FP資格の勉強をしながら合わせて複数の資格を取る

FP資格の勉強をしながら合わせて複数の資格を取るノウハウを追求

ファイナンシャルアドバイザー(銀行業務検定)

ファイナンシャルアドバイザー(銀行業務検定)

 

FP被り度:★★★★★

FP推奨度:★★☆☆☆

 

銀行業務検定のファイナンシャルアドバイザー試験は、

平成29年度を最後に廃止されることが正式に決まったようです。

 

この種目は、アシスタント・ファイナンシャルアドバイザーと合わせて、

例年10月の試験で実施していたのですが、受験者の減少などからか、廃止が決まりました。

平成29年の10月実施が最後となるようです。

 

この種目は、内容からしてもFP試験と試験範囲がほぼ一致します。

試験特有の傾向こそあるかもしれませんが、勉強する内容は1級から3級のFPのそれとほぼ同じです。

 

ですので、FP2級や1級などの受験と合わせて、この種目も取得できることも魅力の一つと言えました。

 

ファイナンシャルアドバイザーは1988年(昭和63年)から開始したようで、ある意味でFPと並んで銀行業界において、個人の資産運用やライフプランの学習などを牽引してきた資格といえます。

 

しかし、近年は年2回実施していたものが年1回となり、受験者も減少していたようです。

おそらくはFP資格の認知度が上がり、銀行や金融業界でも上級資格としての1級FPやCFPの受験に軸足が移っていったのかもしれません。

 

ファイナンシャルアドバイザー試験は、記述式で計算問題も見られ、内容的には2級FPよりは難度が高いように感じられます。

2級を取得した後で、1級やCFPを目指す場合などに有効かもしれませんが、いかんせん、2017年度が最後となります。

 

管理業務主任者

管理業務主任者試験

 

FP被り度 ★☆☆☆☆

FP推奨度 ★★★☆☆

 

管理業務主任者は例年12月上旬に実施されます。

 

マンション管理業を営む場合、この資格を持っている人が必要な事情もあり、

宅建ほど受験者は多くないにせよ、切実な事情から受験する人も少なくありません。

難易度も試験範囲が重なるマンション管理士ほどではありませんが、合格率はここ数年20パーセント程度と低く、難易度は高いといえます。

 

試験範囲は区分所有法やマンション標準管理規約、そして設備などマンション管理に関する知識が問われます。

FPの試験範囲とはその区分所有法や宅建などと重複する法令知識などにとどまり、区分所有法や標準管理規約などはわりと細かい規定まで押さえておく必要があります。

例年建築設備関係の問題は、マニアックで難度が高いのも特徴の一つです。

 

この試験に合格すると、翌年度からマンション管理士試験の5問免除の適用を受けられます。

このため、この資格を取得してからマンション管理士の受験を本格化する人も少なくありません。

 

国家資格ということもあり、合格したらその効力は一生有効です。

FPとしても、マンションなどの区分所有建物などの法令知識などを学びたい場合などは取得する価値はあるといえます。

 

なお、マンション管理士もしくは管理業務主任者の資格があれば、

マンション維持修繕技術者の受験資格が得られます。

 

マンション管理士

マンション管理士

 

FP被り度★☆☆☆☆

FP推奨度★★★☆☆

 

マンション管理士試験は例年11月下旬に実施されます。

試験範囲などが12月上旬に実施される管理業務主任者試験と重なるため、ダブルライセンスを狙う人も少なくありません。

 

しかし、その難易度において、マンション管理士は例年合格率が約8パーセントとなっており、管理業務主任者宅建などと比較しても難易度が高いものとなっています。

 

マンション管理士名称独占資格であり、FPと同様にその資格があるからと言って独占的な業務が行えるわけではありません。

そのような資格の性質上、その資格をどうしても必要としている背景が宅建管理業務主任者ほどないことも難易度の高さにつながっているといえます。

 

マンション管理士としての資格の価値は、その難しさにあるといえます。

世間では決して知名度は高いとは言えないと思いますが、特定の業界などではその資格試験の難しさが認知されているため、箔をつけることができるかもしれません。

 

マンション管理士試験は、管理業務主任者有資格者には5問免除という特権を与えています。

このため、管理業務主任者資格を取得してからマンション管理士の対策を本格化するケースも珍しくありません。

受験者も宅建管理業務主任者などの不動産系資格を持っている人が多く、比較的レベルも高いといえます。

そのなかで上位8パーセント以内に入らないと合格できないのです。

 

 

社会保険労務士試験

社会保険労務士

FP被り度★★★★☆

FP推奨度★★★★★

 

社会保険労務士試験は例年8月下旬に実施されます。

この資格があると、社会保険や労働保険の手続代行や専門分野におけるコンサル業務などが展開できるため人気も高く、受験者も数万人にのぼります。

しかし難易度が例年高く、合格率は1割を切っており、平成27年度の試験では2パーセント台まで合格率が低下しました。

 

