テレビ日記「岩井俊二のMOVIEラボ」
1月改編で始まったテレビ番組の中でも「岩井俊二のMOVIEラボ」はおもしろい。
http://www4.nhk.or.jp/movielab/
毎週ひとつのテーマの映画を岩井俊二と豪華なゲストが語る、という番組だが、トークもさることながらそのテーマを掘り下げるVTRがとてもよく出来ている。
これまでのテーマは「SF」「特撮」「ラブストーリー」「ホラー」。
各回でそのジャンルを俯瞰したVTRが流れるのだが、ほとんどの場合、映画の実際の映像がちゃんと流れるのだ。
このテの番組でありがちな“イメージイラストでごまかす”ことをせずに、ちゃんと使用許諾をとって原典の映像を紹介しているのがとてもわかりやすい。
ハリウッドの大ネタである『2001年宇宙の旅』や『ジェラシックパーク』あたりの映像もしっかり使っていたし、円谷プロの映像も流れていた。
また、「ラブストーリー編」で“蒼井優が選ぶこの一本”として『ロッキー』を取り上げた際にも、スタローンが「エイドリア~~~~~~~ン!」と叫んで駆け寄ったエイドリアンと抱擁する映画のラストシーンをばっちり紹介していた。
実際のアニメや漫画をばんばん登場させていたドラマ「アオイホノオ」も『ロッキー』ばかりはしょーもない再現映像でギャグにするしかなかったというのに、さすがはNHK!
それにしても蒼井優である。
「一番好きな恋愛映画は?」と聞かれて
「『ロッキー』。私にとっていちばん、中心にLOVEがある映画」
なんて答えてくれる女性がこの世に実在したなんて!
このひと言で惚れました。
ちなみに岩井俊二が「『ガンダム』の恋愛描写が衝撃だった」と童貞のような回答をしていたのも印象的。
「最 初にでてきたおせっかいな幼なじみ(フラウ・ボウ)とくっつんだろうなと思ってみてたら、その娘がさえない脇役(ハヤト・コバヤシ)のほうと仲良くなって いってね、アムロは大人の女性(マチルダ)に惹かれたりしながら、でもほとんど会話したこともないような女の子(ララァ)と宇宙空間で心が通じる」
で、もちろん『ガンダム』の映像も紹介されていた。
ガンダムとエルメスが交錯して画面分割でアムロとララァが会話する有名なシーンもばっちりとね。
先週の「ホラー編」ではジョージ・A・ロメロの諸作品や『死霊のはらわた』『エクソシスト』あたりの映像をNHKの電波で見ることができた。
ゾンビや悪魔モノはキリスト教的な価値観が強いアメリカだからこそホラーとして取り上げられたという側面をちゃんと解説していたのもよかった。
言い換えれば、アメリカ人にとって「異教」が恐怖の対象なのだ、ということ。
実は、このご時世ではきわどい話題である。
この番組は次回2/12,19に放送の「ドラマ編」パート1,2で番組は終了のようだ。
「ドラマ編」はもはや日本映画界の仙人と化している大林宣彦がゲスト。
必見です。
「進撃の巨人」実写動画が凄い
昨年から大人気の「進撃の巨人」。
動画界隈でも熱いネタなわけですが、海外のファンムービーが特に凄いです。
3D真人版《進擊的巨人》Attack on Railgun【進擊の電磁砲】獨立創作 ...
去年の11月に公開されたこちらの動画は台湾の動画制作チームが作ったモノ。
『進撃の巨人』と『とある科学の超電磁砲』の世界がクロスオーバーするという凝った出来映え。
しかもわざわざ日本語で演じているというところに熱いファン魂を感じますね。
これを見て、「日本のファンムービーが負けちゃってるじゃん」と思ったのですが、さきほどさらに凄い動画が公開されてました。
Shingeki no Kyojin 進撃の巨人 Attack on titan Jiyuu no ...
