明るくない言葉

つらい人生の現実にまつわる言葉など

つらい人生の現実がこんなにも明らかであるのに、ほかの人たちはみなどうしてそんなにたやすく自分に嘘をつけるのだろうと

シゾイドの人はよくいぶかしむ。 「パーソナリティ障害の診断と治療」(ナンシー・マックウィリアムズ)

いっそダメにしてしまいたい

羨望とは、対象と同じように自分も良くなろうとするものである。しかしながら、もしもそうすることが不可能だと感じられた場合には、羨望の念を起させる原因であるものとなくしてしまうために、対象の良さを役に立たないだめなものにしてしまおうとする。

H.スィーガル「メラニー・クライン入門」

 

メラニー・クライン入門 (現代精神分析双書第II期)
 

 

絶望に正直

 ひとつの表現を使いますと、精神分析の中でわかったことですが、人は人生のあるときに、偶然、環境的、あるいは身体・生理的必然、無知などから「まずさ」「生きづらさ」を体験しますが、そのときにその扱えなさに圧倒されて無意識に、ときには故意にその場をごまかしてしまいます。そうすると、そこからボタンの掛け違いのような事態が発生してきます。それがわかったところで矯めればいいんですが、不安・恐怖・依怙地・利得などがあって矯められず、掛け違いを続けてしまいます。そうすると、ある時点でもう自分の手に負えなくなってしまっている。このときの絶望に正直になれるのか、繕ってやりすごそうとするのか、そこに選択があると思います。

藤山直樹松木邦裕・細沢仁「精神分析を語る」

 

精神分析を語る

精神分析を語る

 

 

 

 

解体

自我が不安を解消しようとして行うこころみはたくさんあるが、それらのあらゆるこころみの中でも解体 disintegration はもっとも絶望的で死に物狂いな性質をもったものである。自我は不安に悩むのを避けるために、全力を尽くして、みずからが存在しないようになろうとつとめる。このこころみはある特別に強烈な不安――つまり、ばらばらになって、霧散してしまうという不安をうむのである。

 H.スィーガル「メラニー・クライン入門」

 

メラニー・クライン入門 (現代精神分析双書第II期)
 

 

 

妄想的―分裂的態勢

乳児の未成熟な自我は、先天的にそなわった本能の両極性――生の本能 life instinct と死の本能 death instinct ――によってひき起こされる不安に、生まれおちたときからさらされることになる。

 H.スィーガル「メラニー・クライン入門」

 

 

メラニー・クライン入門 (現代精神分析双書第II期)
 

 

 

僕は一人で、行けます

さよなら 
さよなら!
こんなに良いお天気の日に
お別れしてゆくのかと思ふとほんとに辛い
こんなに良いお天気の日に
中原中也「別離」

 

中原中也全詩集 (角川ソフィア文庫)

中原中也全詩集 (角川ソフィア文庫)

  • 作者:中原 中也
  • 発売日: 2007/10/24
  • メディア: 文庫