名前は忘れた でも名曲だった

MY DROWSY COCKPIT

■好きなバンドから繋がって、また別のバンドを好きになることって、よくあることだと思います。

 

例えば、僕の好きなバンドにthe pillowsがあるんですけど、元はBUMP OF CHICKENから繋がって好きになったバンドでした。ある時、BUMPが【ハイブリッドレインボウ】という新曲(?)を出すらしいということで調べてみると、実はそれはBUMPの曲ではなくて、the pillowsというバンドのカバー曲だったということが判明し、そこから本家のthe pillowsを聴いてみるとハマった、という流れでした。

 

そして、そのthe pillowsからまた繋がって好きになったバンドがあります。それが、今回紹介したい、カミナリグモというバンドです。

 

僕がカミナリグモを聴くようになったのは、さかのぼって調べてみると、2014年くらいのことのようです。どういうきっかけだったかは覚えていませんが、正直に言うと…the pillowsの音楽が自分に少しずつ合わなくなってきた頃に、カミナリグモのことを知りました。

 

カミナリグモは、the pillows山中さわおさんがプロデュースしているバンドであることを何かで知り、そこからカミナリグモの楽曲を聴いてみると、めっちゃ良いじゃん!となって、そこから少しずつカミナリグモの作品を集めていって聴いていったのですが、どの作品もとても素晴らしいんです。

 


■そんなカミナリグモですが、今年2022年で15周年を迎えたようです。

 

ここでいう15周年ですが、元々はカミナリグモはボーカル・ギターの上野啓示さんのソロプロジェクトとして始まったようですが、2007年にghomaさん(成瀬篤志さん)がキーボードとして加入して2人体制になったようで、そこから15周年ということだと思います。

 

僕がカミナリグモにハマって聴き始めたのが、先述の通り2014年くらいのことなので、その頃のカミナリグモは、もうすでにそれなりにキャリアを積んできており、僕の知らないストーリーを歩んでいたのだと、改めて思います。

 

15周年を迎えたカミナリグモですが、15周年企画として、「BRAIN MAGIC RADIO SHOW!」と称して、2022年にYouTubeで月一のラジオを配信していきました。

 

そして、これもその企画の一環ですが、15周年企画YOUTUBEライブ「YOUR ORDER」と称して、YouTubeにてライヴを生配信しました。

 

ライヴの内容も、これまでの7枚の歴代のアルバムから人気の曲をファンから募集して、それに基づいてセットリストを組んでいるという、ライヴのベスト盤的な感じでめっちゃよかったんです。このライヴは、今でも見れますので、ここでも紹介しておきます↓

https://www.youtube.com/live/qThPZ8PMecs?feature=share

www.youtube.com


■ということで、個人的にもカミナリグモについて話したいと思って、記事を書きはじめました。

 

4th Album『MY DROWSY COCKPIT』

 

冒頭に載せている画像が当アルバムなんですけど、カミナリグモの作品を本格的にまとめて聴いてみようかな、と思って初めて手に取った作品が、『MY DROWSY COCKPIT』というアルバムでした。2014年当時では、手に入る作品の中では、一番新しい作品だったんだと思いますが、この作品をきっかけにカミナリグモにハマって、そこから少しずつ作品をさかのぼって聴いていきました。

 

だから、個人的には一番思い入れのある1枚なんですけど、先述の15周年のYouTubeライヴでは、この作品を作っていた頃を思い返して啓示さんは(視野がせまかったと語りつつ)、「精神状態も良くなかった」「これで全部終わるんだと思って作った」「自分はカミナリグモしかないから」「自分だけが必死」「(他のメンバーが)そこまで真剣な感じがしなかった」みたいなことを思っていたようです。

 

2016年から、カミナリグモは一旦活動を休止していしまうんですけど、僕がカミナリグモにハマった時期が2014年くらいからだったので、啓示さんのおっしゃっている、精神状態の良くなかった頃に、自分はカミナリグモを知ったんだなと、今振り返るとそう気付かされます。

 


■そのアルバムの表題曲【MY DROWSY COCKPIT】について。

 

youtu.be

 

載せている動画はライヴ映像です。ghomaさんの綺麗なピアノの旋律でイントロがはじまって、それにしっとりと啓示さんの弾き語りが乗っかるという形でAメロへと繋がり、サビで想いを爆発させるように演奏が激しさを増す、という構成になっています。

 

これがアルバムの原曲になると、そういう構成はさらに際立っています。イントロは機械音みたいなピコピコ音が印象的ですが、サビで激しさを増すところなんかは、ライヴ映像の演奏以上に、鬼気迫る感じで迫力があります。まぁ原曲の方はバンドサウンドなので、ドラムやエレキギターやベースの音が聞こえてくるので、派手に聴こえるのは当たり前なのですが。

 

先述の、啓示さんの精神状態を思い浮かべながらこの曲を改めて聴くと、歌詞はそういう想いが反映されているのだと気付かされます。

 



このまま眼が覚めなくても 十分たのしんだつもり
さよなら 点滅を繰り返す 虹みたいなうた
また会えるかなぁ

 


誰にも気づかれないまま 終わるよ 理解したつもり
さよなら 点滅を繰り返す 虹みたいな夢
また会えるかなぁ

 

これがサビの歌詞になるんですけど、ここからも、啓示さんが語った「これで全部終わるんだと思って作った」という想いが伝わってくるようです。

 

”誰にも気づかれないまま 終わるよ”という言葉…カミナリグモというものが啓示さん1人のものであり、それを自分の手で孤独のまま終わらせるという想いの表れですかね。

 

あと、ここに出てきている”虹みたいなうた”という表現も印象に残ります。この言葉から、僕は2つのことを思いました。

 

まず1つは、バンド名が”カミナリグモ”ということで、漢字で書くと当然”雷雲”ということになるんでしょうけど、ここからは”雷”や”雲”、”雨”、”嵐”みたいな…何て言うか天候が崩れた感じのイメージが膨らみます。それに対して、”虹”という言葉からは、雨が上がり、崩れた天候が回復しているイメージですよね。

 

安易に表現するならば、絶望が希望が変わる、みたいな感じ…というより、”虹”っていう言葉や概念に込められる想いっていうのは、いつだってそういうものだと思います。なので、ここでいう”虹みたいな歌”とはそのまま、カミナリグモ(上野啓示さん)がこれまで希望を込めて歌ってきた歌、と解釈することができるかもしれません。そんな歌に、”また会えるかなぁ”と歌っているところも、また泣けてきますね。

 

そしてもう1つは、啓示さんが敬愛するthe pillowsについてです。the pillowsの名曲に、【ハイブリッドレインボウ】という曲がありますが、”虹みたいな歌”は、それにもかかっているのかな、とも思ったりしました。

 

【ハイブリッドレインボウ】の個人的な解釈としては、あまりバンドとして良い状態ではなかったであろうthe pillows、そのボーカルの山中さわおさんが、それでも、バンドや観客たちとロックンロールを鳴らす想いを爆発させた曲…という感じなのですが、これが”虹みたいな歌”に当てはまるのかな、と思いました。

 

とすると、【ハイブリッドレインボウ】みたいな曲に”また会えるかなぁ”…つまり、自分たちもそういう起死回生の曲を生み出すことができるかなぁ(生み出したい)と歌っていると解釈できます。

 



コクピットで眠るよ 少し寒いし
タイマーをセット 星とまばたきゲーム

 


コクピットでうたうよ キミを想って
タイマーリセット 生まれ変われるように

 

Aメロの歌詞ですが、ここに”コクピット”という言葉が出てきています。ちなみに、DROWSYの意味は、眠い、眠そうな、という意味です。

 

そこにCOCKPITという言葉が引っ付き、曲名の意味としては、まず安易に訳すと、”私の眠たいコクピット”ということには一応なります。 

 

COCKPITで操縦しているのは、他でもない上野啓示さんであると想像ができます。暗闇を飛び続ける宇宙船の中に、1人で孤独と戦いながら操縦桿を握っている感じでしょうか。

 

そして、DROWSYが意味することは、おそらくカミナリグモがうまくいかなくなっている、終わらせよう(眠るという言葉で表現)と思っている、というそういう啓示さんの想いを反映させたのだろうと解釈できます。

 

ずっと長いこと飛び続けてきて、もう前も後ろも真っ暗で見えなくなっている。進むことも戻ることもできない状態の中で、”タイマーリセット 生まれ変われるように”…時間を止めて眠りにつく、とそういうことですよね。

 

ただし、”眠る”なので、その対義にあるのは、いつかは”起きる”ということ…そういうところから、個人的にはコールドスリープ的なものをイメージして聴いています。未来に何らかの希望を託して眠りにつく、みたいない表現が近いな、と思っています。

 


■何か、こうやって(勝手に)書いていくと、ずっとマイナスのことを書くだけになってしまいますが…

 

ただ、これだけは言いたいのは、先述したとおり、僕はこのアルバムでカミナリグモを本格的に聴きはじめて、その素晴らしさに気が付いたので、本当に思い入れがあるんです。啓示さんが、色々と苦悩しながら作ったこのアルバムの良さ、カミナリグモの素晴らしさは、間違いなく届いていますよって、なんかエラそうですけど大きな声で伝えたいんです。

 

結構、極限状態の時にできる名曲や作品ってあるじゃないですか、追いつめられたときに、とんでもない魂のこもった名曲や作品ができるっていうか…例えば、作詞に9ヶ月かかったと言われているBUMP OF CHIKCKENの【ロストマン】、メジャーデビューを去るSUPER BEAVERがその去り際に作ったアルバム『SUPER BEAVER』、スピッツのアルバム『ハヤブサ』や楽曲【放浪カモメはどこまでも】なんかも、そういう側面があるんじゃないかと思います。

 

バンドや作詞・作曲者は、とても苦労したのでしょうけど、そういう状況で作った曲だからこそ、聴いた者の胸を打ち、感動を与えるのだと思います。

 

この【MY DROWSY COCKPIT】も、そういう曲だと…悩みもがきながらやってきたことは、絶対に間違いはなかったですよと、本当に偉そうなんですけど、啓示さんに伝えたいです。

なんかむつかしいことをかんがえよう。これからのぼくは。

MOTHER MUSIC REVISITED〔DELUXE盤(CD2枚組)〕

※本当は、MOTHER1+2のサウンドトラックを載せたかったのですが、無かったので30周年記念に発売になったサントラを載せています。

 

■人には誰にも、普段からずっとそのことを考えているわけではないけど、時々ふと思い出すような、音楽だったり、映画だったり、ゲームだったりっていう、何かしらの作品があると思います。

 

自分の幼い頃の思い出なんかに繋がっていたりして…決して楽しい思い出ばっかりじゃないかもしれないけれど…何かのきっかけで、ふと思い出して、感傷的になってしまうみたいな、そういうことってあると思います。

 

自分にとってはその一つに、「MOTHER」というゲームがあります。今まさにその”ふと思い出している”時が訪れていて、思い出だったり、自分の気持ちみたいなものを書いてみようかな、と思ったのです。

 


「MOTHER」というゲームは、『MOTHER』『MOTHER2」『MOTHER3』という風に3作品あって、それらはまとめて”MOTHERシリーズ”なんて呼ばれています。

 

1989年に『MOTHER』がファミコンで発売され、1994年に『MOTHER2』がスーパーファミコンで発売され、そこから長い時間が開いて、2006年に『MOTHER3』がニンテンドーDSで発売になりました。そして、後に『MOTHER1+2』という作品が(1と2が両方とも入っている作品)、ニンテンドーDSで発売になりました。

 

僕は、このMOTHERシリーズが本当に好きなゲームなんです。今までやってきたゲームで印象に残っているものと言えば、FFシリーズとこのMOTHERシリーズが思い浮かびます。

 

今でこそ、もう長いことプレイはしていませんが、それこそMOTHER2なんかは1周と言わず、多分5,6周プレイしていると思います。他の作品も同様で、何周かプレイしています。

 


■最初に、僕がMOTHERシリーズで初めて遊んだのが、小学校中学年の頃だったと思います。『MOTHER2』をプレイしました。

 

…しかし、この初めての出会いには、少々後味が悪いものになるのです。

 

実際には、この初めての『MOTHER2』のプレイでは、ゲームを全クリすることができなかったのです。その理由はなんと…友達にゲームカセットを盗まれてしまったからなのです!

