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コンサルタント思考の備忘録

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コンサルタントが実際に読む論理的思考&ロジカルシンキング本14選

こんにちは、ヒガシです。この記事は数年前に書いたものですが、今でもアクセスがあります。時代が変わっても、ベーシックなコンサルスキルとして有用なのは変りませんので、悩まれてる方の助けになれば幸いです。


コンサルタントについて少しご存知の方であれば、論理的思考が得意というイメージがあるのではないでしょうか。

世にロジカルシンキング本は溢れていますが、コンサルタントが実際に読んでいる本をまとめていきます。

 

論理的思考_基礎編

1.考える技術・書く技術_バーバラミント

ロジカルシンキングをベースに、メッセージングへ落としこんていくための基礎本。

これが難しければ、3.世界一やさしい問題解決の授業へ

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

 

 2.ロジカル・シンキング_照屋華子、岡田恵子

同じく、ロジカルシンキングの基礎本。

実際にありそうな会社内の会話ストーリー調で、理解がしやすい。

ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル (Best solution)

ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル (Best solution)

 

 3.世界一やさしい問題解決の授業_渡辺健介、matsu 

 ヒガシがコンサルタントなりたての頃、ロジカルシンキングがどうしても理解できず、藁をもすがる思いで手にした本。シンプルな考えをやさしい入門書で理解したほうが、トータルでは近道かも

世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく

世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく

 

 4.新版 論理トレーニング_野矢茂樹

論理構造を、図ではなく、日本語の文書から読み解き、矛盾や、裏の論理に気づけるか、マンガの主人公なら誰もが通る修行な感じです。言葉にこだわれる人間は、頭がそれだけ整然としています。

新版 論理トレーニング (哲学教科書シリーズ)

新版 論理トレーニング (哲学教科書シリーズ)

 

 5.地頭力を鍛える_細谷功

ロジカルシンキングを裏付けとして、仮説により概算の答えを出すフェルミ推定コンサルタント面接でよく使われていたが、現実にはそこまで数値が無いこともない?

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

 

 6.意思決定のための分析の技術_後正武

個人的には「1.考える技術、書く技術」よりわかりやすいロジカルシンキング本の走り。原著は絶版。論理の5原則、イシューとロジックの関係性がコンパクトにまとまっています。

経営参謀が明かす 論理思考と発想の技術 (PHP文庫)

経営参謀が明かす 論理思考と発想の技術 (PHP文庫)

 

 7.仮説思考_内田和成

ファクトや論理的な関連がはっきりしない場合でも、結論までの論理的展開をはじめに考えてしまうことで、検討過程を圧縮する仮説思考についての本です。

仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法

仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法

 

 8.論点思考_内田和成

問題が生じている場合に、本当に解決が必要な「論点」が何かをあぶりだすための思考法。「9.イシューから始めよ」にジャンルとしては近い。

論点思考

論点思考

 

 9.イシューからはじめよ_安宅和人

この本を読み、脳天が痺れるような衝撃を受けました。論理的思考が考えとして分かったところで、リアルな現実問題として、どこから思考を始めるべきなのか、何を網羅的な対象として考えるべきか、この本から学びました。

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

 

10.アナロジー思考_細谷功

発想法の一つ、アナロジー(類推)思考。一つのことを考えたら、要素分解し、その論理構成を水平展開していく方法です。発想はうんうん悩むことではなく、技術です。

アナロジー思考

アナロジー思考

 

11.ゼロ秒思考_赤羽雄二

アナロジーがロジックならば、ゼロ秒思考は一人ブレインストーミング。自分ひとりで悩んでも限界がある上に、頭のメモリにも限界があるので、どんどん紙に書き出して一人で発想の対話をしていく方法。

ゼロ秒思考  頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング

ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング

 

論理的思考_問題解決編

12.問題発見プロフェッショナル_齋藤嘉則

真の問題を発見するために、ロジックと事実を組み合わせて、構造化と分析を実施してくための過程が学べます。

問題発見プロフェッショナル―「構想力と分析力」

問題発見プロフェッショナル―「構想力と分析力」

 

13.新版 問題解決プロフェッショナル_齋藤嘉則

新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術

新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術

 

 

14.問題解決の全体観_中川邦夫

マッキンゼーの論理的展開「空・雨・傘」を中心に問題解決まで発展的に考えるロジック、網羅的展開のエッセンスが詰まってます。私は個人的には、空雨傘は観察、推論、決断を含む好きなフレームワークです。

問題解決の全体観 上巻 ハード思考編 (知的戦闘力を高める全体観志向)

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問題解決の全体観 下巻 ソフト思考編 (知的戦闘力を高める全体観志向)

