実録 すごいぜニッポン

From: hrkue
Sent: Tuesday, May 22, 2007 4:21 PM
To: XX(会社の事務の人)

XXさん

おつかれさまです。
書籍の購入について質問なのですが、
今のタイミングで○○○を割引購入することは可能でしょうか?

hrkue
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From: XX
Sent: Tuesday, May 22, 2007 4:29 PM
To: hrkue

hrkueさん、

お疲れ様です。
法人割引ですので、可能だと思います。
出版社に確認してみますが、注文は1冊でよいでしょうか?

XX

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From: hrkue
Sent: Tuesday, May 22, 2007 4:30 PM
To: XX

XXさん

1冊でお願いします。
お手数おかけします。

hrkue

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From: XX
Sent: Tuesday, May 22, 2007 5:10 PM
To: hrkue

hrkueさん、

了解しました。
納品日と金額が分かりましたらご連絡しますね。

XX

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From: hrkue
Sent: Tuesday, May 22, 2007 5:11 PM
To: XX

XXさん

ありがとうございます。

hrkue

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From: XX
Sent: Wednesday, May 23, 2007 11:37 AM
To: hrkue

hrkueさん、

お疲れ様です。
割引有りの△△円で先ほど○○○が届きました。(早くてびっくりです)

XX

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==>ポイント

夕方4時5時に注文した本が翌朝届いたこと。

すごいぜニッポン!!

帰国して早1ヶ月超、いまだにこんな小さな感動の毎日です。

What I miss & what I will miss

hrkue2007-03-20

今日、大使館から日本の免許が戻ってきた。請求の手紙をポストに投函したのが先週の金曜の深夜。月曜に開封後すぐにちゃんと投函してくれたということだ。
なんと仕事が早い。

イギリスの運転免許をゲットするためには、まず郵便局に行って用紙をもらい、パスポートと日本の免許と写真と一緒にDVLAというところに提出する。すると、日本の免許と交換にイギリスの免許をもらえる仕組み。一応郵送でもやってくれるのだが、そうすると数週間かかり、パスポートをそんなところに預けるのは非常に危険なので、休暇をとって、直接DVLAの事務所に出向いて、追加料金を払って、当日その場でパスポートを返してくれるサービスを利用した。免許自体はその場ではもらえず、後日郵送されてくる。
その時交換に差し出した日本の免許。以前は戻ってこなかったらしいが、私がイギリスに来たあたりから日本大使館へ返還されることになったので、後日大使館に請求すると帰してもらえる仕組みになった。

が、どうせ取りに行かないと行けないと思い込んでいたので、帰国直前になるまでずっと放置したままになっていた。2月になってようやく、とりあえず返還されているかどうかを確認する為大使館に連絡してみた。イギリスの免許と日本の免許を交換してからかれこれ16ヶ月。
「そんな昔のことは分かりません。どうしてもって早く連絡しなかったんですか。」
と説教されることを覚悟で。

「かくかく、しかじか、免許がそちらにあるか確認したのですが。」
「じゃ、ちょっと見てみますねー、お待ちください。」
(2-3分経過)
「ありました。いらっしゃる際にはこれこれをお持ちください。」
「郵送でもできますか?」
「大丈夫です。郵送の場合はかくかくしかじか。」
「どのくらいかかりますか?」
「一週間くらいですね。」
「それでは郵送で用紙をお送りします。」
「ではその旨伝えておきます。念のためお電話番号を教えてください。」

話の早さ、確実さに感動。この感覚で物事が進む国へ帰るのは本当に楽しみだ。

ちなみにDVLAから大使館に免許が返還されるのには1週間から3ヶ月と人によりかかる期間はまちまちで、同時に手続きをした夫婦でも3ヶ月差があったというケースがある・・と大使館のHPに書いてありました。


それと今日はウィンチェスター大聖堂聖歌隊のCDをオトナ買い。12月に聞いたクリスマス・キャロルのものはCDが売り切れだったので、カセットを。さっそく車の中で拝聴。泣けます。この歌声をもう生で聞けないのは本当に寂しい。


