つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

打席での唾吐きは止めよ、飯がまずくなる

 メジャーリーグドジャースで打順2番の大谷翔平の後の3番にはいつもフレディー・フリーマンという一塁手が入っていますが、この男、いかつい顔をしている割には紳士であることが分かりました。彼は、幼少期に母親を皮膚がんで亡くしていますが、生前その母から「お前は汚い言葉を使ってはならない、グランドで決して唾を吐いてはならない」との忠告を受けたそうです。そして、今でもその教えを忠実に守っているというのです。バッターボックスの中で何度も唾を吐く人間をいるのを見るにつけ、フリーマンや大谷(日本人は当たり前か)のようにそういうことは絶対しない選手に好感が持てます。

 小生は野球中継を見ていつも思うのですが、メジャーの選手や日本プロ野球の外国人選手はなんであんなに唾を吐くのだろう。人間ふつうアットバットなどで緊張すれば、口中は乾いてきて唾など出ないはずですから、不思議でなりません。例えば他のスポーツではどうか。土俵の中で唾など吐く力士は絶対いないし、バレーボールやバスケットボールなど床上のスポーツでもそういう行動に出る選手はいないでしょう。サッカーやラグビーなどは一人ひとりにカメラが向けられているわけではないので分かりませんが、カメラがクローズアップしている時にもあまり見かけません。

 人間、口中に唾が溜まるのは、空腹を感じたあとの食事時で、特に好きな食べ物が出された時です。さらには、デートした女性から体を押し付けられたり、「今日は帰れないわ」などの”好ましい”ニュアンスの言葉を聞いた時に往々に起きる現象です。そんな時には、溜まった唾をゴクンと飲み込んだり、知らず知らずのうちによだれを流したりすることもありましょう。それに対して、次の球種やコースを予想してどう打つかを考え、緊張している時には、逆に口中がカラカラになることが多いと思われます。つまり、打席で唾など吐く奴は緊張感が足りないのです。

 こちらが食事中に野球中継を見ていて、選手が唾など吐くとうんざりします。画面の中の選手はもっと視聴者のことまで考えろと言いたい。かつて楽天から巨人に移ったウィーラーという黒人選手はアットバットで何度も唾を吐くし、しかも一回に出す量も半端でない。一見ゲロみたいな感じですから、こちらが生卵かけご飯などを食べていると思わず「きったねー」と目を背けたくなります。こんな選手の育ちや品性を疑うし、応援する気にもなりません。常識以前の問題です。ですから、幼少期にそういう態度を教えたフリーマンの母親は実に立派だと思います。

 スポーツの話ついでにもう一つ。大相撲3月春場所に新入幕で優勝した尊富士がこのほど青森県に凱旋里帰りしました。五所川原市でのパレードではなんと約5万人という市民の数を上回る5万5000人の群衆が集まり、祝福したようです。人が集まれば、屋台が出るでしょうし、交通機関、デパート、食堂も儲かる。素晴らしい光景です。で、これで小生は何を言いたいのかというと、やはり関取は郷土と切っても切り離せない。それぞれの土地が出身力士を盛り立てて一体化する、それが地方に経済効果をもたらすということです。

 外国人力士でそれができましょうや。モンゴル人力士だってウランバートルで優勝パレードなどないでしょう。外国人力士の優勝では盛り上げりませんし、日本の地方では経済効果は出ません。これまでモンゴル人関取が100回以上優勝していますが、これによって本来それが契機となるべき地方の活性化は阻害されてきました。なんともったいないことか。という意味で、もう外国人力士は要らない、日本人だけにして欲しい。

 大の里が優勝すれば、地震で被害を受けた石川県、能登地方が大喝采し、勇気付けられるし、熱海富士が優勝すれば、熱海温泉への観光客は激増します。地方巡業だって、郷土力士がいれば、それだけ観客も多くなるはずです。日本の地域と結びついた大相撲、小生はそうなって欲しいと願っています。