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まとめ

論理的思考の本はたくさん出ていますが、多くの本は、二番煎じや、原典のあるような本が多いです。

本当に役立つ本はわずか、かつ、理解が困難でありますが、一度身に付ければ一生使えるスキルになります。ここに書いてある本も最初に全てを買うのではなく、1冊を実践し、その上で2冊目には何が必要か、論理的に判断してほしいのです。 

ではでは、今日はこの辺で

コンサルタントになったら、2つのスキルを先ず身につけて

こんにちはヒガシです。

コンサルタントになった当初、どう仕事をしているのかがわからず、途方に暮れていました。今、スタッフを見ると、やっぱり悩んで途方に暮れている人が多くいます。

唯一の正解ではないと思いますが、私なりに考えた必要なスキルを紹介します。

それは2つの面で構成されています。

 

1.考える枠組み=フレームワークを知る

一つ目は考え方の枠組み、フレームワークを知ることです。

勘違いして欲しくないのですが、いわゆるPPMや5forcesといったフレームワークだけが枠組みではないということです。

会計の領域では、

財務会計管理会計がある

財務会計は伝票処理と決算処理がある

・伝票を纏めた帳簿には普通仕訳帳、総勘定元帳がある

といったその領域の当たり前の知識があります。これを枠組みと呼んでいます。

 

枠組みの重要性は、2つの事柄とどう関連しているかを知っていることが仮説につながることにあります。

 

クライアントがコンサルタントを雇うということは、親世代の方が会社の予算を絞り出して、達成したいことがあるからです。

そこに「あなた方の業界のことはこれから勉強します」と言う若造が来たら、クライアントはどう思うでしょうか?

 

だれでも最初は知らないことだらけですが、さりとて、それを放置していい道理もないわけです。

新人はやれることをきっちりやるというのは実践的ですが、それはコンサルタントの本懐ではありません。

書籍でも学べるフレームワークを学んでから現場にきて、書籍にない解を出すことに注力することをまずは試してみてください。

 

2.考える作法=論理的思考を知る

二つめは論理的思考。世の中に明らかにされていないことは自ら解を出す必要があります。論理的思考の強みはこの頭の動きを言葉やチャートで示せるようになることです。

「Aということをやるとこういう効果があります。これは3つの観点から、御社の目的に合致します」といったアクション志向の話から、

「Bという業務は3つの要素で構成されています。このうち、○○という課題を発生させるのはCの〇〇という要素であると推測されます。」といった要因分析まで

資料を見せられて「どうですか?」「認識齟齬がありますか?」と聞かれても上司やクライアントは困ります。必ずその前後の因果関係を言語化した上で、前提、事実、論理的展開、結論と望む結果の合致といったことを確認していくことで格段に議論のステージが上がるはずです。

検討に困り途方に暮れても、目的と現状を対象に論理的思考で突き詰めていけば、何かしらの仮説は導き出せ、議論という場にたどり着くことが出来るのではないでしょうか?

 

最後に、困ったらすぐに聞こう、出来ないなら言おう

コンサルタントの仕事は、会社を知った上で改革する仕事です。どう進めたらいいかわからない時、自分で解決するための2つのスキルを紹介しました。

でも、最も大切なことは、わからなくて困り続けたり、出来ないかもと思ってるのに抱えるのはやめて、早めに助けを求めることかもしれません。上司や同僚は敵ではなくあなたと一緒にクライアントに向き合う仲間ですから。

プロジェクトの最大抵抗勢力は慣習だと思う

こんにちは、ヒガシです。プロジェクトを進めて行くということは今まではやっていなかったことをやることになります。そこには様々な抵抗があります。使ってきたシステム、利益が得られない部署や役員、長年慣れ親しんだプロセスやルール。 

 

これは経験談なので、与太話として見て欲しいのですが、一番の抵抗勢力は「慣習」だと思います。物体運動には慣性の法則が働きますが、企業という塊にも慣性があり、今までの動きを変えたくない、場合によっては、今いる場所から動きたくない!という抵抗まであります。

 

この慣性、理由がないだけにものすごい力を持って、抵抗力になります。

  • いまのままでも、業務は回っている(他社と比べると回っていない)
  • 今までもこうやってきたし、これからも変える必要かあるとは思わない(思うのは勝手ですが、役員も部長も変える必要性を感じています)
  • 誰の許可を得てそんなこと言っているんだ!(御社の役員でございます)

でも、想像するんです。いきなり外部からやってきた人間に、自分がやってきたことを否定されるような気持ちや掻き回されることを。そう考えれば、抵抗の理由の一つは気持ちの問題でもあると思うのです。

 

ビジネスの見地からだけではなく、今までやってきたことがあるからこそ、その改革ができるのだということを感謝していくことも変わることを強制される側には必要なのかもしれません。

 

検討は論理的に、でも話すときには情緒にも配慮して。今更ですが、コンサルタントとして以前に、人として大切なことは何かに立ち返ることが大きなことを為すには必要であると感じます。