プロジェクトマネージャーにインタビュー!!第一弾 地震火災対策
【プロジェクトマネージャーにインタビュー!】
今回は、地震火災対策プロジェクトのマネージャー、小林徹也さんにインタビューしました!大学1年から大学のサークルで株式投資を学び、将来は投資家志望という小林さん。そんな彼が、なぜ社会問題の解決に興味を持ったのか、そして日本政策創造基盤の魅力についてお聞きしました。
Q.自己紹介をお願いします。
東京大学経済学部4年の小林徹也です。大学1年から2年まで、瀧本ゼミ企業分析パートで株式投資を学んでいました。3年の秋にJaSSKに加入し、現在は地震火災プロジェクトを担当しています。
Q.面白い経歴ですね。ではなぜJaSSKに入ろうと思ったのですか?
元々は漠然と「強くなりたい」という思いがあり、自分が成長できる場所をずっと探していました。高校・大学で柔道部に入ったのも、大学から投資の勉強を始めたのも、頭脳・肉体両面で自分を鍛えたい、という思いからでした。誰かのために何かをする、という発想は皆無で、今思うと、少し独善的な人間だったように思います。
しかしその後、「人のため、社会のために行動する」という感覚を持たないまま社会に出ても、自分は大した人間にはなれないだろうな、と思うようになりました。
きっかけは、インターン先の資産運用会社で、企業を調査したことです。優れた会社を調査し、その魅力をお客様に伝えるためのイベントを企画する、という仕事をしていたのですが、その過程で、良い会社は、消費者やそこで働く社員のことを、本当に思いやって行動しているということを知りました。
例えば、化粧品で有名なファンケルは、もともと化粧公害(化粧品により、使用者の肌などに病状が出ること)から女性を救うため、無添加の化粧品を世に出そう、という思いから始まりました。それ以降も、会社の理念である『正義感を持って世の中の「不」を解消しよう』の通り、高品質の健康食品や化粧品を生み出し続けています。
良い対照例となったのが、DeNAのキュレーションサイト問題です。短期的な売上や利益を達成するために経営指標を追い続けると、その先にいる本当の顧客の思いに気を払わない。
(写真はDeNA南場会長を含めた経営層による謝罪会見)
「自分は他人や社会に対してどんな価値が提供できるか」と考えた時に、正直何をすればいいのか、どうすればいいのか分からなかったし、そのような訓練を積むことなくこれまで過ごしてきたなと反省しました。
そんな中、瀧本ゼミ政策パートの友人から、社会問題の解決を目的としたNPO法人「日本政策創造基盤」という団体ができると聞きました。
政策パートは、座位時間減少プロジェクトやAEDプロジェクトなど、解決可能な社会問題を発見し、解決に向けて行動する、という活動をしているのですが、今年度から問題解決に特化した団体を立ち上げるということで、まさに自分に足りない能力が身につくと思い、入会を決めました。
Q.地震火災対策プロジェクトについて教えて下さい。
首都直下型の地震が発生した場合、火災によって多数の人的被害及び焼失棟数が出ることが予想されています。そして、その地震火災の6割が、電気系統を原因とした、いわゆる通電火災だと言われています。
通電火災は、揺れでヒーターなどの電化製品が倒れた後、電気が再び供給されたとき、電化製品と可燃物が接触することによって起こります。なので、単純に考えると、揺れのときにブレーカーが落とされていれば火災は起こらない。でも実際の所、大地震が来た際に、ブレーカーを消すことは難しいですよね。そのため、一定以上の震度を感知して自動でブレーカーを遮断する、感震ブレーカーという機械を各家庭(特に都内の火災危険区域)に設置することが必要だと言われています。
(政府が出した、配電盤の普及の有無によって直下型地震の被害が半分程度抑えられることを示す資料)
ただ一方、政府は感震ブレーカーの重要性は認識していますが、あまり有効な施策を打てていません。というのは、多くの自治体が、現在1つ3万円近くする、配電板型の感震ブレーカーに補助金を出しているため、すべての家庭に行き渡らせることは現実的に難しいでしょう。自分だけ対策しても、周りで火災が発生すれば意味がないので、面的に火災を防ぐ必要があります。
もっと安く対策を行うことができるはずだ、と仮説を立てて調べてみると、とある自治会が独自に一個500円程度の安価な感震ブレーカーを導入し、面的に普及させることに成功していることがわかりました。そのことが現在のプロジェクトの原点になっています。
最終的な目標としては、東京の木造住宅密集地に安価な感震ブレーカーを配布して、地震火災による被害を減らすことです。
Q.JaSSKをどんな団体にしたいですか?