 上の写真は、東京・日野市の「新選組ふるさと歴史館」で土方歳三のパネルと一緒に。下の方は京都・壬生の「光縁寺」にある新選組隊士の山南敬助松原忠司らの墓。

www.youtube.comラテンの歌はいい。

3補選で自民党が負け、関心は「who is the next?」

 昨日、投開票が行われた長崎、島根、東京の衆院補選で、いずれも野党・立憲民主党候補が勝ち、自民党勝利者はゼロでした。世間はやはり自民党の派閥パーティーに絡む裏金問題に厳しい目を向けており、有権者がお灸を据えたのだとの見方がメディアで共通していました。確かに、そうした面は否めません。ただ、一部には「これでひとまず禊(みそぎ)は済んだ」とむしろ、有権者の怒りを吐き出させたことで一安心している他の自民党議員もいるでしょう。選挙とは魑魅魍魎です。

 一応自民党の”党友”でもある小生の目から見ると、長崎3区の結果はある程度予想の範囲内でした。なぜ自民党が候補者を立てなかったと言えば、実はこの選挙区は次期衆院選で隣区と合併して定数減となるので、なまじ自民候補者が当選すると、合区になる自民党議員とのコスタリカ方式などの調整が強いられ、面倒になるのです。ですから、自民党にとってはむしろ勝たない方がいいのです。自民党は次回の衆院選で合区となる新選挙区で、今回勝った立民の議員を破る戦略を考えていることでしょう。

 東京15区で自民党は最初から候補者を立てなかったのは、裏金と関係ない他の事件で立件された自党候補者がいたので、状況悪しと考えたからでしょう。それで「五体不満足」の乙武洋匡を推薦する予定でしたが、「汚れた自民の世話などになれない」とばかりに乙武だか支持母体の都民ファースト党だかが断ったもようで、結果、自民党はまったくの自主投票になってしまいました。乙武が5位と低迷したのは都民ファーの党首である小池百合子都知事学歴詐称問題も影響したのかも知れません。ちなみに、詐称問題は法廷にまで落ち込まれる見込みで、7月都知事選での小池の3選は無理でしょうね。

 東京15区補選の投票順位で小生が驚いたのは、2位に元プロレスラー(格闘家)の須藤元気が入ったこと。この男、れいわ新選組の推薦を受けたようですが、ある意味まったくの無所属で素人政治家。であるのに「えー、次点になるのか」と驚きました。現職の参院議員の地位を捨てて挑戦した須藤に世間は同情したのかも知れませんが…。でも、石川県知事といえ、須藤といえ、なんでプロレスラーばかりに政治人気が集まるのか不思議です。

 小生は、2位に「維新の会」の金沢結衣候補が入るのかと思っていました。でも、同じ保守系として日本保守党の飯山陽、参政党の吉川里奈と2人の女性候補や元汚職議員がいたため、保守票が分散されてしまいました。そこでメディアでは、もともとの自民党支持票の行方はどうだったかの分析もありました。やはり、保守系の金沢、飯山、吉川、乙武に分散されているんですが、驚いたのは2割くらいが立民酒井に行っているんですね。安全保障政策にいい加減な立民候補に、どうしてもともとの自民支持者が投票するのか、理解に苦しみます。

 さらに驚くことは、補選3つの区の中で一番注目されたにもかかわらず、東京15区の投票率は40%強という低率だったんですね。前回総選挙では6割以上あったのになぜという感じ。この理由として考えられるのは、まずゴールデンウイーク真っ最中、しかも天気がいい絶好の行楽日和であったため、選挙などに行きたがらなかったこと。2つ目はもともとこの選挙区は自民党議員の地盤であり、保守系が強い。ですが、自民党が候補者を出さなかったことで、一定の有権者は、投票する気が起きなったのではないかと考えられます。

 さらには、保守系候補が乱立したことでだれに入れるかで迷い、結局棄権してしまったのではないか。立民の候補者は元江東区議で以前の衆院選でもこの選挙区で立候補した経験があり、その意味では見知った顔。他の候補者は汚職の元自民議員を除いてすべてよそ者。投票した有権者は一番その辺の事情を考慮したのでしょう。でも、ここはもともと保守の地盤、裏金のほとぼりが冷めた次回選挙でどうなるかは分かりません。

 自民党にとって一番ショックだったのは島根1区補選の結果でしょう。勝利した女性候補は元議員であり同情が集まったこと、元津和野藩の殿様の家系であり、田舎特有の貴人への尊敬心があったことが大きかったと思います。で、自民候補は地元出身の錦織とかいう元官僚。裏金問題で大変な時に、当たり障りのない無難な官僚などを候補者にしてどうするのか、小生には信じられなかったし、この候補者の顔、姿は官僚そのもので庶民的なイメージは微塵もない。

