日ノ出前検車区

趣味は朝活で。最近は備忘録と化しています

【1/80】山形鉄道の鉄道むすめラッピング車を作る(9)

Maxモデルの山形鉄道キットをベースに鉄道むすめラッピングのYR-887を作る話です。
 
前回は車両を人前に出せる姿にすべく、車体の外装だけ先行して仕上げました。今回からは追加の電装品と内装パーツを仕込んでいきます。
前回の記事はこちら。



・目次



モーター起動電圧を上げる

やっぱり模型はライトが点いてから走り出してほしいので、モーターの起動電圧を上げることにしました。ライトが点いた状態で止まれると展示会に静態で出す時も楽でいいのです。

過去作のNゲージ同様、モーターの回路にツェナーダイオード+ブリッジダイオードを取り付けました。また、パワーパックとの相性が悪かった時に備え、ツェナーダイオードをなかったことにするための短絡スイッチも設けています。
装着後、オーバルの線路をグルグルさせて過熱しないことを確認しました。
 
ちなみに、メーカー完成品ではモーターの回路を開く(=走らなくする)スイッチが付いている物があるそうです。U-TRAINSの京急新1000形などはこのスイッチが装備されているとか。これを使うと、車両は止まったままライトを光らせて撮影できるというわけです。良いユーザー目線ですねぇ。
 


室内灯の設置



千石電商のLEDフィラメントに昼光色が出ていました!ビジュアルが蛍光灯らしくていいですね。これを使おうと思います。

長さは18.8mm〜で色々用意されていました。

塗装前の†イメトレ†時の様子

元々のLEDフィラメントは昼光色と言うだけあって室内灯としては光が白すぎるのが気になりましたが、裏返しで設置したら中に入っている基板?の色が混ざって昼白色ぐらいの色になりました。
 



せっかく大きい模型なので実車同様の光源配置を再現しようと思います。

LEDフィラメントを車体にセットし、その上からt0.5の黒いプラ板に角穴を開けた天井板を作成し、実物同様の光源配置を再現してみました。いい感じじゃない?

天井板を内装色のキャラクターフレッシュ(1)で塗り、開口部にt1.0のポリエチレン板をメンディングテープで取り付けました。簡単工作ですが蛍光灯カバーっぽくなります。
さらに天井板には磁石を貼り付け、車体側にはスチールシートを貼ってマグネットで車体に固定する方式としました。こうすればメンテナンスが必要な時にサッと蓋を開けられます。
 
して、こんな感じに。


これですよこれ!!光源の形状まで再現するとかなり実感的になりますね。室内表現のモチベが上がります。
明るさは18mAのCRD×3の54mA分としました。実車同様、薄暗い場所で見ると室内灯が点いているのが分かるぐらいの明るさです。
 
ちなみに、夜間の実車の車内の雰囲気はこんな感じだそうです。


お披露目

ここまで加工して、運転会に参加しました。群馬県嬬恋村は嬬恋鐵の郷さんです!

いや^~~いいですねぇ!信号システム・電飾が素敵なレイアウトで飲んで談笑して室内灯入りの車両を走らせる……最高の夜です。ライト点灯状態で止められるようにしたのが功を奏しました。
 


内装

運転会で極大になった内装モチベで工作を進めます。


運転室の準備


以前の記事で作った運転台ユニットをもう一つ作りました。今回は黒いプラ板で組んで透けを防いでみました。この後内装色のキャラクターフレッシュ(1)を吹きました。
 


床の表現

床は当初塗装しようと考えていましたが、綺麗に仕上げる自信がなかったこと、遮光用の下地の黒を吹くのが面倒だった(床板が白いスチロール樹脂で室内灯が透けるので)ことから、

紙を採用してみました!特種東海製紙のマーメイド(ひはだ)です。いい感じに実車リノリウムっぽい色かと思います。

世界堂で見つけて買ったのですが、A4サイズ1枚で30円とかだったかな?秋月で安い電子部品を1個だけ買った時と似た申し訳なさを感じました。バラ売りしてくれるお店は有り難いものです。
 