この試験が難しいのは、難解な専門用語や数字の暗記が連続することに加えて、択一、選択に各科目ごとで基準点が存在することがあげられます。

特に選択式は基準点がシビアであり、労一と呼ばれる分野などでは普段の勉強では知ることが困難な事項からの出題もあり、運次第とも取れる問題も珍しくありません。

 

このため、社労士の試験では、年間1000時間は求められるであろう学習時間に加えて、選択式試験などをかいくぐる運やセンスも必要となります。

難度が高く、ハイリスクともいえる試験であるため、受験にあたっては相当な覚悟が求められます。

 

一方で社労士の試験では、社会保険や労働保険、労働関係などの法規の改正点も出題されるため、8月に実施されるこの試験の勉強をすることでこれらの改正法も学習できる利点もあります。

FPとしては、この資格を取得した場合の効果はかなり大きいでしょう。

社労士登録することで活動の幅が広がる可能性もありますし、保有資格としてもPRが十分できます。

 

キャリアアップや知識の研さんなどで学習する意義は大きいといえますが、難易度がかなり高く、税理士の試験などと日程が近接しているために、FPとして受験する場合はそのキャリアのプランを立てておくことも重要かもしれません。

銀行業務検定証券3級

銀行業務検定証券3級

FP被り度★★★★★

FP推奨度★★★☆☆

 

銀行業務検定証券3級は例年10月、年1回実施されます。

同じ日程で実施される法務3級や税務3級、年金アドバイザー3級、相続アドバイザー3級と比較して受験者も少なく、どちらかといえばマイナー種目なのかもしれません。

 

試験内容は証券業務に関する基本的な知識などが問われ、証券外務員1種・2種や、FP試験でも金融資産や証券で勉強する分野がまんべんなく被っています。

このため、FP2級・3級や証券外務員1種・2種との相性も良く、ダブルライセンスやトリプルライセンスも期待できるといえます。

 

ただし、同じ銀行業務検定でも同じ時間帯に重複する種目が多く(税務3級、相続アドバイザー3級、外国為替3級、財務2級、法務2級など)、金融機関勤務の方などの場合はどちらかといえば主要科目に流れがちといえます。

ただし、証券に関する基本的な事項などを一通り学べる点で推奨はできます。

活用の仕方によっては、FP試験や証券外務員試験、CFP試験(金融)などへの足掛かりにもできることでしょう。

銀行業務検定財務3級

銀行業務検定財務3級

FP被り度★★☆☆☆

FP推奨度★★★★☆

 

銀行業務検定財務3級は銀行業務検定でも特に受験者が多い種目で、例年3月と6月、年2回実施されます。

法務3級と税務3級合わせて主要種目と認識され、金融機関勤務の方が多く受験します。

 

財務3級では、財務諸表や財務分析など会計に関連する基本的な事項を勉強しますが、すべてマークシート式で、記述はありません。

(財務2級は記述式になり、簿記などの会計処理も求められます。)

 

財務3級では、簿記に出てくる仕訳などの会計処理の出題は少なく、財務分析などの基本的な計算などが主な内容となります。

会計の基本的な知識や考え方などをひととおり学べることから実用性は高いといえます。

 

簿記の仕訳なども問われることがある財務2級と異なり、3級では簿記ができなくても合格できる可能性があります。

 

FPの試験と大きな重複は見られませんが、財務分析などは証券分野などで必要になりますし、ライフプランの提案書作成などではキャッシュフローの知識や考え方が必要になりますので、会計知識などを基本から学びたい人には推奨できる資格です。

 

宅地建物取引士

宅地建物取引士

FP被り度★★★☆☆

FP推奨度★★★★★

 

宅地建物取引士試験は例年10月に実施されます。

以前は宅地建物取引主任者と呼ばれていましたが、宅地建物取引士となり、その資格の専門性などがより高まったといえます。

宅地建物取引主任者試験だったころも含め、例年合格率が10パーセント台と低く、年に1回しか実施されないこともあって取得が難しい資格です。

 

試験内容は、FPの不動産との重複が見られ、特に宅建業法は宅建試験では主要科目であるため近年では50問中20問出題されるほど大きな比重を占めます。

建築基準法などの法令上の制限もFP試験の分野と重複が多い分野です。

 

宅建試験では電卓持ち込みが認められておらず、FP実技試験やCFP試験でみられるような計算問題はあまり見られません。

そのかわり、宅建業法をはじめ法令知識やその解釈などを問われる傾向があります。

 

宅建士となってからはその難易度も高くなると思われます。

CFPの不動産は取得したが、宅建は受からないというケースもあって、周到な対策が必要な資格といえます。

近年では民法(権利関係)の難化が著しく、従来得点源とされていた宅建業法も個数問題やひっかけが多いため厄介な科目になっています。

 

宅建士の資格は一度合格すればその効果は一生有効です。

宅建資格に対する信用も大きく、不動産業界(宅建業)ではこの資格を持っている人を必要としている実情から不動産業界などへの就職や転職にも有用です。

この資格を使う機会がなくても、確実に保有資格としてアピールすることもできます。

FPとしても、この資格を取得する価値はあり、使いようによってはキャリアアップなどに役立てられることでしょう。