 自民候補に比べれば、貴人とはいえ、丸顔で愛嬌のある立民の亀井亜紀子候補の方が魅力的に感じられます。自民側はIT関係者とか、面白い起業家とか、ユニークな学者とかの担ぎ出しを考えなかったのか。結果は僅差どころか亀井の圧勝でした。保守王国にとっては予想外のことで、島根県連は、次期総選挙でよほど良い玉を考えないとストライクバックはできないかも知れません。

 でも、今回の3補選で裏金問題に対する庶民の怒りがある程度具体化されたことで、次回総選挙まで残らないと思っている自民関係者も少なくありません。自民党は裏金問題のほとぼりが冷めるのをじっと待っています。ですから、当分解散・総選挙はできない。しかも、岸田首相下での総選挙は絶対無理と多くの議員が思っているでしょう。つまり、岸田の命運は今秋総裁選までで、そこで新しい総裁を選び、その新政権下で総選挙を行うことになるんでしょうね。で、われわれの関心は「who is the next?」。

 上の写真は、4月末、桜木町・野毛地区で行われた大道芸フェスの一場面。 

後妻業の女と頂き女子りりちゃんの共通性

 最近の国内ニュースで面白なと思ったのは、「頂き女子りりちゃん」というのがいて、ネットで知り合った男性から合計1億5000万円をだまし取ったという話。正直、この一報を聞いたとき、「本当かよ」と思いました。ネットで流れた動画を見ると、りりちゃんは言ったら悪いが、見た目は顔も並み、いやそれ以下かも知れない。そしてしゃべり方がガキっぽくてとても成人男子の話し相手、男女関係の相手になりそうにない感じ。そんな女に対し男どもがよくもそんな大金をつぎ込んだなーと思います。

 りりちゃんはいわゆる「頂き女子の手引書」みたいなものを作っていたもよう。ネットで連絡してきた男性からいかに金を搾り取るかの方法を順序だって事細かに書いた騙しの手引書をネット上で販売していたというのです。それによれば、彼女の手口は、自分がひどい親の下に育ち、いかに虐待されていたかなどをるる説明、お涙を誘うところから始まるらしいのです。男性はその言葉に騙されて最初は数万円、そして数十万円、そして数百万円と貢いでいったという。それも一人でなく、同時並行的に複数の男性が彼女の”金主”になっていたというから、なおさら驚きです。

 記者であった小生の立場から言えば、その金主たちは何を目的に数百万円、数千万円を払ったのか。彼女が可哀そうだと感じての同情心か、辛い境遇から早く立ち直って欲しいという親心か、それとも単に将来なんとかなるのではないかというスケベ心か。その目的が知りたい。それにしても、女性と付き合いたい、金もそれなりに用意できるという男性なら、正直、りりちゃんよりはもっとましな美人の女性に接近できたはずだと思います。

 その辺が”事件”の謎なのですが、以前、一人暮らしの老人に近づき、その後妻に入り、毒薬やトリカブトで殺してしまい、財産を分捕るといういわゆる「後妻業」の女たちがいました。こうした犯罪はこれまで何度もありましたが、こう言っては失礼ながら、容疑者は小太り小柄で顔も並み(それ以下の場合も)の女性が多かったのです。普通、街で逢ってもだれも振り向かないごく普通のおばさんです。ですから、どうして世間の独居老人はこんな普通のおばさんにほだされて後妻に迎え、財産を託してしまうのか、実に不思議でした。

 でも、よくよく考えれば、一般の男性で、特別カッコよくもない老人であれば、逆に美女が近づいてきたら、大いに警戒するでしょうね。ある意味、普通のおばさんであるからこそ、安心するし、ひょっとしたら、再婚してもうまくいくのではと思ったのかも知れません。美人でもなく、ガキっぽいりりちゃんが受けたのも普通の女の子というところが奏効したのでしょう。

 りりちゃんは稼いだ金をホスト通いに使っていたらしいけど、後妻業のおばさんも将来のために貯めるとかではなく、博打や男に使っていたようです。悪銭身に付かず。その点では、後妻業のおばさんとりりちゃんは共通性があります。違いは一つ、りりちゃんは人殺しまではしていないところですか。

