HiHi Jetsに歌ってほしいHey!Say!JUMPの楽曲 20選~後編~
ども、HiHi JetsとHey!Say!JUMPが好きなジャニオタです。
去年書いていたブログの後編をアップし損ねて、早1年が経ちました。1年ってあっという間。びっくり。
長めのブレイクしちゃったので前置きはカットして、残り5曲分を語ります。
その名も…
「HiHi Jetsに歌ってほしいHey!Say!JUMPの楽曲20選~あったらいいなサマーパラダイス2021~」
シングル、カップリングについて綴った前編(8曲)はこちら。
バンド、ユニットについて綴った中編(7曲)はこちら。
後編はHiHi Jetsの皆様にソロで歌ってほしい、Hey!Say!JUMPの楽曲5選です。
一部、ピックアップ形式になっております。FES*1のピックアップメドレー最高だったな…円盤欲しい…
スクランブル(Hey!Say!BEST)
・シングル「Come On A My House」初回限定盤②収録(2013年)
・「全国へJUMPツアー2013」(2013年)で披露
当時23歳の薮くんが作詞した、Hey!Say!BESTの楽曲。数年前に歌詞解釈ブログを読んで、益々この曲が大好きになりました。この楽曲の魅力はこちらのブログにすべて書いてあるので、詳細は割愛します。
スクランブルは、やばい。
すごく好きな曲だけど、伊野尾くんのソロパートがないので伊野尾担としては少し寂しいです。
【ソロ案:作間くん】
本家の自担にソロパートがないので、HiHiの自担に全部歌ってもらいます。
背伸びしすぎねとぼくに囁きながら
いつも自分で踵をあげたね
薮くんが歌うこのパートが特に大好きです。
年上の大人な女性と付き合っている設定の180cm目前な長身の作間くんに歌ってほしい。理由は上記リンクのブログを呼んでもらえばわかると思います。
この歌詞を作間くんの声で聞きたくて選曲したので、このパートが作間くんなら、HiHi Jets 5人で披露するのも当然ありです。HiHi Jets、スクランブルを歌って。
それから上記ブログ内に書かれているように、高木くんのイケボが存分に生かされた低音部分もあったり、一方で裏声にも近いくらいの高音パートもあったりと、BEST 5人のバランスの良い声質があるからこそ成立している曲な気がします。ソロで歌いきるには少しハードルが高い気もしますが、作間くんは上ハモも下ハモもできる程広い音域を歌える力があると勝手に期待しているので、是非挑戦してみてほしい。地声は低いのに、歌声は高音寄りなことが多くて。でもまだほのかに幼さが残っていそうで、歌声も大人になっていく途中っぽく、この先の変化も楽しみで。そんな作間くんが歌ったら、この楽曲にどんな色が加わるのか興味があります。作間くん歌うまいし、英語の発音もきれいだし、天才だからいろんな曲を歌っているところが見たいです。
流れるようなメロディの中にもいろんな音がアクセントに入っていてメロディも奥深い楽曲なので、作間くんはどの音を拾い上げて踊るのかが気になります。しっとりと物憂げに歌いつつ、間奏部分ではしなやかにダイナミックに踊る作間くんが見たいです。
Bubble Gum(有岡くんソロ)
・アルバム「SENSE or LOVE」初回限定盤収録(2018年)
・「Hey!Say!JUMP LIVE TOUR SENSE or LOVE」(2018年)で披露
「ファンファーレ!」「Muah Muah」に、最新アルバム「Fab! -Music speaks-」にと、近年のHey!Say!JUMPの楽曲には欠かせない存在である辻村さんが、初めてJUMP(というか有岡くんにだけど)に楽曲提供してくださった1曲。風船ガム目線の歌詞に、有岡くん自身がトラックダウン*2にも参加して、とにかく音にこだわった楽曲です。ツアー中の楽屋でずっと流れていた程、JUMPみんなが大好きな楽曲で、とても愛されている楽曲です。
聞けば聞くほどきらめく世界へ連れて行ってくれる、有岡くんらしいポップでおしゃれな1曲です。
【ソロ案:作間くん】
HiHi Jets全員大好きだけど自担ファーストな人間なので、ソロ演出2案目です。2019年のクリエソロで、辻村さんが作詞作曲に関わっている「また今日と同じ明日がくる(二宮くんソロ)」を披露した作間くんなら好きそうだなと思い選曲しました。
音にこだわった楽曲なので、あらゆる音を拾ってバチバチに音はめしたダンスを踊る作間くんを想像しました。
これは主観ですが、作間くんは手足がとても長いけれど、彼のダンスを見ているときに「足ながっ!!」「手ながっ!!」って印象だけにはなりません。それはきっと作間くん自身が自分の手足の長さをしっかり把握していて、ひとつひとつの動きに手先、足先まで神経を通して踊っているからだと思っています。だから、手足を持て余している感なく、しなやかでメリハリがあって、繊細でダイナミックでといろんな魅せ方ができるのだと思います。作間くんはダンスも天才です。
あと、私はこの曲の歌詞が本当に大好きです。有岡くんのためにつくられた歌詞を他の人に当てはめることは冒涜的かもしれませんが、今の作間くんに歌ってほしい歌詞でもあります。
何でもできるが故に自分の強みが見いだせてなかったりするのかもしれないけど、作間くんにはちゃんと芯があると思っています。他の4人の振りも覚えていてスーパーリベロと言われたり、基本に忠実と言われる作間くんですが、作間くんにしか出せない色がちゃんとあります。作間くんがステージに立っているだけで、私の目の前には、たくさんの風船がはじけていろとりどりの紙吹雪が舞ったような、キラキラした景色が広がっています。
いろんなことを乗り越えて夢を見つけた作間くんが、どんな表情で夢を詠った曲を披露するのか、見たいです。
誰にもなれない真似できない持ち味で
ぎゅっと 包み込んだ心にトキメキを
Deep night 君思う
・シングル「真夜中のシャドーボーイ」通常盤収録(2008年)
・「Hey!Say!JUMP-ing TOUR ’08-‘09」(2008年)で披露
JUMP担が大好き「Deep night 君思う」、略して「ディプナ」。スタッカートを多用した歌い方が幼さを感じさせる一方で、浮かんでくる情景は大人びていて、アンバランスさのある楽曲。支持率高めなのにコンサートで全然セトリインしない幻の曲です。PARADEで見たかったな…15周年で見れるといいな…。でも成長期でいろんな声質の子がいた当時のJUMPが歌うからこそとても良く感じるのかもしれません。いやでもやっぱり大人になった今のJUMPが歌うところも見たい。
【ソロ案:優斗くん(バックダンサー:猪狩くん)】
優斗くんの雰囲気、声の質、歌い方がぴったり合いそう。グループ曲だけど、声量がある優斗くんならひとりでも歌えそうだなと思い選曲しました。肺活量鍛えて頑張って歌ってください!ラップ部分はバックの猪狩くんが歌うからさ!
この曲を歌っていた当時のJUMPの声と彼らの幼さに似たようなものが、優斗くんの声にも存在していそうだと思い選曲しました。一番年上の優斗くんだけど、地上波の番組に出たときのHiHiのフレッシュさと初々しさは、彼のオーラや存在が大きく関係していそうだなと思います。ジュニアを引っ張っていく立場になりつつあって、本人にもその覚悟があってMCもそつなくこなしてとても頼もしいけど、それでも少年っぽさというかあぶなっかしさというか、それが全く失われないところが優斗くんのいいところであり大きな武器だなと思っています。普通、経験を積んだらその分こなれ感が強くなって、どうしても初々しさや純粋さは失われてしまうものだと思います。いい意味で染まりきらないことは、しようと思っても出来ないことだと思うので、彼の魅力としてこの先も残っていってほしいなと勝手に願っています。
なので、この曲なら優斗くんの大人っぽさと、まだ大人になりきれない少年っぽさの両方が、より引き出されそうだなと思いました。そして、主張強めな眉毛と数十年先の未来まで見えていそうな力強い目を持っている優斗くんですが、“儚さ”を歌わせたら一番だと思っています。もちろん優斗くんも天才です。
朝が来たからって 夜の魔法がとけちゃうの?
TOY
・シングル「Give Me Love」通常盤初回プレス収録(2016年)
・ライブ未披露
エレクトロスイングなメロディにのせて、奔放な彼女に振り回されている男性のことを歌ったであろう楽曲です。嵐の「Sugar」と同じ作曲家さんで、瑞稀くんが披露したいと言っていたHey!Say!7の「Sweet Lier」とも同じ方なので、好きだと思うし絶対似合うと思います。
タイトルの“TOY=おもちゃ”ですが、“おもちゃ”の語源って“もてあそび”らしいです。*3「君のおもちゃじゃないさ」って思ってしまった時点でもてあそばれてしまっているのだけど、気づいていないのか、気づいていても尚彼女のおもちゃでいたいのか…。
【ソロ案:瑞稀くん(バックダンサー:涼くん、作間くん)】
「無邪気に笑う 君は天使か悪魔か?」って歌詞が瑞稀くんのことだと思ったので、これはもう瑞稀くんソロに決まりです。きらっきらの笑顔で「チラリズム」を踊っていたかと思えば、狂気的な演技力で「1582」を披露していて、どっちが本当の瑞稀くんなのかわからなくなるくらい表現の幅が広くて、私には彼が天使なのか小悪魔なのか判別がつきません。でも天使か悪魔かなんてどうでもよくなるくらい魅力的で、瑞稀くんのパフォーマンスの虜なのは確実です。
本来この曲はもてあそばれている男性の目線で書かれていますが、瑞稀くんにはもてあそんでいる女性の立場で歌ってほしいです。全部何もかも見透かしていて、もてあそばれている男性の気持ちを代弁するように歌ってほしい。「マリオネットみたいだね」って嘲笑ってほしいし、「君のおもちゃじゃないさ?(もうおもちゃだよ?)」って勝ち誇ったように妖艶に笑ってほしい。
もてあそばれている男性=マリオネット役としてのバックダンサーは、涼くんと作間くんにお願いしたいです。ふたりとも英語の発音がきれいなのでバックコーラスもしつつ、瑞稀くんに翻弄されながら踊ってほしい。
山田担の瑞稀くんだからこそ、たとえ本家未披露でもJUMPの曲を披露してほしいと、私は心から思えます。こちらのスタンスに限りなく近い感覚を持っている瑞稀くんだからこそ、あんなライブ*4がつくれるのだろうと思います。需要を把握してそれにしっかり応えてくれるところがすごい。しかも無理して頑張ってやってます感がなくて、きっと本人も楽しくてやっているのだろうなって感じられるので安心感も半端ない。ファンへの要望も全然嫌味ないし、誘導がとても上手だなって考えたところで、ああもう完全に瑞稀くんのマリオネットになっていることを自覚しました。
HiHiを見ているとついつい猪狩くんの才能の突飛さに注目しがちでしたが、気付かないうちに瑞稀くんの魅力に心が浸食されていたことに最近ようやく気づきました。知らない間に瑞稀くんの魅力がつまった飛行機*5に乗りこんでしまっていて、2019年のサマステで見た「1582」でハイジャックされたような気分です。彼が何を考えて選曲したのか、何を伝えたくて演出したのか、知りたくてしょうがないです。
ユーモアと紙一重の過激さ(JUMPで例えるなら、伊野尾くんがソロ曲で「条件反射」を選曲してくるような感性かな?)と地上波の音楽番組に出演した時の、ここぞというときにしっかり決めて確実に新規を獲得するアイドル力(さすが尊先が山田くんなだけあって王道のキラキラ感あふれる笑顔が凄い。心掴まれちゃう。)を併せ持っていて、アイドルの才能ありまくりだし、瑞稀くんもまた天才です。これからもその天性のアイドル力でたくさんの人を惑わせてほしい。
もちろん、瑞稀くんの「ミステリーヴァージン」も楽しみに待っています。ミスヴァカップリングの「moon light」もすごく似合うと思う。でも「銀の世界に願いを込めて」も歌いたいんだよね?全部見たいから、山田涼介ソロ曲カバーメドレーとかやってくれないかな。
欲しいものはきっと 天国にも楽園にもない
ただ君だけに会いたい
Tasty U
・アルバム「DEAR.」収録(2016年)
・「Hey!Say!JUMP LIVE TOUR 2016 DEAR.」(2016年)、「Hey!Say!JUMP LIVE TOUR SENSE or LOVE」(2018年)で披露
個人的な解釈ですが、主人公の意中の人には別の誰かがいて、意中の人は自分に不誠実な態度で、それでも主人公はどうしてもその人が欲しいと思っている、不毛な想いを歌った曲です。
好きにならないほうがいい人、一緒になれても幸せになれるかどうかわからない、一か八か、それでも愛したいってどろどろの感情が歌われている気がします。一緒にいたいから、相手の不誠実なところも受け入れてしまう。マニキュアから甘い香りを感じてしまえるほど、都合の悪いことは見ないふりしている。「愛したい」と強く思うことは、現状は愛せていないってことで。それでも最後には、まやかしはいらない、嘘なんていらないと現実と向き合う覚悟をして曲は終わります。
だけど、歌詞にはロマンチックな言葉がちりばめられていて不思議と純恋愛の曲にも聞こえてしまう。甘い言葉を並べて、彼女のことも自分のこともだまそうとしているのでは…といろんな解釈ができそうなストーリーになっています。
オリエンタルちっくなメロディは、現実を見たくない主人公がつくりだした願望の世界を表現しているように感じる一方、歌謡曲テイストでジャニーズっぽさもある楽曲です。キラキラアイドルソングをつくられるイメージが強い、イワツボコーダイ先生による楽曲。ギャップがすごい。
DEAR.の初回盤DVDにはソロアングルが収録されているので、9種類のTasty Uを味わえます。贅沢。私は、好きな人に振り向いて欲しいのにうまくいかないと苦悩する曲を歌うジャニーズが大好き。
【ソロ案:涼くん】
ちょっと安直すぎるかなとも思いましたが、やっぱりこういう曲を歌っている涼くんは最高だと思い選曲しました。ソロでは色気のある曲をよくやっているイメージの涼くんですが、歌謡曲とか、トレンディな感じとかもはまりそうだなと思いました。
本家のターンの振りが多い構成が好きなので、できれば本家の振りのまま見たいです。「約束さ」で小指立ててターンするところが最高に良い。あと、サビ入りの腰をグラインドさせる振りも大好きなので、涼くんに踊ってほしい。
筋トレしてがちもっちゃんになっちゃったけど、あの体格のよさとは裏腹に、妖艶にひとつひとつの動作を丁寧に踊る涼くんのダンスが大好きです。ずっと前の雑誌のインタビューで、綺麗に踊ることを意識していると言っていたのが印象的でした。「Clap-A-Holics(玉森くんソロ)」で、両手を上にして全身をくねらせるような振りをしていたのが最高だったので、Tasty Uのダンスも似合うと思います。涼くんのダンスはきれいです。
この曲は涼くんに歌ってほしいフレーズのオンパレードなので、フルで歌ってほしい。涼くんが届けてくれる言葉には愛があって、涼くんが綴る言葉には温度があって、涼くんが言う「幸せにしてあげる」は心の底から信じられます。涼くんは、エロとはまた違う、人間としての色気が素敵な人だなと思っています。ジャニーズになってくれた時点で天才。ありがとう。
振り回す女性目線で瑞稀くんが歌うTOYの、アンサーソングとして涼くんのTasty Uが見たい。
綺麗に無邪気に永遠に 君とロマンスに揺れる約束さ
以上が、HiHi Jetsに歌ってほしいHey!Say!JUMPの楽曲20選でした。
猪狩くんのソロ案のみありませんでしたが…
16歳にして作詞作曲してその完成度の高さで観客の度肝を抜き、他の追随を許さない圧倒的な才能を持っている猪狩くん。ISLAND TVにアップされた“漫談ラップ”*6、2020年のサマパラでの「Klaxon」「Entertainer」と、彼が生み出すメロディと言葉たちは圧巻で、絶対的で。とてもじゃないけど凡人の妄想をあてがうことなんてできなくて、猪狩くんのみソロ該当曲なしです。(土下座)本人も今後歌うことはないかもって、雑誌のインタビューで言っていたし…