 

ゲームは、もう終盤までプレイしており…分かる人には分かってもらえると思うんですけど、ネスの心の中までゲームを進めていました笑…あとちょっとで全クリだ!というところまで迫っていたのですが、そういうときに、どういうわけか自宅からMOTHER2のカセット自体が消えてしまうのです。

 

当時、僕には友人Iが居ました。友人Iは、いわゆるジャイアンみたいなガキ大将で、今となっては、自分がなぜその友人Iと仲良くしていたのか不思議で仕方がないのですが…まぁ、色んな理由があって仲良くしていたんだと思います。

 

それで、どうもそのカセットは友人Iがパクッたらしいんですよ。これは、また別の友人から聞いた話なのですけどね…皆さんはやってましたかね、カセットの裏に名前書くことを…全部には書いてなかったですけど、MOTHER2のカセットには、僕は自分の名前を書いてシールで貼っていたんですけど、別の友人曰く、友人Iが裏面にシールがはげた痕跡があるMOTHER2を持っていた、とのことです。

 

しかも、僕は主人公のネスとヒロインのポーラの名前を、(今思うとなぜか笑)「Aくん」「Bさん」などと名付けており、その名前と同じ名前のセーブデータを目撃した、という証言も得られたのです。ちなみに、ジェフは「てんさい」、プーは忘れました、ペットの犬は「パトラッシュ」でした笑

 

僕は、友人Iに訊ねることができなかったんですよね、「僕のMOTHER2知らない?」ってね。だって相手はジャイアンですからね、「何を!のび太のくせに生意気だ!」って言われるのがオチですよ。僕は、黙って受け入れたんです、そういうことなら仕方ないかって。

 

ということで、こんな風にして、全クリ未遂で初めての出会いは終わりました。しかし、今思えば、これでもMOTHERの面白さを知るには十分な体験でした。

 

結局その後、確か中学生の頃だったと記憶していますが、これはまた別の友人なんですけど、その友人とスーパーファミコンのカセットの交換をしたんです。いや、もらったんだったかな…よく覚えていないんですけど、その時に僕はMOTHER2のカセットを再び手に入れることになるのです。

 

中学生の頃は、もう友人Iと親交は無くなっていたので、平穏無事にMOTHER2の冒険を全クリまで導くことができました。

 

正直言うと、小学生にとっては、『MOTHER2』っていうゲームは結構難しかったんじゃないかな、と思うんですよね。小学中学年の時の最初のプレイは、とても苦労しながら進んでいたのを覚えています。一番最初の、オネットの街を抜け出すだけで、相当な時間がかかったことを覚えています。

 


■それから時が経って、大学2年生の頃だったと思います。あのMOTHERシリーズの最新作、『MOTHER3』が発売になるという情報が出ました。しかも、自分は持っていないニンテンドーDSでというじゃないですか。

 

これはもう買うしかない…ということで、まずはニンテンドーDS買いました。その時に、『MOTHER3』の発売までには時間がまだあったので、すでに発売になっていた『MOTHER1+2』を先にプレイして、『MOTHER3』に備えました。ちなみに、何気に『MOTHER』はこの時に初めてのプレイでした。

 

大学生の時に、同じ学部にMOTHER仲間である友人Sが居たので、共にMOTHER3の発売を待ち、実際に発売になったあとも、お互いのプレイ状況や攻略を交換しあったのです。

 

MOTHER3は、これまたMOTHERやMOTHER2とは雰囲気が違う物語でしたね。最初から最後まで、手放しで楽しめるような物語ではないですが、これはこれでとても印象に残っています。

 

 

■MOTHERシリーズの作品は、どれもとても魅力的な作品なのですが、自分の中では(おそらく多くの人にとっても?)、やっぱり最初にプレイした『MOTHER2』は特別な作品です。

 

いわゆるMOTHERシリーズは、RPGという作品なんですけど、RPGっていうと、例えばドラゴンクエストとかファイナルファンタジーとか、いわゆるファンタジーの世界を旅するゲームですよね。モンスターが蔓延っていたり、魔法や武器が存在していたり、自分が暮らしている世界とはかけ離れている世界観の中に身を置く、というのが基本だと思います。

 

そこへ来て、『MOTHER2』という作品は、言ってみたら日常にとても近い世界を冒険するような作品であり、どこか自分が暮らしている街を冒険しているような感覚でプレイしていました。

 

最初にゲームした小学中学年や、全クリした中学生の時だって、さすがにゲームと現実の世界の区別はちゃんとついてはいたのですが、特に小学中学年の頃なんかは、どこかMOTHERの世界観を、現実の世界に妄想したりしていました。分かってはいるんですけど、あのMOTHERの世界と、自分の生きている世界が繋がっているんじゃないか、と。

 

小さい頃って、まぁ誰しもが経験あると思うんですけど、変な遊びとかうわさ話が流行ることってありますよね。

 

例えば、僕の場合だと、近所に大きな公園があったんですけど、その公園の周りをぐるりと取り囲んでいる排水路の中を探検する、という遊びが、ある時は流行ったことがありました。

 

ある時ついに、その排水路の一番奥まで辿りついた勇者が現れたんですけど、その勇者が言うには、「奥に、巨大なアメーバが居た!アメーバ星人だ!」と。何のこっちゃ?と思いはしましたが、僕は怖くて奥まで入れなかったので、正体は不明のままです。もしかしたら、本当にアメーバ星人が潜んでいて、地球の侵略の機会を狙っていたのかもしれません。

 

他にも、誰かがUFOを見たと言い出したら、それから(何故か、笑)周りの友だちからUFOの目撃例が続出したりして、そこから、山の向こうにはUFOの秘密基地があるという噂が立って、山の中を冒険したりしました。

 

町の片隅には、古びた小屋があったんですけど、そこが”人焼き場”だなんて噂がたったりしましたね。焼いているところを、実際に目撃したっていう子も現れたりしました。

 

などなど、言い出せば本当にきりがありませんが、今思えば現実の生活に、ゲームみたいな非現実な冒険を当てはめていた、というより、そういう冒険に憧れていたのだと思います。

 


■それから、やっぱり全作品を通じて、ストーリーとキャラクターは、とても魅力的なものばかりでしたね。

 

ゲームを手掛けたのは、糸井重里さんという、コピーライターの方です。コピーライターというのは、いわゆる広告なんかにつけるキャッチコピーを考える職業の方で、改めて調べてみると、糸井さんの言葉として、印象に残っているものがたくさんあってびっくりしています。魔女の宅急便「おちこんだりもしたけど、私はげんきです」とか、結構ジブリのキャッチコピーは多く手がけているようですね。

 

そういう、もともと人の気を引くような言葉を作り出す職業をされている方なので、そもそもゲームを作る専門の人ではないようです。だからそれが逆に、MOTHERシリーズのストーリーや、ゲームに出てくるキャラクターや言葉が、とても個性的なものになっているのだと思います。

 

ネタバレにならないように、印象的なところを少しずつ紹介してみます。

 

まずは、『MOTHER』で印象に残っているシーンをしては、どこの町だったかは覚えていないのですが、とある住人に話しかけると、こういうことを言ってくるのです。

 


◆ちいさいころ
 トンネルを あるいて
 とおったことが あるんだ
◆したいを みにいったんだ

 

結構怖い台詞ですよね。これは、おそらく映画「スタンドバイミー」のパロディでしょう。「スタンドバイミー」は、僕も大好きな映画のひとつなので、この台詞に出会ったとき、すぐに気がついて嬉しくなりました。

 

ちなみに、この町の近くにあるトンネルを歩いて結構奥まで進むと、レールの傍らに本当に白骨死体が転がっていて、なんと話しかけることができるのです。こういう細かい仕掛けは面白いですよね。

 


MOTHER2』については、特定のここの部分が好き!という説明は、一番しづらいです。もう、物語の内容すべて、訪れる街のひとつひとつ、街の住人のセリフのひとつひとつから、すべてが印象深く思っています。

 

その中でも印象的なのは、やっぱり「ムーンサイド」ですね。説明も、しようがありません。これこそまさにカオスな異空間としか言いようがありません。

 

なので、ぜひともご自身で体験してほしいんですけどね、ムムーーンンササイイドドへへよよううここそそ。

 

あとは、やっぱりラストバトルですね。これもネタバレは避けておきます。

 


最後『MOTHER3』についてですが、プレイした時期が大学生だったってこともよかったと思います。ある程度、感性なんかも育っていたと思いますので、ストーリーは十分伝わってきたと思います。

 

MOTHER3』で一番印象に残っているのは、敵キャラですね。『MOTHER3』には、動物や昆虫に機械などをくっつけた…キメラっていうんですかね、そういう生き物が出てくるのですが、ただただ不気味でした。

 

それから、やっぱり物語の真相ですよね。一筋の物語という意味では、何ていうか、全てがいきなりひっくり返されるような展開は、シリーズでは一番衝撃的でした。

 


■あとは、何と言っても、MOTHERシリーズには欠かせないのが音楽です。そもそも『MOTHER』と『MOTHER2』は、音楽自体がストーリーの核を担うものになっているのですが、シリーズを通して、本当に音楽が素晴らしいんです。

 

僕は、冒頭に紹介している『MOTHER1+2』のサウンドトラックを持っているのですが、大人になった今でも…もう初プレイからかれこれ30年くらい経ってますが…このサントラはスマホに入れていて、未だに聴いています。サントラって、歌詞がない分、聴きながらの作業には合うんですよね。

 

ちょっとだけ好きな音楽を紹介しておくと(あんまりうまく見つけることができなかったけど…)

 

オネットのテーマ

オネットのテーマ

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ツーソンのテーマ

ツーソンのテーマ

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MOTHER3~愛のテーマ~

MOTHER3~愛のテーマ~

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SNOW MAN

SNOW MAN

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■あとは、ちょっと少し趣向を変えてMOTHERシリーズの音楽を、個人的に演奏なさっていたり、紹介している映像がYoutubeニコニコ動画にあり、その中から気に入ったものをいくつか紹介しておきます。

 

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まずはこちら。MOTHERの演奏関連の動画では、一番好きな動画です。調べて見ると、Low-tech Sonというバンドだそうです。facebookの紹介ページによると、どうやら2006年に結成された、2人組の鍵盤奏者からなるバンドだそうです。

 

ゲーム音楽やアニメソングの制作に携わり、LIVEの映像などが、youtubeでもその様子は一部動画公開されています。

 

MOTHERの演奏動画は、 Low-tech Son with T.E.O.(Tezuka Yusuke Enharmonic Orchestra)名義のビッグバンドによる演奏になっています。

 

「Bein’ friends」「pollyanna」「Eight Melodies」は必聴です。もう、涙が止まらない状態になります。

 

 

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お次はこちら。サカモト教授という人の、MOTHERピアノメドレーです。見ての通り、頭にファミコンの機械を載せて、小学生がプールの着替えで使うようなタオルをマントに見立て羽織るというコミカルな恰好で、ゲーム音楽を演奏しています。

 

この人の演奏、実は一度だけ生で見たことがあるんです。広島はアリスガーデンというところがあって、野外の演奏スペースなんですけど、そこで演奏されているのを見たことがあります。その時は、MOTHERの演奏はしなかったんですけど、マリオとかグラデュウスとかのBGMを演奏されていました。

 

動画については、ピアノバージョンとピコピコバージョンの2つのMOTHERメドレーがあります。どちらも好きです。

 

 

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この動画は、MOTHERの「Eight Melodies」を基にして、オリジナルのメロディーと歌詞をつけて、演奏&歌唱をしてる動画です。

 

苦手な人には苦手かもしれませんし、僕もあんまりこういうのは得意じゃないはずなんですが、この動画に関しては、すごく良いと思うんです。MOTHERに対する愛を、すごく感じるというか。

 

歌詞がうまいですよね。ここら辺が好みです。

 


一つの旅の終り 振り返れば
全て楽しい思い出
辛い日々は 過ぎたのに
きっと 心では次の冒険を 夢見てる

 

MOTHERシリーズ全体に通じるテーマのような気がします。

 

 

youtu.be

 

みのミュージックという、色んな音楽を紹介しているYoutubeチャンネルがあるんですけど、そのチャンネルの動画で、みのさんがMOTHERの音楽について語っています。もうこの人の動画を見るだけで、MOTHERの音楽がほとんどわかるのではないでしょうか。

 

 

youtu.be

 

あとは、音楽の紹介ではないですが、MOTHER関連の動画では、一番お世話に…今現在もなっている動画です。

 

シュシュさんという、女性ゲーム実況者の方が居られるのですが、MOTHERシリーズを全て、ゲーム実況した動画を挙げています。『MOTHER』と『MOTHER2』に関しては、ニコニコ動画の方で見ることができます。

 

もう大げさじゃなく、かれこれ10回以上は全部の動画を通して見ていると思います。先述したように、今でこそ自分でプレイすることはなくなったんですが、この人の動画をみるだけで、もう自分でプレイしなくても十分になりました。自分が初見でプレイした頃のことを思いだしながら、いつも動画を見ています。

 


■ということで、これだけ書いても、語りつくすことができないMOTHERシリーズというゲームの紹介でした。

 

手短にしようとか思っていましたが、ずいぶんと長い記事になってしまいましたね…。

疲れたらちょっとさ そこに座って話そうか

jupiter

 

■英国君主の即位を記念して行われる、国王や女王の在位が25年、40年、50年、60年、65年、70年となる節目に行う行事のこと…それを「Jubilee / ジュビリー」と言うんだそうですね。

 

それぞれ、

 

25周年はSilver Jubilee(シルバージュビリー)
40周年はRuby Jubilee(ルビージュビリー)
50周年はGolden Jubilee(ゴールデンジュビリー)
60周年はDiamond Jubilee(ダイヤモンドジュビリー)
65周年はSapphire Jubilee(サファイアジュビリー)
70周年はPlatinum Jubilee(プラチナジュビリー)

 

という名前がついているそうです。記憶に新しいですが、2022年に崩御された、英国女王エリザベス2世は、在位期間が70年を越えたため(イギリス史上最高齢かつ最長在位の君主)、在位70周年記念式典のプラチナジュビリーが開かれたようです。

 

日本で言う、結婚25年に祝われる銀婚式や、50年の金婚式もこれに由来しているそうです。もともとはとても昔の言葉のようですが、そういう記念日や祝典を表す言葉として”Jubilee”という言葉が使われ始めました。