座席

YR-880-2形特有の超ロングなロングシートを作っていきます。
 
HOのロングシート……ということで買い置きのあったカツミのロングシートを付けてみたのですが、あらゆる接着材がうまく効かず工作に難儀。調べてみたらどうも2022年3月の生産終了→改良前の製品は塩ビ製?らしく……これでは接着剤だけでなく塗料も食いつきづらいでしょう。なにを思ってこんな素材にしていたのでしょうか。

おまけに反ってて格好が悪いんですよね。形状も良くありません。



違う製品を探したら、IMONからABS製と明記してあるロングシートが出ていました。最初からこっちを買うべきでしたね。

ということで、気を取り直して座席パーツを取り付けていきます。

ガラスパーツをプラ板で下方向に延長し、そこに座席パーツをネジとナットで固定します。ガラスパーツ側の通し穴は若干大きめにしておき、取り付け位置を微調整できるようにしておきました。
 
モケットの切れ目も実車に合わせます。
上図のように、実車のモケットは排気管がある側は5人掛けのシート×6と素直な配置で、排気管がない側は赤湯方に2人掛け、荒砥方に4人掛けのモケットが付いています。排気管がない分の1席が増えている計算になりますね。また、車両の左右で5人掛けモケットの境の場所が一致するようになっていることも分かります。IMONのロングシート52mmを10人分換算したら丁度いい全長となりました。
 
モケットの色はマスキングテープで表現してみました。mtのマットホワイトを下地にしてスモーキーピンクを貼ったらいい感じの色になりました。




いいねぇいいねぇ!(自画自賛ロングシートがガタつきなく真っ直ぐ並んでいて気分が良いです。ますますやる気が出てきます。HOはこういう所まで作り込めるのがいいですね。
 

続きます。次回以降も細かい内装表現をやっていこうと思います。
 
 

今日も一日鮎貝りんごが可愛い


デカールを貼り終わって以来記事から鉄道むすめ要素が消えてしまったので補充。松代のうさぎさんも可愛いですねぇ。車体ラッピングしないかしら……?

【Nj】ガーダー鉄橋の分解式モジュールを作る(2)

デッキガーダー橋を主役に据えたNjゲージ規格の直線モジュールを作る話・その2です。前回の記事はこちら。

前回は主役の橋脚と橋桁を作りました。今回は架線柱と橋台を作り、完成まで持って行きます。



・目次


架線柱の改造

前回は電柱を橋脚に立てるところまでを作りました。今回はビーム部分を改造していきます。

これがGMの2184「複線架線柱」の製品ママです。電柱が先に行くに従って細くなっているあたりに往時のGMらしい愛を感じます。ちなみに複線間隔は33mmでした。KATO流なんですね。
 
このままでは幅が広すぎるので、ビームのトラスの斜材の部分で切断して、

斜材同士で貼り合わせました!こうすると接着面積が稼げます✌

プラ用接着剤が使えるのがGM製品のいい所ですね。材質表示が「ABSまたはPS」なのはナメとんのかって思いますが……
 
くっつけたら電柱を切り落としビームだけにしてから端部を整え、KATOの電柱に挿せる形にしました。

組み立てるとこんな感じ。ビーム部からプラ感が漂うのが気になるので、ここは後で塗装してやりましょう。

また、下束さげつか(中央のY字形の物)は一旦切り落としてから中央に移設しています。
下束の先に振れ止め金具を付けようかとか思いましたが、細くて折れそうなので見送ることにしました。
 
ちなみに、鉄道の架線設備の名称等については以下のサイトを参考にしております。

これを作るまで下束という名前も読み方も知らなかったのですが、どうやら「さげつか」と読むみたいですね。いくらググっても読み仮名が出てこなかったのですが、Microsoft Copilotに聞いたらいい感じの出典を探してくれました。時代の変化を感じます。


橋台

橋梁の両端に来る台です。今作では、モジュール同士の接続に使うロクハンの55mm直線レールを支える役割も果たします。

プラ板でそれっぽく作りました。ロクハン線路を敷く部分は地上高40mm、長さ25mmとなっています。

また、収納や輸送の際に邪魔にならないよう&拡張性を持たせるため、高さ20mmの所で分割できるようにしておきました。
 



ここまで進めて、全体を仮組しました。各所の寸法は問題なさそうです。

 