こちらはドイツのコスプレイヤーたちが作った『進撃の巨人』実写コスプレ動画です。
外国人のキャラのコスプレを外国人がやればそれはハマるのは当然なわけですが、この出演者たちからは細部までそのキャラになりきろうとするこだわりを特に感じますね。
それから日本では撮影できないようなロケーションの数々と、本当に乗馬までしている手間のかけかたには感動すら覚えます。
実際、動画コメントには「制作に四ヶ月かけた」旨が書いてあります。
とにもかくにも、この動画は必見です!
これはジムビームじゃないぜ
サントリーがビーム社を買収というニュースを見た後にお酒を飲みながら妻に「これはジムビームじゃないぜ」と言ったら「は?」という顔をされた。
おまえはあのCMを知らんのか!
なんか男が酒場でスライドギターをかき鳴らしてるとヒゲのオッサンに金を投げられるけど飲もうとしたウイスキーに口をつけずに「これはジムビームじゃないぜ」といって酒を金の上にひっかけて去って行くあのCMだよ!
そう熱弁したが「知らない」という。
悔しいのでニコニコ動画で探してみたがガンダムの動画ばかりヒットしたので、YouTubeで探してみた。
どうやら字幕付きの日本版はないようだけど、海外版はあった!
さらに別バージョンの「これはジムビームじゃないぜ」シリーズも発見。
しかしこのCMってウイスキーを飲むようなオトナよりも、まだウイスキーなんて舐めたこともないような中高生の心を掴んではなさない感じがたまらないですね。
今夜ジムビーム買ってこよう(安いしね)。
でもジムビームを飲んでしまうと「これはジムビームじゃないぜ」が言えなくなるというパラドックス!
「これは山崎じゃないぜ」じゃサマにならない。
というわけで、ジムビーム以外のウイスキーを飲みたくなってしまうこのCMの会社を、ウイスキーを社業と位置づけるサントリーが買収したというのはなんとも味わいぶかい話だと思ったり思わなかったり。
「Wake Up, Girls!」がニコ動のコメントを規制
セキセイインコの死
今年の夏の一番悲しい出来事についてだ。
仕事で早めに家を出て移動している最中に妻から電話がかかってきた。
彼女は泣きじゃくっていた。
飼っていたセキセイインコの志代(シヨ)が死んだという。
事故死だった。
小さい頃から実家でインコを飼っていた彼女は、やはり家に小鳥がいないと寂しいと言うのである。
まだ3.11の震災の影響が色濃く、福島原発の不透明な情勢に誰もが不安を抱え、日々のニュースで天気予報とともに放射線量が報じられていた。
テレビで流される「子育てには最悪の環境だ」といった言説が、結婚してまだ半年のわたしたち夫婦の間に重く響いていた。
私は「小鳥を飼いたい」という彼女の言葉の意味を暗黙のうちに認め、それを了承した。
手がかかる雛を迎えるにはゴールデンウィークがちょうどいいと考えたのだ。
まだ生後3週目の志代は羽根も生えそろっておらず、水で溶いたパウダーフードをスプーンで与える必要があった。
インコの飼育がはじめてな私も慣れない手つきで食べさせた。
勢いよく餌を食べる志代のくちばしがコツコツとスプーンにあたる。
その振動はなんとも心地よかった。
GWの間、夫婦で1日4回以上挿し餌を与え、手のひらで遊ばせ、精一杯かわいがった。
その甲斐あってか、志代はとても人懐っこいインコに育った。
飛べるようになってからもカゴから出せばまっさきに肩や手に飛んでくるし、家にはじめて来る友人にも人見知りせずにじゃれついては喜ばせていた。
私たちが家にいないときの出来事で原因は不明だが、おそらくカゴの中で何かにくちばしを引っかけてパニックになり、暴れて折ってしまったのではないかというのが獣医の見立てだった。
獣医からまず言われたのは、上のくちばしはほぼ全損でもう生えてくることはないだろうということ、そして一命をとりとめたとしてそんなインコをあなたたちは今後も育てていけるか、ということだった。
入院当初は餌も満足に食べられず、強制給餌で栄養をとっており、このまま生きていけるかどうかも危うい状態だったという。
数日が経ち、かさぶた状態だったくちばし痕が直ってきたせいか、水に溶いた餌を食べるようになったと病院から連絡があった。
そして入院から一週間後、はじめて面会しに行った。
実は志代の容態の他に、もうひとつ不安があった。
くちばしのなくなったインコをこれまで通り可愛がれるのか。