写真はうちの玄関横に今咲いている水仙

まだまだ寒い

最近14度くらいの日もあり、春らしくなってきた、と思っていたが、また寒くなった。
今日はひょうなのか雪なのか分からない大粒のあられがバラバラと降ってきた。



ネット上で漱石の「倫敦消息」というのを発見。
100年も前の話なのに、今読んでも全然通じるものがある。漱石のブログでも読んでるような感じだ。イギリスが嫌になって早く帰りたくなったり、その一方で日本の社会のありさまが目に浮んでたのもしくない情けないような心持になったり。
オートミールがお粥のようだから好きだったり、読み書きはばっちりなのにしゃべりがいまいちなので、英語の知識を過小評価されてムッとしたり、中国人に間違われたり、a handsome Jap. と言われて複雑な気持ちになったり。今でもありそうな話。
地下鉄で皆が新聞を読んでるのは今でも一緒。外人に寛容なのは100年前からそうだったらしい。

http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/779_14973.html


今回のウケた一言。

黄色人とは甘(うま)くつけたものだ。全く黄色い。

最後のロンドン

hrkue2007-03-18

今日はロンドンへ買い物へ。今日がロンドンへ行ける最後のチャンスとなる可能性が高い。

そこで、今までやり残していたことをいくつか。

一つ目はテート・ブリテンにあるオフィーリアの絵を見に。
(この絵です↓)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%83%AC%E3%83%BC

昔ロンドンに旅行で来たときも行ったのだが、その時はなんと貸出中で見られなかったのだ。今回はリベンジ。
時間もなかったので、それ1枚だけ見るつもりで(ロンドンの美術館はタダなところが多い)、入り口で地図を見せながら
「オフィーリアはどの部屋ですか?」と質問すると、
「1月までで期間が終わり、今は展示してません。倉庫の中です。」
がーーん・・・。(T_T)


二つ目は倫敦漱石記念館。
漱石がロンドンに留学していた時の5番目の下宿の家の向かいに、漱石研究家の恒松郁生氏が私財を投じて建物を購入し開館したもの。
テムズ川の南側、クラプハム・コモンという駅から徒歩15分くらいの住宅街の1室にある。
漱石のロンドンでの生活が時系列に、当時のロンドンの様子を描いた絵や、関係者の写真、漱石の日記や手紙を引用しつつ説明されている。
これが期待以上におもしろかった。特に漱石の日記や手紙の文章に何度もぶっと噴き出してしまった。

晩に池田氏とCommon(公園)に至る。男女の対此処彼処(ここかしこ)にBenchに腰をかけたり草原に坐したり中には抱き合ってKissしたり、妙な国柄なり

週一回家に行って講義を受けていた、シェイクスピア研究者であるクレイグ先生について、

先生は時々手紙を寄こす。其の字が決して読めない。最も二三行だから、何遍でも繰り返して見る時間はあるが、どうしたつて判定はできない。先生から手紙がくれば差支があつて稽古が出来ないと云うことと断定して始めから読む手紙を省くようにした。

わ、分かる〜!外人のハンドライティングは読めなくて困る。


ロンドン大学で中世英文学の講義に聴講生として参加して、

University Collegeへ行つて英文学の講義を聞いたが、第一時間の配分が悪い。無暗に待たされる恐がある。講義其物は多少面白い節もあるが、日本の大学の講義とさして変わつたこともない。汽車へ乗って時間を損して聴きに行くよりも其費用で本を買つて読む方が早道だといふ気になる。

うーん、留学したがレベルは日本と大して変わらなかった、というのは現代でもたまに聞く話。(もちろんそうでないケースもたくさんあるが。)


5度目(最後)の下宿に移った時に友人正岡子規に送った手紙。

僕は又移ったよ。・・・僕なんか英吉利へ着てからもう5返目だ。今度の処は御婆さんが二人退職陸軍大佐という御爺さんが一人丸で老人国へ島流しにやられたような仕合さ。この御婆さんが「ミルトン」や「シェークスピア」を読んでいておまけに沸蘭西語をペラペラ弁ずるのだから一寸恐縮する

老人国へ島流し(笑)当時の漱石は34歳でした。


それ以前の下宿のおかみさんを表して

あんぱんの様に顔が丸い


私が見れなかったオフィーリア、漱石は見れたようだ。感想は、

なるほどこの調子で考えると、土左衛門(どざえもん)は風流である。(略)何であんな不愉快な所を択んだものかと今まで不審に思っていたが、あれはやはり画(え)になるのだ。(略)ミレーはミレー、余は余であるから、余は余の興味を以て、一つ風流な土左衛門をかいて見たい。

土左衛門・・・。確かにそうだけど、オフィーリアという語感とのあまりのギャップ(爆笑)


帰国後その成果をまとめた本「文学論」の序章にはこのような記述。

倫敦に住み暮らしたる二年は尤も不愉快の二年なり。余は英国紳士の間にあって狼群に伍する一匹のむく犬の如く、あはれなる生活を営みたり。

当時の不愉快っていうのは、多分今の「むかつく」みたいなニュアンスではなく「つらかった」ってことだと思う。


2年の滞在後、1902年12月テムズ川の埠頭から、日本郵船の博多丸で帰国の途についた。そして船の中から下宿の女主人リール姉妹にこのような便りを出したと云われている。

