不細工な女の子

「看護婦さん、この子本当に私の子なんやろか。全然誰にも似てないけど」

生まれた時、真っ赤なサルのような顔で泣きちぎる私は、相当不細工だったようで。

なんどもなんどもこの台詞を聞かされてたためか、私は自分は醜いのだと認識するしかなかったように思う。

大嫌いな夫との間に生まれた子供だそうだから、そんなに嬉しくもなかったのかも知れない。

私が生まれた時

母親が幼い私に言い聞かせていたから、もしかしたら勝手に記憶を作り上げてしまっただけかとしれないが、生まれた時のことをボンヤリ覚えてるので記録しておこうと思う。

夕方だろうか。少し薄暗くて病室に斜めに陽の光が入って来ている。

8月に生まれたのに暑さは感じない。

でもなんとなくカラーじゃなくてモノクロに近い世界。そして音の記憶は無い。

生まれてきちゃったけどどうなるんだろぅなぁ。

でも、なんかこの世界、あんまり楽しくない気がする。不快。

毒親育ち

うちの家は普通ではない。

顔を合わせたら両親がケンカしてるし、毎日のように、母親は子供達を怒鳴っているのが基本形。

モノを言うときは喧嘩口調。

私には5歳離れた弟がいるが、弟と私は口調が穏やかだ。嫌な性格を受け継いでいるところも多分にあるけれど、これだけは似なくてよかった。