Schi Heil と叫ぶために

hiroakiuno's blog

一次情報に当たれ。エンジニアの悩みである偉くなると技術浅くなる問題の対策にもなる。

エンジニア、特に大企業エンジニアの悩みの一つに、リーダーやマネージャーなど立場が上になると(つまり出世すると)、技術的に取り残されてしまうのではないか不安を感じる問題がある。組織からは責務範囲拡大を求められるがその分知識が広く浅くなる。今まで自分が一番詳しかった領域をメンバーに任せることになり、自分が一番詳しい立場じゃなくなる。
これに対しては「一次情報に当たれ」が対策の一つだと思う。一次情報にあたることの重要性はいろんな人が説いているが、直接知るというのは安心感にもつながる。もちろん責務範囲が広がったので、全ての一次情報を自分で探し当てるのは時間が足りない。であれば、一次情報をゲットするというタスクをメンバーや部下に課せばよい。

イシューからはじめよの安宅さんのブログより。

「一次情報を死守せよ」というのは、私の大先輩であり、師匠の一人が私にかつて授けてくれた教えの一つだが、これは実に正しく、真実にたどり着くための道の入り口であり、出口でもある。
噛みしめることを大切にしよう - ニューロサイエンスとマーケティングの間 - Between Neuroscience and Marketing

イシューからはじめよにも書いてある。

「一次情報を死守せよ」というのは、私の大先輩が授けてくれた珠玉の教えのひとつだ。
イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

ホリエモンのコメントも。

ここにきて、ほんとに、一次情報を取っている人たちが強くなってきた
とにかくアンテナが広いホリエモンの情報収集法とは?「最近は一次情報の価値が高まっているよね」 - U-NOTE[ユーノート] - 仕事を楽しく、毎日をかっこ良く。 -

つまり、百聞は一見に如かず。

与えられた制限の中で最大の結果を出すのがデザイン

私は、エンジニアであり、アーキテクトであり、マネージャーでもあるが、会社では商品設計者とも呼ばれている。設計者 = デザイナー。

デザイナーと聞くと、日本ではファッションデザイナーのようなアーティスティックなイメージを持ちがちだが、デザインとアートは違う。それを分かりやすく説明したお気に入りの記事が以下。

アートは自己表現、デザインは問題解決


デザインとアートの違いの問いに対して最も端的な答えは、アートは自己表現で、デザインは問題解決であろう。

もう少し長めに書くのであれば、アートは、なるべく制限のない状態で最大限の自己表現をすること。デザインは、与えられた制限の中で求められる最大の結果を出すためのプロセスだと考えられる。

デザインとアートの違い: 問題解決と自己表現 デザイン会社 ビートラックス: ブログ

商品の設計者として、制約、機能要件、品質特性の全体のバランスを取ろうとすると、白紙に絵を描きたい的なフィードバックが返ってくる時がある。その部品は今より見た目が悪くなるので NG。資産を流用せずゼロからやり直したいなど。しかしそれはアート。それぞれの観点はリスペクトしつつ、それらも踏まえて工夫して解決するのがデザインだと思う。

ちなみに wikipedia でデザイナーを引くと「視覚的な設計を行う人物」とある。特別、アートな意味は入ってない。

デザイナー(英: designer)は、視覚領域において意匠計画や図案、設計を手掛ける人のこと。日本で単に「デザイナー」という場合、主に視覚的な設計を行う人物を指すことが多い。
デザイナー - Wikipedia

エンジニアは工学的工夫で問題解決ができる人、アーキテクトは現場問題をビジネス課題に換言できる人

エンジニアとは?の説明で、私が気に言っている表現は次。

「エンジニア」というのは、工学的な工夫や技術で問題解決ができる人です。会社の役職のことではないです。
3D プリンターでエンジニア力を高める | アメリカで働くプログラマーのブログ

何もハッカーだけがエンジニアではないが、とはいえ評論家ではエンジニアじゃないので、「工学的な工夫で問題解決」という表現が好き。役職じゃないよと添えているものもよい。ちなみに、文部科学省によると、もう少しスコープが広がり、自然科学の知識で人類のために創造・解決となる。だたなんか言葉を足しすぎて響かない。

「技術者」は、国際的にEngineerとして通用するものとして、「数学、自然科学の知識を用いて、公衆の健康・安全への考慮、文化的、社会的及び環境的な考慮を行い、人類のために創造、開発又は解決の活動を担う専門的職業人」と定義する。
大学における実践的な技術者教育のあり方(案):文部科学省

アーキテクトとは?の説明で、私が大事にしているのは次の表現。会社の先輩から聞いた話をもとに作文。

アーキテクトとは、現場で起きている問題をビジネス視点の課題に換言し、経営層に提言できる人。また逆にビジネス課題を現場のタスクに言い換え、課題解決をリードできる人。

