大阪都構想という壮大なる社会実験

朝まで生テレビin大阪を見終わる。3時間の長丁場だったので土日にまたいで見る。橋下市長vs6人の反橋本という構図だが、反橋下を標榜する人たちは全くもって歯が立たなかった。逆に大阪都構想の内容がより分かりやすく浮き彫りになり、橋下市長側にとってはとても良いアピールの場になったと思う。

彼の一貫した主張は主権を市民に戻そうということ。行政区分を小さくしてその中の生活レベルの政策はその中で決めてもらおうというもの。20万人程度なら直接民主主義に近い意思決定ができるのではないかという持論を展開。地域ごとに特色を持たせて競争させる。もしかしたら区民税率を下げる区があったり、税が高いけど高福祉の区も混在するようになるかもしれない。大阪都構想はあくまでも仕組みの話であり、どう変わるかはそこに生活する市民にゆだねるというスタンスであると理解した。これは番組内で唯一、橋下側についていた評論家東浩紀の提唱する一般意志2.0に近い発想だと思われる。ネット社会を迎え、今まで以上にさまざまな意見を集約させ活用することができる環境を政治に活用すべきだという主張である。なので橋下氏が内に秘めた意志は不気味なほどに表に出てこない。学識経験者、知識人の意見は政治に本当に不要なのだろうか。別の番組で100人いて馬鹿が51人いたらどうなるかとビートたけしは説いていた。これは壮大な社会実験の始まりに思える。

電卓ガールズ

2年前にTVで取り上げられた”電卓ガールズ”。愛知県にある新城高等学校に彼女たちはいる。情報処理部という名のクラブに属して日々電卓の早打ち、正確性の向上に磨きをかける。文化系のクラブだか、やっていることは体育会系といっていいだろう。毎年この時期に開かれる全国大会の優勝を目指してトレーニングを積んでいる。TVでは”電ドル(電卓アイドル)”こと重原佐千子さんが鬼コーチとして厳しく指導し、汗あり、涙ありの特訓の様子が放映された。そのときの順位は3位。ライバルの明石商業が2位だった。毎年、全国大会の結果を見るのを楽しみにしている。去年、今年と惜しくも2位だったが明石には勝っていた。優勝する日も近いかもしれない。

クチコミマーケティングの功罪

クチコミマーケティングは、一昔前は期待されたマーケット手法だったと思う。宣伝臭くない生の声が聴けるとあればユーザーにとって価値の高い情報となるだろう。しかし今は”ステマ”などとネガティブな呼び方をされ、詐欺の手法と思われるまでに落ちぶれた。最近「食べログ」のニュースで注目されているが、この手法は昔から当たり前のように存在していたと思う。リアル世界では”サクラ”と呼ばれる行為もあったはずだ。

こういうのはクチコミサイト側が投稿に対して対策を行うべきで、書き込んだ側を訴えるというのは全く逆効果だと思う。つまり、食べログは信用できないという風評を自分でばら撒いてしまったのではないか。例えば、宿泊予約サイトではステマ対策としてそのサイトを利用して予約して宿泊したユーザーでしか書き込みをできないよう規制をしている。アマゾンだって今後そうなるだろうと踏む。なんらかの工夫して意図的な投稿を排除するようにすることで、そのサイトの信用力が向上させることが正しい対応だと思う。

3.11震災とソーシャルネットワークを研究した文献によると、ツイッターでもデマが多く流れたらしい。しかしそれを上回る数の間違いを指摘する投稿があり、バーチャルな情報空間は充分に自浄作用があると分析されていた。間違いが許されない状況のなか、ある情報に対してそれを検証できる一般ユーザ側も発言できる機会があることは必要だと思うし、新聞テレビなどを含めてそのように変わっていくべきだと思う。

あとは投稿された情報を読む側のリテラシー向上が必要だ。書かれていることは鵜呑みにしない。うそを見抜く力が要求される。自分の両親もそうだが活字になっているというだけでその内容まで信用してしまう。年長者には難しいかもしれないが、学校教育の時点で教える事が必要だろう。学校への携帯電話持ち込み禁止とかいう風潮があるが、今後は大人になれば絶対に必要になるだろうし、その時にだまされないように逆に早いうちから教育すべきであると思う。