視覚、聴覚で受信した刺激は神経を伝って脳に届き、そのとき初めて情報が脳で理解できるようになるのが通常です。ですがそのプロセスをすっとばして、直接脳に突き刺さってくるようなインパクトの強さと鋭さ、圧巻さが、猪狩くんのパフォーマンスの特徴だと思います。中編ブログ内の「NEW AGE」で、「未知なるEcstasyが欲しいのなら」という歌詞を猪狩くんに歌ってほしいと書きましたが、まさに、彼は今までに感じたことのない刺激をくれます。EXシアターで初めて「fence」を見て、才能のビックバンを目の当たりにしたときの興奮が忘れられません。控えめに言って、投資させてほしい程の大天才。
JUMPと全然関係なくなりますが、19歳になった猪狩くんの「今夜はブギー・バック」(KREVAカバーVer.希望です。)が見たい。「心変わりの相手は僕に決めなよ」って歌って、他担をめちゃくちゃ悩ませてほしい。そんなことされたら私は速攻心変わりしてしまうかもれない…またスリーピース着て歌ってください。
改めて。以上、20選でした。
私はとにかくJUMPの楽曲が大好きです。掛け持ちになる前はJUMPの曲をカバーされることに正直若干の嫌悪感があり、どうせ本家は超えられないよと生意気な視点を持っていました。食わず嫌いみたいなものです。もったいない。
でもHiHi Jetsを知って、HiHi Jetsのパフォーマンスを見て、楽曲をカバーしてもらうことで、その楽曲の新しい魅力を発見できることを知りました。
いつでも勇気をくれるのは自担の笑顔で、憂鬱な気分から救ってくれるのは現場での楽しい思い出です。
そんな思い出のシーンでJUMPの楽曲が流れていたら、JUMP担としても嬉しいことだなと思っています。
それに、彼らのパフォーマンスを見ていると本家へのリスペクトを感じられるので、彼らのことをとても信頼しています。
ここまで20曲分も具体的に妄想しておいてなんなんですが、私が一番見たいのは、彼ら自身が選んだ曲で、彼らの解釈で表現方法を考えて、彼らのやりたいように演出したパフォーマンスです。
もとは誰かの曲でも、楽曲の良さをより高め、そこに自分たちの魅力ものっけて、最高のパフォーマンスを見せてくれるHiHi Jetsのライブが大好きです。
明日からのサマパラで、彼らがどんな“夏”を見せてくれるのか、楽しみでしょうがないです。
ここまで超個人的な妄想にお付き合いいただき、ありがとうございました。
ジャニオタの感想文「HiHi Jetsが魅せた、ニューノーマルエンタメ」
3月21日に結果発表された「ジャニーズ楽曲大賞 無観客現場部門」の8位に輝いたのが、HiHi Jetsのサマパラ*1でした。確かに、HiHiのサマパラは最高のライブでしたが、上位10位以内に食い込んだのには驚きました。複数グループでの公演を抜きにしたら、嵐、Sexy Zone、V6、Travis Japanに次ぐ順位でした。
これは一部のジャニオタによる非公式のイベントの結果なので、ジャニオタの総意ではありませんが、HiHi Jetsのファンからの支持に加えて、他グループのファンからの評判もあったからこそ、ここまで上位にあがってきたのだと考えています。*2
HiHiのサマパラに寄せられたコメントを読んでいたら、そうそう!それそれ!と深く共感できるものばかりで、去年の夏に感じたアツさを思い出しました。私自身も投票時にコメントを書きましたが、いいところがありすぎて書きたいことの1割も書けなかったように思います。天才パフォーマー集団であるHiHi Jetsのライブを一言二言でまとめるなんて無理でした。*3
だから書きます。ライブが開催されてから8ヶ月も経っているタイミングですが、HiHi Jetsのライブについてまだまだ語りたい自分の欲を満たすために。あわよくば、100年後に「HiHi Jetsはいかにして伝説のアイドルグループとなったのか」という彼らの伝記を書こうと思い立った方の手助けになれば、なんてことも企みつつ。
悲しいことにライブの映像が円盤化されておらず公演を見直すことができないため、主に雑誌のライブレポートと自分の記憶をもとに書くので、所々記憶違いがあったら申し訳ありません。HiHi Jetsのライブが大好きなので、美化しまくっているかもしれない。
あの最高だったライブを伝承しなければと謎の使命感に駆られた、とあるオタクの感想文です。
HiHi Jetsのふたつの配信ライブを見て、私は今までに見たことのない新たなエンターテイメントを知ることができました。
そしてやっぱりHiHi Jetsのライブは最高だった。
“配信ならでは“のSummerParadise
2020年8月18日~20日に無観客、配信形式で開催されたHiHi Jetsの「SummerParadise2020」は、優斗くん曰く「2020年の春に開催するはずだったライブ*4のセトリをもとにしつつ、各曲に普通のライブじゃできないことを組み込んだ」*5ライブでした。ジャニーズ楽曲大賞のサイトに寄せられたHiHiのサマパラに対する感想*6でも、”配信ならでは”というフレーズが目立つように思います。
HiHiのライブを見ていない方は一体どんな最新技術を使ったのだろうと思うかもしれませんが、最新テクノロジーは一切使っていません。*7
じゃあ何が“配信ならでは”だったのか。
個人的に感じた“配信ならでは”な点は、
毎公演変わるセトリ、画面上に映像を被せる演出、視覚的なイリュージョン、メンバーカメラ、曲の繋ぎ方の5つです。
【毎公演変わるセトリ】
3日間で8公演行われましたが、8公演全てセトリが違いました。日替りで曲が変わる部分が2ヶ所、回替りで変更が起きる部分が2ヶ所あり、1公演22曲の枠に対して5曲余分に準備していました。*8加えて、瑞稀くんのソロ曲はファン投票企画によって決まるため、合計で5ヶ所も日替り・回替りの演出がありました。*9
今までもHiHi Jetsのライブには回替り要素がありましたが、今回特に日替り・回替り部分が多かったのは、配信ライブだと何回も見てくれる人が多いだろうから、そんな方を少しでも飽きさせないように*10という彼らの心意気によるものでした。(そもそも1時間半の公演が1,500円で見られて、たとえ全ステしても12,000円という破格に安さなのに….サービス精神が旺盛すぎる…)
また、自分たちのモチベーションや緊張感を保つためにも変則的な演出を多めにしたのではないかと私は予想しています。彼らはどんなライブも妥協しない、HiHi ストイック Jetsなので。
事前にISLAND TVで日替り・回替り演出があるよと予告されていたので、1公演目を見終わって流れが把握できた後でも次に何が起こるかわからないドキドキ感が2公演目以降もあって、全8公演とも新鮮な気持ちで楽しむことができました。
セトリが変わるということは必然的にカメラワークや照明の演出も変わるわけで。彼らには一緒に仕事をする大人を説得して巻き込む力があるとも言えますが、HiHiのやりたいことを実現してくれるスタッフさんたちにとにかく感謝です。いつもありがとうございます。
【画面上に映像を被せる演出】
猪狩くん作詞作曲のソロ曲「Klaxon」、メンバー紹介ラップ「だぁ~くねすどらごん」、瑞稀くん猪狩くんのユニット曲「ENTERTAINER」(作詞作曲はTHE GARRY)で、映像や歌詞を画面上に被せる演出がありました。映像を被せることでより曲の世界観が濃いものになっていたし、(字幕ではなくあくまでポップな映像効果的に)歌詞が表示されていることでラップ詞も聞き取りやすかったです。
そして、「ENTERTAINER」を見ているときに超個人的に面白いことが起きました。
Aメロで瑞稀くんが銃を模した手を左上に向かって振り上げるシーンがあり、その手銃に合わせて画面の左上にヒビが入る映像が被せてありました。
私のスマホ、横置きにするとちょうど左上の位置の液晶が割れちゃってるんです...
瑞稀くんの手銃と被せてある映像と実際の液晶のヒビが見事に重なり、一瞬ですが立体的な演出が起こって、まるで瑞稀くんの銃で私のスマホに本当にヒビが入ったような瞬間がうまれました。
ふたりのエンターテイナーが放った銃弾によってできた傷だと思うと、このヒビが入ったスマホに愛着が沸きはじめて未だに機種変更できていません。
スマホでライブを見ていたらこんなことも起きるんだなと、配信ならではの体験でした。
【視覚的なイリュージョン】
誰が見てもわかりやすく“配信ならでは”を感じられる、映像マジックが起きたのが「Roller RAP BGM」です。
ここは優斗くん・涼くん・作間くんのユニット曲と日替りコーナーを繋ぐ、ローラーパフォーマンス(+猪狩くんのラップ)の部分です。画面上にふたつの場所で踊っている映像を並べて映し出すことで、ふたつの映像の繋ぎ目である真ん中の境界線部分から急に人が出てくるというイリュージョン的な演出をしていました。
ライブ前半の「Peak(KAT-TUN)」「BUTTERFLY(KAT-TUN)」でも使っていた円形の電飾バー*11を使ったパフォーマンスだったのですが、初めて見たときは何が起きているのか全くわからず、理解できたときはアハ体験並みのすっきり感がありました。というかHiHiのライブ自体がアハ体験の連続。だから面白いんだろうな~。
ふたつの映像の境界線がぴったり繋がっているので、仕組みがわかった後に見ても純粋に楽しめました。ローラーを履いているからこその、境界線から滑り出てくる動きがよりイリュージョンぽさを高めていたように思います。
そして、このイリュージョンは人間の思い込みも利用したからこそよりインパクトがあったのではと考えました。
半円形のものをふたつくっつけることで、ひとつの大きな円形の電飾バーがつくられているのですが、「Peak~BUTTERFLY」のときには円形の状態でしか登場しません。つまり初見の段階では、半円形ふたつでひとつの円形になるという情報は得られないため、ステージ上にあるのは円形の電飾バーがひとつという認識になります。
ところがライブ終盤の「Roller RAP BGM」ではつなぎ目がないはずの円形電飾バーの中心からいきなり人が出てくるため、大がかりなイリュージョンが起きているように感じたのではないかと考えました。
トリックは単純なものですが、電飾バーを見せる順序や使い方を工夫して、生の現場では実現不可能な演出がされていました。
【メンバーカメラ】
ライブ終盤の「Oh Yeah!(嵐)」では、メンバーが持つハンディカメラの映像を写す演出がありました。メンバーが撮影しているので自然と至近距離の映像になり、わちゃわちゃ感も増し、より5人の雰囲気を感じられました。また、カメラマンという存在を通していないことから、5人の姿を直接見ている感覚に近くなりました。
そしてこの演出は後述するJohnny’s Jr. Island FESにて更にグレードアップします。
【曲の繋ぎ方】
配信ライブだから、場面転換や曲の繋ぎに映像を挟むことが自然に出来そうですが、映像で繋ぐことが1度もなかったことが逆に良かったなと感じました。*12誰かのソロに入る前は前の曲のアウトロを伸ばして他の4人がフリーダンスで繋いだり、順番にソロでのローラーパフォーマンスをしている間にそれぞれが衣装チェンジして次の曲に繋いだり、小MCやコントで繋いだりと、画面上に誰かしらの姿が映っていたことで、集中力を切らすことなくHiHiのライブに没頭し続けられたように思います。
生の現場だと目の前のパフォーマンスに2時間でも3時間でも集中し続けられますが、自宅で画面を見続けるだけだと集中力が途切れがちになってしまうと思います。途切れることなく誰かしらが常にパフォーマンスを続けていたことで、自然と目が離せなくなる構成になっていたように思います。
それから、配信終了の仕方もとても工夫されていたなと思いました。
アンコール曲の「Eyes of the future」を歌い終わって配信終了かと思いきや、5人が「お疲れさまでした~」「今日も楽しかったね~」と会話し始め、終演後の姿が配信され続けてしまっていたという設定のプチ茶番が始まります。その後改めて一言挨拶をして、作間くんがカメラの電源を「ポチっ」と押す仕草をしたのと同時に配信が終了します。
配信終了の瞬間まで配信だから成立する演出にしており、且つ急に画面が消えて一気に現実に戻ってなんだか寂しい…みたいな気持ちにならないようになっていました。
ライブ終盤の挨拶で猪狩くんは「この配信ライブは現場の妥協でつくっていない。」と言っていました。
1曲たりとも妥協策だと感じるものはなかったし、有観客でライブができなくなって半年のタイミングで行ったライブとして最適解だったと思います。
いつもの現場だとひたすら自担をおいかけるような視点でライブを見ているので、もっと自担にフォーカスして見たくなるかなと思いきや、そんな思いが湧き上がることもありませんでした。ソロ曲に加えてユニット曲もあり、要所要所でそれぞれのメンバーのパフォーマンスを堪能できる時間がしっかりある構成だったのも大きい気はしますが、ひとつひとつのカメラワークまで含めて彼らのエンターテイメントだと思い知らされたからだと思います。
瑞稀くんのソロ曲投票企画があったことで、「お客さんと一緒につくる」HiHiのライブらしさはそのままに。
何度も見てくれる人を飽きさせない構成にするというHiHiのライブの軸もそのままに。
特別なテクノロジーも、最新のライブ配信プラットフォームも使わずに、配信形式でしか堪能できないパフォーマンスの連続で。
配信形式だけど、現場とこちら側の距離感をなるべく感じさせない工夫に溢れていて。
そんなHiHi Jets初の“配信ならでは”なライブでした。
テクノロジーとエモのバランスが絶妙だったJohnnys‘Jr. Island FES
そろそろHiHi Jetsのライブが見たいなと思っていた秋頃、2020年11月28日~29日に「Johnnys‘ Jr. Island FES」が配信形式で開催されました。HiHi Jetsは7 men 侍とJr.SPと一緒に28日の公演に出演しました。複数のグループが一緒になってパフォーマンスする曲は少なかったですが、対バン形式っぽいのがまたこの3グループっぽいなとも思いました。まあ感染対策上そうするしかないのかもですが。
夏のとんでもない傑作ライブを見て、HiHi Jetsへの期待値がかなり上がっていたのですが、やっぱり彼らは余裕で超えてきた。秋のライブも配信の面白さに溢れていました。
7 men 侍とJr.SPのパフォーマンスも好きでしたが、私はHiHi担なのでHiHi Jetsのパートについてのみ言及します。
【ピックアップメドレー】
5人のうちの誰かひとりがピックアップされる実質ソロ曲だけど、HiHiの他のメンバーがバックダンサーで出るメドレー*13です。
曲目と演出内容を簡単にまとめます。
「Fence」
猪狩くんソロで他の4人が総出でバックについていました。全員スリーピースをかっちり着こなし、瑞稀くんはハットをかぶり涼くんは足下で扇子をひらひら舞わせ、映像がモノクロになり、黄金の拡声器をもった猪狩くんがラップをぶちかます、最上級に治安の悪いパフォーマンスでした。画面越しでも失神しそうなくらい最高でした。
「明日の記憶(嵐)」
白いグランドピアノを弾き語りする作間くんのソロ。「fence」で着ていた黒いジャケットを脱ぎ、爽やかな白シャツ姿の他の4人が作間くんの伴奏に合わせて情緒的に歌います。世界観の変わりようがエンジェルフォール*14の落差並。Fenceとは真逆の世界観になり、作間くんの爽やかさがより際だっていました。
「生活(仮)(King&Prince)」