 で、この事件を振り返ってみます。りりちゃんは金の提供相手に結婚をちらつかせていたわけではないのでしょう、単に同情心を誘って金を振り込ませていただけのようですね。りりちゃんの容疑は「詐欺罪」となっていますが、何か見返りに提供するものを用意していないのでしょうから、厳密に言ってりりちゃんの「詐欺罪」って成立するのかな。単なる贈与を受けた金の税法上の未申告、所得税法違反に過ぎないのではないでしょうか。

 正直、だまされて貢ぐ男性の方にも大いに問題があるような気がします。りりちゃんは相手に借金の返済に充てたいという理由を付けたらしいけど、そんなことで見も知らずの人に大金を提供する心理が分かりません。でも、ここでは男性側の“瑕疵”には敢えて触れません。名古屋地裁の一審は、彼女に懲役9年、罰金800万円の判決を言い渡しました。ちょっと重すぎる感じがしますが、裁判所は、女が詐欺の手引書を書いていたのが悪質と問題視したようです。確かに、この女の量刑を軽くすると、同種事件が多発する危険性もありますから。

 小生も老人(金はないが)ですから、ネット上でこの種の誘いが多く来ます。特にSNSの「フェースブック」などで、まったく知りもしない美人の女性から「友達になりませんか」との誘いが来ます。彼女らが何を目的にしているのか。ちょっと知りたいなという思いもあり、対応したい誘惑にもかられますが、止めておきます。無視が一番です。

 上の写真は、小生のマンション入り口に生えている雑草。この橙色の花は外来種で猛毒があるとか、テレビでやっていました。下の方は、良く行く歯医者の診察台の前につるされているフクロウ。フクロウのように賢い人間でありたい。

ホームレス番組でますます興味が沸いてくる

 やはりユーチューブは面白い。歌も演歌、民謡、洋楽、オペラなどさまざまなジャンルがあるし、カラオケ用の映像もあります。一時時代劇にはまり、中村敦夫木枯らし紋次郎を集中的に見ていました。中村の演じる上州新田郷の紋次郎はニヒルな股旅男で、なかなか引き付けられます。で、小生が最近よく見る動画は河川敷などで仮りの宿を作って生活しているホームレスの取材番組。小生はホームレスをする人間、その人生、仮の宿の状況などに興味があるので、「下町ぶっとびTV」とか「今日一日見ても良いですか」などをよく見ています。

 かつて小生も、アウトドア好きの友人に誘われて日本各地を旅し、道の駅などでテントを張ってキャンプをした経験があります。ですから、屋外で寝るという生活はある程度理解できます。一日や二日ならそれなりに楽しい〝非日常”です。ですが、それを何年もやるというのは正直実感できません。特に小生は寒いのが大嫌いなので、仮宿の冬は辛いだろうなとしみじみ思います。

 でも、ある人に言わせると、寒い方は防寒をしっかりすれば我慢できるが、暑い時期の方がもっと厳しいとか。確かに最近の夏の暑さは尋常でない。夜間でも30度を超えているのですから、仮宿の狭い空間で暑さの中寝るのは寝苦しいことこの上ないでしょう。それに、風通しをよくするために外との遮蔽シートを取り外せば、蚊やごきぶりなどの虫が入る、あるいは、ネズミやタヌキなどの野生動物が侵入するということもありましょう。正直いって安眠はできないでしょうね。

 で、ホームレス取材番組ではカメラが彼らの「やさ」の中まで入り込み、寝所まで映し出します。それを見ると、結構小ぎれいにしている人、ごみ屋敷になっている人とかさまざまですが、どのやさもベッドは高床式になっており、布団もふわふわ、結構温かそうな寝所になっていることに驚かされます。やはり、健康を損なえない状態にあるホームレスにとって、寝ることの重要性を十分認識しているということでしょうか。

 何本かの番組を見て理解できたことなんですが、ホームレスには一定の共通性があります。その第一は、彼らは皆外見上小ぎれいな服を着ていること。昔の乞食のように何日も風呂に入らず変な臭いがするような、むさくるしい恰好の人は見あたりません。定期的に銭湯に通い、服も適時洗濯している様子が画面上からも感じ取れます。それは、生活費を稼ぐために、買い物をするために、ある程度外の人のつながりを持たなくてならないことと関係しているからでしょうか。

