花咲く丘に♪

アルツハイマー型認知症の父と介護する母が気がかりな、娘のharuがつづります。笑顔で^^

父の存在感

月に一度、母は俳句の会に出るために朝から夕方まで外出します。

母が父の昼食は用意していきますが、気になるので行けるときは父の様子を見に実家へ行きます。

テレビのリモコンの操作に困っていないか、夏の暑い時期だとエアコンをOFFにしていないか、冬だと暖房器具が数時間ごとに自動OFFになるけれど継続ボタンを押して消えないようにしているか。など。

以前に、父はテレビが好きなのにテレビがついていなくて眠っていたことがありました。

リモコンが変わってしばらく経ったころですが、リモコン操作がわからなくてテレビをつけられなかったようでした。

 

実家に行くときは事前に電話をします。

主目的は父の様子を見に行くことだけれど、「お昼ご飯を一緒に食べよう」などほかの用事を述べます。

実際、私は昼食は一人で食べることも多いので一人よりは父と食事を一緒したいのもあります。

1年ほど前は母が外出の日に私が行くと言うと父が嫌がり、拒否されたこともありました。

母さんに頼まれたのか。世話になりたくない。と。

ひとりで留守番する覚悟ができていると言い、テレビもつけずお昼ご飯もろくに食べずただただ椅子に座り眠って過ごしたこともあったようでした。

世話をされる側になったのを受け入れられなかったのかもしれません。

私は悲しさよりも怒りが先に立ち、荒っぽく実家を去ったこともありました。

ここで、こうしたら受け入れてもらえました、という成功例を書ければいいのですが、ありません(苦笑)

 

近頃の父は私が実家に行くと言ってもまったく拒否しません。

ほかの用事を述べるけれど、自分の様子を見に来るんだな、ということは気づいていると思います。

来るのか。そうか。母さんはいないぞ。

電話の向こうで微笑みながら言っているのがわかります。

少し前までは、母さんがいないのに悪いな、と言われていました。

実家に行くのは母と話すためで、自分(父)には用件は無いと思われていたんですね…

思われるようなことを私がしていたのでしょう。

 

父は記憶力が落ちているので、実務的な用件はやはり母と話すことがメインになります。

でも、父にできることや父にしかできないことがまだまだあるのです。

犬が大好きな父はうちの犬とよく遊んでくれます。

私が言いたくないことを言わなければならないとき、詰まりそうになったときは優しい笑顔で促してくれます。

北海道旅行でも、私は父の世話をする側と一方的な面だけを思い込んでいたけれど、父の笑顔と言葉にずいぶんと癒しや励ましをもらっていたことに今さらだけど気づかされています。

 

この1年の父の私への態度の変化の理由は、推測でしかないけれど、病気特有の多幸感もあるとは思いますが、旅行で数日一緒に過ごしたのが効いてるのかな、という印象です。

自分の状態を知ってもらった安心感や、数日間親子関係としては無事に過ごせた信頼感があるのではないか、と思っています。