「世の中のために何か行動したい」「大学生活で何か大きなことを成し遂げたい」「問題解決を通じて自分を高めたい」といった人に、どんどんチャレンジの場を提供できる組織にしたいです。そのためには、プロジェクトをどんどん増やしたいし、社会人が我々の活動を支援できる仕組みを作りたい。
また、JaSSKは「人を変える組織」でありたいと思っています。人と会うことで知見がどんどん広がる、自分が考えたアイデアで社会が動く、という経験を積むことで、参加者が、プログラム参加前よりもポジティブで、アクティブで、オープンになればいいなと思います。
Q.最後に、どんな人とJaSSKを勧めますか?
JaSSKにはチャレンジできる環境が整っていて、気持ちさえあれば自分の世界を広げることができます。大学生活で何か成果を残したい人、自分の力で社会をより良くしたい人、問題解決を通じて成長したい方には、ぜひこの組織をお勧めします。
瀧本ゼミ政策パート Co-ファウンダーに聞く:学生でも達成できる社会の変え方【後編】
(こちらは後編となります、前編の記事はこちらから!)
jassk2017student.hatenablog.com
「突然のブレイクスルー」
日本政策創造基盤 – 問題解決の実践を通じて、次世代のリーダーを輩出する。
・JaSSKに参加してみたい!と感じた方はこちらからご応募ください!
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瀧本ゼミ政策パート Co-ファウンダーに聞く:学生でも達成できる社会の変え方【前編】
瀧本ゼミ政策パート(JaSSKの前身団体)の Co-ファウンダーであり、今では社会人として広告代理店に勤め、JaSSKにも顔を出しフィードバックを下さる吉田昌平さん。OBである吉田さんが、瀧本ゼミ立ち上げの経緯や自分が取り組んだAED政策についてお話くださいました。
「活動を始めたきっかけ」
・吉田さんは瀧本ゼミ Co-ファウンダーだという事ですが、どうやって始められたのですか?
吉田さん:元々、自分は大学2年生まで、ある学生政策立案コンテスト団体の代表をやっていました。それ自体は凄く価値があったし、得るものや、学ぶものも、多かったのですが、やっぱり短期間の合宿で、アウトプットも実際に政策を変えている訳ではないし、次のステップとしてもう少し踏み込んだ事をやりたいと思っていました。なので、そこで次は、そこを超えるような団体を作ろうと思ったんです。あとはその団体を終えた人達が次に実践の場として活躍出来る場を作りたいと思いました。
・具体的に、どういう所を変えて、政策ゼミを作ろうと思ったのですか?