ちなみに、IEEEE によるアーキテクトの定義は「システムアーキテクチャを統括する人」。では、アーキテクチャーの定義はというと「システムの基本的な構造。コンポーネント間の関係、コンポーネントとそれを取り巻く環境との関係、システム設計を導く方針」。分かった後に聞くと正確だと思うが、こういう人求めてますというときのアーキテクトの説明は上記の方がよい。

コンポーネントを統合したシステムの基本的な構成。コンポーネント相互、およびコンポーネントと環境間の関係、そしてシステム設計と進化を導く原則。
https://www.jaspic.org/event/2015/SPIJapan/keynote/keynote.pdf

3.2 architect: The person, team, or organization responsible for systems architecture.
3.5 architecture: The fundamental organization of a system embodied in its components, their relationships
to each other, and to the environment, and the principles guiding its design and evolution.
http://cabibbo.dia.uniroma3.it/ids/altrui/ieee1471.pdf

なぜこんな簡単な事が出来ないのかと思ったときそれはあなたの長所

最近知ったお気に入りのアンガーマネジメントの一つ。

仲間や家族に対して、なんでこんな簡単なこともできないんだろう、こうやってやればいいでしょ、とイライラしたり相手に言ってしまうことがある。そんなとき、それをそんな風にうまくできるのは自分の長所なんだと思うとイライラが抑えられる。建設的な振る舞いができるようになる。

いざというときのために余力を残す

社会人になってすぐ、はてなブックマークが流行っていたころ、以下の記事をブックマークした記憶がある。調べるとコカ・コーラー社元 CEO ブライアン・ダイソン氏のスピーチだった。

人生は 5つのボール (仕事、家族、健康、友達、精神) をジャグリングしているようなものだ。このうち仕事のボールだけがゴムで出来ていて落としても跳ね返ってくるが、それ以外はガラスのボールで落とすと壊れる。という内容。今思えばブックマークしただけで、ちっとも分かっていなかった。

Imagine life as a game in which you are juggling some five balls in the air. You name them work, family, health, friends and spirit. And you’re keeping all of these in the air. You will soon understand that work is a rubber ball. If you drop it, it will bounce back. But the other four balls – family, health, friends and spirit – are made of glass. If you drop one of these, they will be irrevocably scuffed, marked, nicked, damaged or even shattered. They will never be the same. You must understand that and strive for balance in your life.


https://smartech.gatech.edu/bitstream/handle/1853/41404/1991-09-30_17_27.pdf

もう一つは、2023年のビルゲイツのノーザン・アリゾナ大学卒業式でのスピーチ。こちらも人生には仕事より重要なのものがあるという話。ひたすら働いていたビル・ゲイツ、が休むこと、充電することの必要性を説いている。

自分に余裕を持つ。必要な時に時間を取って休息する。それは怠けているということではなく、次のステージに進むための必要な充電時間。

You are not a slacker if you cut yourself some slack.

When I was your age, I didn’t believe in vacations. I didn’t believe in weekends. I pushed everyone around me to work very long hours. In the early days of Microsoft, my office overlooked the parking lot—and I would keep track of who was leaving early and staying late.

But as I got older—and especially once I became a father—I realized there is more to life than work.

Don’t wait as long as I did to learn this lesson. Take time to nurture your relationships, to celebrate your successes, and to recover from your losses.

Take a break when you need to. Take it easy on the people around you when they need it, too.

And before you begin the next stage of your lives, take a moment and have some fun. Tonight, this weekend, this summer, whenever. You deserve it.


5 things I wish I heard at the graduation I never had | Bill Gates
ビル・ゲイツが21歳の自分に教えたかった5つのこと | ライフハッカー・ジャパン

そして、最近、私が大事にしている言葉は「いざというときのために余力を残す」。
いざは、4つのボールかもしれないし、あるいはここぞという時の次のステージの仕事のボールのために。

人に何かを理解してもらおうとすれば、必ずストーリーが必要になる

イシューからはじめよに書かれていたそのまま。プレゼンのチェックで話の流れを指摘すると、言い方の問題ですねとあまり指摘を聞いてくれない人がいるが、理解してもらえるかしてもらえないかの問題なので重要な要素だと思っている。

人に何かを理解してもらおうとすれば、必ずストーリーが必要になる。それが研究であれば論文の流れであり、ビジネスであればプレゼンの流れだ。
イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

答えのない時代だから組織には多様性が必要

なぜ組織に多様性が必要か?

昭和の時代はリーダーがすべてに答えを出すことができた。よって同じ価値観の人を集め、リーダーのスタイルはトップダウン、指示命令 が良かった。
令和の時代は VUCA。リーダーがすべてに答えを出すことが出来ない。解決策すらないものも多い。この時代のリーダーに求められるのは、チームの多様性を活かし、チームと共に考え、チームからアイデアを引き出せること。だから多様性が重要。