橋台&橋脚の塗装

上の写真では橋台が手持ちの適当なグレー、橋脚は成型色で無塗装ママだったですが、納得いかなかったのでソフト99の「ボデーペン プラサフ」を買ってきて仕上げました。コンクリートそっくりな色の缶スプレーという口コミを見て採用しましたが、なるほど確かにそれっぽい。塗っただけでTOMIXの橋脚がかなりグレードアップしたように見えます。


ニオイは……DIY用の缶スプレーだと思えばそんなでもなかったかな?個人的にはガイアノーツのシンナーよりもマシな気がします。
 

水面の表現

橋の下がただの机なのは寂しかったので、敷物を用意することにしました。
とは言ってもあまり豪華な物を用意すると輸送時の荷物が増えてしまうので、紙を敷く程度に留めたい……とか考えながら画材店に向かったところ、とてもいい紙がありました。

特種東海製紙の新・星物語(インディゴ)です!落ち着いた紺色に白が散りばめられており、かなり水面らしく見えます。

世界堂でA4サイズ1枚25円とかだったかな?とってもお安い上に1枚単位で売ってもらえます。秋月電子で安い電子部品を1個だけ買うときの申し訳なさに似たものを感じましたねぇ。


収納容器の制作

携行性を重視して作ったモジュールなので、最後に持ち運び用の入れ物を準備してやります。
A4サイズの書類ケースに仕切りを取り付け、

ハイっ!これでこのモジュールの全てが収まります。これなら車両ケースぐらいの気分で持ち運べますね。



完成!!


とは言っても、単体だとシンプルなガーダー橋だけなので地味ですね(笑)

 


 

お披露目

2024/5/6 筆者が所属している「Njゲージクラブ」のレイアウトに組み込んで公開運転会(ポップアップ貸しレ)を開催しました。

撮影:Njゲージクラブ会長

モジュールに無事組み込めました!水面の紙がいいアクセントになっています。
 

 

 

 
参加者の皆様の車両をここで撮らせてもらいました。いや~カッコいい。狭軌線らしさもさることながら、橋桁が車体幅よりも細いこの感じ、やっぱ上路式プレートガーダーはこうだと思うんですよ。
ご参加いただいた方々にもご好評頂けてよかったです。



ちなみにこの運転会は基本的に隔月開催で、事前申し込みすればどなたでも参加可能です!次回開催日・参加申込はこちらからどうぞ。



この橋梁モジュール、全長60cmだと物足りない気がしてきましたね(笑) 入れ物にはスペースの余裕があるので、気が向いたらもう1セット作って延長するかも知れません(!?)
 
 

架線柱の余談

 
今作で作った架線柱そっくりな実物を発見したので写真を貼っておきます。

東急東横線 鶴見川橋梁(大倉山~綱島間)
名鉄犬山線 西春駅付近

いずれもトラスの〼の部分が3個のタイプです!左右が非対称になるのが若干気になっていたのですが、全く心配ないみたいですね。やはり実例があると安心です。

【Nj】ガーダー鉄橋の分解式モジュールを作る(1)


デッキガーダー橋を主役に据えたNjゲージ規格の直線モジュールを作る話です。
 
きっかけは仲良くして下さっている模型サークルが持っているレイアウトの老朽化でした。何か地面モノ作らない??と誘われたのですが、地面を大阪まで輸送するのは冷静にダルいな……と思いずっと見送っていました。

ある日、モジュールの本体を橋梁にすれば荷物が少なく済むのでは!?と気付いたので実践してみることにしました。



・目次


全体構成

JR南武線 多摩川橋梁(南多摩駅付近)

こんな感じの、上路式プレートガーダー橋が連続する複線区間をイメージした模型にします。レールはZゲージ、複線間隔はロクハン標準の25mmとします。

また、お付き合いの関係上、モジュールの全長はTOMIXのコンビネーションボードAと揃えた600mmとすることにしました。


素材選び

橋桁の選定

今回はロクハン純正のデッキガーダー橋は使いません。

ロクハン製品を1/150ワールドに持ち込んでも支間長が短い低規格路線の橋としては丁度いいと思うのですが、今回は複線区間なので見送りました。
お値段的も定価1本約1700円とお高いので、仮に550mm複線をこれで埋めると……17000円ですかね(笑)
 