ピアノを弾き終わった作間くんがカメラの前に手を出すと、 “手乗り瑞稀くん”が登場して始まったのが瑞稀くんソロです。メンステにいる作間くんとセンステに移動した瑞稀くんの遠近法を利用した演出でした。白いコートを着てステージを歩き回りながら他のメンバーから1本ずつお花を手渡されていく瑞稀くん。花束を持ってニコニコで美声を披露する天使でした。
「Love meee(藤ヶ谷太輔)」
椅子を使ってかかえきれないほどの色気を纏いながらのパフォーマンスだった涼くんのソロです。メガネまでかけちゃって色気の大洪水だし、こういう曲を歌う涼くんは天下一品。バックダンサーは猪狩くんと作間くん。ベスト姿で踊る末っ子シンメも最高すぎて沼底で溺れていたので記憶がほとんどありません。
「シャレオツ(SMAP)」
スタンドマイクに貼り付けたレトロポップな「シャレオツ」のロゴを指さして、爽やかアイドルスマイルで始まった優斗くんソロ。こだわった小物をしっかり見せられるのも配信の利点ですね。ここまでの怒濤のパフォーマンスで受けた衝撃で脳が立ち直っていないので記憶が曖昧ですが、「全然問題ない~♪」と歌う優斗くんを見ながら、最高すぎて問題だらけなんですが…とうなだれていたことは覚えています。優斗くんの雰囲気と楽曲の相性がとても良かったです。
という感じで、確か1曲2分前後くらいの尺でソロ曲がメドレーされていくのですが、曲が変わるとちゃんと曲の世界観に合わせて衣装まで変更していて、配信だからできたノンストップ感だったなと思います。
要は、画面に映っている部分以外はバックステージになるため、外周を全力ダッシュで移動すれば瞬間移動したようにも見せられるし、ステージ上で着替えることもできます。センターステージとメインステージと外周をぐるぐる移動しながらパフォーマンスしていたので、きっと映っていないところで移動しながら着替えてパフォーマンスしてまた着替えて…とめまぐるしく動いていたんじゃないかと予想しています。
【360°カメラ】
優斗くんのソロが終わり、SMAPの楽曲「living large」が続きます。サマパラではハンディカメラを使ってメンバーならではの距離感が感じられる演出がありましたが、その進化版が360°カメラを使ったこの演出だったと思います。
ローラースケートでステージ上を駆け回る様子を、パフォーマンスする本人が自撮りカメラで撮影しているようなアングルの映像でしたが、自撮り棒が存在していないのでVR映像のようでした。おそらくこのシリーズのカメラを使用して、事前収録したものだったのかなと予想しています。
ローラーで滑るスピード感は今までの現場では体感することができなかったし、足元の細かいステップも前方の席じゃないと見えない場合がありましたが、自撮り形式にすることで生の現場よりもっともっと近い距離感で彼らのパフォーマンスを見ることができた演出でした。ソーシャルディスタンスをとるための配信形式なのに、結果的にクリエの最前よりも近い距離で彼らのパフォーマンスが見れてしまったのです。
サマパラとFESの二つの配信ライブ内で使われたテクノロジーは360°カメラだけだと記憶しています。
いろんなアーティストが配信ライブをしていて、使用するテクノロジーも様々ですが、でもだからといってライブを見るファンは最新テクノロジーを体感したいわけではないと思います。配信でしかできない演出を求めすぎてテクノロジー演出を見せることが目的になってしまうのは違うと考えています。あくまで、テクノロジーは見せたいものを表現するための手段です。
雑誌で「ローラーで走り回るのはステージ映えするけど、ひとりひとりの顔が見えない」*15と涼くんが話していました。360°カメラは、ローラーのスピード感とひとりひとりの表情どちらもしっかり伝えることができるHiHiにぴったりのテクノロジーだったし、ローラーを履くHiHi Jetsだからこそ使えた技だったように思います。見せたいものを伝えるひとつの手段として最新技術を使いこなしていたパフォーマンスでした。
【ハイテク風ゴーグル】
360°カメラを使った「living large」に続く「Go Higher(赤西仁)」では、ウィンタースポーツで使うようなごつめの黒いゴーグルをつけた状態で5人がメインステージに立っていました。もちろんローラースケートも履いています。
いつものライブと違ったのは、彼らが客席のほうを向いて立っていたのでなく、客席に背を向けメインモニターに向かい合う形でパフォーマンスし続けたことです。そうすることで、メインモニターに出てくるリリック映像をゴーグルに反射させて、まるで映像が流れてくるハイテクゴーグルを付けているかのような見せ方になっていました。(電光掲示板ヘルメットをつけたHey!Say!BESTと共演してほしいけど、HiHiのほうがスタイリッシュでおしゃれだな…)
いつもの現場では、客席に背を向けてパフォーマンスするなんて考えられませんが、無観客で、視聴者の視点を自在にコントロールできる状況下だからこそできた演出でした。
ゴーグルをつけることで視界が悪い中、ローラー履いて英語詞を歌って、ハイレベルなことをしているのに、(ゴーグルつけているから表情はわからないんですが)涼しい顔で パフォーマンスしている姿がとてもかっこ良かったです。
演出が凝っていたのはもちろんですが、「living large」のあとに「Go Higher」を持ってきたのがめちゃくちゃ尖っていて最高だなと思いました。「Go Higher」は英語詞だったので、公演を見ている最中は歌詞の内容が理解できなかったのですが、というかパフォーマンス見るのに精一杯で歌詞の内容までは把握できないのが常ですが、公演後に本家の「Go Higher」を聞いて歌詞の内容を理解した時に、この曲順にしたHiHi Jets末恐ろしいと思いました。
「living large」は、トップに立ったものにしかわからない苦難を歌った曲だと私は捉えたのですが、それでも、
カベだらけの日々だけど
月並みな人生送るより
光めがけ to be a child again
(「living large」の歌詞より抜粋)
と歌った後に、
俺たちは止められない
俺たちには天から与えられた使命があるんだ
(略)
より高いところへと導くんだ
(「Go Higher」/「#JUSTJIN」の歌詞(和訳)カードより抜粋)
という曲を歌うのが、HiHi Jetsです。トップに立っても驕らず腐らず、より高みを目指すって意思だと解釈しました。
【万華鏡】
確か「Go Higher」の終盤あたりからこの演出が起きたように記憶しています。
メインステージに大きな鏡がいくつか出てきて、HiHi5人を囲うように配置されていきます。そして鏡の檻に閉じ込められた5人を上から覗き込むようなアングルの映像になり、HiHi5人がオブジェクトになった巨大な万華鏡が出現します。
彼らが履いているローラーには鏡の破片のような飾りがたくさんついており、キラキラな世界が画面いっぱいに広がっていたように記憶しています。大きな鏡で囲う、光の反射を多く複雑にするためにローラーにも鏡をつけるという単純な仕組みだけど、やってることはチームラボでした。
鏡で囲っているため上から覗き込まないと堪能できない演出で、これもまた通常のライブではできない演出でした。
曲が終わり、HiHiを囲っていた鏡が開いて炎の特攻があがって次の「FIRE!!(Kis-My-Ft2/北山くん・藤ヶ谷くん)」に繋がっていたはずですが、曲名のFIREに合わせてめちゃめちゃ特効出してもらえていて、できる演出の幅が着実に広がっていることが実感できて嬉しかったです。
ピックアップメドレーから「FIRE!!」まで怒濤のスピードで上記の演出が繰り出されていくので、ただ画面を見つめていただけなのに頭がくらくらしました。一応ペンライトも用意して見ていたのですが、圧倒されすぎてペンライトを振る余裕がなかった。ジャニーズ楽曲大賞に寄せられたコメントを読んでいたら*16、「fence」が衝撃的でその後の記憶が曖昧ってコメントがあって激しく同意しました。ライブを見て目が足りないと思うことは常だけど、HiHi Jetsのライブは脳も足りなくなる。
夏のサマパラを経て、1シーズンでこんなに進化できるのかと思うほどグレードアップした配信ライブでしたが、ひたすら圧倒されただけでなく“エモさ”に溢れたライブでもありました。
今回のFESでは各グループの新曲が初披露されるというサプライズがあり、HiHi Jetsの新曲「ドラゴンフライ」*17は計3ヶ所あったHiHiだけのパフォーマンスコーナーの最後に披露されました。その後、メロディーはHiHi Jets(曲)だけど歌詞が違う「HiHi Jets to the moon」、7 men 侍とJr.SPとフレッシュJr.も一緒に歌う「HiHi Jets」(通常とは違う歌詞+通常Ver.歌詞の計2曲分)と、「HiHi Jetsメドレー」が続き本編の配信が終わります。
「HiHi Jets to the moon」と通常とは違う歌詞Ver.の「HiHi Jets」を披露したのは久しぶりだったようで、当時見たことのある方にとってはめちゃくちゃエモかったんだろうと思っていますが、歌っている本人もエモくてリハで泣きそうになっていたようです。*18今回が初見だった私でも、新曲披露からの「HiHi Jets」3連続の流れにはぐっときました。
配信に特化した演出をしようとするとテクノロジー特有の冷たさがあったり、現場と視聴者の距離を感じてしまったりしそうですが、画面越しでもこんなに熱量が伝わってくるものなのかと驚きました。いつもの現場で感じていたとんでもないものを目の当たりにした充実感も、生で受けたらしばらく放心状態になってしまう程の5人の熱量も、そのどちらも感じられる、テクノロジーとエモのバランスが絶妙な温かみのある配信ライブでした。
ふたつの配信ライブに共通することですが、HiHi Jetsのライブには必ずある振付師さんによるプロデュース曲目があります。
サマパラでは「Peak~BUTTERFLY」が該当します。*19なので、同じ電飾バーを使用した映像イリュージョンの演出も振付師さん考案かもしれません。それから、FESでの「living large」の演出も同じ振付師さんによるものです。*20
その振付師さんがすごいことは大前提ですが、振付師さんのプロデュース演目を入れると決めているのはHiHi本人達の意思です。カバー曲のセレクトセンスもあるしライブの構成力もあるし、オールセルフプロデュースでもものすごく面白いライブをつくりそうな彼らですが、振付師さんによる演出を必ず入れるのにはちゃんと理由があります。
「ジャニーさんから教わった、「(HiHiの)ファンじゃない人も驚くようなものをつくらないとダメ」という考えを大事にしていて。でも自分たちだけでは自分たちがやりたいことに偏るから、振付師さんによる完全プロデュースコーナーを設けている」と猪狩くんが話していました。*21
これだけの実力があっても自分たちのことを過信しすぎずに客観的な視点を持てる冷静さと、第三者の視点を取り入れ続けることができる聡明さにあっぱれです。
冒頭で他のグループのファンからの支持もあったからランキングで上位に入れたと書きました。サマパラが「ジャニーズ楽曲大賞 無観客現場部門」の8位に入ったことで、この第三者の視点を取り入れて、それがいろんな層の人を魅了する一因になったことが証明されたと私は捉えています。
You達、結果出してるよ…!!!!!
先が読めない不安定な世の中でもそんなことは関係なく、コロナ禍もソーシャルディスタンスもものともしないどころか、この状況も生かしてパフォーマンスを進化させていく彼らは、ニューノーマル時代を先駆けるエンターテイナーになるかもしれません。
それくらい大きな期待を寄せたくなるライブでした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
残念ながらサマパラもFESも円盤化される望みは薄いですが、裏側の様子はYouTubeにあがっているので是非見てみてください
HiHi Jets【舞台ウラ】「Summer Paradise 2020」5人の夏…軌跡と本番
HiHi Jets【ジャニーズJr.のフェス舞台裏】ローラーとスケボーのコラボで感動!!
最高を更新しつづけるHiHi Jetsのライブの評判が、いつか月まで届きますように。
*1:正式名称「SummerParadise2020 俺担ヨシヨシ自担推し推し緊急特別魂」
*2:各グループのファンがどの公演に投票したかがわかる集計結果はこちらです。いつも細かいデータを公開してくださる運営の方に感謝です。グループ別現場ランキングジャニーズ楽曲大賞2020 (j-award.net)
*3:どうしても一言で表現しなければいけないとしたら、「百聞は一見にしかず。」いいからとにかくHiHi Jetsのライブを見てくれ。見ればわかる。
*4:2020年3月22日~4月5日に開催予定だった単独ライブ「ども、只今ご紹介にあずかりましたHiHi Jetsです。さあ楽しいゲームが始まります。それはつまり祭。例年の如く夏祭りでございます。え?3月は春だって?HiHiわかりましたよ…じゃあ Dooooon! 裸の少年 春祭り」
*5:週刊TVガイド2020.09.25号より引用
*6:無観客現場部門第8位 SummerParadise2020 俺担ヨシヨシ自担推し推し緊急特別魂【HiHi Jets】 ジャニーズ楽曲大賞2020 (j-award.net)
*7:電飾バーの光り方の仕組みがわからないので本当は断定するべきではありませんが、おそらくこの電飾バーは有観客でやるはずだった公演のために既に用意されていたものではないかと予想しており、“配信ならでは“という観点から考えると無関係なので、強気な表現にしました。
*8:瑞稀くんはファン投票用に4曲も用意していたので、厳密に言うと8曲分プラスアルファで準備していたことになります。
*9:DanceSQUARE Vol.40を参照していますが、たくさんのHiHi担がセトリの詳細をまとめているので詳しく知りたい方は検索してみてください。
*10:DanceSQUARE Vol.40 の猪狩くんと作間くんの対談より
*11:サマパラ裏側動画の冒頭8秒目あたりで映っているやつです。
*12:ジュニアだから特別に新しい映像をつくってもらうことができないという裏事情があるのかもしれないけど。
*13:週刊TVガイド 2020.12.04号の対談内容より引用
*15:SODA 2021年5月号の対談より要約
*16:無観客現場部門第14位 Johnnys' Jr. Island FES【HiHi Jets・7 MEN 侍・Jr.SP・他ジャニーズJr】 ジャニーズ楽曲大賞2020 (j-award.net)
*17:猪狩くんと作間くんが主演したラジオドラマ「オートリバース」の主題歌で、原作者の方が作詞です。オートリバース|特設ページ|中央公論新社 (chuko.co.jp)
*18:12月1日の猪狩くんの伝記より
*19: DanceSQUARE Vol.40の猪狩くんと作間くんの対談より
*20:週刊TVガイド 2020.12.18号猪狩くんの個人インタビューより
*21:週刊TVガイド 2020.12.18号猪狩くんの個人インタビューより
ジャニオタの小論文「JUMPが語り始めた音楽とは」後編
前編では、Hey!Say!JUMP 8枚目のアルバム「Fab! -Music speaks.-」のコンセプトの秀逸さや、マーケティング策について考察しました。
前編で、マーケティング次第でJUMPの楽曲が広まりヒットにつながる可能性があると書きましたが、本当にヒットするかはわかりません。でも、ヒットしなかったらこのアルバムは失敗だったということにもなりません。
なぜなら、今作を機にJUMPの楽曲を聞く人が少しでも増えてJUMPの世界観に好意を寄せてくれる人が少しでも増えれば、必ず次に繋がっていくからです。
では、今作を機にJUMPのファンになってくれた人や既存ファンを掴み続けるには?