 

そして、去年の2021年に結成25周年を迎え、まさにSilver Jubilee(シルバージュビリー)と名前を冠して、その活動に節目を打つ活動をしているバンドがありまあす。それが、BUMP OF CHICKENです。

 

 

■グダグダ語りたいんですけど、キリがないので早速本題に入りたいと思います。

 

僕は、大学生の頃からなので、かれこれ20年くらいBUMPを聴き続けています。そんな僕が、BUMP結成25周年を記念して、個人的に好きなBUMPの曲ベスト25を選んでみました。

 

個人的な思い出なんかも語っているので、結局グダグダめっちゃ長くなってしまいますが、適当に読み飛ばしながら読んでください。

 

 

第25位 ダンデライオン

ダンデライオン

ダンデライオン

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アルバム『jupiter』収録曲

 

 

 

第24位 ゼロ

ゼロ

ゼロ

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youtu.be

21作目のシングル曲であり、アルバム『RAY』収録曲

 

 

 

第23位 涙のふるさと

涙のふるさと

涙のふるさと

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youtu.be

12作目のシングル曲であり、アルバム『orbital period』収録曲

 

 

 

第22位 サザンクロス

サザンクロス

サザンクロス

  • provided courtesy of iTunes

アルバム『RAY』収録曲

 

 

 

第21位 (please)forgive

(please)forgive

(please)forgive

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アルバム『RAY』収録曲

 

 

 

第20位 カルマ

カルマ

カルマ

11作目のシングル曲であり、アルバム『orbital period』収録曲

 

 

 

第19位 オンリーロンリーグローリー

youtu.be

8作目のシングル曲であり、アルバム『ユグドラシル』収録曲

 

 

 

第18位 K

K

K

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アルバム『THE LIVING DEAD』収録曲

 

アルバム『THE LIVING DEAD』は、僕がBUMPを好きになった大学生の頃に聴いていたアルバムです。

 

当時このアルバムを初めて聴いた時は、本当に衝撃的でした。その収録曲の1曲1曲が、まるで絵本や神話でも読んでいるかのような物語になっているではないかと…こんなに、ロックナンバー1曲1曲で、自由に物語を語っていいんだな、と驚きましたね。

 

同アルバムには、北欧神話に出てくる神々の王であるオーディンが持っている最強の槍の名前を冠した【グングニル】、ある絵描きの人生を描いた【ベストピクチャー】膨大な時間を、愛する者の命を救うために、穴を掘り続けることに費やした男の生涯を描いた【Ever lasting lie】などが挙げられますが、ストーリー性のある曲という意味では、この【K】という曲がこのアルバムを象徴していると思っています。

 

タイトル”K”の謎は…自分で聴いて、解き明かしてみてください。

 

 

 

第17位 ギルド

ギルド

ギルド

アルバム『ユグドラシル』収録曲。また、この曲をモチーフにした人形劇を収録した映像作品『人形劇ギルド』も発表されました。

 

この曲が発表された頃、僕は大学2年生でした。ちょうどその頃、僕は初めてアルバイトを始めたんです。チェーン店の居酒屋の厨房での仕事でした。

 

当然、夜の仕事なので、終わるのが深夜1時とか過ぎるのもザラだったし、やっぱりきつかったですよ、でも頑張ってやってました。忙しかったけど、それなりに楽しい思い出もあります。結局は、大学を卒業するまでずっと続けたアルバイトでした。最後には、店自体が潰れちゃったので、辞めずに最後まで続けることができました。今の自分の原点ですね、”働く”ってこと、”お金を稼ぐ”ってことは、しんどい思いをしないといけないんだってね、身を持って知った経験でした。

 

この曲を聴いていたのは、そんなアルバイトを始めた当初でした。だから、この曲(と【オンリーロンリーグローリー】)は、個人的には”アルバイト頑張ろうソング”ですね。今でも、”仕事頑張ろうソング”としても、十分当てはまるような気がします。

 

youtu.be

 

 

 

第16位 ラフ・メイカ

ラフ・メイカー

ラフ・メイカー

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シングル『ダイヤモンド』のカップリング曲であり、カップリングアルバム『present from you』収録曲です。

 

BUMPを好きになった最初の頃に聴いたのは、最初の3枚のアルバムでした。その3枚のアルバムは、どれも印象に残る作品で、すぐにBUMPにハマっていきました。

 

ある時、おそらくインターネットでだと思うんですけど、【ラフ・メイカー】の歌詞を先に読む機会が当時ありました。それで、BUMPのカップリング曲にも興味を持ち始めたのがきっかけでした。

 

そういうことで、シングルも少しずつ集めていきました。当時は、まだカップリングアルバムをBUMPは発表していなかったので、カップリング曲を聴こうと思ったら、シングルで聴くしか方法がなかったのです。あ、忘れてました、隠しを聴く目的でもありましたね。

 

先述した【K】みたいな物語性のある曲で、しかもちょっと笑えるような展開には、そうか、この曲を聴いた僕自身が【ラフ・メイカー】にしてやられたのか、と思わざるを得ません。

 

 

 

第15位 voyager/flyby

voyager

voyager

flyby

flyby

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アルバム『orbital period』収録曲です。

 

厳密には2曲分なんで反則っぽいですけど、セットにしてランクインとさせて頂きました。

 

【voyager】がアルバム『orbital period』の1曲目であり、【flyby】が同アルバムの最後の曲になっています。

 

両曲が同アルバムの最初と最後を飾っており、また同じ歌詞や同じメロディーで構成されている部分が多く、精神的にも繋がっていると感じるため、これまで両曲をセットにして聴いてきました。

 

暦上、曜日と日付が一致する周期が、28年周期であるそうです。まさに、アルバム『orbital period』を発表した当時、バンプのメンバーは28歳を迎えていました。そんなアルバムにおいて、藤原さんが、自分たちが生きてきた28年という時間にスポットを当てたのが、【voyager】【flyby】両曲であったのだと思います。

 

voyager(ボイジャー)というのは、1977年に打ち上げられた、NASA無人宇宙探査機「ボイジャー1号」のことなのですが、まさしく、バンプのメンバーが生まれた1979年に、ボイジャー木星に接近して撮影しつつ、通過していくという、flyby(フライバイ)を行ったようなのです。

 

だから、自分たちの生きてきた28年間と、ボイジャーが宇宙空間を飛んでいった28年間とをかけるように、【voyager】【flyby】は生まれたのだと思っています。

 


応答願ウ
命ノ地表カラ 打チ上ゲラレテ 随分立ツ
ズット 通リ過ギル星ノ 数ヲ数エテ 飛ンデキタ
ソノ度覚エタ 音ヲ繋ギ メロディーヲ送ル

 

こんな風に、歌詞の大半には、ロボットや機械が喋っているような、無機質な感じを表したかったのであろう、カタカナ表記が多用されています。他でもない、ボイジャーが語っているという感じに読めるのですが、その内容は、紛れもなく藤原さんが込めた想いが宿っている詞に他ならないのだと思います。

 

【voyager】は、終始藤原さんの弾き語りで構成されていますが、【flyby】の方は、最初は同じく弾き語りで始まるものの、途中から爆発的にバンドサウンドへと移行していくところが、ダイナミックで胸熱な展開だと思います。

 

 

 

第14位 透明飛行船

透明飛行船

透明飛行船

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アルバム『COSMONAUT』収録曲です。

 

時期としては、社会人に成りたてくらいの頃に聴いていた曲です。当時、仕事場にはバスと電車を乗り継いで通勤していたのですが、かなり長時間の通勤だったので、仕事の行き帰りは、音楽鑑賞と読書の時間でした。

 

この曲も、そういう感じでバスの中で聴いていたのですが、ある時、バスの中でこの曲を聴いたときに、何故か大号泣したことがあったんです笑 心が一瞬緩んでしまったのか、弱っていたのか、ただ病んでいたのか、今となっては分かりません。

 

そういえば、当時ワンピースの頂上戦争編をバスの中で読みながら泣いてたこともありました、変な人だと思われたでしょうね笑

 

 

 

第13位 Flare

Flare

Flare

15作目の配信シングルです。

 

この曲は、結成25周年の記念日に発売されました。まさに、Silver Jubileeの始まりのきっかけになっている曲です。

 

ただし、この曲については、異例中の異例…ベースのチャマこと直井由文さんが活動休止中だったため、レコーディングには参加していません。おそらく、ベースは藤原さんが弾いているのだと思います。

 

MVも3人だけが映っていたり、NHKの「SONGS」にも3人体制で出たりと、この頃は3人だけの活動が続きました。

 

ただし、BUMP OF CHICKENは紛れもなく4人組のバンド…直井さんがやったことは許されることではないけれど、やっぱり長く聴いてきた自分にとっては、4人でBUMP OF CHICKENという気持ちは強いです。だからこそ、気持ちとしては複雑ですね、思入れがあるからこそ、ずっと長く聴いてきたからこそ、もう昔のようにBUMP OF CHICKENを聴くことができないのは事実です。

 

だからこそ、改めてちゃんと楽曲を聴くことに没頭すると、そういうことを大切にしようという答えに落ち着きました。

 

【Flare】は、そういう意味では、最近の曲の中では、とても自分には合っていて、しかりと落ち着いて、歌詞とメロディーを聴くことができる曲だと思っています。こういうのでいいんですよ、本来BUMP OF CHICKENは。

 

youtu.be

 

 

 

第12位 話がしたいよ

話がしたいよ

話がしたいよ

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25作目のシングル曲で、アルバム『Aurora arc』収録曲です。

 

どこまでを”最近”と呼べばいいのか分かりませんが、このシングルが発売になった2018年を”最近”と表現するとしたら、最近のBUMPの楽曲の中では、この曲だったり先述した【Flare】は、ダントツで好きな曲です。

 

BUMPの曲だと、疾走感があるロックな曲や、ミディアムテンポでゆったり聴かせる曲や、壮大なバラードなど色々とあると思うんですけど…ここまでのランキングだったら、どういう種類の曲が多いんだろうか…とにかく、それぞれに良さがあると思います。

 

壮大なバラード…という視点から見ると、例えば個人的に好きなのは、【話がしたいよ】、【Flare】、【ベル】、【友達の唄】、【ゼロ】など…やっぱり、藤原さんが書いた歌詞を、ゆっくり読みながら聴くのが好きです。

 

【話がしたいよ】に関しては、そういう意味で、歌詞の世界にグッと引き込まれる楽曲でした。

 


持て余した手を 自分ごとポケットに隠した
バスが来るまでの間の おまけみたいな時間

 


体と心のどっちに ここまで連れて来られたんだろう
どっちもくたびれてるけど

 


どうやったって戻れないのは一緒だよ
じゃあこういう事を思っているのも一緒がいい

 

そして、2番には”ボイジャー”という言葉が出てきますが、これも先述の通りBUMPにとっては縁の深いもので、こんな風に過去作で使われた言葉が出てくると、ファンにとっては、何だかご褒美をもらった気持ちになって嬉しいです。

 

youtu.be

 

 

 

第11位 夢の飼い主

夢の飼い主

夢の飼い主

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シングル『車輪の唄』カップリング曲であり、カップリングアルバム『present from you』収録曲です。

 

この曲は、本当に歌詞のからくりが上手ですよね。

 


生まれた時は 覚えてないが 呼吸はしていた
理由は無いけど 生みの親は ひと目で判った

 

まるで、子どもや子犬が産まれるような感じで、こんな風に”夢”が生まれることを表すところから曲が始まります。さらに面白いのは、そういう”夢”視点から、”飼い主”と表現されている、その”夢”を持っている人を描いている歌詞になっているというところです。

 


くだらなかった 彼女の日々は 大きく変わった
餌を与えて 散歩にも行って 沢山触った

 


自分の色と 動き方を 忘れてしまった
彼女もいつか 付けた名前を 忘れてしまった

 


いつでも 側にいるよ ずっと 一緒だよ
首輪や 紐じゃないんだよ 君に身を寄せるのは
全て僕の意志だ

 

 

 

第10位 ホリデイ

ホリデイ

ホリデイ

シングル『スノースマイルカップリング曲であり、カップリングアルバム『present from you』収録曲です。

 

僕は大学生の頃、弾き語りサークルに入っていたんです。バンドを組んでいたわけではなくて、アコギを弾き語っていました。2人でコンビを組んだり、最高でも3人位でユニットを組んで活動したりしましたが、1人で弾き語ることも多かったです。その時に、とても下手くそながら、BUMP OF CHICKENの楽曲を弾き語りで演奏したりしていました。

 

例えば、【ギルド】や【車輪の唄】や【ベル】や【スノースマイル】や【ダイヤモンド】や…今思うと、たくさんの曲をやったなぁって感じです。そして、この【ホリデイ】も、そんな弾き語り曲の持ち曲のひとつでした。これがね、結構評判が良かったんですよ。うまいですねとか、声が合ってますねとか言われたりして、とても嬉しかったんです。

 

極めつけは、僕と食事に行きたいなんていう女性が出てきてね、一つ上の先輩でしたよ、サークルの先輩がセッティングしてくれたりしてね、そういうことがおじさんにもあったんです笑。

 

まさに、この曲こそ、大学生にピッタリの歌です。こういう日常を切り取ったような歌詞は、藤原さんの一つの真骨頂ですよね。

 


君にもらった花 3日と持たず 枯らしたよ
詳しい人に話聞けば 水の遣り過ぎらしい

 


