クレー射撃上達のカギは動体視力にあり
長年クレー射撃に取り組んでいる方もクレー射撃初心者にも共通する上達のカギがあります。
それは、『動体視力』です。
トラップにしろスキートにしろ動く標的を狙い撃つための第一段階は、正確に目で追うことですよね。
目で標的とらえられない限り、感覚で撃っていては高得点は狙えません。
しかし残念なことに『動体視力』は10代後半をピークに衰えていくことが判明しています。
さらに、40代、50代あたりからガクンと低下のスピードが加速するんです。
自覚がある方も多いのではないでしょうか?
高齢ドライバーの交通事故が多いのも、この動体視力の低下と無関係ではありません。
では、実際にどうやって動体視力を鍛えればよいのかご存知の方は少ないでしょう。
今回は、北京オリンピックのクレー射撃金メダリストがトレーニングに取り入れて高い効果があった練習法をお伝えしたいと思います。
これは、初心者から国体やオリンピックを目指す方まですべての方に有効なトレーニング法として注目されていますので期待してください。
北京オリンピックのクレー射撃で金メダルを獲得したチェコ共和国Mr.David Kostecky選手は、年齢とともに競技者としての衰えを感じ引退を考え始めたそうです。
そんな時にこのトレーニングにであったそうです。
その後、数か月で成績がみるみる向上し、ピーク時よりもさらに高いレベルを目指せるところまでになったそうです。
では、具体的にお伝えします。
このトレーニング法は、『ビジョナップ』という特殊なゴーグルを使用するものです。
一見スポーツサングラスにしか見えませんが、スイッチを入れるとカメラの連写のようにゴーグルが点滅します。
着用した人の視界は、連写のシャッターがきれるように点滅して見えます。
当然動いているものは、コマ送りのように見えにくくなります。
このように視覚に負担をかけることで、ゴーグルを外した後は動くものが非常に楽にとらえられるようになるのです。
『インターチェンジ効果』という言葉をご存知でしょうか?
高速道路を運転していて一般道に降りるととてもゆっくり走っているような感覚になります。
あれと同じ効果を得られるトレーニングなんです。
このゴーグルを使ったトレーニングは非常に効果が高く、クレー射撃だけではなく、読売ジャイアンツや広島カープなどのプロ野球団やサッカーJリーグチーム、卓球、バレーボールなどの日本代表チーム、そして世界各国のプロスポーツ選手も取れ入れているというのですから驚きです。
試してみたいと思いませんか?
詳しい内容は、こちらのサイトに掲載されています。
具体的な練習方法も動画を交えて紹介されていますので参考にしてみてください。
オリンピック出場も近づいて来るかもしれません。
クレー射撃初心者の銃選び
クレー射撃日本代表になる為の第一歩。
それは、銃を所持することです。
まずは、スキート射撃かトラップ射撃を選ぶ必要があります。
トラップ射撃
遠くに飛び去るクレーを撃ち落とす競技です。
3方向そして高低とランダムに飛び出すため予測は不能です。
飛び出したクレーを追って撃つことになります。
トラップ射撃は1枚のクレーが放出されるのみです。
1枚のクレーを撃ち落とすために2発まで発射できるのがトラップ射撃です。
この競技特性に合わせて設計開発されたのがトラップ銃です。
スキート射撃
左右に飛び交うクレーを撃ち落とすのがスキート射撃です。
クレーは左側もしくは右側から1枚づつ放出される時があれば、同時に左右から1まいづつの2枚出るパターンがあります。
発射できる弾は1枚につき1発です。
射程距離は比較的近距離なのが特徴で、銃身はやや短めです。
口径は絞りの無い設計となっています。
購入の考え方
大きく分けて次の3パターンが考えられるのではないでしょうか。
1.とりあえず最低限の安い中古銃を購入する。
これは、自動車免許取り立ての初心者が中古の軽自動車を買うような感覚とお考え下さい。
運転になれたら自分に合った車をじっくり検討し欲しい車を買いますよね。
銃もまずどんなものを買ったらよいかわからない方はこれで良いと思います。
2.比較的低価格の新銃を購入する。
クレー射撃を長く続ける意思はある。しかし、初めから高価な銃を購入するのは不安だ。という方にお勧めの購入方法です。
車で例えますと、初心者がフィットやノートの新車を購入するイメージです。
30万円~40万円程度の銃を検討されてはいかがでしょうか?