後編目次
中長期ファンベースの施策
10月22日に「smash.」というアプリのリリースがあり、アプリの本格提供の第一弾として選ばれたアーティストがJUMPでした。*1メディアリリースでの謳い文句がSNSやネット上でのコンテンツを提供していなかったJUMPのオンライン発解禁であり、サービスの特徴がお気に入りのシーンをSNS上で共有できるというものだったので、私はてっきり新規ファンを獲得するための施策だと思っていました。
ところが詳細を見てみると、課金が必要な有料コンテンツでした。月額550円という金額は、JUMPのファンなら安いと感じるかもしれませんが、ちょっとJUMPに興味がある層にとってはなかなか出せない金額ではないかなと思います。だってジャニーズの全タレントのブログが読める「Johnny’s web」ですら月額330円なので。
これじゃあ新規ファンはなかなか増えないのではと思っていましたが、このアプリをリリースしているSHOWROOMの前田さんがラジオで語っていた内容を知ったときに見方が変わりました。smash.は、同じ趣味を持っている人達が集まれる場所、JUMPを好きな人達が集まる場所を作っているということで、新規ファンではなく既存ファンをメインターゲットにしたものであると理解しました。
そう考えるといろいろと合点がいきます。
現在アルバムのサイトで収録曲が視聴でき、PVも見れるようになっていますが、「Fab-ism」のバーティカルMVだけはsmash.でしか見ることができません。JUMPのことを熱心に好きな人たちしか見れないコンテンツというだけで特別感があるうえに、公開されているMVの内容は、ファンタジーでファビュラスな世界で最高の顔面の8人がわいわいしているという、きっと多くのJUMPファンが大好きなもので、もうファンのJUMPに対する信頼感は爆上がりな状態です。
また、smash.のTwitterアカウントでJUMPの新しい動画の公開予告がされていますが、つぶやかれるヒントから出演するメンバーを読み解くような形になっていました。
前編で述べた理論まで戻りますが、これも「美的アハ」に該当すると思います。
#JUMPinsmash #smash #HeySayJUMP #はさまれ予告 #redandblue pic.twitter.com/Ua6JhNslI2
— smash. (@smash_media_jp) 2020年10月27日
#JUMPinsmash #smash #HeySayJUMP #はさまれJUMP #はさまれ予告 #23時58分 pic.twitter.com/EwiJ0SLtVb
— smash. (@smash_media_jp) 2020年11月10日
しかもちょっと考えればわかるようなものではなく、既存ファンでないと知らないような情報を元に作成された謎解きになっている点はかなりコアなファンに向けたものだと言えます。
文献によると、内輪ネタはそもそも限られたネットワークの中で理解し合うものであり、内輪ネタは個性的な趣味を持つ人たちが帰属意識を持つ仲間、あるいは少々カルト的な集団の、結束を強める動きをする(*A)ということなので、radとblueが意味するのはどのコンビか、深夜0時前の大都会の写真から連想されるのはどのコンビかなど、SNS上で考察し合ったり動画を見て答え合わせをすることで、JUMPへの興味や愛着を沸き起こさせていると考えられます。
この内輪ネタに該当するものがもう一つあり、それはTwitterの公式アカウント、○○ぷぅ(@wolpuu_official)の存在です。
前作のアルバム「PARADE」のときに突如誕生した“ウルぷぅ”に続き、「Fab!」の情報解禁時に生まれ変わって誕生したのが“ファブるぷぅ“です。言葉遣いが謎だしサイトのURLもちゃんと貼れないし、公式マークがついていなかったら*2とても公式とは思えない感じのアカウントなので*3、JUMPファンですら最初は半信半疑でしたが、しばらく更新がお休みになるというお知らせがされたときのツイートには1,700件以上のコメントが寄せられるくらいJUMPファンから愛される存在になっています。*4
公式のわりにツイートの内容が独特なので正直これでいいのか...?と思うこともあったのですが、参考にした文献に答えがあったのでその内容を引用したいと思います。
(略)
重要視している企業でも、「拡散担当」くらいに思われているところがあるが、情報過多なこの時代において、特にSNSをヘビーに使っている生活者が「企業からの一方的な拡散」に注意を払うことはほとんどない。
SNS担当者が重要なのは「日々の愛着を強められるから」である。
毎日、いや、もしかしたら毎時毎分、ファン(SNSを活用している発信力が高い層の中のファン)と接して、愛着を強めることができる存在なのだ。
(略)
みなさんは、優れたSNS担当者が、なぜ、毎日「おはようございます」とか「こんにちは」とか「今日もおつかれさまでしたー」とか投稿し、ゆるい投稿でファンやユーザーや通りすがっただけの人と絡み合うか、意味がわかっているだろうか。
彼ら、彼女らは、日々、苦心しながら、そういう愛着を作っているのである。
くり返すが、単なる企業からの一方的お知らせを発信するのが彼らの仕事ではない。SNS担当者は、他に代えがたい愛着を作ってくれている貴重な存在なのだ。
(「ファンベース」P132-133 “SNSという接点は、毎日の「愛着」をもってもらうために超重要”という小見出しより)
そっか...ぷぅの中の人も苦心しながら「んPA!」とか「こんにちFab!」とか言っているのかな...いやめちゃくちゃ楽しんでそうだけどな...最近口調が変わっちゃったけど、はしゃぎすぎて偉い人に怒られたかな…
以上のことを加味して、smash.も公式アカウントも、既存のファンに楽しんでもらうことを重要視したコンテンツなのだと私は受け取りました。
smash.の動画を共有したり謎解きをしたり、JUMPの好きなところを言い合ったり共感し合ったり、他の人の意見を聞いて新たな魅力を発見したり、そういう環境があると既存ファンは、SNSや親しい間柄の人とのリアルな場において、JUMPの魅力をどんどん自分の言葉(=オーガニックな言葉*C)で発信するようになります。
ファンになりそうな層の人をJUMPの世界に誘い込むのに一番効果があるのが、このオーガニックな言葉です。興味を引くにはインパクトが大事ですが、愛着を得るには時間がかかるし誤魔化しがききません。だからこそ、本当にJUMPを好きな人達の言葉が、後々重要になってくると考えています。
smash.は期間限定で利用料無料のキャンペーンをやっており公式アカウントも誰でも見られるものなので、入り口は開かれた状態にあります。
入り口まで来てくれた人の歩みを奥のほうへ進めさせるのは、中の世界を知っている人からの信頼できる言葉です。
前編で、「ただ純粋にこのアルバムを楽しむだけでJUMPの魅力を広めることに繋がっていくのです。」と書きましたが、その理由がこれです。今作を心から楽しんで、その楽しい思いが自然とこぼれ出てしまうだけで、JUMPの魅力がバイラル的に広がっていくと考えられます。
ブロードキャスト拡散によって今作の楽曲やパフォーマンスに触れてJUMPのことが気になった人が、バイラル拡散されてきた既存ファンのオーガニックな言葉にも触れることで、熱心なJUMPファンになっていく。
一見、新規獲得に本気を出してきたような単発的施策が目立つ中、掴んだファンは離さないような中長期的な施策も同時に進められていたのでは、というのが私の考察であり、図にすると以下のようになります。
余談ですが、「Fab!」を気に入ってくれた方が映像も見たい!となって手に取る最新のライブDVDが「PARADE」で、JUMPの夢のような世界観の始まりに触れられる流れになっているのが天才だし、もっと見たい!となって次に手に取るライブDVDが「SENSE or LOVE」で、今度はメンバーひとりひとりのパフォーマンスを見れる流れに繋がっていくのが流石にできすぎていて、これからJUMPのファンになる人が羨ましいです。一回記憶を無くして、「Fab!」出のJUMP担になりたいくらい羨ましい。*5
JUMPが語り始めた音楽とは...
今作がヒットする可能性やファンが増える仕組みを考察してきました。
では、「Fab!」を通してJUMPが伝えたいこととは?
参考にした文献に載っていた、いきものがかりの水野さんの言葉を紹介しようと思います。
(略)
童謡や唱歌って、何もメッセージがないようでいて、実は人々の意識をかなり動かしていると思うんですね。ほとんどの人は曲を知っていても、作った人が誰か知らないじゃないですか。でも、子供の頃に何度も刷り込まれた歌って、その人の倫理意識や社会の価値観にすごく強い影響を与えていると思うんですよね。
(略)
『上を向いて歩こう』もそういう曲だと思います。あの曲も、時代を超えて人々の価値観に知らないうちにものすごく大きな影響を与えていると思うんですよ。あの曲を通じて『上を向いて歩く』ということが、いつの間にかポジティブな行為として認識されている。もはや誰もそれを疑っていない。これって本当にすごいことだと思います。
そういうことができてしまうのが『歌の可能性』だと思うんですよね。直接的なメッセージではなく、歌という器を作ることによって、作り手が『こんな世界になってほしい』と思っていることが伝わっていく。僕はそこに可能性を感じているんです。
(「ヒットの崩壊」 P232-233 “「歌うこと」が一番強い”という小見出しより)
この言葉にすんなり納得できたのは、奇しくもJUMPが「上を向いて歩こう」をカバーしていたからです。
雄大な景色や日常の景色をバックに真っ白の衣装を着たJUMPが手話を交えながら歌っている「上を向いて歩こう」のMVを見るたびに、心が浄化されます。この歌で歌われる状況はずっと"一人ぽっち"で春も夏も秋も泣いているのに、不思議と、泣きたくなるような日があっても、なんとか上を向いて歩いていればいいことがあるかもしれないと思わせてくれます。
JUMPが「敵わない大きな存在や 叶わない夢の一つ一つ 無駄なものなんてないよ」*6と歌えば、上手く出来なかった自分も散々な日も肯定してあげようと思えます。「奇跡的に僕たちは絡まって 偶然なんか飛び越えて交わる未来」*7と歌えば、先の見えない明日が来ることも楽しみになります。贔屓目でしかないかもしれませんが、夢と希望を歌わせたらJUMPの右に出るものはいないと思っています。
JUMPのキラキラしたパフォーマンスや心から楽しそうなJUMPの姿を見ると、幸せな気持ちになります。
ファンへのメッセージでよく「昔から応援してくれている人も、最近ファンになってくれた人も~。」という前置きをするJUMPです。コンサートのセトリを組むときも、「マニアックなものだけでなく、初めて来た人も楽しめるように」というのが基本スタンスです。幅広い層に訴えかけられるように、でも既存のファンにも楽しんでもらえるようにと考えられているような今回の施策といい、どんなときも、なるべく誰ひとりとして置いてけぼりにしないようにと考えてくれるJUMPの優しいところが大好きです。
世界中の人がJUMPの世界を知ってくれたら戦争だってなくなるんじゃないかと思うくらい、私から見たJUMPの世界は優しさと愛に溢れています。
昨年末の「ABUソングフェスティバル」では、音の聞こえない人や世界中の人が歌詞を理解できるようにという意図で、国際手話を交えて「上を向いて歩こう」を披露していました。歌唱後に裕翔くんは「国や地域が違っても音楽でひとつになれるってすてきですよね」と英語で挨拶していました。
去年行った台湾公演や紅白歌合戦でも「上を向いて歩こう」を歌っていました。
私の想像ですが、世代や言語を超えて自分達の思いや世界観を伝えることができる「歌の可能性」を身を持って感じたことも、今作のコンセプトに繋がっているのかもしれないと思いました。
Where words fail, music speaks.
-言葉にせずとも、音楽が語りだす-*8
Hey!Say!JUMPの音楽が多くの人に届きますように。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考文献
どれも面白かったので軽く紹介しておきます。ちなみに著者や出版社とは何の関係もないのでステマではありません。笑
*A)「ヒットの設計図」著:デレク・トンプソン
過去のいろんなヒットの仕組みや人間の心理が知れて面白かったです。メタ的な視点も得られそう。
*B)「ヒットの崩壊」著:柴 那典
音楽業界の流れがよくわかる。音楽チャートが意味することとか、大型歌番組のこととかも知れて面白かったです。
*C)「ファンベース」著:佐藤 尚之
具体的なマーケティング策やいろんな企業の施策例が載っていて興味深かったです。
ジャニオタの小論文「JUMPが語り始めた音楽とは」前編
2020年10月12日、YouTubeに3本のPVがアップされました。
それぞれ異なる覆面アーティストのPVでしたが、3本ともどこか聞き慣れた歌声で、うち1本はどことなく見たことのある背格好の8人が踊っているダンスPVでした。
ファンはなんとなくその正体に気づいていたものの続報がないまま、今度は謎のカウントダウンが始まりました。
カウントダウンが0を迎えた11月11日に、Hey!Say!JUMP 8枚目のアルバム「Fab! -Music speaks.-」の発売が発表され、3本のPVはこのアルバムに収録される曲であること、覆面アーティストの正体はHey!Say!JUMPであることも正式に明かされました。
他にも新しい動画配信アプリのリリースがあったり、YouTubeに最近のシングルのMVがアップされたりと、ここ2ヶ月程の間にJUMP界隈ではいろんなことが起こっています。今までとは違う何かが起こっていて、JUMPが何か大きなことをしようとしている予感がしています。
いくつか本を読んでみたところ、“個人的に感じている予感“が客観的にも証明できそうだったので、彼らは何をしようとしているのか、彼らが伝えたいことは何なのか、について考察しようと思います。
私が読み聞きして得た知見を、最近起きている事象と照らし合わせて考察するだけなので、これから書くことが正しい訳ではありません。ジャニオタの端くれのなんちゃって小論文であることを念頭に置いて、そういう考え方もあるよねくらいのライトな感じで楽しんでもらえたら嬉しいです。(文字数は全然ライトじゃないけど…)
前編、後編に分かれますが以下のような流れになっています。
前編
後編
・中長期ファンベース施策
・JUMPが語り始めた音楽とは…
・参考文献の紹介(本文中の*A~Cは引用した文献の番号で最後にまとめて書きます。)
JUMPが語り始めた音楽とは…?
アルバムのコンセプトと美的アハ
アルバムコンセプトと露出の仕方(=マーケティング)から、今作をJUMPのファンだけでなくより多くの人に聞いて欲しいという意思を感じました。
まずアルバムのコンセプトから考えていきます。
Hey!Say!JUMP 8枚目のアルバムである「Fab! -Music speaks.-」のコンセプトは、音楽と童話のコラボレーション。音楽とおとぎ話をかけあわせ、“Fantasy”と“Fabulous”が詰め込まれた新しい世界。
加えていろんなアーティストさんに楽曲提供もしてもらっているかなり豪華なアルバムで、コンセプトを提案したのは伊野尾くんです。*1
いろんな仕掛けがあって、ポップでちょっと毒っ気もあるかわいくてスペシャルなサイトです!
アルバムを手にとってもらうには、楽曲を聴いて"好きだな"と思ってもらうことが大前提です。特にJUMPのファンでない人にお金を出して、(デジタル配信やサブスクが主流の今の時代に)わざわざCDを買ってもらうなら尚更です。
では、人はどういうものに惹かれるのか?
顔の良さ!!!と言いたいところだし、
JUMPの顔の良さで人々の求心力を掻き立てられたらいいのですが、 “顔の良さにお金を払おう”作戦はジャニオタ以外の人に通用しないと思われるので正攻法でいきます。
今回参考にした文献(*A)の内容を要約してこの問いに答えると、
・単純接触効果としても知られているように、人の好みはなじみ感から生じる。
・そして、なじみのあるものを好むというのは普遍的ではあるが、大人になるにつれて好みは多様化していく。
・人は驚きを与えられたい一方で、心地よさを望んでいる。
つまり、新しい魅力もありながらなじみ感を得られるものに人は惹かれると言えます。
そして、今作のコンセプトはこれらを見事に網羅していました。
11月14日の「らじらー!サタデー」内での「おとぎ話ってたくさんあってみんなが知っている」という伊野尾くんの発言がまさに多くの人が感じ得るなじみ感に該当します。
そして、たくさんあるおとぎ話をテーマにいろんなアーティストさんに楽曲を提供してもらったことは、好みの多様性に応えられることになっています。
また、既存のJUMPファンは、楽曲提供してくださったアーティストさんの世界観が混ざった新しいJUMPの魅力を感じられ、アーティストさんのファンはJUMPのファンタジーな世界観、夢のある世界観を新たに感じてもらえるようになっています。結果的に、あらゆる人になじみ感がありつつも新しい世界を見せられるようなコンセプトになっているといえます。
ただ、アーティストコラボ企画はここ数年JUMPが取り組み続けていたことで、全く新しいことではないかもしれません。また、ひたすらJUMPだけを追っている人に対しては思ったほど刺さらない可能性もあります。*2ですが、露出の仕方(=マーケティング)でその可能性を限りなく低くしたと考えられます。
同じ刺激を繰り返し与えられると「なじみ感」の効力は急減するため、人の心を捉え続けるには、なじみ感の中に解決できそうな謎を混ぜることが効果的で、それがヒットにつながる。そして、見慣れないものからなじみを覚える驚きを得た瞬間のことは「美的アハ」と呼ばれており、私たちはこの瞬間を非常によく好む(*A)とされています。
この“解決できそうな謎”、JUMP担は心当たりがあると思います。
突如YouTubeに動画をあげた3つの覆面アーティストの頭文字を並べるとHSJになり、Hey!Say!JUMPを表しているのでは?というあれです。
JUMPの面影がありつつも、今までに見たことのない体験したことのない露出の仕方に心を掴まれたファンは、もっと謎を解きたくなって歌詞考察をしたり、繰り返しPVを見て自担の存在や声を探したりしたのではないかと思います。*3
私たちはJUMPが仕掛けた謎から、しっかり美的アハの快感を得てまんまとこのムーブメントにのめり込むことになったと言えます。
まあ、本望なんですけどね。
それから、いろんなアーティストさんとのコラボはマーケティング面でも効果的だと思います。
そんなこと誰でもわかるって感じだと思うので、具体的な事象と数字を例に挙げて実際どれだけ効果的かを考察したいと思います。
バイラル拡散とブロードキャスト拡散
情報の広がり方には、バイラル拡散とブロードキャスト拡散があります。
2020年に入って私たちに新たな生活様式を強要し現場まで奪った新型コロナウイルスのように、指数関数的に広がっていくことをバイラル拡散といい、一つの情報源から多くの人が同時に情報を得るメカニズムをブロードキャスト拡散といいます。(*A)
ネットやSNSでの情報はバイラル的に広がっていくように見えるし、実際私もそうだと思っていましたが、大きなヒットが起こるには、1対1でつながる瞬間(=バイラル拡散)が100万回あったのではなく、1対100万の瞬間(=ブロードキャスト拡散)が何回かあったからと定義されていました。(*A)
ブロードキャスト拡散の例を挙げると、2012年に日本の至る所で流れており、その後伊野尾くんが山本美月ちゃんと共に主演を務めた映画「ピーチガール」の主題歌*4にもなった、カーリー・レイ・ジェプセンの「Call Me Maybe」は、ジャスティン・ビーバーがTwitterで賞賛したりYouTubeに動画をあげたりしたことによって世界中に広まり、大ヒットに繋がったといわれています。(*A)
また、きゃりーぱみゅぱみゅがYouTubeにあげたMVをケイティ・ペリーがTwitterで紹介したこともあって、彼女は世界中で同時多発的なブレイクをしたといわれています。(*B)
ジャスティンやケイティが何かつぶやくだけで、その情報は一気に1億人のフォロワーに伝わるので一瞬にしてヒットが生まれるのも納得です。
ジャスティン、「狼青年」のPV見てくれないかな~~~
規模は違えど、これらと同様の現象が今作の楽曲にも既に起きています。
YouTubeにあげられた3本のPVのうち、「狼青年」が断トツで再生回数が多いのは(一応正体は伏せられているものの)、本人達が出演しているからだと考えられます。
残りの2本の「ナイモノネダリ」と「千夜一夜」は、ある日まではほぼ同じくらいの再生回数でしたが、現在は「ナイモノネダリ」のほうが100万回以上多く再生されています。公開された日、PVへの本人出演はなし、今話題のアーティストによる提供曲、歌っているのは新進気鋭の覆面アーティスト(という設定)といった条件はすべて同じで、楽曲の質に大きな差があるとも思えないけれど再生回数では明らかな差ができています。その理由は、指原莉乃さんと峰岸みなみさんがTwitter上で(楽曲名は出していないものの)「ナイモノネダリ」のことを話題にあげたからと考えられます。
JUMPのファンがSNS上で情報をRTし合っている(=バイラル拡散)よりも、数十~数百万人のフォロワーを持つ有名人が一度話題にあげる(=ブロードキャスト拡散)だけでこれだけの差ができるので、ブロードキャスト拡散の影響力とスピード力を感じざるを得ません。*5
主にSNSでの事象を挙げて説明しましたが、例えば歌番組への出演もブロードキャスト拡散に該当すると思います。これから歌番組への出演が続くので、どこまでインパクトを与えられるのかとても楽しみです。
それと、今後はやはりYouTubeでの露出が欠かせなくなってくる時代なのだろうなと思います。
このことから、
・楽曲をヒットにつなげるにはブロードキャスト拡散が有効であること
・楽曲がヒットするかどうかは、楽曲の質ではなく、マーケティング次第であること
がわかると思います。
そして、1対100万の規模まではいかなくても、1対数万~数十万のブロードキャスト拡散が自然と複数回生まれる形式になっているのが、今作のアーティストコラボです。
CDの売り上げが上がれば、楽曲を提供してくださったアーティストさんの報酬も増えます。当然、アーティストの方々は自分が持っているネットワークに今作のアルバムの情報を流します。そうすると、それぞれのアーティストさんのフォロワーに一気に情報が拡散されます。
ですが、すべてのフォロワーが興味をもってくれるとは限りません。
では実際どれくらいの人に情報が伝わっていて、今作を手にとってもらえる可能性があるのか?