どうやらまた 朝に繋がった
遅刻かも起きなくちゃ
いいや、ホリデイ 今日は起きないぞ
夢の続き 見るんだ

 


そんで帰る時覚えてたら
君に貰った花を 買って帰ろう 時計の電池も

 

あと2回 寝返りしたら 試しに起きてみよう
あと3回 寝返りしたら 今度こそ起きてやろう

 

何ていうか、大学生の特権っていうんですかね、寝過ごして講義に遅刻するとか、昼から学校に行って食堂で友達に会って、「お前今来たんか、おせーよ。単位落とすぞー」的な感じ、今でも思い出します。社会人になったら、絶対にもう経験できない、とても懐かしい記憶です。

 

 

 

第9位 HAPPY

HAPPY

HAPPY

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16作目のシングル曲であり、アルバム『COSMONAUT』収録曲です。

 

この曲を初めて聴いたのは、確かラジオだったと思います。CDが発売する前だったのですが、そのラジオ音源を携帯電話の録音機能で無理やり録音して、ずっと聴いていました。おかげで、CDが発売になる頃には、もう全てを覚えてしまっていました。

 

この曲には、とても思い入れがありまして、この曲を聴いていた時期は、自分が最初に就いた仕事を頑張っていた頃でした。

 

社会人に成り立てだったし、どんな仕事も頑張ってこなそう、という感じで頑張っていたんですけど、程なく、仕事を辞めようか続けようか、みたいな葛藤する時期に入りました。というより、思い返してみると、ほとんどずっとでしたね、仕事を始めてすぐに、この仕事は果たして、自分が一生していく仕事なんだろうか、と思いながらも仕事をしていました。

 

しかし、じゃあ仕事辞めるか、とはすぐに簡単にはいきませんよね。まぁ、時間が経った後、結局は辞めちゃうんですが、色々と葛藤しながらも仕事を頑張っていた時期に、この【HAPPY】を聴いていました。

 


続きを進む恐怖の途中 続きがくれる勇気にも出会う
無くした後に残された 愛しい空っぽを抱きしめて

 

消えない悲しみがあるなら 生き続ける意味だってあるだろう
どうせいつか終わる旅を 僕と一緒に歌おう

 

この辺りが、かなりパワーワードですよね。”続きを進む恐怖の途中 続きがくれる勇気にも出会う”って、この辺りに妙に納得させられたことを、よく覚えているんです。

 

そっか、まぁそう言ってくれるなら、もう少しだけ仕事頑張ってみようかなって、この曲を聴いて、仕事を辞めることを踏み止まって、粘りながら仕事していたのを覚えています。この曲と、あとスピッツの【ビギナー】は、そういう思い出がある曲ですね。

 

youtu.be

 

 

 

第8位 宇宙飛行士への手紙

宇宙飛行士への手紙

宇宙飛行士への手紙

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17作目のシングル曲であり、アルバム『COSMONAUT』収録曲です。

 

シングル曲の中では、そんなに目立たない曲なんですかね。疾走感があって盛り上がる曲でなければ、映画などに使われた壮大なバラードでもないので、そんなに注目されてはいないかもしれません。それでも、この【宇宙飛行士への手紙】という曲が、僕はとてもお気に入りです。

 

4つ打ちのドラムって言えば良いんですかね、「ドン、ドン、ドン、ドン」という風にバスドラの音が鳴らしているリズムが、すごく心地いいんです。速い曲でも、かといってのんびりしている曲でもない、こういう感じの曲を、ゆっくりと歌詞を読みながら聴くのも好きです。

 


出来るだけ離れないで いたいと願うのは
出会う前の君に 僕は絶対出会えないから
今もいつか過去になって 取り戻せなくなるから
それが未来の 今のうちに ちゃんと取り戻しておきたいから

 

そう言えば、シングル曲【ゼロ】の時だったと思うんですけど、何かのインタビューにおいて、藤原さんは歌詞においては、例えば【ゼロ】だったら、”終わりまであなたといたい それ以外確かな思いが無い”という風に、「終わり」を認めた上で、「その終わりまで一緒に居たい」という風に歌詞を書くんだそうです。

 

アーティストによっては、「永遠に一緒に居たい」だの、「生まれ変わっても一緒になろう」だの歌詞を書くのですが、藤原さんは、ちゃんといつか終わることを認めた上で、歌詞を書いていると語られていました。

 

例えば、【グッドラック】という曲でも、”手と手を繋いだら いつか離れてしまうのかな”とか、【記念撮影】でも、”君は笑っていた 僕だってそうだった 終わる魔法の外へ向けて”などもそうですかね。

 

【宇宙飛行士への手紙】に関してもそうですよね。”出来るだけ離れないで いたいと願うのは”ってね、永遠に一緒に居ることではなく、ここもやっぱり、終わりがあるということを認めつつ、だからこそ、今一緒に居られることの大切さを歌っているのだと解釈しています。

 

youtu.be

 

 

 

第7位 バイバイ、サンキュー

バイバイサンキュー

バイバイサンキュー

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シングル『天体観測』カップリング曲であり、カップリングアルバム『present from you』収録曲です。

 

僕がBUMP OF CHICKENと出会ったのが、大学生に成り立ての頃になるんですけど、故郷を離れ、独り暮らしを始めた時分でした。希望と不安の入り混じった気持ちで過ごしていた中、僕はBUMP OF CHICKENと出会い、そして【バイバイ、サンキュー】とも出会いました。最初は、この曲のMVが収められていた、ビデオ『jupiter』でこの曲を知ったのです。

 

【バイバイ、サンキュー】では、こんな風に歌われています。

 


昨日の夜できた唄を持って 夢に見た街まで行くよ
こんなに素敵なこと 他にはないだから
ひとりぼっち 空の下で
上手に歌って みせるから

 

なんていうか、独りぼっちを応援してくれている感じっていうんですかね。大学生活を過ごしていく中で、たくさんの友だちはできたんですけど、ふと息を付いた時に、時々感じる孤独感を、それでも大丈夫だって、それで良いんだよって、背中を押してくれる歌という感じです。

 

また、僕自身それなりに友人との別れを経験してきたのですが、その時その時に、この歌をカラオケやギターの弾き語りで歌って見送ったということが、大学の時に何度かありました。そういう思い出の詰まった曲です。

 

ちなみにこの歌は、藤原さんが17歳の時に、ベルギーに行ってしまう先輩へ送った歌【弱虫賛歌】が原曲となっているようです。

 

 

 

第6位 Ever lasting lie

Ever lasting lie

Ever lasting lie

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アルバム『THE LIVING DEAD』収録曲であり、シングル『アルエ』のカップリング曲に、【Ever lasting lie(Acoustic Version)】が収録されています。

 

何度も語っているように、僕は大学生に成りたての頃、バンプに本格的にハマったのですが、最初のきっかけは、【ロストマン】を聴いてからでした。

 

それで、そこからさかのぼる形で、バンプのアルバムを聴きはじめるわけですが、一番最初にアルバムとして聴いたのが、『THE LIVING DEAD』だったんです。

 

アルバム『THE LIVING DEAD』は、通算では2枚目のオリジナルアルバムなのですが、まだインディーズ時代のアルバムであり、もちろん現在のバンプの楽曲とは、一味も二味も違う感じになっています。

 

この時期の藤原さんの作る曲の特徴は、楽曲に物語性があるというところだと思います。楽曲を聴いているというより、物語を読んでいるという感覚の方が近いと思います。

 

今更感がありますが、あんまりネタバレばっかりじゃつまらないから、物語の内容についてはおいておきます。8分以上の超大作で、この歌で語られている物語は、とてつもなく壮大です。3分近くある間奏も圧巻ですし、そもそも前奏を聴いただけで、もうヤバいです。

 

この曲然り、ひいてはこのアルバムは本当に衝撃的でしたね。楽曲で、こんなに自由に物語を聴かせて良いんだって。またこういうアルバム作ってほしいなとか思うんですけど、もう2度作れない、奇跡の一枚だったんだなって、今は思っています。

 

 

 

第5位 リリィ

リリィ

リリィ

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アルバム『THE LIVING DEAD』収録曲

 

【K】や【Ever lasting lie】と同様、アルバム『THE LIVING DEAD』に入っている楽曲です。同アルバムの曲には、物語性の強い曲が多く、藤原さんの空想が色濃く反映されている感じの曲が多いんですけど、【リリィ】という曲は、正確には物語っていう感じとは少し違うような感じです。

 

【リリィ】は、藤原さんには珍しく、ラブソングを公言している曲であるそうです。それ故、藤原さんが当時の恋人のことを歌っているんじゃないかとか、その恋人の名前が、百合 / ユリ(Lily / リリィを訳すと、百合なので)だったんじゃないかとか、そういう話もあります。

 

まぁ、そんな風にまさしく、色々と物語を想像できるような歌詞になっているのが魅力ではあるんですけどね。

 

ちなみに、また僕自身の大学生の頃の話なんですけど…まぁ、おじさんにも色恋のひとつやふたつはあるわけで、当時の僕は、2年くらいずっと同じ人に恋をしてたんですよ。ずっと友達で、あっちの方も、恋愛としてなのか友達としてなのか、よく分からない好意を僕に持っていたりして、ずるずる変な関係を続けていました。

 

結局、その人とは付き合えることになって、大学生の分際で一緒に住んでみたりしてね。まだ仕送りをもらっている分際でね、一生一緒に居ようなとか約束したりして…そういうことがおじさんにもありましたよ。

 

そういうときに、【リリィ】の物語を、自分たちに重ねたりしてたんです。別に、僕がプロミュージシャンを目指してたとか、そういうんじゃないですよ、そもそもそんなに大それた夢があったわけではないですけどね…今思えば、中二病ならぬ大二病みたいな感じでした。

 

 

 

第4位 友達の唄

友達の唄

友達の唄

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19作目のシングル曲であり、アルバム『RAY』収録曲です。

 

バンプで「〇〇の唄」というのは、かなり名曲が多いイメージです。例えば、【飴玉の唄】、【車輪の唄】、【とっておきの唄】、【くだらない唄】…ってあんまり無かったですね。でも、これだけ並べてみても、結構名曲揃いだと思うんです。

 

その中でも、【友達の唄】は、「〇〇の唄」シリーズの中でもダントツで好きな曲です。

 

【友達の唄】は、2011年に公開された、映画「ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団」の主題歌になっています。当初、ええ…バンプドラえもんの主題歌かよ…とか思ったんですけど、公開になった楽曲は本当に素晴らしく、映画にぴったり合ってるなって思ったんです。

 

この歌も、やはり歌詞が素晴らしいんです。

 


あなたが大きくなるまでに 雨の日なんて何度もある
その中の一度は一緒に濡れた事 忘れちゃうかな

 


怖がりで優しいから 怒った事は何度もない
その中の一度をあの時くれた事 震えていた声

(まさに、のび太くんを思い浮かべる歌詞ですよね)

 


今 私が泣いていても あなたの記憶の中では
どうかあなたと 同じ笑顔で きっと思い出してね

 

こんな風に、”友達”のことを歌詞にできるなんて、藤原さんは本当に素敵できれいな感性を持っているんでしょう。

 

この曲は、先述のように、ドラえもんの映画の主題歌として書かれた曲であるため、”友達”というと、のび太ドラえもんなどの関係を思い浮かべますが、それと同時に、BUMP OF CHICKENメンバーも表していると思います。

 

本当に、気持ち悪いくらい(すみません苦笑)仲が良いバンプメンバーです。何かのインタビューにおいて、この曲を作っている時に、藤原さんは、メンバーのことも思い浮かべていたと語っておられました。

 

高校生の時に、現メンバーのBUMP OF CHICKENが結成されたようですが、楽曲や演奏技術のレベルの高さや知名度はどんどん上がっていっても、ノリは全然高校生の頃のまんまのように、本当に仲が良いメンバーです。こういう、仲の良さが垣間見えることも、バンプの魅力の一つです。

 

そういう意味では、スピッツBUMP OF CHICKENも解散や音楽性の違いによる活動休止、メンバー脱退などの想像が全くつきません。そういう心配はしなくて良さそうです。

 

youtu.be

 

 

 

第3位 トーチ

トーチ

トーチ

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アルバム『RAY』収録曲です。

 

アルバム単位で見ていくと、個人的には、2枚目のアルバム『THE LIVING DEAD』と3枚目のアルバム『jupiter』が、至高の2枚だと思っています。おそらく、これは今後変わることがないでしょう。

 

逆に、最近のアルバムにいくにつれて、例えば現時点での最新作『Aurora arc』や8枚目『Butterflies』などは、自分の中でヒットしていません。おそらく、今後の作品もきっと…。

 

ただ、その”割と最近の作品”の中でも、アルバム『RAY』については、個人的にはかなりお気に入りのアルバムで、『THE LIVING DEAD』と『jupiter』の次に推したい作品です。

 

アルバムを聴く醍醐味っていうのは、やっぱりアルバムで初めて聴くことができる楽曲(以下、単に”アルバム曲”)があるというところだと思います。そして、そのアルバム曲でお気に入りの曲を多く見つけることができれば、結局は全体的に、お気に入りのアルバムになるのだと思います。

 

思えば、『Butterflies』はアルバム曲が自分にはヒットしなかったですし、『aurora arc』にはそもそもアルバム曲が少ないんです。

 