数年使用したのちに欲しい銃が出てきたら下取りに出し購入すればよいと思います。
ですので、あまマイナーな人気のないモデルではなく、数年先でも高い下取り価格が期待できる人気モデルを購入すべきだと思います。
3.上級グレードの銃を購入する。
「クレー射撃をライフワークとして取り組み国体やオリンピックを目指すんだ!」という方は、100万円前後の予算を取って一生ものの上級グレードの銃を購入してください。
車で例えるなら初心者がGTRやベンツSクラスを購入するイメージです。
信頼できる銃砲店に相談することが必須です。
何事もそうですが初期に多額の投資をしてしまうと中途半端では終われなくなるわけです。
自分へのプレッシャーとなります。
中古の軽自動車では、あまり大事にしようという気持ちも湧きませんよね。
真剣にクレー射撃に取り組む決意の出来ている方は、是非上級グレードの銃の購入を検討してみてください。
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クレー射撃でオリンピックを目指すには
2020年に開催される東京オリンピック。
日本代表の選手として出場したいと考える人もいると思います。
クレー射撃でオリンピックに出場することははたして可能でしょうか?
調べてみました。
まず、散弾銃の所持許可を取得しなければなりません。
取得する条件としては、20歳以上の健全な方でなければいけません。
ですので未成年ではこの時点で可能性はなくなります。
次にクレー射撃協会に所属する必要があります。
そしてその下に各都道府県ごとにクレー射撃協会の支部があります。
そこに会員として登録しなければなりません。
ここからがスタートです。
次に実績作りです。
クレー射撃場で練習を重ねて自身がついてきたら公認の競技会に出場しましょう。
ここで上位に入ることが必須です。
ここまででもかなりハードルが高いですよね。
でもオリンピックに出場するのですから当然です。
他の種目の選手が日本代表を勝ち取る努力を考えたらまだ競争率は低いと言えます。
最大の壁なんですが、
五輪に参加するためには、W杯や世界選手権などで「クォータプレース」(QP)と呼ばれる国としての出場枠を獲得しなくてはなりません。
この出場枠を勝ち取るには海外のQP対象試合に出場し、優勝するなどしなければなりません。
実は、日本がクレー射撃でオリンピックに出場したのは1996年のアトランタオリンピックの伊東総一郎さんが最後でその後は出場すらできていないんです。
1976年のモントリオールオリンピックには麻生太郎元首相が35歳で出場し41位という結果を残しています。
こうしてみるとクレー射撃でオリンピックに出場することは厳しそうですね。
つぎに費用の面を見てみましょう。
クレー射撃で上達するには、とにかく練習を積まなければなりません。
1ラウンドで25枚のクレーを撃つわけですが、1ラウンド行うのに1500円~2000円位必要です。
1回の練習で5ラウンド行うとすると7500円~10000円かかる計算となります。
あなたは週一回の練習で日本の代表となり国際大会でも優勝できると思いますか?
そのぐらいのレベルの方たちはほぼ毎日練習していると思いませんか?
仮に月に20日練習したとすると150,000円~200,000円です。
これに移動費や銃のメンテナンス費用なども考えると普通の会社員の趣味のレベルは完全に超えていますね。
実際に以前は日本のトップレベルの選手はお金持ちがほとんどだったようです。
しかし最近では、クレー射撃協会では有望な選手を他競技からも発掘、スカウトして協会の費用で強化するという動きも出てきています。
このように競技を始める時点でハードルが高い種目であるが故にライバルも少ないわけですから、『オリンピックに出るんだ!』という強い意志と高い身体能力を持ち合わせているかたはチャレンジしてみる価値はあるかと思います。