パレートの法則を利用して算出してみたいと思います。
パレートの法則とは、「20:80の法則」とか「ニハチの法則」とも呼ばれていて、様々な事例に当てはめられる法則です。ビジネス的には「全顧客の上位20%が売り上げの80%を生み出している」といったように使われています。(*C)
これを今回は「フォロワーの内20%程の人が、売り上げの80%を支えるほどの熱心なファンで、且つ情報を追ってくれる層でもある」と仮定します。
参考にした文献(*c)によると、この熱心な20%のファンの内の20%(つまり全体の4%)が、ブランドの価値を強く支持するコアなファンと定義されていたので、そのまま引用して、「フォロワーの内4%程の人が今作の情報を熱心に追ってくれ、実際に手にとってくれる層」と仮定します。
これを数式にすると以下のようになります。
各アーティストさんのフォロワー数の合計 × 20% = 情報を追ってくれる人数
各アーティストさんのフォロワー数の合計 × 4% = アルバムを手にとってくれる人数
今回のアルバムの目玉として名前があがっている6人のアーティストさんのフォロワー数*6をあてはめて実際に計算すると、
情報を追ってくれる人数 = 約68.6万人
アルバムを手にとってくれる人数 = 約13.7万人
となります。
前作「PARADE」の初週売り上げが18.9万枚*7で、この数字は既存のJUMPファンによってつくられており今作も同じくらいの数字が期待できると仮定し、さらに上記のアルバムを手にとってくれた人が1枚ずつ購入してくれると仮定して、その数字を合算すると、
18.9万 + 13.7万 = 32.6万
となり、シングルでもなかなか超えられない初動30万枚を超える可能性が考えられます。
もちろんこれは極論なので、実際はなかなか難しいかもしれませんが、今回は通常盤の特典にミニライブの視聴券が付いていて既存ファンが複数購入する動機付けがしっかりあることからも、初動と数字を上げたいという運営側の意思を感じます。
ちなみに、累計正味出荷枚数が25万枚を超えるとプラチナディスク、50万枚を超えるとダブルプラチナディスクに認定されますが*8、JUMPの過去作の最高位はプラチナです。
なぜ数字にこだわるのかについて少し書くと、消費者の中には人気があるからという理由で商品の購入を検討する層もいるからです。(*A)
初週売り上げ○○枚!とか、再生回数○○回!と聞くと、そんなに良いなら聞いてみたいと興味を持つ傾向がある*9から、数字にこだわるのだと思います。
デビュー以降○○作連続首位といった記録にこだわっているのも、“継続して人気がある”ということを印象づけられるからだと考えられます。
ただし、客単価をあげたいなら、今回のように生産者(アーティスト)側から働きかけるべきであってファン同士で強要し合うものではないという認識でいるので、数字を上げるためにたくさん購入しましょう!と言いたいのではありません。
伊野尾くんが「めざましテレビ」や「らじらー!サタデー」でアルバムのコンセプトを語っていたときに頻りに言っていたのは、“いろんな人に聞いて欲しい”ということでしたし、JUMPはランキングで1位になりたいからもっと買ってねといった直接的なことをファンに言ってきたこともないように思います。*10
これは完全に私の妄想でしかないのですが、使えるお金が限られている層(たとえば中高生)のファンが無理して追加購入するよりも、まわりにこのアルバムを正しく*11薦めてくれたほうがJUMPは嬉しいのではと思います。その結果、JUMPの楽曲を聞く人が増えることに繋がるからです。
もちろん、いいアルバムだったし数字に貢献したいからという自分の意思で、追加購入することも素敵なことだと思います。その売り上げがあるからまた次のアルバムが制作でき、ライブの開催にも繋がっていくからです。正直、私も全形態+ミニライブ視聴のための追加分の計4枚が限界なので年収上げたい...
追加購入して直接数字に貢献することも、まわりの人に薦めてアルバムの存在を広めることも、等しくJUMPの思いに応えることになると思っています。*12
ラジオで単純接触効果を狙う
じゃあ具体的にどうやって広めていくのか?
私は今回、“ラジオにリクエストを送る“ことを頑張ってみようかなと思っています。
ラジオにこだわる理由はいくつかあります。
1.今でもラジオの発信力は重要であり、実績があるから。
前述した「Call Me Maybe」の話で、ジャスティンが最初に「Call Me Maybe」を聞いたのはラジオだったとされています。(*A)
今ではJUMPの楽曲に欠かせない最重要クリエイターの辻村有記さんと髙木くんが出会ったのもラジオでした。*13また、JUMP自身の楽曲で実績もあります。最新シングルの「Your Song」がラジオオンエアチャートの3位にランクインしたという記事があり、チャートインした楽曲はセールスにも結びついていると分析されていました。*14
ビルボードジャパンチャートのよくある質問の中でも、ラジオは重要な指標と書かれており*15、音楽に触れる機会が多様化している現在でも、ラジオは一定の発信力を持ち続けているといえます。
2.JUMPの歌声に純粋に注目してもらえる媒体がラジオであり、ラジオを聞く人が増えているから。
YouTubeに覆面で動画を上げた理由が「めざましテレビ」で説明されており、JUMPとしてではなくアルバムの世界から飛び出したような存在として表現したかったから、ということでした。この思いを、“Hey!Say!JUMPという存在を意識せずに楽曲に触れてみてほしい“と解釈すると、覆面アーティストの正体やアルバムの詳細が明らかになっている今、純粋に楽曲自体に注目してもらえる媒体がラジオになると思ったからです。
またコロナ禍でラジオを聞く人が増えていたり*16、ラジオの価値向上に向けて民放連とradikoの共同プロジェクトが立ち上がっていたり*17と、ラジオ市場が盛り上がってくる予感がしているからです。
ラジオを積極的に聞いている人の中には、まだ出会ったことのない楽曲に出会いたいという好奇心を持っていることも考えられます。そんな人とJUMPの楽曲が出会ってくれたら.....コロナのせいで例年通りの現場がないのなら、いっそこの状況を逆手にとってJUMPの魅力を広める機会にしてやろうという魂胆です。
楽曲がラジオでオンエアされる回数が増えることは、JUMPの歌声に触れる人の母数が増えるということであり、JUMPの歌声になじみ感を持つ人が増えるということでもあります。冒頭の理論に戻りますが、なじみ感は好みに繋がります。
そして、アルバム発売までまだ1ヶ月もある時点で「狼青年」「ナイモノネダリ」「千夜一夜」の3曲がラジオでフル解禁されました。このプロモーション策の意味を考えるなら、ラジオでの単純接触効果を狙っているということなのかなと思います。
途中持論も挟みましたが、以上のことから、
・「Fab!」のコンセプトは、しっかりとした世界観を保ちつつも多くの人に聞いてもらえる可能性も秘めていること。
・マーケティング次第でJUMPの楽曲が広まり、ヒットにつながる可能性があること。
が言えると思います。
ただ、これは結果論です。伊野尾くんのアルバムに対する思いを知ればわかることですが、なじみをもってもらいたいからおとぎ話をコンセプトにしたわけでもないし、ブロードキャスト拡散させたいからいろんなアーティストさんに楽曲を提供してもらったわけでもありません。
これまでの活動を通して、JUMPは夢のような世界観が持ち味だという価値観にたどり着いたことから出てきたであろうコンセプトであり、ここ1~2年間で取り組み続けたアーティストコラボの実績、JUMPにアーティストさんの期待に応えられるくらいの歌唱力があること、なによりJUMPと各アーティストさんの間に信頼関係ができているから、今回のアルバムが実現したのだと思っています。
13年活動してきた今のJUMPだからつくることができたアルバムが「Fab!」なのだと思います。
では、今作を機にJUMPのファンになってくれた人や既存ファンを掴み続けるには?
「Fab!」を通して彼らが伝えたいこととは?
後編に続きます。
*1:私の自担は天才です。
*2:そもそも万人受けするものなんて無いし、あったとしてもつまらないことがほとんどのような気がしますが...
*3:今私がこのブログを書いていることも、美的アハの快感に動かされているからです。
*4:実写『ピーチガール』 主題歌はカーリー・レイ・ジェプセン | ORICON NEWS
*5:SNS上での拡散が無駄と言っている訳ではなく、あくまでヒットさせるにはという視点から見た場合の見解です。バイラル拡散も重要で、そのことは後編に記述します。
*6:2020年11月23日時点、個人のアカウントのみをカウントしています。
*7:
11/11付週間アルバムランキング1位はHey!Say!JUMPの『PARADE』 | ORICON NEWS
*8:
一般社団法人 日本レコード協会 Hey!Say!JUMPで検索するとこれまでの認定されたディスクを一覧で見ることができます。
*9:数字は“人気”を表しているだけであって、決して“良い”とは言ってないのだけど、なじみがある=良い、人気=良い、という思い込みが起きているのだと思います。
*10:そういう手法をとる方もいるとは思いますが、その方を否定しているわけではありません。
*11:SNSやYouTubeに音源や映像を流すのは正しくないし、犯罪ですよという意味を込めての表現です。
*12:じゃあ、そのどちらもしないファンはJUMPの思いに応えていないのか?というと、それも違います。詳しくは後編に記述しますが、ただ純粋にこのアルバムを楽しむだけでJUMPの魅力を広めることに繋がっていくのです。
*13:髙木くんが辻村さんの楽曲を有岡くんに薦めてソロ曲をつくってもらったことを機に、毎リリース、楽曲を提供していただいている状況です。今作にも3曲も提供してくださっています。
*14:
BTS遂に首位へ、Hey!Say!JUMPがTOP3入り、オンエアが好セールスに直結した曲多数【エアモニ】 | Musicman
*15:
【Billboard JAPAN Chart】よくある質問 | Special | Billboard JAPAN
*16:
新型コロナ:在宅勤務でラジオ聴く時間増加 ビデオリサーチ調査: 日本経済新聞
*17:共同企画TOMORROW PROJECT「ラジオっていいね」キャンペーンアンバサダーはジャニーズJr.のHiHi Jetsです。こちらもご贔屓よろしくお願いします。
https://news.radiko.jp/article/edit/46330/amp/?__twitter_impression=true
アイドルと私
伊野尾くんの記念すべき30歳のお誕生日に寄せて。
6月は梅雨でじめじめしているし、連休のない月だから憂鬱だなと言う人もいるけれど、私は6月が大好きです。
だって、伊野尾くんのお誕生日がある月だから。
確かに、湿気で髪の毛がうねるのは嫌だけど、紫陽花がきれいだし、雨の匂いも好きです。
いつもは、6月になるともうすぐお誕生日だとアピールしてうきうきな伊野尾くんだけど、今年は30代になるのが少し不安なのか、いつもとは違う心持ちなのかな?
大丈夫だよ。
30代になっても、きっと伊野尾くんは伊野尾くんらしく進んでいくんだろうなって思うよ。
伊野尾くんと出会って、たくさん幸せな気持ちにしてもらって、いろんなことを教えてもらって、私の世界も大きく広がりました。
伊野尾くんを好きになったばかりの10代の頃、東京に行きさえすれば伊野尾くんと付き合えるんじゃないかって大きな勘違いをしてたこと、苦いけどいい思い出です。(笑)
少し年上で聡明で綺麗な顔をした伊野尾くんのこと、あこがれの先輩みたいな感覚で、異性として素直に好きでした。
今だって感情が高ぶるとふざけて、結婚して!と呟くけれど、役所に届けを出したい訳でもないし、指輪の交換をしたい訳でもないんだよね。
伊野尾くんのことが大好きだけど、異性に対する好きだけでもないし、こんな人になりたいなという憧れだけでもないし、いろんな感情が複雑に混ざっていて、どんな好きか、自分でもいまだによくわかりません。
よくわからないけれど、伊野尾くんを好きなことは、もう私のアイデンティティの一つだし、伊野尾くんは私の人生においてかけがえのない人です。
伊野尾くんはよく、Hey!Say!JUMPのメンバーとは特殊な関係といった話をするけれど、アイドルである伊野尾くんとファンである私の関係性もすごく特殊だなと思います。
1対1で顔を合わせることなんてこの先もないんだろうけど。
私はアイドルとしての伊野尾くんしか知らないけど、伊野尾くんのことがとても大切で。
伊野尾くんは私の存在すら知らないだろうけど、ファンのみんなは最大の味方だって言ってくれて。
お互いの存在があってはじめて成立する、不思議な関係だなって思っています。
よくわからないことが不安なのか、人はすぐいろんなことに名前をつけようとするけれど、私は、一言では形容できないこの関係性が好きです。
このまま、よくわからないままでいいような気がします。
明確な答えがなくて、なかなか解けない問いって魅力的じゃない?