吉田さん:長期コミットなので、長期的にリサーチをする、徹底的にリサーチをするという事ができるという事。また、実際に交渉をして、政策を変える、実現するという所までやるというのが目標でした。単なる「「意識高い」」ではなくて、もっと実践家や様々な専門性を持った人達と一緒に、実際に物事を変えられるプロジェクトをやりたいと思っていました。実際、第1期は医学部生とか、起業サークルの代表とか、色々な意味で特色ある人が集まったと思います。
あとは、この組織を通じて、最終的には色んな政策やビジネスで社会を変えていける人達を輩出できるゼミになったら良いなぁと思っていて、アメリカでは民間のシンクタンクがあるんですが、日本にはそういうのがなくて、行政以外でも、もっとそういう政策立案や課題解決ができるように働きかける場所が必要だと思っていました。
・吉田さんが目指していた野望ほどではないかもしれませんが、今は確かに多くのイシューが出て、多くの場面で、ゼミ生が外部と協力してプロジェクトを動かしています。実際に政策提案や起業、外部との研究協力などにも結びついている事例も徐々に増えています。
吉田さんが最初政策ゼミに取り組まれた時には、具体的にはどんな活動をされたんですか?
吉田さん:自分は AED(自動体外式除細動器)を使って、現状救われていない心停止を救うための条例・法案立法を目指しました。特に、使用方法の習熟や設置の基準に関して殆ど決まっていなかったので、その整備を目指しました。
「きっかけは身近な所にあった」
・なぜ、AEDに注目されたのですか?
吉田さん:自分が大学に行く最中に倒れている人に対して人が取り囲んでいて、何もしていない、救急車をただ待っているという事がありました。一方で、街中にあるAEDというものは何となく、教習所とかで使い方を教えてもらった事があるけど、使っている場面を見たことはないなぁと思っていました。
・なるほど。自分も使っている所は見たことありません。
吉田さん:丁度、メンバーに慶應の医学部生がいたので、一緒に既存の研究や統計資料などを確認してみた所、驚くことに、AEDが使える場面の心停止で亡くなっている方は日本で2万人以上もおり、その殆どにAEDは使われていなかった事が発覚しました。しかも、AEDを使った場合には生存率が4倍以上になることがわかったのです。AEDを一般市民に使えるように医療機器に関する規制を緩和しているのですが、実態としては全く使われるようにはなってなかったのです。
AEDの重要性は政府もわかっていて、厚労省の予算などを使って、MAPなどを整備しているのですが、殆どの人が見ていないし、それはまだ一般の方がスムーズに使えるようになっていませんでした。現状の政策が余り現場を見ていないし、効果も挙がっていないのではないかと感じました。
一方で、それに気づいている専門家の方や一般の方もいて、小さな運動になっている事もあったのですが、それが明確な結果に繋がっていなくて、その2つをつなげれば、大きな結果に繋がると思いました。
・最初は何から取り組んでいったのですか?
吉田さん:先生のネットワークで、ある都道府県の前副知事を紹介して頂き、そのルートで担当部署の責任者に繋いでもらいました。その方によると、重要な問題だとは思っているが、政治家の関心が上がらないので、取り組みが止まっているというようなお話でした。
ただ、一方で自治体の専門の方でも知らない事を自分達はリサーチできていて、役所の人は感心していました。自分のやっている事は間違っていないんだという思いを深めましたが、また実現するためには、政治家を動かさなくてはいけないと思いました。
その後も幾つかの自治体に話をしに行きましたが、中々それだけでは変わりませんでした。
・なるほど。最初は苦労も多かったんですね。
吉田さん:他にも、色々失敗事例はあって、例えばプロスポーツ選手と一緒に心停止の啓発活動をやろうと企画を出した事もありましたが、これは上手くいきませんでした。あとはNPOやメーカーと一緒に啓発企画をやろうとして、募集などが上手くいかず、企画倒れした事もありました。
以上が前編になります。後編では、その後どのように成果につなげていったのかについてお話頂きます。
jassk2017student.hatenablog.com
知的好奇心をくすぐる挑戦
今では社会人として製薬会社に勤め、今でもゼミに顔を出しフィードバックを下さる大月天道さん。3期生の大月さんに、団体の魅力や活動内容などについて詳しく伺いました。
「この団体に入ったきっかけ」
日本政策創造基盤 – 問題解決の実践を通じて、次世代のリーダーを輩出する。
・JaSSKに参加してみたい!と感じた方はこちらからご応募ください!