彼女と出会ったのは、16歳の頃。

入学式で出会った友達が好きだと言っていたから、顔を見に行った。

真っ白なルーズソックスと、ツヤっとしたおかっぱ頭が印象的だった。

18歳になり、僕らは同じ美大受験をする仲として再び出会って、片道一時間半の美術予備校への道で青い夢を語り合ってた。

お互い現役で合格することは成らず一緒に浪人生活を送り、ついに念願の多摩美に合格して一緒に制作に打ち込んだっけ。

 

今日、彼女の告別式があった。

大好きな美術に携わりながら、自ら死を選んでしまったこと、誰にも話さず、車でひとり死んでいたこと、アトリエに置いてあった未完の皿を手に取ったとき、悲しくて悲しくて。

最期に彼女の手に触れたけど、固くて冷たくて、作家の手じゃなかった。そしてとても苦しそうな死に顔だった。

僕は彼女の死をどう受け入れて生きていくんだろう。

表現する人間として、何を想えば良いのだろう。

 

さようなら。もう会えないね。