市販のNゲージ用完成品デッキガーダーは橋桁のサイズに違和感があった(後述)ので、今回は津川洋行のデッキガーダー橋をアレンジしながら組むことにしました。


橋脚の検討

複線間隔25mmにふさわしい橋脚を探します。
 
色々と見た結果、TOMIXの複線コンクリート橋脚を使うことにしました。
元々は下記の複線コンクリート橋向けに作られた橋脚のようです。TOMIXからこんな素敵な製品が出てたんですね。全く知りませんでした。例示した南武線多摩川橋梁だと脇にある武蔵野貨物線の橋にピッタリ……!


架線柱の検討

 
せっかく地面モノを作るので架線柱を立てます。
ガーダー橋の区間に立てる架線柱の柱は鉄骨が主流のようなので、選択肢はTOMIXのトラスKATOのラーメンか……でもどっちにしてもそのままだと幅が広すぎるしな……とか思いながら模型店に向かいました。
 
で、店に入ってすぐにに違う選択肢で決まりました(笑)

KATOの単線架線柱です。橋脚に横付けするタイプの台座が天才すぎて即決してしまいました。

同時にGMの複線架線柱も購入。KATOの電柱とGMのビームを組み合わせ、欲しい幅の複線架線柱を作ることにしました。

こんな感じを目指したいと思います。

 
 


レールの入手

Zフレキシブルレールの定番、PECOのSL-200を使います。
はるか昔にIMONで一本だけ買ったのが手元にあったのですが、足りないので買い足しました。市場在庫を探ったら「エキサイトモデル」さんにあったので買ってみました。

届きました。12本送料込で20870円。フレキとしては値が張りますが、IMONで再販した(2024年3月31日現在在庫なし)時も随分値上がりしていたそうなので仕方がないでしょう。ロクハンの道床なしレールを使うよりは安いので問題ありません。
どうでもいいですがこのお店、Twitterの使い方については考え直したほうがいいと思いますね。
 
 



以上を雑に組み合わせるとこんな感じ。

いい雰囲気じゃない?作っていきましょう。
 
 

組み立て


レール敷設高さの検討

机の天面からレールまでの高さは、筆者が所属している「Njゲージクラブ」&近畿のNjゲージ系サークル「SKDモデラーズ」のモジュール規格に合わせ「机の天面から40mmの所にロクハンの道床付レールを敷いた高さ」と揃うようにします。


TOMIX橋脚を30mm分積み重ねてフチ?を削り取り、津川洋行の橋桁を置いてPECOの線路を敷いたら丁度いい高さになりました(笑) これでいきましょう。
 
なお、実際には運転会の設営の時にボードの下にマット等を挟んで高さの微調整を行うので、レールの高さでそこまで神経質になる必要はありません。そもそも貸し会議室の机の天面高さのバラツキが±0.5mmとかの範囲に収まっているわけが無いですから、ね。


橋桁の組み立て

津川洋行のプレートガーダー橋を組み立てます。

Zゲージのレールを敷くので、素組みではなく横幅を詰めて組み立てます。
ちなみに実物も横幅は車体よりも狭いぐらいが正解のようです。例えば下の写真を見ると、F級電機が通るような橋でも橋桁の横幅は車体よりも細いことが分かります。


枕木方向の材は幅を9.5mmに詰め、六角ナットが入る穴を開けました。このネジとナットでフレキシブルレールを橋桁に固定します。

ジョイナーはロクハン製品を使用し、ロクハン純正の道床付レールと接続できるようにします。

ジョイナーのツメを引っ掛ける部分は黒いプラ板で自作しました。

 
こんな感じになります。

 
上に敷くフレキシブルレールの長さは1本を550mmの半分の275mmとし、橋桁のキットはパネル1枚分詰めた上で2枚繋げて組むことにしました。

ちなみに先述の南武線多摩川橋梁の標記を見ると、支間は19.2mとのことでした。1/150すると128mmとなります。今作は支間長137.5mmで仕上げることになるので、丁度いいぐらいの長さですね。

 
 