 「下町ぶっとびTV」のレポーターは特にしっかり対象者を取材していて、その聞き方が実にうまい。最初に仮宿の構造、内部がしっかりしていることをほめ、そして小屋周辺に置いてある物などについて質問し、親しげの会話の中で徐々にホームレスと心を通わせ、そのあと、相手の経歴などを聞き出していくのです。その方法が巧みだ。小生が現役記者の時にこれほどうまく取材できたかなと、今さらながら忸怩たる思いが出てきます。

 ホームレスの歳はやはり60歳過ぎの人がほとんどで、荒川、江戸川河川敷の住人はなぜか東北出身者が多いとか。あるホームレスは「福島と山形出身者が多い」とか言っていました。真実は分かりませんが、それが事実なら、東京の東部が距離的に東北地方に近いせいもあるのでしょうか。ほぼ全員が男性ですが、中には女性もいる。だが、女性一人の仮宿では危険性があるのか、完全一人というのはなく、夫婦であったり、他の男のホームレスの保護を受けたりしています。

 彼らの生業は、日銭稼ぎのためにアルミニウム缶を集めて業者に売るというのが一般的。それで、一日4-5000円ほど稼ぎ、スーパーで食材を買い、仮宿で炊事している方が多いように見受けられました。意外にも、生活保護を受けたり、他人の施しを受けたりしていない。それを潔しとしていないようです。結構、仮宿には役所の福祉担当者、キリスト教系事業団、河川事務所の職員が巡回見回りに来るらしいのですが、皆窮状を訴えるようなことはしない。

 多くは仮宿に猫を飼っていました。恐らくネズミやその他の動物の侵入、襲撃を防ぐ”ガードマン”的な役割も期待しているものと思われます。外見は小ぎれいなのですが、彼らに共通しているのは皆,歯が欠けていること。きちんと毎日歯を磨いてないので歯槽膿漏になったのか、ほぼ全員が犬歯を除いて前歯がない。これを見るにつけ、やはり(小生も含めて)老齢になったら、定期的に歯医者に行き、チェックしてもらわなくてはと感じました。

 そして、一番知りたいのは福祉団体の保護を受けないで、なぜホームレスになったのかという点。「下町…」のレポーターは必ずそれを聞くのですが、われわれも大変興味のあるところです。で、その答えの多くは「人と交わることが嫌、面倒くさい」「職場にいて人間関係が嫌になったから」。ですから、彼らは一人でいることを苦にしないのです。近くに同じようなホームレスがいても、友達にならないどころか、関心も持たない。確かにそういう孤独に耐えうる人でなければ、世間から離れた河川敷の”一軒家”で何十年も一人で生活するというのは難しいでしょう。

 上の写真は、3月末に神田・神保町であった中国料理店での宴会での料理とデザート。上の杏仁豆腐の上の「大谷翔平」はここのマスターがファンゆえか。下の方は、高級料理の蒸した「いしもち(ガルーパ)」。この身と汁をご飯にかけて食べるとうまい。

本当にもう一度「トランプ大統領」でいいのか

 自国のことでないので、どうでもいいと言えばそれまでなのですが、米国で次期大統領として依然トランプが有力というのが、小生にはまったく理解できません。まあ、ロシアでも侵略戦争を続けて自国の若者10万人以上を犠牲にしているプーチンという独裁者がいますし、中国にはうまく回っていた経済を政治的な締め付けによってガタガタにした習近平なる経済無知者がいます。中国は選挙もない国なので、習が本当はどれだけ国民の支持を受けているかなど分かりませんし、ロシアの大統領選挙も不正に満ち満ちているようですから、信用できません。

 だから、2人の権力維持は本当は国民の支持とはかけ離れているのかも知れませんが…。でも、米国は仮にも最大の民主主義国です。その国で大統領選挙結果が信じられないと最後まで主張し、挙句には右派勢力を先導して国会議事堂まで攻撃させたようなトランプをいまだに支持する人がいるとは。いるだけならまだしも、再び共和党の大統領候補になり、今秋の本選挙では民主党のバイデンを破り、当選するのではないかとまで言われています。米国の国民ってどれだけの知性を持ち合わせているのだろうと疑問を持たざるを得ません。ある種の衆愚政治かも知れません。