恋愛なんかの枠に収まる二人じゃないのよ*1って歌ってるから。
そゆこと そゆこと そゆこと
一言では言い表せられない関係があることを身を持って知れたから、多様性に対して寛容でいられて、いろんな視点を持てるようになった気がします。
それからもう一つ、伊野尾くんがくれた関係性があって。
それは同じく伊野尾くんやJUMPのことが好きな人たち、つまり同担と呼ばれる方たちとの関係です。
お互いに本名も年齢も職業も知らないから、“友達”だと言うと普通は理解されないのかもしれない。
だからやっぱり“友達”というジャンルではないのかもしれないけど、私はこの関係も大好きです。
人は社会的な生き物だから、家や仕事場とは別の居心地のいい第三の場所、サードプレイスが必要らしいです。
私のサードプレイスはどこだろうと考えたとき、オタクのコミュニティかもしれないと思いました。
Twitterを開けば、各々が好きなアイドルの話をしていて、嬉しいことがあればお祭り騒ぎをして、悲しいことがあっても慰め合えて。
私はジャニオタをやってる自分が好きだけど、そうでない人からは偏見を持たれることもあるから、ジャニオタであることはあまり公言していなくて。
だから、ジャニオタの自分をさらけ出しても肯定してくれるコミュニティがあることはとても幸せです。
本当は人見知りだけど、いろんな人と仲良くなってみたくて自分から声をかけたこともあります。(まだびびってるから正直回数は少ないけど…)
伊野尾くんを好きじゃなかったら出会うことはなかった方との関係があって、人生って面白いなと思います。
伊野尾くんのファンもJUMPのファンも素敵な方ばかりで、思いがけない出会いをくれた伊野尾くんにも感謝しています。
これから先、伊野尾くんにも素敵なご縁がたくさんありますように。
あと、いつからか覚えていないけれど、伊野尾くんが幸せだといいなって思うようになりました。
きっかけがなんだったかもわからないから、具体的なエピソードは語れないけど、たとえ自分が隣にいれなくても、大好きな人には幸せでいてほしい気持ちってこういうことなのかなって思いました。
伊野尾くんと出会っていなかったら、そんな感情を理解できるようになるのはもっと先になっていたかもしれません。
もしかしたら理解できないまま、利己的な考え方しかできない大人になっていたかもしれません。
伊野尾くんを好きになったことで、一歩も二歩も大人になれたような気がします。
いつでも、きっかけや原動力は伊野尾くんの存在です。
伊野尾くんを好きになったことで、今の私があるような気がします。
ステージで歌って踊っている伊野尾くんが好きです。
メンバーと顔を合わせて楽しそうに笑っている伊野尾くんが好きです。
ファンのことを想って行動してくれる伊野尾くんが好きです。
でもなかなかファンサはくれない伊野尾くんも好きです。
ピアノを弾いてる伊野尾くんが好きです。
大学で学んだことを活かして建築のレポートをする伊野尾くんが好きです。
大学の時の友達を大切にしている伊野尾くんが好きです。
共演者さんやスタッフさんからも愛される伊野尾くんが好きです。
容姿を褒められたら両親のおかげですと答える伊野尾くんが好きです。
思い出も一緒に消えてしまいそうでなかなかものが捨てられないと言う伊野尾くんが好きです。
ラジオで涙ぐみながらお便りを読んだ後に泣いてないですと強がる伊野尾くんが好きです。
つらかった話より楽しかった話をしたいと言う伊野尾くんが好きです。
“変わらないこと“を大事にしている伊野尾くんが好きです。
30代になることに少し不安になっちゃって、その感情も素直に出してくれる伊野尾くんが好きです。
伊野尾くんの好きなところ、まだまだたくさんあって挙げ出したらキリがないよ。
アイドルになってくれてありがとう。
いつもたくさんの幸せをくれてありがとう。
伊野尾くんも、幸せでありますように。
そして、30歳のお誕生日おめでとうございます。
先のことはわからないけれど、
きっとこれからも伊野尾くんのことが大好きです。
欲しいものは生まれ変わっても
ずっと君の笑顔だけ
伊野尾くんと出会えたことは、
私の人生において最大のサプライズです。
これからもどうぞよろしく ね
ジャニオタの小論文「あの夏に見た"HiHi Jetsらしさ"の正体とは」
HiHi JetsをHiHi Jetsたらしめているものとは何か。
彼らのライブを見ると
そこに1つの答えが見えてくる。
TVガイドAlpha(2019年5月発売のVol.21)に掲載された、HiHi Jetsのライブレポート*1の一節です。
(以降、要点以外はHiHi Jetsのことを略称してHiHiと表記します。)
初めてHiHi Jetsのライブを体感した後、ライブが終わってしまった寂しさよりも、何だかとんでもないものを見たという満足感で満たされていました。
知らない曲があってもそんなの関係なくただひたすらに楽しいし、一瞬も飽きる暇がない。HiHi Jetsのライブをきっかけに知らなかった楽曲自体も好きになってしまう。
それは去年のサマステ*2を見た時も同じで、先輩方の楽曲もまるで自分たちの持ち歌かのようにパフォーマンスするHiHi Jetsはすごいなと思っていたものの、ずっと漠然としたままで、その凄さを説明できずにいました。
(2019年夏の一番の思い出。永遠に覚えていたい最高の夏をありがとう~!)
2ヶ月程前にたまたま、「Yellow Gold Tour 3011」のDVDと出会いました。
赤西くんの「Yellow Gold Tour 3011」には、HiHiがサマステで披露した曲が収録されています。
本家のライブを見たら、"HiHi Jetsらしさ"の答えに繋がるヒントが見つかるかもと思い購入しました。
あと、サマステがきっかけで赤西くんの楽曲もよく聞くようになっていたので、純粋に本家も見てみたかった。
ですがなかなか見る時間が取れず、頭の片隅に置きっぱなしになっていました。
昨今の状況から自宅にいる時間が増え、やっと再生したのが10日程前のことでした。
1曲目に「Yellow Gold」、2曲目に「Christmas Morning」と、HiHiがサマステで披露した2曲が続きます。
私が今まで見てきたジャニーズとは一線を画すような、赤西くんの圧倒的な世界観。赤西くんのパーソナルなことはほとんど知らないけれど、自分のやりたいことを貫いている印象を受けました。
早々にお目当ての曲目が終わってしまうので、その後は他のこともしながらBGM的に見ていたのですが、中盤を超えたあたりで聞き覚えのある音が流れてきてハッとしました。
.....HiHiの太鼓のインストだ!!!!!
「Yellow Gold」も「Christmas Morning」も、その2曲を繋いでいたインストまでもが赤西くんの「Yellow Gold Tour 3011」に入っているということは、HiHiはこのライブを見て、サマステで披露した太鼓パフォーマンスをつくったのではないか、という気づきがありました。
と同時に、漠然と感じていた"先輩の楽曲も自分たちのものにしてしまうHiHiのパフォーマンス力"の正体が見えたような気がしたので、サマステの太鼓パフォーマンスはいかにしてつくられたのか、そしてそれを可能にした彼らの力は何なのか、について考察します。
前置きが長くなってしまいましたが、結論から言うと
HiHi Jetsの太鼓パフォーマンスは、赤西くんの「Yellow Gold Tour 3011」を再構築してつくられたものだったと仮定すると、
その再構築力こそが、既存の楽曲も"HiHi Jetsらしく"魅せられるパフォーマンスにつながっている。
と私は考えました。
【目次】
仮説の設定
HiHi Jetsの太鼓パフォーマンスは、赤西くんの「Yellow Gold Tour 3011」を再構築してつくられたものだった。というのは、前述のとおり、このライブから3曲も引用されているであろうこと、似通った演出があることを理由に立てた仮説です。
このライブを見ただろうと推測するHiHi担の方も多く、正直ほぼ確実だろうなとは思いますが、今のところHiHi Jets本人達から「Yellow Gold Tour 3011」のDVDを見たといった趣旨の発言はないため、事実はわかりません。(もしあったらご一報いただきたいです。)
何かのタイミングで明かされるかもしれませんが、公演が終わってからもう1年近く経っているので、今後一切明かされない可能性のほうが高いと思っています。別に明かす必要もないしね…。ホラ種明かししないほうが夢があるし、妄想力広がるし、シンプルに楽しめますよね?*3
なので、あくまで仮説です。
それから、これは専門家でもなんでもないただのジャニオタのなんちゃって小論文なので、そういう考え方もあるよねくらいのライトな感じで楽しんでもらえたら幸いです。当然のことですが、彼らのパフォーマンスのどこを見るか、何を感じるかは個人の自由だと思っています。
そもそも彼らの凄さはパフォーマンスを見ればわかることなので、言語化する必要だってないもので...。
だけど、HiHi Jetsやばい…って思いが限界にきたのでアウトプットします。
3つのプロセス
先輩の楽曲、つまり既存の楽曲を使用してパフォーマンスする際には、3つのプロセスがあると考えました。
一部異なりますが、これらの記事を参考にして私なりにそのプロセスを定義づけしたので、HiHiの再構築力を考察する前に、再構築に至るまでの流れを説明しようと思います。今回は、ジャニーズJr.がデビュー組の楽曲を使用するパターンを想定しています。
https://www.kikakulabo.com/column-rikai-bunkai/
(ハガレンの例えが出てくるあたりです。)
https://toyokeizai.net/articles/-/41573?display=b
(後半のスターウォーズとレゴブロックの例えが出てくる部分です。)
3つのプロセスとは、理解、変換、再構築です。
まず、理解について。
言葉通り、楽曲を聞いたり本家のパフォーマンスを見たりして、その楽曲がどのように構成されているのかを理解する段階です。楽曲をそのまま利用して、ダンスも本家と同じような振りで披露している場合、この段階に当たるように思います。
本家をまるまる模倣することで、身をもってその楽曲を理解することができる利点があり、また、例えば普段とは違う振り付け氏さんがつくった振りを完コピすることで、新たな表現方法を学べる利点もあるかと思います。その他、歌い方であったり、人数が異なるグループの模倣の場合はフォーメーションの組み方も勉強になったりするのではないかと思いました。
つまり、自分たちの表現の幅を広げていくことが主な目的になると考えました。
楽曲がどう構成されているかが理解できたら、次は変換です。
楽曲を構成している要素を一度バラバラにして、例えば曲尺だったり振りだったりを変更した後、それらを再び組み合わせる段階です。ソロの曲をグループでやったり、逆にグループの曲をソロでやったりすると必然的に変更しないといけない部分がでてくるので、その場合もこの段階に該当すると考えています。
つまり、既存のものをベースに、今まで自分たちが身に付けてきた知恵や技術を足して、オリジナリティを出すことを目的にしている段階だと考えました。
オリジナリティの出し方がわかり、自分たちが魅せたいイメージに更に近づけたいとなったら、再構築です。
本家にはない要素を持ってきたり、逆に本家の要素を差し引いたりして、下図のように本家の形から大胆に変化させることが可能になる段階です。自分たちらしさを前面に出すことを大きな目的とする段階です。
ただし、再構築は一気に組み合わせの自由度が増すため、最終的にどういうイメージにしたいのか、何を見せたいのかがはっきりしていないと、上手くまとまらない可能性もあります。
それさえはっきりしていれば、つくりたい世界観に合った楽曲を選ぶという、逆算の手法もできるようになると考えています。
以上のように、3つのプロセスを便宜上"段階"という表現で定義しましたが、これらは階段状に繋がっているのではなく、個人的にはグラデーションのようなイメージでとらえています。
なぜかと言うと、オリジナリティがどれだけ加えられているかは見る人によって感じ方が違うため、主観的に3種類に分類することは横暴だと思うからです。
その例えとして、2019年5月10日放送回の少クラで披露された7men侍の「BANGER NIGHT(本家:Hey!Say!JUMP)」の話をしたいと思います。私は7men侍に関してはニワカなので、JUMP担としての立場から感じたことを元にしています。
(私はHiHi一族でもありJUMP担でもあります。)
7men侍は、本家がMステで披露したときの曲尺のものを使用して、本家とは異なる振り付けでパフォーマンスしていました。振りを変更した経緯についてはこの動画で知ることができます。
(残り時間2:40あたりからの話です。)
要約すると、本家の振りをかっこよく踊るのは難しくて勝てないから、自分たちで新しく構成を考えたということでした。*4
それだけ聞くと、客観的には変換の段階ととらえることになるのですが、間奏で琳寧くんのド派手なアクロバットが入っていたり、曲終わりにメンバーが連なって7をつくっていたりと、本家にはない7men侍のオリジナリティが加えられていると感じたので、私はかなり再構築よりのパフォーマンスだと思いました。
先ほどの図で表すとこのあたりに位置するイメージです。
もし仮に7men侍の武器であるスケボーが加わっていたら、スケボーの要素は誰がどう見ても本家のJUMPにはない要素なので、客観的にも再構築ととらえることができると考えています。
ただ、先ほどの動画内で「いつもはスケボーやバンドをやっているけど、7men侍は踊れるんだぞってところが見せられた」と琳寧くんが話していたので、あえて完全な再構築にしないことで、新たな一面をアピールするという目的が果たせていたのだなと感じました。
自分たちの魅せ方の選択肢が増えるので、上手く再構築ができることは良いことではあります。
ですが、高度な再構築ができれば他より優れているという訳ではありません。
それぞれのプロセスにはそれぞれの目的があると述べました。
つまり、7men侍の例のように、表現したいことや果たしたい目標に合わせて、どれだけ自分たちの色を加えるかを見極めることが重要だと考えています。
HiHiの太鼓パフォーマンスにおける再構築
ここまでに、
・既存の楽曲をパフォーマンスするには、理解、変換、再構築の3つのプロセスがあること
・目的に合わせてオリジナリティをどれだけ組み合わせていくか見極めることが重要
ということを説明しました。
そして、ここからやっと本題です。
HiHi Jetsの太鼓パフォーマンスは、赤西くんの「Yellow Gold Tour 3011」を再構築してつくられたものだった。という仮説を考察していきます。
本家の「Yellow Gold Tour 3011」は、2011年に開催された赤西くんのライブです。その時はまだジャニーズ事務所に在籍されていたので、今でもジャニーズJr.が楽曲を使用できるのだと思います。
私が購入した初回限定盤Aには赤西くんのインタビュー映像も付いていて、このライブの構成やコンセプトについて知ることができました。
私なりに要約すると、
・フューチャリスティックなコンセプトで3011年からやってきたクルーたちのライブ
・"人を愛したロボット"をコンセプトにしたラップを書いていて、それをライブのオープニングスピーチに発展させた
・その世界では、ロボットは人を愛せない設定になっているけれど、芯がないルールに疑問を抱いているロボットくんの心の声から始まる構成
・ひとつの映画になるようなつくり方をしたライブ
ということらしく、
サングラスをかけてロボットのような赤西くんが登場し、電子音のような声で1曲目の「Yellow Gold」、続けて2曲目の「Christmas Morning」を披露しています。