橋脚&架線柱

KATOの架線柱台座をカットし、ある程度横幅を詰めてTOMIX橋脚にネジ止めします。

ねじ止めしたら、電柱を挿す場所にハイキューパーツのφ2.5ネオジム磁石を仕込みます。一方、電柱のほうにはM1ネジをねじ込んでおきます。

すると、力がかかったら倒れてくれる架線柱になります!これで引っ掛けても安心ですね。

 
ビームの部分の改造の話は次回にしようと思います。
 



続きます。次回は細かい部分を仕上げて完成まで持っていきます。


 
 

プレートガーダー橋の横幅について語るコーナー

今回の記事では橋桁のサイズにこだわって制作を行いましたが、そもそもこの考察を行うきっかけとなったのはKATOのデッキガーダー鉄橋でした。

カーブ線路が事実上の飯田線シリーズとして話題になったアレです。カッコいいのは間違いないのですが、どうにも違和感が拭えず本格的な導入を見送り続けていました。

ある日気付いたのが、

太くね??
 
 

東急東横線 鶴見川橋梁(大倉山~綱島間)

上の写真は東急東横線のデッキガーダー橋で、こうして見ると橋桁は車体幅よりもかなり細いことが分かります。模型はその辺りがリアルでないのが気になってしまいました。

念のために別の路線の写真を探してみると、


こちらは秩父鉄道長瀞駅のあたりかな?これも車体幅よりも橋桁のほうが細いです。

そしてこちらは伯備線井倉駅近くの第7高梁川橋梁。やっぱり車体幅より橋桁のほうが細い。


 
そして阪急。淀川を渡る長い橋梁区間ですが、橋桁の横幅はやはり床下機器がはみ出すぐらいに細いことが分かります。上路式ガーダー鉄橋が細いのは狭軌線だけの話でもなさそうです。
 
 
というわけで、模型のプレートガーダー橋が太すぎるのは気のせいではなさそうですね。
 

続いて図面資料を見てみましょう。「新ぜかまし文庫」さんの橋梁図面です。

大正8年の図面ではありますが、資料としては申し分ないでしょう。クーパー荷重のE33…軸重約15tを基準にしているもののようです。15tだとD51はセーフでC62はアウトぐらいの軸重のようですね。
 
図面を見ると、支間長によって断面形状が異なり、支間長50ft(≒15.2m)以上の場合の橋桁の横幅は5ftとのことです。これを150で割ってやると、10.2mmぐらいがファインスケールと言えます。

今回の記事で作った橋桁で丁度いいぐらいですね。

一方、支間長が40ft(≒12.2m)以下の場合はと言うと橋桁の横幅は4ft(≒1.22m)で、これを150で割ると約8.1mmです。

ロクハンのデッキガーダー鉄橋でおおよそファインスケールです。ロクハン製品の長さ55mmの物なら、橋桁の高さ方向まで含めて25ft鉄橋としてピッタリなことが分かります。


一方、KATOのデッキガーダー鉄橋はと言うと、

幅15mmです。あまりに太すぎですね。S124のレールなので支間長は実物換算で18.6m、そんなに長いわけでもありません。実物でも太そうなのはありますが、上を走る車両と比較すると支間が20m以上ありそうです。


どうして鉄道模型各社が橋桁の横幅をこんなに大きく作っているのかが気になるところです。KATOに関してはユニジョイナーがデカいからという理由が思いつくのですが、TOMIXGMキットも同じような横幅、何なら津川洋行のキットも素組みすればそんなもんです。各社が横並びでデフォルメしている以上、何か理由はあるのだと思いますが……


色々と書きましたが、資料は正直斜め読みなので間違っている可能性があります。何かございましたらコメントをお願い致しますm(_ _)m

今作の橋桁でこんなもんです。やっぱこうじゃない?