 トランプはこの国会議事堂占拠への関与だけでなく、自分と関わったコールガールへの口止め料を弁護費用として差し替えたり、自らの不動産で脱税したり、前大統領時代の公文書を持ち逃げしたりとやりたい放題で、34の重大犯罪に関わっているとか。そして訴追を受けると、「現政権による政敵への弾圧だ」などとうそぶく。一点の反省、謙虚さもない。品性や教養は微塵も感じられない。こうした人が再び大統領候補になること自体、小生には信じられないのですが、現時点でも世論調査によれば、今秋に当選可能性もあるというのですから、驚きの極致です。

 本当にトランプを再びホワイトハウスに入れていいのでしょうか。地球環境には関心がないようなので、パリ協定から降りると言っている。前回初当選の時もこの協定を真っ先に破棄する大統領令に署名しました。かといって、安全保障に関心があるようにも見えない。関心があるのは、どうやら自分が今秋の選挙でバイデンに対しリベンジ当選することだけのよう。そして、自らのビジネスを潤わすような政策を打ち出すだけ。

 「自分が当選すれば、ウクライナ戦争は明日にでも終わらせる」と豪語しているが、ちゃんちゃらおかしい。要は、ロシアがもぎ取ったウクライナの領土をウクライナにそのまま認めさせるということでしょう。そんな終結方法をウクライナが認めるわけがない。もし、そんな方法を認めたら、中国に”誤解”を与える。台湾が中国に占領されたり、日本の尖閣諸島や沖縄が中国に盗られても、トランプは台湾関係法(米の国内法)や日米安保条約上の防衛義務を果たさず、そのまま認めるというように仕向けるでしょう。トランプだったら、やりかねませんね。

 バルト三国ポーランドは歴史的にロシアの占領を受けた時期が長いですから、ウクライナがやられたら次は我が方という強い危機意識を抱いています。そのため、ウクライナ戦争には大きな関心を持っており、武器支援、人道援助も熱心です。いや、旧ソ連、東欧だけでなく、西欧諸国だってロシアの膨張主義には大いに危機感を持っていましょう。でも、トランプは欧州での争いなど関心がない、所詮別大陸の話という認識なんですかね。

 彼には今、経済の交流、往来がグローバルに展開されており、その背景に政治的協調が必要なんだという視点がない。相手が独裁国であろうと、人権無視の国であろうと、米国と貿易してくれればそれで良しとの考えなのかも知れません。でも、独裁国家は政治的に不満足な対応に遭うと、すぐに貿易関係で報復に出ます。つまり、安定的な貿易相手国にはならないのです。長い目で見れば、国益に反し、ひいては「米国ファースト」にならないということがトランプには分からないのでしょう。

 フランスのマクロン大統領は、「もしトラ」に備えて、NATOでの米国支援は期待できないので、欧州だけの軍隊を創設しようと発言しています。やはり、ウクライナへの最近の関心の薄さから見ると、共同防衛の限界が見えてきます。日本も日米安保条約第5条の発動などによる米国への過度の期待などしないで、もっと自力防衛強化を考えるべきではないでしょうか。

 上の写真は、京都・円山公園の枝垂れ桜前の小生。下の方は、兵庫県城崎御温泉で泊まった宿屋のマスコット人形。

ハワイ勢の相撲は嫌いだが、曙個人は魅力的

 「願わくは花の下にて春死なん その如月の望月のころ」というのは平安末期の西行法師の和歌ですが、小生は毎年、春に満開の桜を見るにつけ、何となくこの和歌を思い出します。ついでに高齢故に「この桜の満開をあと何回見られるか」とも思ってしまうのです。紅葉もきれいですが、「紅葉を来年も」とはあまり思わない。満開に咲いたソメイヨシノは本当に人を引き付けるし、酔わせる。西行と同じように、できれば桜の下で死期を迎えたいと思うのです。

 それはともかく、大相撲の横綱まで張った曙太郎が逝去しました。まだ54歳の若さとか。相撲取りは大飯を食って寝て体を作る、ある種不健康な生活を送ります。内臓に負担がかかるでしょう。その上に厳しい稽古に明け暮れ、ガタイを痛めつけるので、まあ、相撲ファンとしては残念ながら、早世が多いのは致し方ないのかなと思ったりもします。ですから、最近テレビに出ていない北の富士さんにはぜひ長生きしてほしいと願っています。