そこへ来て、『RAY』には素晴らしいアルバム曲がたくさん入っています。
表題曲の【ray】は最初は苦手でしたが、結局好きになりました。あとは、【サザンクロス】、【ラストワン】、【morning glow】、【(please) forgive】など、本当に名曲揃いなんです。

 

そして、【トーチ】も、そんなアルバム曲の一つなんですが、もう飛び抜けてこの曲が好きなんです。

 

何かうまく説明できないんですけど、メロディーがすごく心地良いなって思うんですよね。何か、跳ねる感じっていうんですかね、ギターのリズムというか、弾き方の感じがそうさせるんですかね。ほんとに聴いていて気持ちが良いんです。

 

ただし、そんな軽快なメロディーとは裏腹に、歌詞を読んでみると、結構悲しい内容なのかなって思うんです。同アルバムには、東日本大震災の復興の為に作られた【Smile】も入っているのですが、【トーチ】もそういう意味では、何となく同じような流れで作られた歌なのかなと、個人的に想像しています。

 

何となく、”故人のことをを想う気持ち”みたいなものがちらつくなぁって感じているのです。

 


君といた事をなくさないように なくした事をなくさないように
どれだけ離れてもここにある 君がいるからどこまでだって

 

震える足でも進めるように 今も星空が広がるように
すぐにそんな風には思えなくても 動かなきゃきっと君に会えない
会いたい 会いたい

 

もちろん、ただ単に生きて離ればなれになった人のことを想っているとして、十分成立する楽曲なんだと思うんですけど、曲のタイトルが【トーチ】であることや(何となく、トーチ/torchという物からは、”弔い”だったり”鎮魂”みたいなイメージが強いため)、この曲が作られた時期的なところから、故人のことを想っているのではないか、と感じるようになったのです。

 

ほとんどBUMP OF CHICKENの楽曲から、”死”のイメージを受け取ることってそんなになくて、むしろ”生”、”生きること”を歌うバンドだと思っているので、”死”のイメージを受け取った【トーチ】という曲は、バンプの楽曲の中でも特殊だなって思うんです。

 

 

 

第2位 ロストマン

ロストマン

ロストマン

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5作目のシングル曲であり、アルバム『ユグドラシル』収録曲です。

 

僕にとって、BUMP OF CHICKENとの出会いの曲です。まぁ、正確には初めて聴いたのが、おそらく多くの人がそうだと思うんですけど、高校生の時に当バンドが発表した【天体観測】でした。

 

しかし、【天体観測】は、自分の中でそこまでヒットしませんでした。藤原さんと増川さんの見分けもつかないまま、最初の出会いは過ぎていったんですけど、結局大学生の時に【ロストマン】を聴いて、バンプにハマったわけです。

 

この曲については、以前に記事を書いていますので、詳しくはそちらに任せます。

 

itukamitaniji2.hatenablog.com

 

youtu.be

 

 

 

第1位 メロディーフラッグ

メロディーフラッグ

メロディーフラッグ

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アルバム『jupiter』収録曲です。

 

堂々の第1位。ランキングの中で、この曲のこの位置は、一番迷いませんでした。他の曲は、多少入れ替わることがあるかもしれませんが、この曲は永遠に不動です。

 

この曲との出会いもとても古く、大学時代にBUMP OF CHICKENと出会った頃の、一番古い記憶になります。僕は他県の大学に通うべく、慣れない街で独り暮らしを始めた頃に、バンプに出会ったのですが、そんな僕をこの曲も救ってくれました。

 

最初は、藤原さんの弾き語りで、優しくこの楽曲が始まります。

 


疲れたらちょっとさ
そこに座って話そうか

 

と、こう語りかけるように、この曲は始まります。まるで、長く付き合ってきた友達のように、同じ苦労を共にしてきた戦友のように、この曲は自分に寄り添ってくれました。

 

ずっと弾き続けられている、ギターのアルペジオのメロディーも、本当に美しいですよね。お世辞抜きで、日本一、いや、世界一きれいなアルペジオのメロディーだと思っています。僕も、何度も練習しましたが、でも案外きれいに弾けないんですよね。

 

それで、この曲はもちろん自分を元気づけてくれる曲であるのですが、個人的な思い出としては、先述の【バイバイ、サンキュー】と同様に、誰か別の人に向けて歌うようようの、何て言うか自分の十八番的な曲です、今でもそうですが…。

 

友達がへこんでいたら、やいやい、ちょっとカラオケ行くか、とか誘って、ちょっと俺が歌うから聴いとけよ、みたいな感じでこの曲を歌ってあげる…と、ちょっと話を盛っていますけど、でも本当にこういうことはあったんです。誰かに聴かせたい歌、歌っているのを聴いてもらいたい歌でしたね。

 

というのが、曲の内容自体が、友達を励ますような内容になっているんです。

 


疲れたらちょっとさ そこに座って話そうか
いつだって 僕らは 休む間も無くさまよった

 


そこで涙をこぼしても 誰も気付かない 何も変わらない
少しでもそばに来れるかい? すぐに手を掴んでやる

 


ここで今 君の手を 掴む為のメロディーフラッグ
遠い約束の歌 深く刺した旗

 

この曲が生まれた背景には、「雪の日に転んで、一時的に記憶障害に陥った親友に贈った歌」というものがあるそうです。そもそもが、この歌を藤原さんは誰かのことを想って作った歌だったのです。

 

だから、歌詞の中に、”目印”、”約束”、”思い出して”などの言葉が散りばめられているのでしょう。そうして、藤原さんは、親友の記憶が戻ることを願ったのです。

 

このエピソードを含めて、【メロディーフラッグ】は名曲だと思うのです。やっぱり名曲には、その完成に至るまでの物語があるものです。

 

youtu.be

時代が望んでも 流されて歌ったりしないぜ 全てが変わっても 僕は変わらない

Fool on the planet

 

the pillowsが好きです。

 

しかしながら、正直な話…avex移籍後の作品については、キングレコード時代のそれらと比べると、なかなかハマって聴いている作品や曲は少ないんです。

 

もちろん、avax移籍後も、好きな作品や曲はたくさんあります…アルバムだったら、一番最近のオリジナルアルバム『REBROADCAST』なんかは、原点回帰的な懐かしい部分も感じられて良かったですし、曲だったら、それこそ【雨上がりに見た幻】とか【1989】とか、【Revival】【TRIAL】…言い出したらキリがないですけど。

 

ただ、やっぱりキングレコード時代のthe pillowsの曲が至高で、今でもずっと聴いています。

 


そんな中で、the pillowsのオフィシャルツイッターにて、こんなアナウンスがありました。

 

 

ということで、今回の記事は、「(1人で)個人的に好きなthe pillowsの楽曲ベスト30(キングレコード時代編)」をお送りします。各曲のコメントを少しずつ残したいと思いましたが、全部にコメントを残すのはちょっと大変なので、特に印象に残っている曲にしておきます、あしからず…。

 

 

 

第30位 Scent of sweet

Scent of sweet

Scent of sweet

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シングル『I think I can』のカップリング曲であり、アルバム『Another morning, Another pillows』にも収録されています。

 

Scent=香り、Sweet=優しい………あっ…。

 

 

 

第29位 FUN FUN FUN OK!

FUN FUN FUN OK!

FUN FUN FUN OK!

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アルバム『Smile』に収録されている曲です。

 

 

 

第28位 ガールフレンド

ガールフレンド

ガールフレンド

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4thシングル曲であり、アルバム『LIVING FIELD』にも収録されています。

 

非常にムーディーな感じの、ロックというより、AOR的な曲です。初期のピロウズを象徴するような曲調だと思います。メロディーもさることながら、情景が浮かんでくるようなきれいな歌詞が好みです。お気に入りの歌詞は、最後の方、

 


丁度今 言われたい言葉を
当たり前の顔で君は言う
少し向こう見ててよ girl friend
何だか泣きそうだ

 

このガールフレンドという言葉が、”恋人”を指すのか、それとも”女友達”を指すのかはさておき、僕にとって君が、一番の理解者なんだということが分かります。

 

 

 

第27位 ウィノナ

ウィノナ

ウィノナ

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アルバム『Thank you,my twilight』に収録されています。

 

タイトルはハリウッド女優のウィノナ・ライダーから取ったようです。ウィノナが主演の『BOYS』という映画が、この歌のモデルになっているとかいないとか…。

 

 

 

第26位 天使みたいにキミは立ってた

天使みたいにキミは立ってた

天使みたいにキミは立ってた

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アルバム『GOOD DREAMS』に収録されている曲です。

 

ロックナンバーには違いないんだろうけど、リズムがとても面白い曲です。恋に落ちたことを、こんなに素敵な歌詞で書けるなんて、これぞピロウズ流のラブソングだなという印象です。

 


開く事のない最後の扉を
たやすく くぐり抜けて
キミは立ってた天使みたいに

 

 

 

第25位 Fool on the planet

Fool on the planet

Fool on the planet

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同名のベストアルバム『Fool on the planet』に収録されています。僕自身も、このアルバムで初めてthe pillowsの楽曲をまとめて聴きました。

 

まさに、このランキングのテーマになっている、キングレコード時代のベストアルバム的な、本当にめちゃくちゃかっこいい曲が詰まっている作品です。そんなアルバムの1曲目がこれっていうのが、このアルバムのすごいところの一つだと思います。

 

とにかく歌詞が熱すぎる内容になっています。特に最後、

 


時代が望んでも
流されて歌ったりしないぜ
全てが変わっても
僕は変わらない

 

もうこの辺りの、有無を言わさない最強感がかっこいいです。

 

 

 

第24位 Going Down

Going Down

Going Down

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シングル『彼女は今日、』のカップリングであり、アルバム『Another morning, Another pillows』にも収録されています。

 

アルバム『Fool on the planet』がキングレコード時代のシングルや代表曲をこれでもかと収めたベストアルバムならば、アルバム『Another morning, Another pillows』はB-SIDEベストアルバム…裏ベストアルバム的な内容になっています。

 

アルバム『Another morning, Another pillows』には、王道なロックナンバーから、ちょっと変わった実験的な曲も入っていて、しかも2枚組でたっぷりそれが聴けるので、非常に濃密にthe pillowsを楽しめるので、これはこれで好きな作品です。

 

 

 

第23位 I know you

I know you

I know you

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アルバム『PENALTY LIFE』に収録されています。

 

サビの”I know you”の連呼が印象的でかっこいいです。さわおさんの歌詞に出てくる女性の登場人物って、どこか変わっている人物が多いですよね。

 


’こんな星は大嫌い
必殺チョップで今に
砕いてみせるわ’と
かまえて笑うけど
子供じみた瞳に
ちょっと涙浮かべてた

 

なんか、モデルとなった人物がいるのでしょうか…必殺チョップで地球を砕くって、
そりゃアラレちゃんかよ、とか思ったんですけどね苦笑。

 

 

 

第22位 Wonderful Sight

Wonderful Sight

Wonderful Sight

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シングル『NO SELF CONTROL』のカップリング曲であり、アルバム『Another morning, Another pillows』にも収録されています。

 

わざと歌詞が聴き取りにくくなっていて、歌詞カードでもわざと書かれていない部分があって、僕には”クスリ”と聴き取れるんですけど、どうなんですかね…?

 

 

 

第21位 LAST DINOSAUR

LAST DINOSAUR

LAST DINOSAUR

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アルバム『HAPPY BIVOUAC』に収録されている曲です。

 

紛れもなくロックンロールなんですけど、どこか物寂しさを感じる、タイトル通り、取り残された感覚になる曲です。

 

ライドン事件もチェックしてみてください笑 怒りのラストダイナソーとかめちゃくちゃかっこいいです。

 

 

 

第20位 ムーンマーガレット

ムーンマーガレット

ムーンマーガレット

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アルバム『PENALTY LIFE』に収録されています。

 

 

 

第19位 ノンフィクション

youtu.be

 

22枚目のシングル曲で、アルバム『MY FOOT』にも収録されています。MVがお茶目で好きです。

 

 

 

第18位 MY FOOT

MY FOOT

MY FOOT

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アルバム『MY FOOT』の表題曲ですね。

 

このアルバムが、キングレコード時代の最後のオリジナルアルバムになりますが、僕自身がthe pillowsを知ったのが、バンドが15周年を迎えた頃のことだったので、アルバム『MY FOOT』はそういう意味では、自分の中では一番最初に発売を待って買ったアルバムだったと記憶しています。

 

裏打ちのハイハット(?)シンバルの音が印象的で、身体が自然と動きます。

 

 

 

第17位 Back seat dog

Back seat dog

Back seat dog

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アルバム『HAPPY BIVOUAC』に収録されています。

 

無意識にですが、ベスト30を選んでみると、アルバムとしては『HAPPY BIVOUAC』と『LITTLE BUSTERS』からの選曲が多くありました。おそらく、キングレコード時代でも、特に中盤の作品群が好きなのだと思います。

 

 

 

第16位 like a lovesong(back to back)

like a love song (back to back) (album version)

like a love song (back to back) (album version)

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アルバム『LITTLE BUSTERS』に収録されています。オリジナルアルバムとしては、ダントツで6枚目の『LITTLE BUSTERS』が一番好きです。the pillowsで初めて聴いたアルバムが、ベストアルバム『Fool on the planet』と、このアルバム『LITTLE BUSTERS』でした。

 