【1/64 16.5mm】名鉄の軽トラ保線モーターカーを作る(3)


名鉄の軽トラ保線モーターカー制作記その3、今回はちょっと寄り道して牽引するトロッコを作ります。
前回の記事はこちら。



軽トラ自体もオモリを積んだり電極を磨いたりして可能な限り集電を良くしようと努めてはいましたが、やはりレンタルレイアウト等の汚れた線路の上では集電不良で止まってしまいます。
また、HOは分岐器の無電区間が長い場合があり、軽トラ程度のホイールベースではどうしても止まってしまうという問題がありました。
 
これらの問題への飛び道具的な対策として、集電軸を増やすべく増結用のトロッコを作ることにしました。
 

・目次


実車資料

とてもシンプルなトロッコです。実車は半端な長さのレールを乗せて輸送するのに使っていたりするようです。


車輪

ロクハンのZショーティー用のφ3.9車輪を使います。

本当はペアーハンズのもっと小さな車輪が良かったのですが、廃盤になっていたんですね……小型車好きには辛い話です。


ロクハンの車輪はKATO同様に車軸径が1mmだったので、KATOのNゲージ用のプラ車軸を

KATO金属車輪から抜き取った車軸で連結して伸ばせば、軌間16.5mmのロクハン車輪が作れます。
 
 


足回り

足回りを考えるにあたり、HOスケールの簡易保線トロッコ的な製品がないか探してみたのですが、NはあってもHOはないみたいですね。HOゲージerは皆このぐらい自分で作っちゃうのでしょうか。
 
t0.2の燐青銅板で集電板&軸受となる板を作ります。

これを2つ作り、片方はプラ角材に対して2点でしっかり固定、もう片方は1点で緩く止めて回転するようにしておきました。


これをt1プラ板を切っただけの†車体†に貼り付けます。
こうすればトロッコも線路の凹凸に追従してくれます!KATO新ポケットライン動力と同じ、イコライザー台車の構造です。
 
 


棒連結器

棒連結器に通電カプラーの機能を持たせます。

φ1.2-1.0真鍮パイプに2Pピンヘッダの片方をハンダ付け、もう片方のピンにハンダ付けしたケーブルをパイプ内に通しています。
 
車体(?)の裏にはエクステンション基板を貼り付け、これを足掛かりにして集電板と棒連結器を結線しています。

配線を金属パイプに通す工法は下記の作者様に教わった物です。ありがとうございます!


 
 

軽トラの連結器

軽トラ側に通電カプラーを設けます。

とても単純なものにしておきました。ピンヘッダのメス端子を改造した物をガソリンタンクに緩くネジ止めし、首を振るようにしてあります。

 


荷物

積み荷となるレールを作ります。

針先端を切断した画鋲にNゲージ用のレールを接着し、簡易的な荷物を作りました。レールにはTOMIXのチキ7000の積み荷を使いました(笑) ちょうど余っていたレールの有効活用です。

ロッコには画鋲の針が入る穴を開けておきました。

これで走ります!……と思ったのですが、トロッコ2両+レールでは重すぎて平地でもトラックが空転してしまいました。
 
ロッコ1両でも集電の改善効果は高かったので、ひとまず1両で運用することにしました。
 
 


車輪カバー

HOのレールはアソビや軌間狂いが大きく、Zゲージ用の車輪をそのまま使うとポイントやカーブで脱輪したりします……というわけで、踏面幅を盛るパーツを作ります。
 

Fusion360で適当なモデルを作り、3Dプリンターで印刷します。

これを車輪に貼り付けてサイズを微調整すれば、

こんな感じ。

軽トラ本体にも、

実車を模してこんな†ホイールキャップ†を作ってやりました。

 
 




完成!ひとまず連れ出せる状態になりました。
 
 

実戦投入

仲間との運転会……ということで、東京は武蔵境のレンタルレイアウト「ラデノー」さんで走らせて来ました。

写真提供:参加者 ありがとうございます!

仮設トイレを走らせたら大盛り上がりでしたwww旧友と集うのは良いもんですねぇ。この仮設トイレはトイズキャビンの1/64現場猫仕事猫ガチャに収録されていたものです。
 

後ろのトロッコによる集電で、片開き分岐器とダブルスリップが連続するポイントも難なく超えてくれました。
ただ、トラクションが稼げずとにかく勾配に弱いことも同時にハッキリしました。いっそのこと動輪を片方ゴム付きにしてしまおうかしら……?
 
 



続きます。次回はパトランプを点灯化し、ロゴ類を貼って仕上げようと思います。

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