一方、HiHiの太鼓パフォーマンス部分ですが、雑誌*5では"演出コーナー"と名付けられ、5つのパートで構成されています。
これまでに判明している引用元や赤西くんの「Yellow Gold Tour 3011」を見て今回気付いたことを対応させると、以下のようになります。
M12.(演出コーナー)
a. Christmas Morning → 赤西くんの「Christmas Morning」(Yellow Gold Tour 3011より)
b. 太鼓inter → Kis-My-Ft2「CONCERT TOUR 2016 I SCREAM」内の太鼓BGM
c. ローラー太鼓BGM → 赤西くんの「Yellow Gold Tour 3011」内のダンスBGM
d. Yellow Gold → 赤西くんの「Yellow Gold」(Yellow Gold Tour 3011より)
e. ローラーダンスBGM → 嵐「ARASHI BLAST in Hawaii」オープニングBGM
ひとつずつ、どのように再構築されたか推測していきます。
曲の解釈についても言及すると終わりが見えなくなるので、今回はなるべく客観的な事柄に絞っていきたいと思います。
【a. Christmas Morning】
・本家同様、歌声には高音のエフェクトがかかっている
・赤西くんと同様に、サングラスを着用していて表情がわからないようになっている
・本家のバックダンサーと同様に、白を基調としたメタリックな装飾がある衣装を着ている
・赤西くんのロボットのような動き(で楽器を演奏している)を、ロボットダンスで引用している
・本家より曲尺が短くなっている
・本家にはない、ローラーを履いて歌うという演出の追加
・本家の「Christmas Morning」では見られない、ブラックライト(サングラスと手袋が光る)の演出の追加
サマステ開幕前に瑞稀くんが見どころのひとつとして挙げていた曲目*6で、ブラックライトで光るサングラスと手袋を着けて、ローラーを履いてロボットダンスをするパフォーマンスです。本家の要素を多く残しつつ、HiHi Jetsの武器であるローラーを組み合わせた演出でした。本家のライブでも所々ブラックライトの演出があるので、そこから引用した可能性も考えられます。
HiHiは、サングラスをかけていることによって視界が悪くなるため、光っている手袋を頼りにかろうじて他のメンバーの位置を把握して踊っていたらしいです。*7神業すぎる。
また、ロボットダンスと言っても、上半身のカクカクした典型的なロボットダンスと、ローラーで滑らかにすべっていく足元を組み合わせていることで、ペッパーくんのような近代的なロボットの印象を受けました。もしかして、今の時代に合わせて"ロボットの概念"自体も再構築した…?と思ったのですが、彼らの年齢を考えると ロボット=ペッパーくん なのは自然なことかもしれないとも思ったので、たぶん私の考えすぎですね。(彼らと年代が違うことを痛感する…。)
ただ、身体の上下で動き方を変えている演出は、瑞稀くんが言っていた不思議な世界にちゃんと繋がっている気がします。
【b. 太鼓inter】
「Christmas Morning」が終わってサングラスと手袋をはずし、車輪の付いた太鼓が出てくる部分です。
先日Youtubeで公開されたKis-My-Ft2の動画内にこの部分の音があり、太鼓パフォーマンスBGMの一部を切り取って使用したと考えられます。
【期間限定】🎤Kis-My-Ft2 WEB FES🎤 / Day 2 : 🔥オラオラ編🔥
(おそらく7:48~8:35の部分です。)
鈴のような音が「Christmas Morning」のエレクトロ感を引き継いでいて、もともと太鼓パフォーマンスのBGMなので太鼓との相性も良く、自然に次に繋がりやすくなっているように感じました。この1分があるかないかで結構大きく印象が変わる気がします。「Christmas Morning」と「ローラー太鼓BGM」をそのまま繋げずに、その間に約1分程の音を差し込んでくる技量は一体何なのか、一体いつ習得したのか、凄すぎて余計に謎が深まります…。しかも全く違うグループのライブから引っ張ってきていて、一体いくつ材料を蓄えているのだろうか…。
本家のKis-My-Ft2もローラーを特徴としているグループですが、本家の太鼓パフォーマンスにはローラーはありませんでした。そしてこのパートから履いていたローラーが光りはじめます。
【c. ローラー太鼓BGM】
・「Yellow Gold Tour 3011」内の11曲目「LOVE JUICE」と12曲目「Paparats」の間のダンスBGMを引用した
・本家より曲尺を短くしている
・太鼓の演出を追加
楽曲のみを引用して、電飾ローラーと日本の伝統の太鼓を組み合わせた、太鼓パフォーマンスの導入部分です。
本家の「Yellow Gold Tour 3011」内には、曲と曲のつなぎになるBGM部分が8カ所ありました。*8これだけあると、次の「Yellow Gold」に繋げられるような音を意図的に選んだと考えられます。ただ、誰かに提案してもらったとかでなければですが。
【d. Yellow Gold】
・「Yellow Gold Tour 3011」1曲目のremixバージョンを引用している
・本家のバックダンサーと同様に、7men侍が長棒を地面に打ち付けて音を足す演出を担っている
・サビを繰り返して、本家より曲尺を長くしている
・本家のサングラスとロボットダンスの要素はなくなっている
・前のパートからの続きで、電飾ローラーと太鼓の演出がメインになっている
洋楽を歌いながら太鼓叩くし、ローラーで滑りながら太鼓叩くし、太鼓も一緒に滑らせながらフォーメーション移動もします。端的に言うと、洋楽×電飾ローラー×日本の伝統です。和と洋、伝統と近未来の融合です。
[ローラー太鼓BGM→Yellow Gold]の流れと演出は2019年のクリエのときにはある*9ので、そこに前後を付け足して拡張させたと考えられます。ただ、クリエのときは電飾ローラーではなく普通のローラーだったので、全く同じ演出ではなく少し変化させています。
それから、「次はこういうことがしたいって常に話している。だからライブが決まったときに、じゃあやってみようとなる。」*10という優斗くんの言葉があるので、この構想自体は2019年のクリエ公演前からあったのかもしれません。そう考えると、四半期ベースでこれだけ進化させてくるスピード感にも納得がいきます。
「Yellow Gold」自体の引用は2018年からやっていて、ジャニーズJr.祭でも披露されていること、優斗くんの「僕らはやっぱりローラー+○○をがんばっていきたい」*11という言葉から、「Yellow Gold」を自己紹介的な目玉の演出にしたいという意志を感じます。だからこそ自分たちの一番の特徴であるローラーと、ジャニーズの伝統でもある太鼓の演出をこの1曲に詰めこんで、ローラーで滑りながら太鼓を叩くというハードなことに挑戦したのだろうと思います。
初めてこのパフォーマンスを見た時に、一気にHiHiの世界に引き込まれました。だって太鼓にもローラーをつけるなんて、普通思いつかない。
【e. ローラーダンスBGM】
・嵐「ARASHI BLAST in Hawaii」のオープニングBGMを引用した(下記の動画の1:40~2:20あたりの音です)
嵐 - A・RA・SHI [Official Live Video]
・本家とはほんの少し曲尺が違うように感じました
Youtubeで「A・RA・SHI」が公開されたと話題になっていたときに嵐もニワカながら見てみたら、ここにも聞き覚えのある音が…!ジュニアに興味を持つようになってから、アハ体験の連続。
本家がライブオープニングで使用していたBGMを使って、それぞれのローラーパフォーマンス披露兼衣装チェンジをし、次の曲の「One Kiss(本家:Kis-My-Ft2)」に繋げていた部分です。
余談で主観的な感想を挟みますが、本家のコンセプトを知った今、改めてこの一連の流れを見て感じたストーリーがあります。
一部楽曲の解釈とはずれますが、
Christmas Morningでは表情すらよめない5体の完璧なロボットだったけど、サングラスを外すことで表情が見えはじめ、心臓が鼓動(=太鼓の音)しはじめ、人を愛したことでロボットたちに血が通いはじめる。全員同じ無彩色の硬そうだった衣装を脱いで、色違いの柔らかに揺れる衣装に着替えたことでそれぞれの個性が色づきはじめ、人間らしい感情が芽生え、ラブソング(=One Kiss)を歌いはじめる。
というストーリーだったら。
もう凄すぎて本当に怖いから私の行き過ぎた妄想であってほしい。2ヶ月近くstay homeしているせいだと思いたい。
"HiHi Jetsらしさ"の正体とは
3つのプロセスを説明した段階で、彼らのパフォーマンスがどの段階に該当するのか主観的には分類できないと述べたので、なるべく客観的な事柄を出して、HiHiの太鼓パフォーマンスがどう再構築されたかを説明しました。
これまでの話をまとめて、一連の太鼓パフォーマンスの構成を図にしてみるとこうなります。
1つの完成された世界感をばらして組み換えて、繋がりを良くするためにさらに他のライブからBGMをひっぱってきて、自分たちのオリジナリティをふんだんに詰め込んで…
本家の要素を生かしつつHiHiのオリジナリティを加えて、形は全く違うものになっていることが一目瞭然だと思います。
本家のライブ映像を見て、HiHiがこの太鼓パフォーマンスに、本家にはない要素を複雑に足し引きしているということがわかったので、HiHi Jetsの太鼓パフォーマンスは、赤西くんの「Yellow Gold Tour 3011」を再構築してつくられたものだった。というのが私の主張です。
そして、HiHi Jetsにはそれを実現するだけの力があります。
そう判断したのは、ライブのつくり方に関してのHiHi本人達の発言が再構築のプロセスに該当していたからです。
雑誌*12の5人での対談を要約すると、
・セットリストを考える時、いつも大事にしているのは、流れと、見せたいところ。
・曲と曲の繋ぎで何か1曲ほしいときに提案するくらいで、個人的にやりたい曲は優先させない。
・グループに合うかどうかで曲を決める。
・お客さん目線のことが多い
・どんなライブであっても、その場を自分たちのカラーにするにはどうしたらいいかを考えて実践している。
ということでした。
また、クリエ公演での涼くんのソロ曲を決める際、涼くん自身がいくつか曲の候補を出しても他のメンバーからなかなかOKが出ず、最終的に「ジャニーズ エロ」という条件で検索して楽曲を探したというエピソードがあり*13、「それくらい5人の考えが統一できているし、それくらい常に話し合えている」*14とも語っていました。
ライブに関する彼らの言葉を拾い集めて実際のパフォーマンスと照らし合わせてみると、面白いくらい言動が一致しているなと感じました。
彼らのライブを見て、彼らの言葉を聞いて、
HiHi Jetsには、
・自分たちのオリジナリティをどれだけ入れるか見極める力
・自分たちのつくりたいイメージに合う曲を選ぶという逆算する力
・自分たちが見せたい世界観を5人でしっかり共有する力
が確かにあると感じました。
その力があるから、パフォーマンスに彼らの意志がしっかりと反映されていて、既存の楽曲でも“HiHi Jetsらしい“と感じるのではないかと思いました。
最後に
貴重な時間を割いて読んでいただきありがとうございました。
前項までに書いてきたことが、現時点で私が見つけた"HiHi Jetsらしさ"の正体です。
HiHi Jetsのパフォーマンスを考察したことで、
既に存在しているものをかき集めて自分なりに組み換えることでも、今までになかったものを生み出すことができる。
新しいものを生み出すにはゼロベースが全てではない。
ということを私自身も知ることができました。
再構築という考え方自体は、音楽やライブの構成に用いるだけでなく、あらゆるものに共通する考え方だと思います。
ファッションも建築も会社の経営も人間関係も、時代の価値観に合わせて再構築されていきます。
再構築は、物事を前進させたり新しいものを生み出したりするのに必要不可欠な力であり、ジャニーさんはHiHi Jetsのこの力を見て、「君たちはもう大丈夫」と言ったのかなとも思いました。
せっかくの単独ライブが休演になってしまいましたが、次の機会にHiHi Jetsがどんなライブを見せてくれるのか、楽しみでしょうがないです。
※5月28日に加筆修正しています。
※残念ながら販売期間は終了してしまいましたが「裸の少年 DVD」のA盤に、このブログでとりあげたHiHi Jetsの太鼓パフォーマンスと7men侍のBANGER NIGHTが収録されています。
*1:「ジャニーズ銀座2019 Tokyo Experience」、通称クリエ
*2:「パパママ一番 裸の少年 夏祭り!」通称サマステ
*3:HiTube概要欄より引用しました。この動画にもHiHi Jetsらしさがたくさん詰まっています。
HiHi Jets【摩訶不思議な日常】ほぼ事実の…フィクションです!?
*4:ダンスが得意な大光くんがそう言うんだから相当なんだろう…JUMPの曲をやってくれてありがとう!
*5:Wink up2019年10月号、POTATO2019年10月号
*6:https://www.tvguide.or.jp/column/cyokusoubin/20190722/01_cyokusoubin.html
*7:POTATO2019年10月号作間くん談
*8:曲目には記載がないけれどチャプターマークがついている箇所をカウントしました。
*9:2019年以前のHiHiライブは未履修なので、それ以前はわかりません…。
*10:TVガイドAlpha Vol.20(2019年5月発売)から要約しました。
*11:MyojoLIVE!2019春コン号より要約しました。
*12:TVガイド 2019年3月27日号、HiHiが初表紙を飾ったときのものです。15000字のインタビューも載っていて、写真も良いのでオススメです。
*13:MyojoLIVE!2019春コン号より要約しました。
HiHi Jetsに歌ってほしいHey!Say!JUMPの楽曲 20選~中編~
「ども、只今ご紹介にあずかりました HiHi JetsとHey!Say!JUMPが好きなジャニオタです。さあ楽しい現場が始まります。それはつまり祭り。例年の如く夏祭り改め春祭りでございます。え?コロナの影響で休演だって?HiHiわかりましたよ…じゃあ Dooooon! HiHi Jetsに歌ってほしいHey!Say!JUMPの楽曲 20選」の中編です!
もともとは18選の予定で、選曲を終わらせてから書き始めたのですが…
前編を書き終わった後に妄想がはかどってしまい、2曲増えました。なので、18選改め20選になり、前編・中編・後編の三部構成に致します…。
シングル、カップリングについて綴った前編(8曲分)はこちら。
今回はバンド形式、ユニット形式で披露してほしい7曲について綴ります。
【目次】
- 9.コンパスローズ
- 10.女王蜂
- 11.TO THE TOP
- 12.Puppy Boo
- 13.トレンディーラブ #REIWA(裕翔くん+髙木くん)
- 14.Dance The Night Away
- 15.NEW AGE
【バンド】
HiHi Jetsにバンド形式で披露してほしいHey!Say!JUMPの楽曲3選です。ちなみに3曲とも、本家もバンド形式で披露しています。春祭りでHiHi Jetsがバンドをするのでは?とわくわくする憶測が出ていたので便乗しました。
私は、
優斗くん:メインボーカル(兼ギター)
瑞稀くん:ベース(兼ボーカル)
涼くん :ギター
猪狩くん:ドラム
作間くん:キーボード
で考えているのですが、いかがですか…?
