これからのインバウンド業界を考える

withコロナ、ポストコロナでインバウンド業界はどうなる?

私について、もっと書く

 

この記事に書いたように、焦燥感にかられてブログを立ち上げ、「inboud-tourism」という大層なブログのタイトルをつけてしまったが(まさかドメインが取れると思ってなかった)、情報発信にはあまり慣れていないので、何を書いたらいいのかが良くわかっていない。

ただ、こんなブログでもtwitter経由などで読みに来てくれる人が想像以上にいるため、もう少し、自分について書きたいと思う。

 

インバウンド系の旅行会社で働く、ただの社員である。経営者などでは、ない。

身バレを防ぐためにやや曖昧な書き方をするが、ここ数年のインバウンドブームの前からある会社で、業界ではまあまあ知っている人もいる、そのくらいの規模の会社だ。

30代で、転職もそこそこ経験があり、ひょんなことから今の会社に入ったが、これまで旅行業界というものに縁がなかった。旅行は好きで、国内にも海外にもそこそこ行ってはいるが、百カ国回りました、とかそういうのはなく、人並み程度だ。

 

ただ、今の会社に入って、インバウンドの仕事をして、圧倒的に旅行が好きになった。日本、良いとこあるじゃん、という感じだ。

もちろん、仕事で多いのはいわゆる「ゴールデンルート」の手配だ。

でも、特にこの2年ほどは、「昇竜道」を中心に、ゴールデンルート以外の場所への手配も増えてきていた。

日本の事をもっと学びたいと思い、通訳ガイドの資格も取った。

(というか、今年は予定通り試験をやると今日発表されたらしい…すごいタイミング!)

 

旅行の手配をしながら、地方自治体と一緒に仕事をする機会にも恵まれていた。
いわゆる「入札」案件である。

ちなみに、入札に関しては、これまでは大手サイト「NJSS」が有名だったが、今年の4月1日に、やまとごころが新サービスをローンチした。

(これまではメール配信のみだったが、検索機能等、より詳しく分析できるようになった)

地方自治体が公募を出し、それに対して金額や企画で入札するという案件が多数ある。
特に、コロナの影響で仕事がない旅行会社は、応札することになったところも多いだろう。

 

話は戻るが、いくつかの地方自治体と一緒にその土地の観光資源を発掘し、その魅力を商品として作り上げて発信していくという仕事は純粋に楽しかったし、同時にまだまだ日本の知られざる魅力があることを再認識できる良い機会だった。

そういった仕事を通して、インバウンドをもっと知りたいと思い、デービッド・アトキンソンやアレックス・カーの本で勉強したり、地域創生の本を読んだりした。(今度本の紹介記事も書きたい)

一方で商業的なツアーも魅力を感じるが、もう一方で、そうではない、サステナブルな旅行というものの魅力や可能性に大きく惹かれるようになった。

先日あまり時間のない中で書いたサステイナブル・ツーリズムについては、今後いろいろなDMOの取り組みを改めて紹介していきたいと思っている。

 

自分なりに問題意識をもって、いろいろな人と関わりながら、インバウンド業界で今後も働きたい、と思った矢先のパンデミックである。

2月ごろまではクルーズが減るなあ、くらいの認識だったが、状況がどんどんと悪化し、世界が停滞してしまった。

昨日、5月14日にNHKで放送された「クローズアップ現代」ではインバウンドの今後について取り上げられ、食い入るように観ていた。

星野リゾートの星野佳路代表が「観光は地域に根差した産業である」と言っていたのがとても印象的で、現に、今休業している星野リゾートの従業員が地元の農家の手伝いをしている姿が放送された。
コロナ収束後、地域との連携がより深まり、「地域力」を上げるために、今できることをしているのだ。

また、元観光庁長官で、現在大阪観光協の代表である溝端宏は「観光はレジャー産業ではない」と力強く明言した。2011年の大震災の時に観光庁長官として、復興のために観光を、という施策を行ったのが他でもないこの人である。重みがある。

そんな彼が今行っているのは「知られざる地域」の発掘だ。大阪で、まだあまり知られていない魅力ある地域を訪問し、自らその魅力を引き出す策を打っている。

いずれも、ここ1~2年は準備期間であるとしながら、直近は止血をしながらも、決して守りに徹するわけではなく、今後を見据えた動きをしているのが印象的だった。

 

会社でのツアーはゼロになり、売り上げもゼロという未曽有の事態に直面している。このまま訪日外国人が戻らなければ倒産もあり得るだろう。その前にいつ解雇されるかもしれない。

それでも、インバウンドは死なない。日本の素晴らしい観光資源がある限り。

だから、こうして発信しようと思った。

これが私の攻めの姿勢である。