悪友の結婚式
先日友人の結婚式に行ってきた。
あれは小学校六年生の掃除の時間、僕らは共に男子便所の掃除をサボり、水をなみなみ容れたバケツをぐるんぐるんと振り回して「遠心力うぅぅぅ!!!」と叫んでいた。
背後に佇む担任の姿に気がついた焦りが彼の手を中途半端な角度で停止させ、辺りは水浸しになった。
給食前の時間には、配膳当番が着る白衣を丸めてドッジボールをした。
僕が投げた白衣は彼の頭上を越え、見事、前の時限に版画の授業で使っていた墨を容れたトレーに落ち、黒衣となった。
小学校時代のそんな多少の可愛いげがなくもないエピソードから、中学に上がってからのちょっと笑えないようなものまで、沢山のイタズラや悪事を共に働き、その度に一緒に職員室へと呼び出された。
「怒られるってつまりさ、怒られるってだけのことなんだよな」
グラウンドの片隅に植えられた木の下に腰かけ、僕らは悟りをひらいたのだった。
彼は唯一無二の親友、いや、悪友である。
そんな彼が結婚した。ちょっと感慨深い。
奥さんはやたらと美人であった。ちょっと、もとい、とても羨ましい。
共に大人をバカにし悪行を重ね、互いの人間性をひん曲げあったはずなのだが、方や専門学校を卒業して職を手につけ、いつの間にか立派に家庭まで築こうとしている。
片や私は大学を中退し、ひん曲がった人間性は凝り固まって無理に矯正しようものなら人格が抱懐すること必至。着実に低所得社会不適合者への道を闊歩している。
彼はまだ覚えているだろうか。
中一の夏にはじまった僕らの勝負を。そう、
「どちらが先に童貞を捨てるか」
あれから約十年、勝敗は既に決したか。
勝ってはいないが、負けたと決まったわけでもない。
彼が敬虔なクリスチャンであり、またゴムアレルギーであり、尚且「子供に貧しい思いはさせたくないから、もう少し経済的に余裕ができてから」なんて事を抜かす筋金入りのジェントルマンであることを願う。
もしくはインポテンツでもかまわない
、、、、、、、
何を書いているのだろう。