自分でもわからなかったのだ。
病院で再会した志代は痛々しくありながらも、こちらの姿を見て元気に反応してくれた。
鳥を鳥足らしめている最大の特徴であるくちばしをうしなった志代は……なんというか妙に人間的な顔付きで、愛嬌すらあった。
面会後の帰り道、夫婦でそう笑い合った。
ふたりのあいだに希望が、羽根をひろげてはばたきはじめたようだった。
しかし、容態は芳しくなかった。
退院当初は病院で食べていたのと同じく(そして雛の頃と同様に)、水に溶いたパウダーフードを与えていたが、あまり食いつきがよくなかった。
体重はもっとも少ないときで22グラムまで落ちた。
セキセイインコの平均体重は30グラム前後。
かなり深刻な状態だった。
しかし、くちばしの傷は直ってきている。
もしかすると志代はもっと「普通の食事」をしたいのではないか。
そう考え、パウダーフードではなくお湯で柔らかくした皮むき餌を与えてみた。
スプーンに乗せた皮むき餌を、志代は勢いよく食べた。
雛の時の様に、こつこつとスプーンに振動を与えながら。
この時の喜びは忘れられない。
くちばしがないので、皮付き餌や小松菜をかじることはできなくなったけれど、ほとんど怪我をする前と変わらず暮らせるようになったのだ。
志代はくちばしでかじるかわりに、私や妻の肩にとまっては耳やまぶたをペロペロとなめるようになった。
上のくちばしを失った志代は、なんと「なめる」という行為を覚えたのである。
「舌切り雀」を例に出すまでも無く、鳥にだって舌はある。
しかし鳥の舌というものはくちばしの奥にあり、普通であればお目にかかることもなかなかできない部位だ。
まして鳥が、犬や猫のように飼い主をなめてくるというのは物理的にありえないことなのだが、上のくちばしを無くした志代だからこそ、「なめる」というスキンシップが可能になったのである。
鳥のくちばしも人間の爪と同じく少しずつ伸びている。
通常、上のくちばしはいろいろな物を囓ることによって削られ、下のくちばしは上のくちばしとこすれることによって削られているため、いつも適正な長さを保っているのだそうだ。
ところが志代は上のくちばしをなくしてしまったため、下のくちばしが削られずにどんどん伸びてしまう。
獣医からは「三週に一度くらいウチにきて切る必要がある」と言われていた。
しかし、志代は怪我から三ヶ月ほどで、この下のくちばしを自分で上手に削ることを覚えた。
えさ箱の縁などを使い、こちらも気づかないうちに下くちばしをキレイに整えてしまうのだ。
上のくちばしを失っても生きる志代の賢さとバイタリティをそこに見たような気がした。
こんなに小さな生き物と、それだけ長い時間を過ごせる。
それはとても嬉しいことだと思った。
今年の正月に妻の実家へ志代を連れて行き、まだ三歳の甥っ子と遊ばせた。
インコに興味津々なのに、志代が飛ぶと怖がってしまう甥っ子の姿に涙が出るほど笑い転げた。
そして近い将来、自分に子どもができたら、志代とこんな風に遊ぶ姿を見られるのかもしれない、もしそんなことが叶うなら、なんて幸せな光景なんだろうと、思った。
奇しくも一週間後には、妻の地元で花火大会が行われることになっていて、「また実家へ志代を連れていって、甥っ子と遊ばせてあげよう」などと夫婦で話していたのに。
思えば、ほとんどこの家しか知らずにいた小鳥である。
他にどこへやれるというのか。
そう言えるようになるまで、2ヶ月かかった。
しかし「違う種類にしよう。セキセイインコはもういい。あのこ以上のセキセイは、もういないから」とも。
妻はずっと志代を事故死させてしまった自分を責めていた。
私も彼女にかける言葉は見つからなかった。
ただ、感じていた。
帰宅して上着とカバンを置いたとき、風呂上がりに髪を乾かしてドライヤーのスイッチを切ったとき、布団に入ってまだ寝るでもなく漫画を手に取るとき。
そういった日常のすきまで「ああ、今、志代がいればこの手に乗せて戯れるのに! どうして志代はもういないのか!」と彼女は何十回、何百回と考え続けていた。
そのことを感じていた。
志代は生活の一部で、やっぱり、家族だったから。
今日、我が家で新しい小鳥を迎えることになった。
彼(彼女?)を迎えるにあたり、志代のことを、どうしても書いておきたかった。
子どものいない私たちふたりを夫婦にしてくれた、可愛い小鳥のことを。
Jリーグのジンクス