だから、『LITTLE BUSTERS』に収録されている曲にはたくさん好きな曲があり、その全部をベスト30に入れても良いくらいです。

 

 

 

第15位 Crazy Sunshine

Crazy Sunshine

Crazy Sunshine

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アルバム『HAPPY BIVOUAC』に収録されている曲です。

 

 

 

第14位 Smile

Smile

Smile

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アルバム『Smile』の表題曲です。

 

the pillowsの楽曲の中で、一番の衝撃作だと思います。もともと複数あった曲をくっつけた、みたいなことを聞いたことがありますが、真偽は分かりません。

 

どう表現していいか…最初は静かな曲調で始まったと思いきや、途中から悪魔的な激しいサウンドに変わって、歌詞も非常に攻撃的になります。そしてその後、まるで目が覚めたかのように、また静かな曲調に戻るという…何ていうか、優しい人が急に豹変して鬱憤を晴らして、そしてまた我に返るような、1曲で非常に起伏が激しい曲です。

 

しかし、この曲に”Smile”と名付けるとは、そこが一番すごいところかもしれませんね。

 

 

 

第13位 彼女は今日、

youtu.be

 

アルバム『Please Mr.Lostman』に収録されています。

 

ランキングの中の曲だと、【ガールフレンド】と並んで、かなり古い曲なのですが、何か置いてけぼりになる、切ない感じがクセになります。

 

 

 

第12位 ワカレノウタ

ワカレノウタ

ワカレノウタ

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紹介しているベスト30の曲の中だったら、アルバムには未収録の曲になりますかね。一応、キングレコード時代の全シングル曲とカップリング曲を網羅した、complete single collectionと名付けられている『LOSTMAN GO TO YESTERDAY』(5CDで9800円!)で聴くことはできますが、それ以外ではシングル『サードアイ』のカップリング曲としてしか聴くことができません。

 

シングル『サードアイ』が、キングレコード時代の最後のシングル曲なので、そのカップリングで”ワカレノウタ”なので、その物ずばり、キングレコードそのものに別れを告げている曲なのかな、とか勘ぐっちゃいますね。

 

 

 

第11位 Nowhere

Nowhere

Nowhere

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アルバム『LITTLE BUSTERS』に収録されている曲です。

 

 

 

第10位 GOOD DREAMS

GOOD DREAMS

GOOD DREAMS

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アルバム『GOOD DREAMS』の表題曲です。

 

 

 

第9位 Blues Drive Monster

Blues Drive Monster

Blues Drive Monster

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アルバム『LITTLE BUSTERS』に収録されている曲です。

 

ギターには詳しくはありませんが、ギターのエフェクター(ギターの音色を変えた歪ませたりする機材)の”Blues Driver”にちなんだ曲名だと思われます。

 

曲の内容から、ロックンロールに目覚めて、ギターをかき鳴らしている姿が思い浮かぶので、そういう初期衝動的なものを込めた曲なんだと思います。

 

the pillowsのロックな曲の中でも、特に激しい曲の部類に入ると思いますが、この曲を、a flood of circleという、これまたゴリゴリのロックバンドがカバーしていて、それがめちゃめちゃかっこいいんですよ!

 

 

 

第8位 Juliet

Juliet

Juliet

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アルバム『RUNNERS HIGH』に収録されている曲です。

 

歌詞に出てくる人物について、例えば、ライフルでマチルダなので映画『レオン』かなとか、タイトルのジュリエットは『ロミオとジュリエット』かなとか、想像が膨らみます。他の人物も、何かの映画や物語にちなんでいるんでしょうか。

 

 

 

第7位 Rush

youtu.be

 

16枚目のシングル曲であり、アルバム『HAPPY BIVOUAC』にも収録されています。

 

 

 

第6位 アナザーモーニング

youtu.be

 

12枚目のシングル曲であり、アルバム『LITTLE BUSTERS』にも収録されている曲です。

 

何かの節目に聴きたくなるような曲ですね。自分がthe pillowsを好きになった特に、歌詞が響く曲です。

 


今日は新しい僕の誕生日なんだ
記念写真を撮り直すからおいでよ
素敵な思い出を映す
ロウソクは消さないで
生まれ変わる朝が来た

 

another morning
happy rebirthday

 

 

 

第5位 Kim deal

Kim deal

Kim deal

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アルバム『HAPPY BIVOUAC』にも収録されています。

 

Kim deal(キム・ディール)とは、実在するアメリカのバンド・Pixiesの元ベーシストである女性の方です。

 

曲名はそういうことなので、さわおさんがKim dealに対しての想いを歌っているのかもしれませんが、それとはあんまり関係なく、もうド直球のラブソングのように読めます。

 


キミのこと思い浮かべちゃって
眠れない夜の記録をのばしている
きりがない ふくらむ想いは
報われなくて僕には意味があるさ

 


僕の涙を乾かせるのは
街に溢れる優しい歌じゃない
世界中探してもキミしか居ない
うたってよダーリン

 

 

 

第4位 ハイブリッドレインボウ

youtu.be

 

the pillowsと言えば、もうこの曲。最強のロックナンバーです。

 

実は、僕がthe pillowsを知ったのは、BUMP OF CHICKEN経由でして、the pillows結成15周年で発表された、トリビュートアルバム『SYNCHRONIZED ROCKERS』にて、BUMPがこの【ハイブリッドレインボウ】をカバーしたのを聴いたのがきっかけでした。

 

最初は、この【ハイブリッドレインボウ】が、BUMPの新曲?だと思って、調べてみると、実はthe pillowsというバンドの曲だということが分かり、聴いてみたというのが始まりでした。

 

で、こんなこと言うと怒られるかもしれませんが…僕はBUMPバージョンの【ハイブリッドレインボウ】が大好きでして、本家よりもこっちを先に聴いた分、BUMPバージョンの方が好きなくらいです。何か、すごいしっくり来るんですよね。

 

本家の【ハイブリッドレインボウ】は、まさに魂の叫び、ピロウズロックをこれでもかと声を上げて叫んでいるのが、めっちゃテンションが上がります。一方のBUMPバージョンの【ハイブリッドレインボウ】は、抑え目で、昔話を伝えているような感じ…the pillowsという伝説のバンドの歴史を、吟遊詩人が歌い伝えている、みたいな感じがして、僕は好きなんです。

 

 

 

第3位 Good morning good news

Good morning good news

Good morning good news

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アルバム『Smile』の1曲目です。これからアルバムが始まるんだ!って感じの高揚感がたまらない1曲です。

 

 

 

第2位 確かめに行こう

確かめに行こう

確かめに行こう

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アルバム『RUNNERS HIGH』に収録されている曲です。

 

まさに号泣ソング…心がゆるんでいたら、マジで泣きそうになります。

 


うまく笑えなくたっていいよ
泣きたい時は泣いてもいいよ
こっそり弱音吐いてもいいよ
偽りのない世界まで
確かめに行こう

 

Let's see,if that's true or not

 

少しずつ音が集まってきて、後半に行くにつれてどんどん曲が盛り上がってくるところが、また胸が熱くなります。しかも、アウトロが一番盛り上がるという、結構珍しい曲です。ライブバージョンでは、アウトロが少し違っていて、さらにカッコいいです。

 

 

 

第1位 Swanky Street

youtu.be

 

このランキングを個人的に作るに当たって、ここまではそれなりに悩むことはあったのですが、第1位に関しては悩みませんでした、もう不動の第1位です。

 

the pillowsは、今年で結成33年を迎えた、本当に長く長く活動しているバンドです。メンバーについては、ベーシストがサポートメンバーとして時々変わったりはしていますが(鈴木淳が好きでしたが…)、レギュラーメンバーは、初期にメンバー脱退があったようですが、それ以降は、山中さわおさん、真鍋吉明さん、佐藤シンイチロウさんの3人はずっと変わっていません。

 

ただし、それこそ長く活動してきた同期には、Mr.Childrenスピッツ、ミッシェルガンエレファントなどが居たりしますが、知名度的にはそれらと比べると劣ります。

 

それに関しては、僕が一番好きなアーティストはスピッツなんですけど、the pillowsスピッツも、自分たちのロックンロールを貫き続けましたという意味では、どちらのアーティストも自分にとっては永遠に聴き続けていくバンドだと確信しています。

 

その、ピロウズロックの歴史を閉じ込めたような曲…例えば、【ハイブリッドレインボウ】とか【雨上がりに見た幻】とか【1989】とか、そういう曲には、ただただ胸が熱くなる一方なんですが、個人的にその最高潮が、【Swanky Street】だと思っています。

 

おそらく、the pillowsは決して、メンバーがずっと仲が良かったバンドであるわけではないのですが、それでもこれだけ同じ時間をずっと過ごしてきたのだから、その絆は尋常ではないと思っています。そういう、ただ仲良しなわけでなく、それでもロックを突き詰めてきた名曲こそ、この【Swanky Street】だと思っています。

 

Swanky Street=賑やかな大通り…とは、個人的な解釈ですが、おそらくそういう道からは外れた、自分たちだけの道を歩んでいるんだという、一種の自虐的なタイトルなんだと解釈しています。

 

 

 

ということで…

 

(これ以前は無し…)
『LIVING FIELD』…1曲
『Please Mr.Lostman』…2曲
『LITTLE BUSTERS』…5曲
『RUNNERS HIGH』…2曲
『HAPPY BIVOUAC』…5曲
『Smile』…3曲
『Thank you,my twilight』…1曲
『PENALTY LIFE』…2曲
『GOOD DREAMS』…2曲
『MY FOOT』…2曲
『Another morning, Another pillows』(カップリング曲)…3曲
『Fool on the planet』…1曲
その他…アルバムには未収録曲1曲

 

という感じでした。…疲れました。一日中かかりましたよ。

間違った旅路の果てに 正しさを祈りながら

ロストマン/sailing day

 

■僕とBUMP OF CHICKENとの最初の出会いは、高校生の時でした。

 

当時、【天体観測】が発表されて、めちゃくちゃ流行りました。実際、僕が初めて聴いたBUMPの楽曲は【天体観測】でした。ただし、その時は特にBUMPにはハマりませんでした。変わったタイトルの曲を歌うバンドがあるものだなと、珍しさは感じたんですけど、藤原さんと増川さんの顔の区別もつかぬまま、その時は過ぎていってしまいました。

 

そこから少し時間が経って、僕は大学生になりました。第一志望の大学ではなかったんですけど、頑張ろう!という気持ち一心で、僕は暮らしていた街を離れて、大学に通うため、新しい街で独り暮らしを始めました。

 

BUMP OF CHICKENと再び出会うのは、そういう頃のことでした。

 


■知らない街での独り暮らしは、最初はそれなりに不安の気持ちも大きかったのですが、そういう気持ちを励ましてくれるものの一つが、音楽でした。実家から、お気に入りのCDやMDをいくつか持ってきて聴いていました。

 

そして、知らない街で真っ先に探したのが、CDやビデオのレンタルショップでした。幸いなことに、比較的自分のアパートの近くに、大きなレンタルショップを見つけることができて、そこで音楽のCDを借りて聴くようになりました。

 

ある時、そのレンタルショップで、有線か店員チョイスのプレイリストだったのか、それは定かではないんですけど、店内で流れていたとある歌が、何故か強烈に耳に残ったことがありました。

 

これも定かではないんですけど、「どっかで聴いたことあるような声だな」と思った記憶があるのです。とにかく、いい歌だな、と記憶には残ったんですけど、それがどういうバンドのどういうタイトルの歌なのかは、その時は分かりませんでした。

 

それで、家に帰って、夜中に「カウントダウンTV」を見ていた時でした。レンタルショップで流れていた歌が、ランキングを見ていたら流れてきました。そうそう、この歌だった!と、すぐに思い出せるほど記憶に残っていました。

 

そこでアーティスト名と曲名を確認すると、それがBUMP OF CHICKENの【ロストマン】という歌だということを知ったのです。

 

その時に、BUMPと言えば、そういえば高校の時に【天体観測】で流行ったバンドだったよなぁって、思い出すことはできたんですけど、そこからどうなったかは知りませんでした。だから、別に悪い意味で言うわけではないんですけど、あの【天体観測】のバンドが、こんな渋い感じの歌を歌っているんだって思いました。

 

その後すぐに、件のレンタルショップにて、シングル『ロストマン / sailing day』をレンタルして聴いたのです。

 

もちろん、【sailing day】の方も素晴らしい歌だったんですけど、【ロストマン】の方は、もうどんぴしゃで自分の胸を掴みました。

 

何ていうか、重厚で渋い感じなんですけど、暗い所から、明るい希望へと向かっていくような、少しずつ盛り上がっていく曲調が、新しい生活を始めたばかりの自分には合っていました。

 

そして、やっぱり【ロストマン】の真骨頂は歌詞だと思います。

 


状況はどうだい 僕は僕に尋ねる
旅の始まりを 今も思い出せるかい

 

こういう、語りかけるような歌詞で曲が始まるんですけど、ここもまた、新しい生活を始めたばかりの自分には合っている歌詞だと思いました。新しい生活の調子はどうだいと、優しく語りかけてくれているような気持ちになったことを覚えています。

 

ということで、前置きがとても長くなりましたが、そんな思い入れの深い曲である、【ロストマン】の歌詞の個人的な解釈を書いてみようと思います。

 

youtu.be

 


