僕の父は不倫していた ②

ナルミは、癖の無い長い黒髪の女の子だった。目がはっきりしていて、でも派手にならない顔立ちだった。屈託の無い笑顔を持っている反面、佇まいは何処と無く寂しげで、他人には触れられない何かを感じた。そんな、ほの暗い感情を、誰かに救ってほしい訳ではないことが少しずつ分かった。

ナルミには、何かを解決することや、相手の感情を埋めることが愛ではないと言われているような気がした。

僕の父は不倫していた ①

僕の父は、不倫していた。

 

父はシフト勤務、残業はないが時間が不規則な仕事だった。細かい事にはこだわりの無い、さっぱりとした性格。特徴の無い顔だが、肌だけは年齢の割りに艶があり、いつも黒渕の眼鏡を掛けていた。

 

母は主婦で、父や僕の身の回りの世話に撤していた。家庭での役割に従順で疑いを知らなかった母は、父のせいで壊れてしまった。だから、僕は誰よりも不倫を憎んでいた。

 

 

 


僕がナルミと結婚したのは1年前。父と同様に何の特徴もない顔の僕を気に入ってくれた唯一の他人だった。暖かい家庭を作りたいとか子供が何人欲しいとか、そんな一般的な理想は求めちゃいなかった。ただ、僕を許してくれて、少しだけ世界を明るく見せてくれるナルミを結婚という契約で確実に縛っておきたかった。僕は自分の幸せの為にナルミを選んだ。


結婚してすぐに僕の転勤が訪れた。田舎町に引っ越し、割りと新しいマンションに部屋を借りた。

不要な情報はノイズ

選別せずに情報を取り込みすぎている

 

世の中には他人の感情をコントロールする技術がある

 

垂れ流された情報を捨てて、それを回避すべき

 

それが出来なければ、一生不安に苛まれる

お前は何がしたいんだ?は悪魔の言葉

若者を騙す為の第一声でもある。

 

明確な目標を持たない人間が大多数であるのに対して、やりたいことがないのが如何にも悪いことかのように責める。もしくは、人によっては勝手に責められた気になって、プライドを傷つけられたような気分になる。悪魔はその弱さに浸け込む。そんなこと言われたら反発したくならないか?それを利用して、根拠のない不必要な言葉を吐かせて自分たちの都合の良いように如何にも論理的に導いていく。

 

常識的な考え方に縛られていると常識で泣かされるので要注意。