ジュビロ磐田がマジでJ2に降格しそうだ。
しそう、というか数字の上でまだ「決定」ではないだけで、もはや降格は免れない状況だ。
昨年から「前田遼一のデスゴール」(前田にシーズン初ゴールを決められたチームは降格する)がやたら騒がれたが、今年はそのデスゴールを決められた浦和が好調で、呪い返しのごとくジュビロが降格してしまうようだ。
一方ジュビロが降格となると、昨年でジンクスが途切れたと言われていた「三ツ沢の呪い」(横浜F・マリノスとニッパツ三ツ沢球場でリーグ戦をしたチームのうち必ず1チームがJ2に降格する)が復活したことになる。
実は昨年の三ツ沢ではセレッソ、新潟、大宮が試合をしており、セレッソを除けばJリーグの別の有名ジンクス「オレンジの残留力」(オレンジをチームカラーにするチーム=清水、大宮、新潟は開幕前の降格予想によく名前が挙がられるにもかかわらず降格しない)がまさった形になっていた。
Jリーグのジンクスにも効力の順位があり、
オレンジの残留力>三ツ沢の呪い>前田のデスゴール
ということになるのかもしれない。
「『TARI TARI』オールナイト上映会 in 六本木ヒルズ」に行ってきた
昨夜、というか今朝まで「TARI TARI」のオールナイト上映イベントに行ってました。
ここに至るまでが超展開でした。
11/10頃、家の録画用HDDがクラッシュし、まだ見ていなかった「TARI TARI」最終回が失われる
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同じ頃「『TARI TARI』オールナイト上映会 in 六本木ヒルズ」開催決定。行こうと思う。
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しかしチケット発売が文学フリマの前日。忙しさのあまりチケット取り損ね、気づいた時には完売に。
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悔しいが仕方ないのでオールナイト上映会の23日夜にあえて「エヴァQ」のチケット予約をする。
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23日の夕方、ツイッターで「『TARI TARI』オールナイト上映会のチケットお譲りしましょうか?」という神が現れる。しかしこちらはすでに「エヴァQ」21:30の回を予約済み。泣く泣くあきらめる。
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21:20。一緒に「エヴァQ」を観るはずの妻からまさかの遅刻連絡。チケットは俺が持っているので先に入ることもできず。
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ツイッターで神に連絡すると「『TARI TARI』オールナイトのチケットまだあるのでぜひお譲りします」とのこと。しかもペアチケット。
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21:25。映画館の前で「エヴァQ満席かよー」と途方に暮れている男性二人組を発見。「一緒に観る予定だった人が遅刻して観られないのでよかったら」と手元のチケットを定価で譲る。「マジっすか!?」とめちゃくちゃ感謝される。
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21:40。妻と合流し渋谷から六本木へ移動。
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22:15。神と六本木駅で落ち合い、チケットを定価で譲ってもらう。
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22:25。TOHOシネマズ六本木に到着。間に合った!
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22:30「『TARI TARI』オールナイト上映会 in 六本木ヒルズ」開始
まさに起死回生で参加できたのでした。
ほんとに、スクリーンの大画面で『TARI TARI』観られてよかった!