■まず、【ロストマン】とはどういう歌なのか。いくつか、それが分かるような歌詞で紹介してみますと、

 


状況はどうだい 僕は僕に尋ねる
旅の始まりを 今も思い出せるかい

 


状況はどうだい 居ない君に尋ねる
僕らの距離を 声は泳ぎ切れるかい

 


強く手を振って 君の背中に
サヨナラを 叫んだよ

 

こんな風に、”僕”と”君”の2人の人物が出てくるんですけど、この歌では、”僕”が”君”に別れを告げてるような場面、あるいは、別れたあとの”僕”の気持ちの様子が描かれています。

 

関係性は色々考えられると思うんですが…例えば、古くから一緒に居た友達や、この歌のことを知ったときの自分自身の状況をなぞれば、親の元を離れていく子どもとその親という関係など…”僕”と”君”が居て、”僕”にとって、別れを惜しむ相手である”君”と、まさに別れなければならない場面に際して、あるいは、実際に別れた後の生活の中で、”僕”がその気持ちを吐露している、と考えることができます。

 

素直に読めば、”僕”と”君”なので、その両者は別人であると考えることが自然だと思うし、思い入れのある人が誰かいるのならば、そういう人を”君”に当てはめて読んでも、おそらく成り立つようにできているとは思います。

 

しかし、結論からいうと、個人的にはこの歌詞に出てくる”僕”と”君”は同一人物を表している…つまり、”僕”も”君”も、どちらも”自分自身”を表わしている、という物語を想像しています。

 


■人は、きっと大なり小なり、日々色んな選択をしながら生きています。

 

小さいものを言えば、本当にキリがないんですけど、大きな選択と言えば、進学、就職、結婚などという、自分の人生の方向性を大きく決める選択というものが挙げられると思います。そういう様々な選択を前にして、この【ロストマン】に出てくる”僕”と”君”は、それぞれ違う選択をした同一人物だという想像をしています。

 

具体的に言いますと、

 

”僕”の方は、「現在の自分」であり、
”君”の方は、「現在の自分とは違う選択をした自分」だと想像しています。

 

”僕”の方は、より険しい道を進む選択をした自分というイメージです。

 

例えば、ある時点で、何か自分が叶えたい夢があったとして、でも頑張ったとしても叶うとは限らない…という状況で、それでも、夢を追うという道を選んだのが”僕”だというイメージです。

 

そして、その夢を諦めて、無難な道を選んだ自分が”君”であるというイメージを当てはめています。

 

自分には叶えたい夢があるのだけれど、現実を考えると、難しいかもしれないなと。だから、その夢を追うことは諦めて、無難な人生を進んでいこう、と。

 

この歌では、自分自身の中の”僕”と”君”が、あたかも別人であるように、2つに分かれて描かれているというイメージです。

 


■この歌は、”僕”(現在の自分)視点で歌われていますが、”僕”は、自分の選んだ道が正しかったのか、常に自問自答しながら(”君”に語りかけながら)も歩き続けているのですが、歌が進んでいくにつれて、少しずつ希望を見出していく、その気持ちの変化を読みとることができます。

 


状況はどうだい 僕は僕に尋ねる
旅の始まりを 今も思い出せるかい
選んできた道のりの 正しさを祈った

 

先程紹介した、出だしの1番Aメロの歌詞なのですが、ここの部分は、”僕”が”僕”に尋ねているので、素直に現在の自分との自問自答であると読むことができます。

 


君を失った この世界で 僕は何を求め続ける
迷子って 気付いていたって 気付かないフリをした

 

1番のサビですが、ここで初めて”君”という言葉が出てきます。さらに、続く2番のAメロでも、”状況はどうだい 居ない君に尋ねる”という歌詞になり、1番との対比と考えるならば、”僕”の心情としては、あの時のあの選択は、別の選択をした”君”と比べてどうだったんだろうかと、苦悩を深めていることが分かります。そういう心情を、迷子=ロストマン、と表現しています。

 

しかし、そういう想いを振り切るように、ロストマンは次第に力強く気持ちを新たにしていきます。

 


強くてを振って 君の背中に
サヨナラを叫んだよ

 


これが僕の望んだ世界だ そして今も歩き続ける
不器用な 旅路の果てに 正しさを祈りながら

 

2番のサビの歌詞ですが、ここはまさに、”君”との決別を表わしている部分だと思います。この時点で、”僕”はすでに、自分が”迷子”になっていることを自覚していますし、自分が”不器用”であることも認めているんですけど、まだ自分の旅の”正しさ”を願うことを諦めてはいないことが読み取れます。

 

それを物語る強い言葉が、”これが僕の望んだ世界だ”という部分だと思います。”君”というのは、要するに自分の”亡霊”であり、ここにいる”僕”こそが、選択した本物の自分なのだと、力強く歌っています。

 


ああ ロストマン 気付いたろう
僕らが丁寧に切り取った
その絵の 名前は思い出

 

余談ですけど、この【ロストマン】という歌は、元々は”シザーズソング”というものだったそうです。シザーズ / Scissors = ハサミという意味なので、このCメロに、”切り取った”という言葉が使われているところに当てはまると思いました。

 

ここの部分の解釈は、過去に縛られていたことからの脱却という感じでしょうか。ちょっと独特な言い回しですが、”丁寧に切り取った その絵の名前は思い出”というフレーズは、要は、思い出をあたかも綺麗なものに美化していただけだった、ということを歌っているのだと思います。思い出は所詮思い出、きれいに見えても、絵や写真のように、そこから動き出すことはありません。

 


君を忘れたこの世界を 愛せた時は会いに行くよ
間違った旅路の果てに
正しさを祈りながら
再会を祈りながら

 

そして、こういう歌詞で歌は締めくくられます。

 

”君を忘れたこの世界を 愛せた時は会いに行くよ”…”僕”は”僕”として歩いていくことを決意したわけですけど、それでも”君”も自分の一部なんだということを忘れてはいません。自分を苦しめた”君”という”亡霊”を、それでも愛そうという答えに行き着きます。

 

そして、”間違った旅路の果てに 正しさを祈りながら”という歌詞…こんな風に全く真逆の言葉をくっつける歌詞の書き方って、藤原さんの書く詞のひとつの特徴だと思います。

 

そもそも、この歌の中に出てくる、”間違った”や”正しさ”ってどういう意味なんだろうって思います。

 

本当は、その道を選択しただけでは、その道が正しいか間違いかなんて、誰にも分からないでしょうし、そもそも、ある時点では”間違っていた”と思ったとしても、そこからもう少し歩いたら、また光明が見えてくるかもしれません。答え合わせを、どの時点でするのかによって、変わってくると思います。

 

だから、大切なことの一つとしては、”自分が選んだ”ということを信じるしかないんだと思います。この歌の歌詞だと、

 


これが僕の望んだ世界だ そして今も歩き続ける
不器用な 旅路の果てに 正しさを祈りながら

 

この辺りに、一番強い気持ちを感じます。自分が選んだ道を信じること、それこそが最終的にロストマンが辿りついた答えだったのでしょう。

 


■ちなみに、【ロストマン】制作については、この歌の作詞作曲を行った藤原さんは、【ロストマン】の作詞に、実に9ヶ月もの時間を要した、という逸話が知られています。

 

9ヶ月間もずっと一つの曲の詞を考えているって、どういう心境になるんでしょうか。どっかで、これでいいやって思っちゃうこともあると思うんですけど、そう思わずに、真摯に向き合って書いたんだということは、この9ヶ月という長い時間が物語っているように思います。

 

本当に【ロストマン】の歌詞は、完璧というか緻密というか、どこにも無駄なフレーズがない気がするんです。僕自身の想像も大いに含めていますが、”僕”と”君”の対比のからくりとか、本当に秀逸だと思います。

 

もっとも、長い時間をかけても、良い歌詞が出来るとは決して限らないとは思うんですけど、それでも【ロストマン】の歌詞を読むと、かけた時間の分だけの言葉の重みが伝わってきて、9ヶ月は必要な時間だったのだと思うことができます。

 

だから、ここまで書いてきて、はたと思うんです…”ロストマン”とは、紛れもない、藤原さん自身でもあったのかなって。

 

音楽の道を選んだ自分を”僕”、選ばなかった自分を”君”として、しかも9ヶ月もかけて、一番自問自答を繰り返したのは、他でもない藤原さん自身なのでしょう。

 

長い時間をかけて生み出された【ロストマン】という歌…苦悩も覚悟も詰め込んだ、これでもかというくらい人間くさい名曲です。

I’m the one who craves the last match

Mountain Top

 

ELLEGARDENが新曲を出した。

 

こんなことを言うと、別にエルレは解散なんてしちゃいないので、絶対戻ってくると信じて待っておられたファンの方には失礼だと思うんですけど、2022年になって、こんな出来事が起こるなんてこと、全く考えられませんでした。

 

ELLEGARDENと言えば、2008年に活動を休止したわけですが、数年前から少しずつ活動を再開させてLIVEを行ったりしていましたが、ついに新曲が出たわけですね。活動休止から、およそ14年くらいですか。熱心なファンの方は、本当に喜んでいるでしょうね、ようやく帰って来たんだ!あのエルレが!と。

 

エルレと言えば、自分が大学生くらいの時に一番よく聴いていました。エルレを知ったきっかけが、the pillowsのトリビュートアルバムで、【Funny Bunny】をカバーした頃だったと記憶しています。なので、割と活動休止に近い、終盤の時期でエルレを知ったんだなと、今思うと気付かされます。

 

僕は、ELLEGARDENを一度だけ、ライヴで見たことがあるんです。ライヴと言っても、ワンマンライヴではなく、夏フェスでエルレを見たのです。

 


■とても昔のことだったので、調べながら書いたのだけれど、どうやら2005年のMONSTER baSHだったようです。MONSTER baSH(以下、略してモンバス)というのは、香川県で開催されている夏フェスのことで、もう20年以上も長い歴史のある夏フェスです。

 

当時、僕は大学3年生でした。そこで、同じサークルの友達と3人で、このモンバスに行こうということになりました。友達の1人が車持ちで、自分が当時住んでいたところからだと、車で運転しても4~5時間はかかるんじゃないでしょうか。そんな遠い距離を、友達は運転して行ってくれました。

 

ちなみに僕自身はというと、前日に飲み会&オールでカラオケをした、その明くる日だったため、友達が運転する車の中でぐーすか眠るという、水曜どうでしょう大泉洋のようなことをしてしまっていました。友達には、寝てていいよと言われたけど、あとでめっちゃ謝りました。すまん。

 

その年のモンバスに出たアーティスト(これもほとんど忘れているので調べながら思い出しているのだけれど)で特に印象に残っているのは、例えば、ORANGE RANGEはタオル回したりしてめっちゃ楽しかったし、Dragon AshもFANTASISTAでめっちゃ盛り上がったり、RISEや100sthe band apartなんかもめっちゃかっこよかったなぁって、もう18年くらい前の出来事なのに思い出せます。

 

で、その年のモンバスに、ELLEGARDENも出ていました。僕にとっては、そのエルレを見ることが一番の目当てでした。

 

調べて見ると、その時のセットリストがあったので、載せておきます。

 

01.Supernova
02.モンスター
03.No.13
04.スターフィッシュ
05.Good Morning Kids
06.Missing
07.ジターバグ
08.Red Hot
09.Make A Wish

 

改めて見ると、めっちゃ盛り上がるセットリストだったんだなということがよく分かります。

 

最初は、3人で一つの場所に固まって見ていたのですが、最初の曲からもうフルスロットルで盛り上がって、至るところでモッシュだダイブだってのが起こって、もみくちゃにされた挙句、気がつけば3人とも人の波にもまれて、すぐに逸れてしまいました。まぁ、そのおかげもあって、僕自身は気がつけばめっちゃ最前列ら辺まで到達していましたが…。

 

エルレを見るというより、もみくちゃになりながら曲を聴いているという言い方の方が相応しかったですね。そういう状況で、曲がどんどん進んでいきました。そして、8曲目【Red Hot】…あの印象的な細見さんのボーカルで曲が始まります。

 


Wake me up before you leave
I've got an interview today
I wanna job so don't forget to lend me
Some for train

 

(家を出る前に僕を起こしてよ
 今日は仕事の面接なんだ
 ちゃんと仕事に就きたいんだ
 だから電車賃を貸してくれない?)


