生産設備不況を感じつつある
最近、設備メーカーの状況が変わってきている気がする。
去年まで
1年前の2~3年間は空前の売り手市場でメーカーや加工屋から高い見積がバンバン飛んできた。納期はかかるし人も足りない。見積は高い。でも今はそんなことはない。
部品も手に入らなかった
工作機械「納期1年」も。背景に深刻な部品不足あり(2018/01)
「全体的に直動案内機器の需給が逼迫(ひっぱく)しており、納期が1年を超える製品もある」。直動案内機器を手がける日本トムソンの担当者は現状をこう説明する。直動案内機器と同様に精密な位置決めに使われるボールネジも引き合いが多い。
去年までの直動部品納期は
LMガイド(THK):6ヵ月~
リニアガイド(NSK):3ヵ月~
リニアウェイ(HIWIN):1ヵ月~
だったんだけど、そんな売り手市場の状況は終わったと感じている。中国の「半導体」「有機EL」の設備投資による爆買いがなくなったからね。
パーツフィーダーメーカー暇なの?
生産ラインの自動化に必要不可欠なパーツフィーダー
バラバラの部品を整列させるボール型の装置
パーツフィーダーって納期4ヵ月~6ヵ月以上が当たり前だったんだけど今はだいだい3ヵ月に落ち着いてきてる。暇そうにしてるし実際暇なんだと思う。
特注品とはいえ、どこでも作れる物を製作しているメーカーは不況の影響をもろに受けてる。
モーター系メーカーの納期は今も長い
磁化に不可欠な着磁器なんかは生産ラインがフル稼働しているらしくまだまだ納期がかかる。世界的なEVへの移り変わりを感じる。
着磁ヨークなんかは職人がコイルを巻いて成り立つものだから簡単に増産もできない。
ワックステカテカオールバックはやめろ
新人の頃、HIWINの営業に「台湾からお越しくださりありがとうございます」って言って恥をかいた。強面でオールバックの営業とか中華系の人にしか見えない。やめてくれ。
日本製と性能は変わりませんとかいってたけど、THK-LMガイドのボールは4条なのに対してHIWINは2条だからそんなことないよ~
帝人の「てるぷよハンド」とかいう砂ぶちまけ機
混流ラインでワーククランプする際に大活躍するてるぷよハンドですが欠点もあります。
原理
軟らかく柔軟性のある形状をしているため、多品種製品や複雑形状品に対応可能なので混流ラインで大変重宝します。ですが私は使うのをやめました。
メリットとデメリット
メリット
・形状にならうため、段取替が不要
・ロボット教示時間を短くすることができる
・製品形状のバラツキによるクランプミスの低減
・面接触による破損の防止
デメリット
・意外と形状にならわない(かたい)
・すぐ破れて砂が漏れる
砂が漏れる
これにつきます。対象が凹凸のある金属の場合、20万回くらいでエプロンが破れてくるでしょう。1日に4000個生産する場合の寿命は2カ月半です。内袋まで破れると砂が飛散します。製品に砂が混入するのでこれは致命的です。
しかもこれ、納期が1カ月以上かかる。
ホームページで紹介されているように、電球や瓶など、円筒や円形のものや軟らかいワークになら有効につかえるんじゃないかな。
高い(金額的に)
手のひら+手の甲で合わせて20万円くらい。エプロンは約2万。
チャックにつける場合は2つ必要になるから、現実的な金額じゃないよ。
ウレタンやブルコランを使った方がいい。
話題の柔軟ハンドもなんだかんだで円筒・円形ワークしかつかめない
Festoのフィングリッパもお試しで使ってみたけど、つかめるワークが限定的だなってのが正直な印象。ワークの形状にならってくれるのはいいんだけど、同時に元の形状に戻ろうとする反発力も発生するから掴んだワークがすっぽ抜ける。これは4000円くらい。
α7SとSEL16-35を売却しました。
理由はこれ以上使ってると壊すと思ったからです。
私と精密機器の相性はよくありません。
今まで壊したカメラは以下になります。
NEX5-R:回転するバイクの後輪にやすられて削れた
E PZ 16-50mm:種子島で落として動か
なくなった
RX100M4:雨の富士山で溺れて機能停止した
ミラーレスを購入した一番の理由は、山の広大な景色を写真に残したかったからなんですよね。広角レンズを搭載したコンデジってCASIOくらいしかないので。それだったらレンズ交換式のカメラしかないなって。当時、iphone8の夜撮影のノイズに不満があったのもあって1200万画素フルサイズの超高感度なα7Sにしました。
ソニーのα7Sは夜でも明るい最高のカメラだったんですが、先日旅先でで手を滑らせたときに手放すことを決意しました。床にマットがなければ壊れてた。壊す前に売ります。
23万円で購入して16万円での放出となりますがしかなたい。
今までありがとう。
商社という名の宅配ドライバーについて
生産技術の仕事をしていると設備メーカーや機器メーカー、商社と会う機会が多いわけだけど。中でも商社の人が宅配業務を兼任しているのは違和感がある。
商社の仕事の半分は宅配業務
商社というと顧客の潜在的なニーズを掘り起こして提案をし、商品を売るエリートみたいなイメージがあった自分はこの業界に入ってから割と衝撃を受けた。
多くの場合、小規模な商社の仕事は以下の通り。
1:顧客から見積依頼を受ける
2:メーカーに見積依頼を行う
3:メーカーから見積をもらう
4:顧客に見積をメールする
5:発注を受け、受注する
6:商品が商社に届く
7:なぜか商社の担当者が商品を顧客に届ける ← これ!
