知識蓄積ノート【投資・FIRE】

日々得られる知識、洞察をひたすら蓄積するブログ

【株式投資/企業分析】三菱商事(24年3月期 通期決算)

 

株価チャート

株価は2024年に入ってから大きく上昇。

年始時点で約2,200円だったので、そこから約50%も上がっている。ただし、5/2の決算発表後はやや下降しつつある。

 

週足で見ると、コロナ禍の2020年3月には750円まで下がっているが、それ以後の上昇は激しく、2023年前半と2024年以降と2度、大幅に上昇している。

直近では3,500円付近でもみ合っている状態。

 

 

日足チャート

 

週足チャート

 

 

24年3月期 通期決算

決算発表日:2024年5月2日

 

売上高、営業利益

  • 収益:△9.3%
  • 税引前利益:△18.9%
  • 営業利益率:6.9%

 

減収減益。

前年度に高い水準で増収増益となっているので、その反動もあるのか。

それでも税引前利益で1.3兆円という巨額の利益を上げている。

 

 

配当

  • 配当金:100円
  • 株価(5/9):3,334円
  • 一株利益:236.75円
  • 配当利回り:2.9%
  • 配当性向:42.2%

 

24年度は減益予想であるのにもかかわらず、70円から100円に30円の増配を予定。

それもあって、配当性向は30%から42%に上昇。

 

 

 

 

 

決算資料の中で、「累進配当制度は維持」と記載。

 

 

また、「キャッシュ・フローの予見性が高まった」とのことで、配当と自己株式取得のバランスの見直しを実行。

自己株式取得に充てていた資金を配当に回している

 

自己株式取得と違って配当金は固定でキャッシュが流出するが、自己株式取得はそのときの状況に応じて柔軟にその金額を調整できる。

自己株式取得から配当に資金を移したということは、それだけキャッシュ創出力に自信があるということか。

 

決算資料では、2024年度は一応は「キャッシュ・フローの状況に応じて追加還元(自己株式取得)を検討」するとのこと。

 

総還元性向の2024年度42%は、2023年度40%とほぼ変わらない水準。

 

 

25年3月期 通期業績予想

  • 親会社の所有者に帰属する当期利益:△1.5%

 

24年度の当期利益は1.5%減の予想。

 

 

 

  • ローソン再評価益:+1,250億円
  • 一部炭鉱売却益:+950億円
  • 金属資源:▲1,050億円
  • 地球環境エネルギー:▲900億円

 

ローソン再評価益、一部炭鉱売却益での増益を見込んでいるが、金属資源、地球環境エネルギーで減益を見込んでおり、トータルではやや減益となる予想。

 

 

セグメント

純利益

  • 金属資源:2,955億円
  • 天然ガス:2,195億円
  • 自動車・モビリティ:1,414億円
  • 電気ソリューション:920億円
  • 総合素材:644億円

 

天然ガスは489億円の増益、金属資源は1,438億円の減益。

 

やはり金属資源、天然ガスの総利益に占める割合は高い(金属資源:30.6%、天然ガス:22.7%)が、それ以外のカテゴリーが全体の利益の半分を占めており、ある程度は利益の分散化は進んでいる。

 

 

関連記事

 

大手商社、株主還元1.7兆円、5社の今期 伊藤忠、年40円増配

2024/05/09  日本経済新聞

 

大手商社の2024年3月期決算が8日、出そろった。配当と自社株買いを合わせた総還元額は5社合計で1・9兆円と、過去最高だった。25年3月期も現時点で1・7兆円の株主還元を予定する。5社合計の純利益は1%増の見通しで、純利益に占める総還元額の割合は47%とやや下がる。

 

大手商社5社、今期株主還元1.7兆円 伊藤忠は年40円増配 - 日本経済新聞

 

 

 

商社、資本効率経営競う

三菱商事の今期純利益9500億円 資源権益や事業を選別 住友商事・丸紅も改善策

2024/05/03  日本経済新聞

 

三菱商事は2日、2025年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比1%減の9500億円になりそうだと発表した。資源価格の下落などが響くが、原料炭権益の売却などで前期とほぼ同水準の利益を確保する。商社各社は事業を厳しく選別して資産の入れ替えを進めることで、投資家が重視する資本効率の向上を競っている。

www.nikkei.com

 

 

 

まとめ

23年度の通期決算は減収、減益。

ただしそれでも税引前利益1.3兆円と高い水準の利益を上げている。

 

24年度は70円から100円への増配予定。

自己株式取得用の資金を配当に回しており、総還元性向の42%は、前年度の40%とほぼ同じ水準。

決算発表後に株価は下がっているが、24年度は増配予想とはいえ総還元性向では変わらない水準である点、また、24年度の減益予想も嫌気されているか。

 

 

株価全体での動きでは、ここまで急ピッチの株価上昇を続けており、直近では3,500円でもみ合っているような状況。

 

今の水準以上での買い圧力はどれだけあるのか。

日経平均自体も4万円以下の所でもみ合っている状態が続いていることを考えると、買い手はそれほどいないのか。

 

ただ、それでも商社株は株価上昇を続けてきた銘柄なので、未来は読めない。

 

 


現状の配当利回りを考えると、とりあえずは様子見かな。

 

 

 

 

 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村

セミリタイアランキング
セミリタイアランキング