ちなみに、この歌を聴いて「面接」を英語で”interview”と言うんだということを知りました。

 

この曲の時の盛り上がりは、もう最高潮でしたね。そして、この曲の時に事件は起こりました。多分、1回目のサビの時だったと思います。サビが爆発的に始まるところ、”I got the music”のところらへんでした。ライヴで起こる行為として、クラウドサーフというものがあって、要はライヴの観客の上に人が乗っかって、それを観客が持ち上げたり、ステージの前まで送ったりする行為があるんですけど、それが自分の近くで起こったりしていました。

 

そして、そのクラウドサーフによって、自分の上に観客が運ばれてきたのですが、その観客の足が自分の顔面に当たって…メガネが飛んでいきました。「やべぇ!」と思ったときはもう手遅れでした。何たってモッシュの波の中、すぐに見失いました。

 

その後は、もう何も見えない見えない笑 その見えない中、まぁ曲は聴こえてくるので、最後の【Make A Wish】とかも普通に盛り上がったりしていたんですけど、エルレが終わって、さすがにギブアップ。この日の大トリを飾った、東京スカパラオーケストラは、横の方に避難して見ていました(スカパラめっちゃよかった、隅っこで独りで踊ってました)。

 

ちなみに、スカパラが終わった後、友達2人が僕のメガネを探してくれました。そして、メガネは見つかりました…もう何人もの人間に踏みつぶされたであろう、ぐちゃぐちゃに曲がったメガネでした。

 


■決して、僕はめちゃくちゃエルレが好きで、もう復活するのをずっと死ぬ気で待っていた!という感じではないんですけど、今でもエルレは大好きで、時々聴きたくなります。やっぱり、細美さんといえば、the HIATUSでもMONOEYESでもなく、ELLEGARDENだという印象です。

 

(ちなみに、the HIATUSも夏フェスで一度見たことがあります。ELLEGARDENが解散した明くる年ですかね、2009年のSETSTOCKでした。ちょっと物議を醸した、「死にたいって思う時がある」みたいなあのMCをしたのを、僕は生で見ました)

 

そんなエルレが新曲を出すっていうんで、僕も気になったので、聴いてみました。

 

何でだろう、自分が若い時に聴いていたエルレの曲とは全然違うのに、あ、これはエルレの曲だ、って思いました。

 


■曲名は【Mountain Top】、直訳すると”山のてっぺん”となるでしょうか。

 

youtu.be

 

一斉に、全部の音が鳴って曲が始まるので、一気に気持ちが高ぶります。そこから、少しトーンを落として、細美さんが歌い出す、そしてまたサビで勢いを増す、って感じ、この辺は実にエルレらしいなぁって思いました。

 

これは個人的になんですけど、細美さんとギターの生形さんは、エルレが休止しても割りと映像で見かけることが多かったんですけど、ベースの高田さんとドラムの高橋さんは、先の2人に比べると、何となく見かける頻度が減ったような気がしていました。

 

だから、MVを見た時に、高田さんと高橋さんが演奏しているのを見て、何かとても嬉しかったです。特に、僕は高橋さんのドラムが好きでした。高橋さんは、本当に楽しそうにドラムを叩きますよね。

 


■歌詞についてなんですけど、とても印象的でしたね。何と言っても、”pirate ship”というフレーズ。

 


I’m signing it up and just slipping out
from the pirate ship that I thought was mine
(僕はサインをして抜け出そうとしている
 僕のものだと思っていた海賊船から)

 

しかも、この曲の発売日が9月9日…と来れば、これはもう【No.13】を完全に意識しているのでしょう。

 

【No.13】という曲では、9月9日に旅立っていく”君”の海賊船を”僕”は見送る、という構図になっているのですが、個人的な想像では、ここの”僕”と”君”はどちらも、同一人物で自分自身を表わしているのかな、と思っていました。

 

要は、何か大きなことに挑戦していく自分を、海賊船で旅立つ”君”と表現していて、”僕”っていうのは、今までの自分を表している、という感じですかね。

 

で、その海賊船から”僕”は降りたということ。そして、今回の曲のタイトルが【Mountain Top】ということで、どちらかと言うと【No.13】は海をテーマにした曲だったので、この辺りも両曲で対極にあるということ。

 

この辺りが意味するのは、個人的には、細美さんの最後の旅の始まり、というのを思いました。海賊船で色んな所を旅してきて、最後の島に辿り着いて、山の頂を目指すという、最後の旅が始まったんだ、と。

 


Give me a sign of falling water
So I can be facing the wind one last time
(荒れた空が現れるなら
 俺はもう一度だけ強風に立ち向かえる)

 


I’m the one who wants to burn out
I’m the one who needs to find out
I’m the one who craves the last match
(俺は燃え尽きたい
 俺は答えを知りたい
 俺は最後の勝負を待ち望んでいる)

 

こんな風に、何かやけに”もう一度だけ”とか”最後”とか、そういう言葉が目立つなぁと思ったんですけど、それは、このエルレの復活が、今までの集大成だ!みたいな感じであると思ったんです。色んなところを旅してきたけど、最後…というよりは、集大成はエルレで締めくくりたい、みたいな感じでしょうか。

 

何より2番では、海賊船の下りの部分で、

 


All the upshots of my peculiar mind
Now it all just seems like they lost me forever
(俺の風変わりな考え方の結末は
 もう分からなくなってしまった)

 

とあるので、自分の音楽の終わり方みたいなものを意識し始めているのかな、とも考えました。色んなバンドをやってきて、最後の最後にまた最初のエルレに帰ってくるなんて、激熱な展開じゃないですか。

 


■ということで、決して昔のような、派手な曲ではなく、かなり渋めで重厚なパンクロックって感じの新曲ですが、これはこれでいい曲ですね。アルバムも作っているみたいですし、めっちゃ楽しみです。

 

ところで、細身さんは現在49歳なんですね。来年はもう50歳…見えないっすね。MVでもアップになるシーンが出てきますが、見えないっすね。何だろう、ミュージシャンって、歳取らないんすか?

「どうにかなるさ」って言える あなたにとっての1が 見つかりますように 見つかりますように

七号線ロストボーイズ (完全生産限定盤)

 

■現時点では、amazarashiが発表した中で一番新しいアルバムである『七号線ロストボーイズ』。発売されたのは、もうおよそ半年前になりますが、未だにヘビロテして聴いています。

 

いつだってamazarashiの作品を聴く時は、姿勢がぴしっとなって、ちゃんと聴かないと、という気持ちになります。それは、amazarashiが、歌詞…つまり伝える言葉にずっとこだわって歌ってきたから、その一言一言を聴き洩らさないように、ちゃんと受け取らないと、と気持ちが研ぎ澄まされるのだと思います。

 

今年に入って車通勤に変わったため、音楽を車の運転中に聴くことが多くなりました…というより、その時くらいしか、音楽を聴く時間も気力もないだけですけどね。自分が家に帰る頃には、もうすっかり夜になっていることがほとんどなのですが、運転しながら夜に聴くamazarashiが、やけに心に染みて、一日を振り返りながらいつも家に帰っています。

 

アルバムの収録曲にはたくさん良い曲があって、その全てを紹介したいとは思ってはいるし、また、amazarashiのアルバム自体が、その1枚ごとに世界観を創り出しているので、その収録曲1曲を取り出して紹介…みたいなのが相応しいことなのかは分かりませんが、それでも、どうしても特別に紹介したい曲が1曲あるので、それに今回は焦点を絞って話をしてみたいと思います。

 


■アルバムの10曲目に入っている【1.0】という曲。

 

youtu.be

 

アルバムの楽曲は、どの曲も本当に素晴らしいのですが、この【1.0】という曲が、個人的にはこのアルバムのハイライトであり、一番心を揺さぶられた曲でした。

 

おそらく、そのまま”イッテンゼロ”、”イッテンレイ”などと読めば良いんだと思うんですけど、歌詞を読む以前に、この特徴的なタイトルだけでも色々と考察しうることがあるんです。

 

改めて調べてみたのですが、amazarashiは今からおよそ13年前…2009年にミニアルバム『0.』(読みは、これも素直に”レイテン”なのかな)を発表しました。その頃は、まだバンド名も平仮名表記で”あまざらし”だったようです。

 

そのあと、バンド名を”amazarashi”と変えて、先の『0.』という作品にボーナストラックを追加した、(おそらく初?)全国流通版であるミニアルバム『0.6』を発表しました。ちなみに、この『0.6』で僕は初めてまとめてamazarashiの曲を聴きました。

 

そしてさらに、2012年には、ワンマンライヴ『amzarashi LIVE「0.7」』を開催…という流れがあったようです。

 

そうして、今回のアルバムに収録されたのは、【1.0】という曲…長い時間が経っていますが、何となくこの辺りにひとつながりの流れを感じざるを得ません。

 

【1.0】には、こんな歌詞が出てきます。

 


きっと0か1でしかなくて その間に海原が広がり
泳ぎきれずに藻掻いている 生きたがりの亡霊たちが
凍える心に声も無く 消えたい願いすら叶わず
死にたいなんてうそぶいたって 対岸の灯が眩しくて

 

”0.”から始まって、”0.6”、”0.7”を経て、ついに”1.0”へ…安直ではありますが、数字が少しずつ増えているところで、この【1.0】という曲が、amazarashiが、秋田ひろむさんが歩んできた歴史を、自ら歌っているように思えて仕方がありません。

 

直感的にですが、”0”からはスタートを、”1”からはゴールを想起しますが、ともすると、その間の”0.6”や”0.7”は、スタートとゴールの途中を意味しているのだと考えることができそうです。

 

”きっと0か1でしかなくて その間に海原が広がり”からの”泳ぎ切れずに藻掻いている”という歌詞…”0”からスタートして、まさに藻掻くようにその音楽人生を突き進んできたamazarashiや秋田さんが、長い年月をかけて、今【1.0】という歌を歌っていることを考えると、非常に感慨深いですよね。

 


■ただ、具体的に”1.0”とは何を表しているのでしょうか。別の部分の歌詞を紹介してみると、

 


あれから色々あったけど こちらは変わらずにいます
いつも手紙感謝します
少なくともあなたは1です 僕にとってあなたは1です

 

まずは出だしの部分です。ここで”少なくともあなたは1です 僕にとってあなたは1です”という歌詞が出てくるのですが、”1”というものに”あなた”という人物を当てはめていることが読み取れます。

 

例えば、秋田さんにとって”1”とは何なのか、と思い浮かべた時に、ひとつ考え付くものとしては、我々のようなamazarashiの楽曲を聞いているリスナーがあるような気がします。

 

どこからをamzarashiのはじまりと数えるのかは分かりませんが、秋田さんの活動は少なくとも15年近くに渡っています。長きにわたって、力強い言葉で歌を紡いできた秋田さん…その発信源であるamazarashiを”0”とするならば、その歌が最終的に行き着く”1”にあるのは、他でもないリスナーであり、そこを目指して秋田さんは歌ってきたはずです。

 

もちろん、秋田さんにとって、”あなた”という言葉に特定の人を込めた可能性もあるとは思いますが、僕ら一人一人が聴く分には、そこを詳細に窺い知ることはできないので(少なくとも僕にとっては)、その言葉のすべてを自分たちに当てはめながら聴くはずです。まぁこれは、amazarashiに限った事ではないですけど。

 


■それから、この歌の最後には、

 


「どうにかなるさ」って言える あなたにとっての1が
見つかりますように 見つかりますように

 

秋田さんにとって、あなたが”1”であったように、あなた自身もあなたにとっての”1”を見つけてほしいと、そう歌っています。

 

この世に生きとし生ける者に共通しているのは、生まれていつか死んでいく、その間に現在も居るということです。また、そんなに大それたことではなくても、ほとんどの人は、何か自分の目標を持っていて、その目標を叶えるために何かを頑張って生きていると…そう考えると、つまりは誰もが皆、いつだって途中の場面を生きているわけです。

 

ただし、時には、自分が何のために生きているのか、自分は今何を目標としていて、何のため誰のために頑張っているのか見失うことがあったりします。今はしっかりと目標を持って生きている人だとしても、目標を見失ったことや生きる気力を失ったりしたことがあるかもしれません。

 

この歌における”1”というのが、目標やゴールを指す言葉なのだとしたら、そういう何かを見失いそうになっている人に向けて、”あなたにとっての1が 見つかりますように”と秋田さんは歌っているのだと考えることができます。

 


■その他、特にこの歌の歌詞で印象に残った部分を紹介しておきます。

 


世界に望み託す人には 世界は薄情に見えるものです
どうだっていいか

 


他人に期待する人には 他人は無常に見えるものです
勝手にしてくれ

 


悲観とは未来にするもので
そう考えると悲観しているだけましだと思いませんか

 

まず、秋田さんが書く歌詞には、時々こんな表現が出てきます。他の曲で、似たような表現を少し紹介してみると、

 


僕等の期待を 世界はよく裏切るけれど
期待していなかった喜びに 時々出会えるんだ
裏切られた事に胸をはるんだ 信じようとした証拠なんだ

【終わりで始まり】より

 


願わなきゃ傷つかなかった
望まなきゃ失望もしなかった

【ロングホープフィリア】より

 

要は、誰かに裏切られたのは、自分が信じようとしたらからだとか、未来に絶望したのは、未来に期待していたからだとか、そういう対比を歌うことで、その人のことを肯定するような歌詞が時々出てきます。

 

【1.0】でも、世界が薄情に見える=世界に望みを託している、他人が無情に思える=他人に期待している、悲観している=未来を見ている、というように肯定的に歌われていて、そういうもんだから、あなたは間違っていないんだよって、そう言ってくれているような気がして、救われるような気分になります。

 


それでも逃げ込める居場所を あなたを呼び止める声を
もうここで死んだっていいって 心底思える夜とか
報われた日の朝とか あなたにとっての1が
見つかりますように 見つかりますように

 

この辺りの歌詞を読んでいくと、”1”というものが、目標やゴールを指すのではなくてむしろ、自分のことを救ってくれる存在そのものを指しているんじゃないかとも思えてきます。

 

例えば、amazarashiにとっては、自分の楽曲を聴いてくれるリスナーだったり、そういう僕等にとってはamzarashiの音楽そのものが”1”になり得るかもしれません。

 

あるいは、”1”とは”イチ”…つまり”位置”と、これも安直にですが、こういう風に読んでみると、また少しこの歌に対する見方が変わってくるようにも思えます。