世界と僕

心という海を、言葉というサーフボードに乗って日々を生きてるんです。素直になるために。

意識の奥に眠る獣

何色かも分からない

どんな形かも分からない

僕のすべてを食いつくしてしまった

だから僕はその獣を起こす必要があるのだ

この目に映る意識の上澄みなんかに興味はない

僕を解き放つものが親であれ友であれ他人であれ

招き入れてパーティをしよう

それで僕の幸福が定められるだろう

そして今日はあの満月を心臓の脇に並べて眠る

 

赤い卵

途切れ途切れの僕の希望って
光は筒抜けだね ぼろぼろのカーテンみたいで

不快さを部屋中に撒き散らして

乱反射する光の屑を眺めてる今

遠くを飛び交う理想の群れを

空虚さに抱かれて見守るのかい?

旅立ちの前の夜の興奮を

いまだに僕は忘れはしない

正義の卵を大事そうに育てたって

社会の前では弱さを丸めただけの球体

僕はそれを割って踏み潰して

赤い卵を宙(そら)へ掴みに飛びたい

離れ離れの君の声って

どこかもろくて薄いね 水浸しのティッシュみたいで

不純さで強引には 掴めないよね

儚さにじむ存在感を噛み締めてる今

素朴を装う狼の群れに

飛び込んで仲良くなれるかい?

旅立ちの前の夜の純粋を

臆病に僕は忘れてくのかな・・・

正義の卵を大事そうに育てたって

社会の前では弱さを丸めただけの球体

僕はそれを割って踏み潰して

赤い卵を宙(そら)へ掴みに飛びたい

夜の草原

草原の空に光る温かな星を
手を伸ばしてかき集め
ネックレスにして首にかけた
胸の奥にあった闇が小さくなり僕は生を感じる
胸の奥にあった荒れた波が静まって僕は安らぎを見出だす
なんて幸福なときなんだ
このときがずっと続けば良いのに
僕は草の上に寝転んで三日月を眺めた
それはまるで僕の心に刻まれた傷口のようだった
風が草原を撫でるように揺らしていく
僕は草原の一部になり夜空を仰いだ
永遠があるというのなら
その永遠を虹色に染めて
この身を包んでほしかった
不安が訪れないように
死が訪れるまで