イギリスみたいな処に二度とくるものか

まさかっ・・。いくらなんでも失礼じゃ・・。ま、「云われている」だからね。


あー面白かった。この毒舌でかつ簡潔で鋭いところが大好き。日記と書簡集買っちゃおうかな。

上には笑えたものを引用しましたが、その他にも、なぜ英文学を専攻することにしたか、とかロンドンでした様々な経験(貧乏暮らし、ホームシック、ヴィクトリア女王崩御、観劇、自転車の練習、スコットランド旅行、真っ暗な部屋の中でノートを前に泣いていたノイローゼと呼ばれた期間 etc)、文学とは何かについて漱石が辿り着いた答え、についての説明があり、非常に興味深いものでした。

クリーニング

hrkue2007-03-14

家のクリーニングの件。大屋さんにクリーニング屋を指定してほしい旨不動産屋に頼んでいたのだが、今日回答の手紙が来た。Tidy(きれいに片付いた状態)にして出て行ってくれれば、大屋さんがクリーニングを手配し、デポジットから100ポンド引かせてもらうが、それでよいか、とのことであった。
やったー。クリーニングを入れているとそれで1日かかるし、その翌日大家さんのチェックとなると、2日もロスすることになるのでこれには大助かり。これで引越しの翌日の夜には飛行機で飛び立つことができそうだ。
甘い?このTidyというのの程度が問題だが・・・。


写真は今日の夕方の空。このところお天気もよく、朝昼夕一日中さまざまな鳥のさえずりが聞こえてくる。いよいよ春といった感じ。イギリスの春は、日本のぽかぽかした春とはちょっと感じが違って、空気はまだ冷たいのだが、太陽が俄然まぶしくなってきて、さわやかに明るい。

車の売却について。一応ぎりぎりまで乗れて、ピックアップもしてくれて、安心なディーラーに売るつもりなのだが、それはその分個人に売るよりずいぶん安くなる。ちょっと念のためイギリスのヤフーの中古車売買のページに広告を載せてみた。8000ポンドと強気の値段設定で。
すると下記のようなメールが。

Hello,
I saw the advert for your car{Mazda MX-5 1.6 }. It met our requirement. Do let me know if the car is still available and if you accept cheque/draft as your mode of payment{£8,000}, if you do, do send the name you want the payment issued on and your full mailing address so that I can have it mailed to you.
Kindly attach more pix.
Anne.

超あやしいー。広告に乗せたのは車種名と走行距離と登録年度くらいなのに、車を見に来もせずに8000ポンド払うから名前と住所を教えろだなんてーー。
現金だけ受け付けてます、その代わり7800に値引しますぜという返信を送ってみた。私だって買うとき現金で払ったのだ。何十枚ものトラベラーズチェックをディーラーのおじさんと手分けしてサインしたのはちょっとした思い出だ。

ちなみに近くのマツダのディーラーに持っていったら、下取り以外では買取してくれないとのこと。その代わり査定をしてくれ、ディーラーに売ったらいくら、個人に売ったらいくら、という参考価格をゲットした。
今週末はロンドンの日系ディーラーに持っていって査定してもらう予定。多分そこに売ることになると思うが、安いんだろうなーー。ほかの日系ディーラーではコンバーチブルは買取してません、と言われてしまった。そうだよね、日本人には人気なかろう。

サウサンプトンの日本人会に「帰国売り」リストを配布した際も、念のため車も載せてみた。ゴミ箱10ポンド、電気湯沸し3ポンド、等々がリストされている最後にMazda MX5 7000ポンド。すると意外なことに2件もお問い合わせが♪しかし問い合わせでもらった質問リストのなかに、「ボディタイプ」とある。えーっと。。。MX5はすなわちロードスターで、コンバーチブルに決まっているのでは・・と疑問に思いつつ「2シート2ドアのコンバーチブルです。(これで回答になってますか?)」と回答。その他いくつかの質問項目に回答したが、その方からいただいた返信は「すみませんオートマの車を探していたもので、今回はすみません」とのことだった。ヴィッツとかマーチだったら即効売れているに違いない。もう一人の問い合わせはイギリス人だったが、その後音沙汰なし。
結局ディーラーに売ることになりそうだ。


写真は近所のランドアバウトの中の水仙。最近あちこちに咲いていて、うちの玄関の両脇にも咲いている。この季節のイギリスの定番らしい。