8:以下略
なんでやねん。ヤマト使えばいいのに。
なんで自分で商品を持ってくるんですか?と聞いたら、
取引先へのあいさつと提案も含めてるんですよ。
という回答が返ってきたけど私あなたから提案されたことない。
顧客が本当に欲しいもの(見積が出てこない)
営業や商社マンの人たちは本当に忙しそうに働いていて頭が下がるのだけど。
あの人たちをドライバー業務から解放することはできないだろうか。
昼が取引先巡り
夜が事務作業
なんて生活破綻するに決まっている。
その結果、私に見積が来るのが遅い。
見積が来るのが遅いと発注が遅れて納品が遅れる。
特にメーカー工事の見積が遅いと、変な見積が出てきたときに価格交渉ができなくて割高な価格で発注することもある。
見積を出して発注するというシステムが時代遅れ
右から左の仕事なのになぜ一週間かかるのか。
仕事が忙しいのはわかる。見積に押してある判子を見ればわかる。
見積を印刷して判子押して上司回覧してスキャンして顧客にメールするなんて作業を続けていれば一日なんてあっという間に終わるのも理解できる。
けどなんとかならんのか。買入のシステムが終わってる。
ロボシリンダ RCPとRCS、RCA の違いについて
最近、RCP系アクチュエータの選定ミス事件がありました。
- パルスモータとサーボモータで明確に用途が違う
- パルスモータ RCPの場合、高速化による可搬質量の低下が著しい
- 価格はサーボモータ RCS・RCA が高い
- サイクルが入らないからって安易にスピードを上げるのはやめよう
- 最後に
パルスモータとサーボモータで明確に用途が違う
ロボシリンダ(IAI)は種類が多いため選定に迷います。
スライダータイプ | タイプ・シリーズ一覧 | 製品情報 | アイエイアイ
ですが図の通り、
・可搬質量が大きい場合はパルスモータ
・移動速度が速い場合はサーボモータ
を選んでおけば選定ミスを減らせます。
灰色部分はどちらを選んでもかまいません。
機能と価格で総合的に判断します。
パルスモータ RCPの場合、高速化による可搬質量の低下が著しい
これを理解しておかないとロボシリンダ選定に失敗します。
カタログ(RCP6-SA4C)には最大可搬質量と最高速度が載っているだけだけです。たいていの人は最低速度の意味を深く考えません。
よくよくカタログを観察すると「選定上の注意」の(1)に可搬質量の詳細は「速度・加速度別可搬質量表」と書いてあるのでこのページを開くようにしましょう。
ちなみに、RCP5-SA4R のページには可搬質量と速度の詳細なグラフが載っています。
ですが、親切にカタログ上に記載してある機種は少ないのが現状です。
価格はサーボモータ RCS・RCA が高い
パルスモータRCPは安価ですが、高速化すると可搬質量が下がります。
将来的にサイクルタイプアップの予定があるなら多少高くてもサーボモータが無難です。
サイクルが入らないからって安易にスピードを上げるのはやめよう
弊社ではパルスモータの使い方を知らずにサイクルタイムアップと称してスピードを上げ、直に10回「IAIアンプ異常」で設備が停止してしまい、スペック上問題ないのになぜだと困っている人がいました。「選定上の注意」をちゃんと読みましょう。
最後に
IAIのロボシリンダは種類が多いし見た目も同じなので、機種を選定してもいまいち本当にこれでよかったのか悩みますが、こういった知識を持っていると機種選定に自信が持てると思います。
↓ IAI プログラミングについてのホームページを作りましたので是非見てください。