 曙には悪いのですが、小生はこのブログで再三書いてきたように、大相撲の面白さをなくしたのはハワイ勢が入ってきたことが原因だと考えています。栃若、柏鵬を見てきたファンからすれば、相撲は組み合ってから、投げを打つ、寄り切るというのが理想です。それをハワイ勢がひっくり返しました。高見山を筆頭に、曙や武蔵丸小錦のような大型力士が突っ張りとぶちかましで相手を一気に土俵外に出すという取り口。アメフトをやっていた連中ですから、それが得意です。そうした取り口もまた相撲であり、否定はしませんが、小生は好きになれませんでした。

 最近、八角理事長が嘆いていましたが、現在、大相撲入門者が減り、総勢600人を切ったとか。外国人力士、特にモンゴル人力士が多く出てきたことで、郷土との関係が薄くなったことが一つの原因だと思います。さらに、相撲界の旧態依然たるところが若者の関心を削いでいるかと思います。その一つが同部屋対戦のないこと。元白鵬が師匠だった宮城野部屋が消滅し、伊勢ケ浜部屋に合併されることになりました。となると、宮城野の伯桜鵬と春場所優勝した尊富士や熱海富士などとの対戦は組まれなくなります。

 同部屋力士の対戦がないというのはなんとつまらないことか。今時、将棋だって囲碁だって、学生相撲だって何だって個人戦なら当然同部屋、同じ学校、クラブの仲間同士が戦う。それが本来あるべき対等の戦いでしょう。極論ですが、もし伊勢ケ浜部屋が幕内上位の力士がいるような部屋をどんどん合併していったら、戦う相手は弱い相手ばかりになってしまいます。貴闘力がユーチューブで漏らしていたことですが、同じ藤島部屋若貴本場所での取り組みがないことをつまらなく感じ、別の部屋への移籍を師匠(元貴乃花)に直訴していたそうです。

 そう言えば、千代の富士北勝海(保志)、若貴と戦ってほしい関取が同部屋で、本割での対戦がありませんでした。もし、これらの対戦が本割で実現していたら、北勝海や三代目若ノ花の優勝回数は減っていたように思います。八角理事長は今、機構改革を考えているようですが、ぜひ個人総当たりを導入してください。そして、十両以上の関取は、もう部屋から切り離し、独立して外に住むようにさせてください。十両以下に落ちたらどうするかという議論がありましょうが、その時は再び部屋に戻ればいいだけの話です。

 それから十両力士は100万円以上の月給をもらいながら、幕下はゼロ。2か月に一遍の場所手当しか出ません。これも力士の生活保障を考えた場合、いかがかと思います。プロ野球でも支配下登録されればある程度の年収は保証される。であれば、せめて幕下くらいは低額でもいいから、給与を与えるべきです。あるいは、一度十両以上に上がった力士が幕下陥落した場合にも、一定額の給与を与えるというのはいかが。一度、十両以上になれば、恐らく所帯を持つ力士もいるでしょう。陥落で所得をなくしたら、家族が困りますから。

 さらに提言すれば、もう相撲部屋で大座敷の中での雑魚寝の生活は止めた方がいいと思います。今時の若者は自宅で自分の部屋を持ち、プライバシーを守ってきているでしょう。それがいきなり大部屋雑魚寝では嫌になってしまいます。せめて4人部屋くらいにするか、大部屋でも仕切りのある空間を彼らに与えるべきです。それくらいの大胆な改革をしないと、本当に入門者が減ってしまいます。大相撲ファンである小生は、有能な若者がこの業界に入って来なくなるのを恐れます。

 曙逝去の話から大相撲改革の話に飛んでしまいました。最後に再び曙について触れます。彼が人間的に素晴らしい資質をもっていたことをプロレス時代の仲間も含めてSNSに投稿した追悼文をユーチューブで見て、知りました。モンゴル勢の朝青龍などと比べると、本当に他人を思いやる姿勢は立派、優しい人だったと感じられます。ハワイ勢の取り口は好きになれなかったですが、人間的には好きになれそうです。

 上の写真は兵庫県城崎温泉の「御所の湯」全景と、その中の滝が見える露天風呂。

大河ドラマ「光る君へ」は海の家のラーメンだ

 のっけから下世話な話で恐縮ですが、大谷翔平の嫁となった田中真美子さんはとんでもないラッキーレディーでもあるんですね。というのは大谷はドジャーズとの契約で、10年間の在籍を条件に7億ドルを獲得することになりました。1ドルを日本円151円でカウントすると1057億円です。となると、真美子さんはハンサムで長身、優しい心根を持つスポーツマンの大谷の身体、心を得たばかりでなく、同時に1057億円を使う権利も獲得した計算になります。

