返ってみよう

金銭面:アメリカの富豪トップ200人の内25ー30%がユダヤ人(2003)

学問面:ノーベル賞受賞者の2割強がユダヤ人(2003)

世界の人口の0.02%ということを鑑みると、より上記の事実の凄みが増すはずだ

ユダヤの陰謀の話の裏には、もしかすると上記の様な少数精鋭のユダヤ人に対する僻みがあるのかもしれない)

ユダヤ人の頭(イディシェ・コップ)②へ続く]
















高齢化はビジネスチャンス

グローバル化と高齢化、二種類の外的環境を踏まえた時に、目指すべき方向を考えてみた。

まず、グローバル化(このワード自体曖昧だが)が進んだ先に何が待っているかを下記に示す

•英語を話す人がふえる
•海外の事情を知る人が増える
•外国人が沢山日本にやって来る
•働き方が欧米のホワイトカラーが基準になる(アウトプット重視)
•外国のサービスが沢山入ってくる

とりあえず適当に挙げると、こんなところだらう。

次に高齢化が進んだ先に待っていることを下記に示す。

•おじいちゃん/おばあちゃんの割合が増える
•高齢者向けのサービスがふえる
•介護する人(ヘルパー、家族)が増える
•消費の傾向が変わる(健康、旅行、食、歴史があるもの)
•就労人口減少に伴う生産性の低下(GDPなど)

上記を踏まえた上で、個人、経営者の、観点での目指すべき方向性を探って行きたい。

①個人
結局グローバル化と言っても、すべての日本人が海外に飛び出していくなんてことはなく、通常通り我々は日本で暮らしていくことになるのは基本的に変わらない。
そんななかで我々はせいぜい『半径4キロの充実』があれば十分だと思う。

ちなみに半径4キロというのは僕の感覚で、徒歩圏内のマックス値(大人の歩く速度の時速4キロに基づく、1時間以上歩くのはしんどいので)と割と細部まで街の事を把握できる範囲(生活圏内)を表している。

ただ『半径4キロの充実』とは、グローバル化と高齢化が進んでいる今だから目指すべきことではなく、いつの時代にも共通する考えではあると思う。

あえて我々が時代を見据えて備えておくべきことを言うとしたら、下記のようなものだろう。

1. 適当に英語とかかわっておく
これはテクノロジーの進化で、自動翻訳装置の方が先にできてしまうかもしれないが、普及速度を考えるとやはりそれなりに聞いて話すくらいはできるようになっておきたい

2. 適当に地域コミュニテイに所属しておく

家族、親戚、友人の一部を除けば、他に関わりのある人は、ご近所さんだろう。加齢に伴う行動範囲の縮小により、ご近所さんとの付き合いの重要性は自然と増すはず。

とはいえ、グローバル化と高齢化に対し個人でできることなどたかが知れているので、一般的に老人になったら健康な肉体、最低限生活できるだけの資金があれば十分だろう。

②経営者

経営者にとってグローバル化と高齢化は果たして良い流れなのか、悪い流れなのかどちらだろうか。
僕は良い流れと考える。

理由は下記の2つだ
1. グローバル化により自社製品を海外に広く展開できる(ただし国によって価値観が異なるため、製品のチューニングは必要)

まだまだ日本でグローバル化していないが世界でも通用するものはたくさんあるはず。特にエンターテイメントなどのソフトの部分は、まだまだ宝の山だと思う。テレビ番組や音楽、小説、またアダルトコンテンツなどは高いポテンシャルを秘めていると思う。恐らくマーケッティングに課題があると思われるため、経営者もリソーセスを投入しても良いと思う。

2.高齢化により世界に先駆けて新サービスが創出できる

日本は世界に先駆けて高齢化が進んだ国だ、ここで高齢者向けの良いサービスが作れれば、今後の世界標準としてプラットフォーム化できる可能性は大いにある。

特に中国は今後高齢化に悩まされるはずであり、これは巨大なマーケットになりうる。

高齢者に対してのサービスはこれからたくさん出てくると思うが、僕が思うに高齢者向けのサービスのポイントは、まず高齢者を不安にさせないことだと思う。

どういうことかというと、年を取るたび新しいものに対して抵抗がでてきてしまう。
ここで、どうしても新サービスと高齢者の心理がバッティングしてしまうが、これを解決するためには下記のやり方があると思う。

どういうものかというと、見た目は少し前のデザイン(高齢者が昔見たことある形)にして、中身をバージョンアップさせるやり方だ。

例えば携帯ならガラケーのフォルムに最新機能を盛り込むことだ。
ここで、スマフォとガラケーでは全然別物という意見は置いておく。とにかく形がスマフォになった時点で拒否反応を示す高齢者はたくさんいるはず。
見た目でいったん高齢者の心理ハードルを下げて、最新版を売った方が効率的だ。

また、もう一つの心理的なハードルとして、登録制にして、高齢者に継続的な顧客になってもらうような新サービスを作ったとしても、登録手続きがネットでの自主登録などではその時点で拒否反応をしめしてしまい、結局サービスが使用されないことになってしまう。
かといってわざわざ店頭での説明員を雇うのもコストが増加してしまう。

そこで自動で手続きを進めていくソフトをパッケージとして作ったら、結構需要があるのではないかと思う。

どういうものかというと、タブレットのタッチ機能を利用し、登録手続きに必要な項目が、一つ一つ画面に表示され、高齢者はただ『次へ』ボタンを押すだけというものだ。ちなみに文字を読むのも高齢者にはストレスになるため、音声サポートは欠かせない。

以上のようなシステムをパッケージで売るわけだ。

高齢化には間違いなく様々なビジネスチャンスが眠っている。

結論として、グローバル化に対し、悲観的に語られることの多い高齢化だが、考え方によっては、様々なチャンスが眠っているポジティブなものとしても捉えることができる。

個人としては、健康と老後の備えを作っておこう。
なんて月並みな締めで締めくくりたい。