ちょっと最近、時間の流れが速すぎる

日々の雑談や本の感想などを書いていきます。

半年放置したブログを更新する勇気

お久しぶりです。

タイトルは語尾に「勇気」って付けると何でもカッコよくなると、どこぞのツインテール蝸牛系小学生女児が言ってたので試してみた。

いかがだろう、僅かでもカッコいいと思えてもらえただろうか。

全くと言って良いほど自信が無い。

 

今頃になってこの半年以上放置したブログを更新する気になったのは、「そう言えば俺って昔ブログなんか始めたことあったよなー」と軽い気持ちでここを覗いてみたところ未だにアクセス数が日に数件ながらあったからだ。

驚いたことに、筆者にすら省みられない電子の藻屑状態のこんなブログにさえ、どういう経路を辿ってか訪問者があるらしい。

自分が書いたものが誰かに読まれ続けていると嬉しい勘違いができる半面、「これが俺のネットタトゥーってやつか……」と怖かったりもする。

そんな感慨を抱きながら、どうせならもう一度書いてみるってのもありかと考えた。

あれから新しい本を読んだりCD買ったり就職したり引っ越したり転職決めたりしたもんで、書くことはそれなりにある。

無くても別に書いたっていいんだが、律儀な自分は書くネタが無いと更新できない質なのだ。

夏休みの日記で「何もない一日でした」って書くのが苦痛なタイプ。

根本的にブログという形式に向いてないんだろう。

 

まあ、これからも気が向いたら更新するかも。

とりあえず今日はたっぷりアイスコーヒー一杯でこれ以上コメダに居座るのが辛くなってきたのでこれくらいで。

 

 

 

法条遥「リアクト」感想   「リライト」の謎解き編?

 

法条遥の「リライト」から始まる四部作の三作目。

西暦3000年から1992年の日本にやってきたタイムパトロールのホタルは、2311年に失踪した科学者を追跡するのが使命だった。

その過程で岡部蛍という作家が著した小説「リライト」に興味を抱き、作中で同窓会が開かれた2002年へと向かうのだが……。

 

この作品は第一作の「リライト」が作中作の役割を果たしており、「リライト」という創作の内容を基にしながら現実に起きた1992年の事実について、ひいては2002年までの10年間に発生した事件についての謎解きを行うという趣向になっている。

「リライト」の中で語られていたことの一部が、改めて別の角度から眺めるとまた違った解釈になるという点が興味深かった。

一作の中にまとまってはいないものの、三津田信三の作品に出てくるどんでん返しのような印象を抱く。

また「リライト」では悪印象を与える描き方をされていた登場人物が、実は「リライト」の作者本人であったり、またある人物は完全な創作であり実在しなかったり、「リライト」を読んだ人ならとても面白く読める。

逆に、「リライト」を読んでいない人は読んでも意味がわからないし、「昔読んだけど内容忘れちゃったなー」という人ももう一度読み直すことをお勧めする。

 

これで法条遥の「リライト」シリーズも残すは「リライブ」のみ。

読んでいるとライトな文体に反して難解な内容なので、ページ数の割に時間を食ってしまうがやはり面白い。

「リライブ」も、一気に読んでしまおうと思う。

 

法条遥「リビジョン」感想 前作よりもさらにややこしい

 

「リライト」に続く四部作の二作目。

主人公である千秋霞は代々千秋家に伝わる鏡を使って、未来を見ることができる能力を持っていた。

1992年秋、霞の息子であるヤスヒコが一週間後に亡くなるビジョンを見た霞はその未来を変えようと奔走するが、霞が行動を変えたことによって過去改変が発生してしまい、さらにヤスヒコが亡くなる運命からも逃れられない。

霞はたとえどのような過去改変が起きようとも、愛する息子ヤスヒコを救うと決意し、夫の邦彦と共に時間のルールに挑む。

 

いやあ、母は強しとは言ったものの、ここまで一途に強い母親は傍から見れば狂気と紙一重なところがある。

読んでて色々とぞっとさせられたし、同時に霞に感情移入してしまう部分もあって、読んでて面白かった。

読み進めるうちにだんだんと霞と邦彦の出会い、またヤスヒコの出生に関しての違和感が増していき、その伏線が最後に回収されるという展開は「リライト」に似たものを感じた。

 

そして「リライト」同様、この作品もとにかくややこしい話になっている。

まず霞が行動を変えることによってなぜ、過去が変わってしまうのかという点。

ここがややこしい。

冒頭で霞はビジョンの力によって未来を見て、発熱したヤスヒコを最初に連れていく病院を変える。

それによって最初にヤスヒコを連れて云った病院が別の病院(歯科医)に変わり、さらには病院で診療した医師の職業まで変化してしまう。

これは医師の過去から改変されているということになり、霞の行動によって発生する改変が非常に大きな影響を与えることが読者に示される。

読み進めている最中には頭が混乱して、何が何やらわからなくなってくる。

 

しかしこの過去改変の理由がヤスヒコにあるらしいということがわかると、この点が若干理解しやすくなってくる。

とにかくヤスヒコの存在が不都合なものであり、それによって過剰なまでの過去改変が起きているのだろうと判明してくるのだ。

そして物語はヤスヒコの出生、霞と千秋の馴れ初めへと向かっていくのである。

物語自体は夫婦と息子の中で繰り広げられるのに、前回の「リライト」よりもさらに話のスケールが壮大になっている。

 

この作品は「リライト」と不可分に絡み合っている部分もあり、「リライト」を読んでいないと理解できない部分も多いだろうと思う。

「リライト」の主要人物である保彦と「リビジョン」でのヤスヒコとの関係も、「リライト」を読んでいなければわからない。

というか、「リライト」「リビジョン」だけを読んでもまだよくわからない。

全四部作であるから、残りの二作品も併せて読まなければ理解はできないのだろう。

残りは「リアクト」「リライブ」の二作であるが、この風呂敷がどのように畳まれるのかにはとても興味がわいてくる。