 日本のジャンボ宝くじの最高賞金は10億円のようですが、大谷の契約金に比べたら、屁でもない。早い話、真美子さんはべらぼーな懸賞金額の”宝くじ”を当てたようなものです。でも世の女性はこのラッキーさをうらやむべきでない。彼女は大谷好みの長身(180センチとか)で全日本レベルのスポーツウーマン。色白美人。性格的には、運動選手にありがちながさつさはなく、控えめでおしとやかな感じ。早稲田大学卒で知性も持ち合わせているとか。で、多くの女性が彼女と比べたら、かなわないと諦めざるをえないのではないかと思います。

 さて、下世話な話は置いといて、小生はNHK大河ドラマのファンなので、今年の「光る君へ」について触れたいと思います。正直、平安時代の朝廷を舞台にしたドラマということで事前に期待はしていませんでした。恐らく戦国時代や江戸幕末背景のものに比べ、戦闘場面が少ないのではないかと予想したからです。でも、毎年の習慣で最初から見続けています。それで早3カ月以上。意外にも、北野たけし風に言えば、これが「海の家のラーメン」なのです。つまり、期待していなかった分、逆に”おいしい”と感じるドラマです。

 そもそも藤原道長紫式部(本作ではまひろという名)が幼少のころから、互いの氏素性を知らずに遊びの場で友達となり、しかも成人してから恋仲になるという設定が素晴らしい。まひろの父親は低級の貴族で知識人だが、なかなか官職が得られず、貧乏暮らし。道長はまひろと愛し合い、激しく体を重ねる(このシーンもNHK大河としては画期的)のですが、最終的に身分が違うことで、「妻にはできない。妾ならどうか」と持ち掛ける。なかなかのストーリーです。平安貴族は一般に何人かの愛妾を持っていたというから、当時としてはごく自然な言い方だったのでしょう。

 道長は3人兄弟の末っ子。ただ、父親の愛妾にも男子が一人おり、道長の兄は3人となります。ちなみに、この庶子が遠慮をしながら正妻の子とうまく付き合い、母(つまり父親の愛妾)ともども自らいいポジションを得ようと画策するところなども面白い。道長の父親は藤原兼家。ドラマの中にも出てくるが、策略を弄して花山天皇を出家に追い込み、娘詮子の子、つまり外孫を天皇一条天皇)にし、自らは外祖父として摂政に上り詰めるのは歴史上の事実です。

 摂政、関白職は兼家、長男の道隆、3男の道兼(2男は庶子と見られる)につないでいきますが、2人とも早世してしまいます。そこで末っ子の道長が世に出ます。兄の陰に隠れてじっと目立たないようにしていたのが幸い、また長生きが身の助けになりました。娘彰子を入内させ、権力絶頂期を迎え、「この世をば我が世とぞ思う望月の欠けたることもなしと思えば」という有名な和歌を残すのです。これは、3男でありながら、紀州家を継ぎ、そして第8代将軍にまで上った徳川吉宗を彷彿とさせます。

 のちに道隆の長男伊周が宗家復権を目指して道長に戦い(長徳の変)を挑みますが、結局返り討ちに遭い、地方の官職に左遷させられてしまうのです。その辺のところはまだ大河では登場していませんが、このどろどろとした内輪の争いは興味津々で、脚本家がどう描くかに期待を持たせます。のちの保元、平治の乱、源平の争いでも藤原家、源家、平家が身内同士で敵味方に分かれて争っており、そららにつながるものでもあるので。

 「光る君へ」ではいまだ戦いの場面が出てこないため、男性視聴者はちょっと物足りなさを感じてしまうのではないかと思います。ですが、その反面、一種の宮廷内の権力闘争、つまり謀略、多数派工作、娘の入内の利用などの権謀術数が見られ、それはそれで醍醐味があります。刀剣の争いで勝ち負けに決着付けるのは分かりやすいですが、権謀術数劇もそれなりに面白い。企業、団体、政党内の武器なき戦い、権力闘争もそんなもので、現代社会に通じると感じられるからです。

 上の写真は、みなとみらい地区にある三菱重工横浜造船所ドック跡。下の方は、亡き姉の墓参りに行ったときに見た園内の桜。