9.コンパスローズ
・アルバム「smart」収録(2014年)
・「Hey!Say!JUMP LIVE TOUR 2014 smart」(2014年)で披露。
当時23歳の光くんが作詞した、一度聞いただけで頭の中に鮮やかな情景が浮かぶ生き生きとした楽曲です。非現実っぽい中に、急に誰でも共感できるようなポイントをつくるのが好きだ*1と言う光くん。ただ、その着眼点がとてもピュアで少年っぽくて誰もが持てるような視点ではなくて、そんな光くんが書いたからこその爽やかさや清々しさが溢れているような気がしました。
サビの「今君と同じ事を考えているんだよ」というフレーズを爽やかにラフに届けることにこだわって、それを実現させるための言葉選びやメロディの流れを作り上げた、光くんの巧妙さが光る楽曲です。
淡い恋模様も含んだ曲なので光くんの狙いとしては、歌詞中の「君」は異性を指しているのだろうと推測できますが、私は、この曲を歌うアイドルとそれを聞くファンという関係性を想像して聞くのも素敵だなと思いました。ライブ中、MCが始まるともう半分終わってしまったのかと少し寂しくなってしまうし、アンコールのときにはこのまま時間が止まればいいのにといつも思ってしまいますが、アイドル側もそう思ってくれていたら嬉しいなと。1対1で直接言葉を交わすことはないけれど、考えていることは同じだよ、ちゃんと伝わっているよと言ってくれているようで、この瞬間が終わってほしくない気持ちを共有できているようで嬉しくなります。
(1番サビ)
どこまで行こうか 風は止まらない
今君も同じ事を考えているのかな 「帰りたくない」と
(ラスサビ)
どこまで行くの? と君は笑うけど
今君と同じ事を考えているんだよ 「時間よ止まれ」と
しかも、1番は ”考えているのかな” と疑問形だけど、2番とラスサビでは ”考えているんだよ” と断定した表現になっていて、言葉を介さなくても相手がどう思っているのか感じ取れる関係性に発展していくのだなと読み取りました。はっきりと言葉で伝え合わないからこそ、その後の「なんとなく一緒にいよう」という表現に繋がるような気もしました。
無理に逆らったりはせずに流れに身を任せているような疾走感のあるメロディにのせて、「どこまで行くの?と、別れの時間が迫っていることに対する寂しさを隠すように(もしくは、ちょっと呆れながらも)君は笑っているけれど、君と同じように本当は時間が止まってほしいって考えているんだよ」って歌うのがめちゃくちゃロマンチックで、書きながら感情が高ぶってしまい、ついほろりとしました。(注:これは妄想です。)
コンパス、船、地図、空、海、カモメ、帽子と、海賊王を夢見る少年が主人公の某少年漫画を彷彿とさせるワードがたくさんで、JUMPもONE PIECEも大好きなオタクは初めて聞いたときにとても興奮しました。今でもこの曲がアニメの主題歌になることを諦めていません…。すごくテンポもいいしキャッチ―だし、シングルカットもできると思う…。
ちなみに、この曲が収録されているアルバム「smart」は、メンバーが作詞作曲で関わっている曲が5曲も収録されていて、それぞれの言葉のチョイスや楽曲のテイストも様々で、各メンバーの趣味嗜好を垣間見ることができます。しかも全てクオリティーが高くて、いいものは年月が経っても色褪せないという光くんの言葉どおり、今聞いてもかなりの良盤だと思えるアルバムです。3枚目のアルバムだから「smart」のmを縦に置いて ”3” を潜ませたという、伊野尾くんのアイディアも大好きです。
少年漫画の主人公みたいなガムシャラ感、メンバーを引っ張っていく頼もしさが魅力的な、エリート街道 ゴールドタイプの優斗くんを真ん中に。優斗くんを支えるように、その周りを4人のメンバーが囲む構図で演奏して欲しいです。
HiHi Jetsは5人全員に One for All, All for One の精神があると個人的に思っているのですが、特に優斗くんに対する他の4人の ”この人のためにがんばろう” という姿勢が強いような気がします。それが、優斗くんがセンターに立つことが多い理由のひとつかなと考えています。HiHi Jetsは明確にリーダーが決まっている訳ではありませんが*2、チーム全員がこの人のために尽くそうと思える人柄でないと、リーダーやセンターは務まらないと思っていて、優斗くんが真ん中にいることで個性の強い4人がバラバラにならずに強く繋がっていられるのかなと思っています。何かに例えるなら、最も硬く強く輝くダイヤモンドにも、反対に黒く脆い黒鉛にもなる、原子価が4の炭素かな。
10.女王蜂
・アルバム「SENSE or LOVE」収録(2018年)
・「Hey!Say!JUMP LIVE TOUR SENSE or LOVE」(2018年)で披露
ジャズ調のおしゃれなメロディとHey!Say!JUMPでは珍しい女性目線の歌詞で、奔放に生きている女性の欲望、葛藤、後悔をうたった一見甘そうで苦い歌。
「脆弱に生きる蝶じゃない 猛毒と甘い蜜の女王蜂」って歌詞が大好きで、このフレーズに取りつかれています。その理由がふたつあって、ひとつは、曲の世界観とはずれるけれど、
「ステージでキラキラ歌い踊り舞うJUMPは華やかで綺麗で。だけど急に消えてしまいそうな儚さや何かの拍子に壊れてしまいそうな脆さもあってまさに蝶のようなのに、言わずもがな全員が甘いルックスをしていて個々がそれぞれの野望を持っていて、グループになると他を寄せ付けないほど輝いていて。それはもう、一度虜になったら離れられないほどの魅力で、実は猛毒と甘い蜜を持つ女王蜂だった」
ってアイドルであるJUMPそのものを表しているように感じたからです。
もうひとつは、このフレーズを誰が歌うかによって主人公の女性のイメージが変わるような気がしたからです。楽曲を聞きながら、誰がどのパートを歌っているか、その人が歌うことで歌詞にどういうニュアンスがのってくるか、などを考えることが好きなのですが、この曲では特にその妄想がはかどりました。
例えば仮にここを裕翔くんが歌ったとすると、彼の繊細な性格から “初めから全部わかっていたつもりだったのに相手に裏切られたやりきれなさから、自分は女王蜂だと強がって自分を保とうとする蝶のような女性” のイメージが浮かびました。
仮に山田くんが歌っていたら、挑発的な表情も世界一美しい彼のイメージから “別に遊び相手がひとりいなくなったところで不自由なんかなくて、初めての感情に戸惑いつつも寧ろ面白がっている根っからの女王蜂みたいな女性” のイメージが浮かびました。
じゃあ、実際このパートを担当している薮くんが歌うとどうなのか。もちろんこのパートが薮くんに割り当てられたのは大正解だと思っています。歌が上手いのは大前提として、いい意味で過剰な味付けがなくナレーションみたいな役割を果たしているように感じました。だからこそ、曲の背景を考えたり、主人公の女性のイメージを考えたりする余白が生まれているのだと思います。
本当はこの一曲でブログを書きたかったくらい、虜になっている大好きな曲です。次はジャズディナーショーみたいな形式で、お酒飲みながらもう一回見たい。そのときは「クランメリア」*3もセトリに入れてほしい。余談だけど、「クランメリア」って「女王蜂」の続きみたいな楽曲だな…
イントロのベース音と歌い出しの髙木くんの声もめちゃくちゃ好きです。あとライブで、全員揃いのジャケットを衿を抜いて着こなす山田くんは妖艶のプロだと思いました。踊ると元に戻ってしまうから偶然なのかもしれないけど、衣装の着こなし方にも手を抜かない山田涼介、流石すぎる。(衿は抜いても、手は抜かないってね。)
大人っぽい曲なのでHiHi全員がはたちを超えたらやってほしいです。(それまでにはデビューしていてほしいけど…)この曲になったら優斗くんと瑞稀くんが立ち位置をチェンジして、瑞稀くんがセンターの形で披露してほしい。
歌割りは基本、ご本人達にお任せしますが、
愛とか恋とか要らないわ
鍍金(メッキ)剥がせば ただの欲望
は猪狩くんに歌ってほしい。見せかけが通用しなさそうな猪狩くんが歌うことで、主人公の女性の色恋沙汰への冷めた感情がより際立ちそうだなと思いました。もちろん、Mr.リアリスト・裕翔くんが歌う本家も最高に良いです。
それから、
脆弱に生きる蝶じゃない
猛毒と甘い蜜の女王蜂
は瑞稀くんに歌ってほしい。前述のとおり、個人的にこの曲の印象を左右する大事なフレーズだと思っているので、底なしの表現力を持っている瑞稀くんがどう演出するのか見てみたい。瑞稀くんなら妖艶な女王蜂にもなれるし、消えそうになりながらも強がって舞う蝶にもなれるし、はたまた全く想像していなかったような姿も見せてくれそう。完全に、去年のサマステで見た「Sugar」のパフォーマンスに影響された思考です。月明かりを素敵に纏って悔しいくらい上手に笑う瑞稀くんに、まんまと心を掴まれました。
本家のライブでいつもキーボード担当の伊野尾くんがグランドピアノで演奏していて、それが曲の世界観とぴったりでとても良かったので、作間くんもグランドピアノで演奏して欲しいです。でもEXシアターじゃグランドピアノ持ち込むの無理かな…?じゃあ夢はでっかく、横アリで!
11.TO THE TOP
・ベストアルバム「Hey!Say!JUMP 2007-2017 I/O」初回限定盤②収録(2017年)
・「Hey!Say!JUMP I/Oth Anniversary Tour 2017」(2017年)ではバンドで披露
何度かライブで歌われていたけど当時音源化されておらず、ベストアルバムの収録曲を決める際のファン投票によってようやく音源化された楽曲。音源化されていなかったのが不思議なくらい、とにかく歌詞が良いです。デビュー初期の頃から歌っていた曲を、10周年のアニバーサリーツアーでも披露してくれたのがとてもエモかったです。
TOPを目指すのにも、みんなで一緒にと歌ってくれるところにJUMPの優しさが表れている気がして嬉しくなります。いつも同じ目線でいてくれて、「お前ら!ついてこい!」って突っ走るんじゃなくて、こちらがちゃんと着いてこれているか時々振り返って確認しながら「さあ、行くよ!」って手を差し伸べてくれる感じがJUMPらしいなと思います。
We go to the top めざして To the top 一緒に
君の想い 抱いて いま羽ばたく To the top
HiHi Jetsが歌うなら、また優斗くんがセンターの立ち位置に戻ってきて演奏してほしいです。力強く、こぶし振り上げながら歌ってほしい。「Eyes of the future」とか「駆ける」とか、既に夢に向かってみたいなことをうたったオリジナル曲を持っているので、わざわざ他から楽曲持ってこなくてもとも思ったんですが…。ただ私がアイドルに向かって「輝いてる その瞳が ずっとそのままでいてほしいから」って歌いたかったことが主な選曲理由です。一緒に歌わせてほしい。幼いころから芸能界で働いてきて、きっと一般社会と比べてより理不尽なことも苦しいこともあっただろうけど、どんな時でもファンにキラキラの笑顔を向けてくれる彼らの姿が、どうかいつまでもそのままであってほしいと強く思います。同時に、彼らがTOPになれるように、彼らがいつまでも心から笑えるように、分別のあるオタクでいたいなとも思います。
未来や夢を歌うHiHi Jetsの姿が大好きでいろいろと思い返していたら、去年の夏(Jr.祭以前の日程)のサマステに入って感じたことを思い出しました。数日後のJr.祭でいくつかのグループが解体されてその中から選抜デビューとかが決まったら、もしその対象がHiHi Jetsだったら、5人揃った姿を見るのは今回が最後かもしれないという一応の覚悟も持ちつつ、EXシアターに向かいました。そのライブの終盤、優斗くんがグループの目標を語ってから新曲(Eyes of the future)を歌うという演出があり、それを見たときにこれからも5人でいられることを信じようと思いました。その後すぐに危うい瞬間はあったものの、宣言通り5人で居続けてくれている彼らなのでこの先もきっと大丈夫だと思っています。あの日自分の目で見たもの、感じたことを大事にしようと改めて思いました。
疑う余地なんて1mmもない程、力強く決意表明してくれた彼らのことを信じたいし、眩しいくらいまっすぐに前を見ているその瞳を見て、彼らが羽ばたけるようにその一翼を担いたいと思いました。
【ユニット】
HiHi Jets内でユニットを組んで披露してほしい楽曲です。全部二人組になっちゃった…。
12.Puppy Boo
・アルバム「JUMPing CAR」通常盤収録(2015年)
・「Hey!Say!JUMP LIVE TOUR 2015 JUMPing CARnival」(2015年)で披露
音がおしゃれでいろんな楽器の音がアクセントになっていてメロディだけでも楽しい、ジャジーな雰囲気の曲。JUMPがよくお世話になっている亜美先生が作詞された楽曲です。他にもいろんなかわいらしい歌詞を亜美先生からもらっていますが、これまでの “かわいい” とはまた一味違う “かわいい” を見せてもらった曲です。ちなみに、HiHi担にもおなじみ「Yes!」を作詞されたのも亜美先生です。
年上の男性に見透かされてひたすら甘やかされているようにも聞こえるし、しっかり者の年下の男の子にリードされちゃってるようにも聞こえるし、いろんな受け取り方ができそうだなと思いました。曲のイメージの参考に当時の楽曲大賞を読んでいたら、ヒロイン像は大原櫻子ちゃんとか、きみはペットの主題歌とか個人的に共感しかないコメントがたくさんで楽しかったです。楽曲コメントのリンク貼っておきます。
楽曲部門第64位(1411ポイント獲得) | ジャニーズ楽曲大賞2015
【ユニット案:瑞稀くん、涼くん】
HiHi全員だとかわいい楽曲をやるイメージがあんまりなかったのですが、ユニットならいけるかなと思い選曲しました。ジャジーでおしゃれなメロディは涼くんっぽさ、上から目線な歌詞は瑞稀くんっぽさを感じたので、はしみずを選抜させていただきました。おしゃれでかわいい曲なので、大人になりきる前の19歳のはしみずに歌ってほしいです。これから年齢を重ねたら大人っぽい曲とかかっこいい曲とかをやりそうなので、今のうちにかわいい曲を踊るはしみずを見ておきたい。旧メンカラのパステル衣装希望です。
(顔がいい…)
イントロ~Aメロはステージ(もしくはバンク)に腰かけて、客席をより上から見下ろす感じでスタートしてほしい。本家のステッキを持って踊る、ミュージカル映画のワンシーンみたいな演出がかわいくてお気に入りなので、間奏以降はバトンを使ってパフォーマンスしながら歌ってほしいです。涼しい顔でちょっと難易度高めな技をやって、彼女のことをお見通しで余裕のある感じを表現して欲しい。もし7men侍との合同公演だったら、侍バンドの演奏希望です。琳寧くんのサックスがいいアクセントになりそう。
1番の歌割りを考えまして、「手伝わないけど」「口にしないけど」とツンな感じのパートは、帝王感も魅力的な瑞稀くんに。でも待っていてくれたり心配したりとちょっとデレな感じのパートは、ファンにもメンバーにも誰にでもひたすら優しい涼くんにしました。「優しい首輪みたいに 手を繋いじゃうぞ」で、瑞稀くんはしかめっ面っぽい表情で、涼くんはイタズラっぽい笑顔でハモってほしい。はしみずにツンデレな対応をされて翻弄された気分になれる構成にしました。最後の「ほんとは ただ Kiss you」は涼くんに甘々に歌ってほしいです。
小3でジャニーズ入りのベテラン、誕生日が1日違い、高校の同級生、性格は正反対、メンカラは赤と青。二次元だったら設定盛りすぎでお腹いっぱいですって感じなのに、奇跡のシンメ “はしみず” は全てノンフィクション。個人的に、はしみずは何があってもあらゆる手を尽くしてでも守り抜かなければならないシンメだと思っています。オタクのエゴだけど、一生一緒にいてほしい。はしみずはお互いが見えなくなるほど離れちゃダメだよ。
13.トレンディーラブ #REIWA(裕翔くん+髙木くん)
・シングル「ファンファーレ!」初回限定盤①収録(2019年)
・ライブ未披露
Hey!Say!JUMPの長身組、足の長さが異常、男性ファッション誌レギュラーモデルコンビの裕翔くんと髙木くんのユニット曲です。イントロから印象的で、偶然出会った男女の恋愛が始まるストーリー仕立ての歌詞で、ひたすらにトレンディな曲。ユニット打合せ動画*4で、原点回帰してジャニーズっぽい曲をやろうとふたりで相談して決めたメロディ。振りは古い感じで、ポップアップで登場して、バックにジュニアをつけて…とライブの演出内容に至るまでアイディアをぽんぽん出しながら楽曲のイメージを固めていて、制作過程をとても楽しんでやっている姿が印象的でした。グループではできないくらい思いっきり振り切った印象の曲ですが、笑っちゃうくらいザ・トレンディなこの曲を令和の時代にしっかり纏えるのは、確かに裕翔くんと髙木くんの組み合わせしかないかもしれない。
打合せ動画内で裕翔くんが「ジャニーズってジャンルがあってもいいくらい、ジャニーズの曲は独立している」と言っていて、本当にそうだなと感嘆しました。ジャニーズにしか歌えない楽曲っていうのが確かに存在していて、そのトンチキ感*5の味を占めてしまったから、彼らの楽曲自体も大好きなんだろうなと気付かされました。
【ユニット案:優斗くん、涼くん】
本家同様2人組で披露してほしくて、ひとりは、低音ボイスが色っぽい涼くんに。もうひとりは、トレンディドラマ全盛期を代表する女優・中山美穂さんの息子役*6が好演だった優斗くんに。21歳の優斗くんと20歳の涼くんに歌ってほしいです。
基本、裕翔くんのパートは優斗くん、髙木くんのパートは涼くんです。声のバランスも本家に似ている二人組だと思います。「実は俺ハートブレイクで」ってパートが優斗くんの歌い方にすごくマッチしそうだなと思い、ここを歌う優斗くんが容易に想像できました。本家のセリフパートが最高なのはもちろんなのですが、涼くんの「新宿は、もうすぐ0時」と優斗くんの「南口は、出逢いの街」も絶対最高だとおもう。EXシアターは新宿じゃなくて六本木だけどこの際関係ない。しょりパラ*7の「まいったネ 今夜」で使われていた可動式街灯を使って、背中合わせで哀愁漂わせて歌ってほしい。
ただ、ユニット曲なのにライブ未披露のままで、この曲が披露されることをJUMP担が懇願しているという状況なので、もしやるときは裕翔くんと髙木くんに許可取りしてください。ついでに演出の相談にのってもらってください。さらについでに仲良くなってご飯いってください。ただただ髙木くんと涼くんの並びを見てみたい個人的な欲。拝啓 河合郁人様。ふみキュンの夢キュンステージでどうにかなりませんか…。
14.Dance The Night Away
・アルバム「SENSE or LOVE」収録(2018年)
・「Hey!Say!JUMP LIVE TOUR SENSE or LOVE(アリーナ公演のみ)」(2018年)で披露
・J Stormのページ(https://www.j-storm.co.jp/heysayjump/discography/sense-or-love)でサビ部分の視聴が可能です。
複雑なフォーメーション移動と、大人数で体格差がありながらもシンクロ率の高いダンスを武器としてきたJUMPが、10周年を経て踊りを極めたいと “踊る” をテーマにしたアルバムの中の一曲。さらに、ダンスを揃えることに関して、僕たちを繋げるものは感覚(SENSE)なのかそれともここまで一緒にきた愛(LOVE)なのか、そんな問いも含んだアルバムの中の一曲。そのアルバムの中で曲名にも “Dance” がついているストレートなダンスナンバー。イントロでわかりやすく一気に盛り上がっていって、AメロBメロで一度落としてサビに向かってまた徐々に盛り上がっていく、抑揚のあるメロディ。全然踊れないんだけど、一緒に踊りだしたくなるようなわくわくする歌詞。ライブでは全員揃いの衣装で、メンステのせり上がったステージ上で踊っている演出が好きでした。
【ユニット案:瑞稀くん、作間くん】
本家の山田くんと有岡くんが対になって踊る構成もすごく良かったのでこれも二人組希望です。第26回、Jr.が選ぶJr.大賞「いちばんステージジェニック」部門 第2位の瑞稀くんと、Jr.大賞「ダンスがカッコいい」部門 第5位の作間くんに。本家の振りも好きでしたが、好きなダンスのジャンルが似ているというふたりで一緒に振り付けしてほしいです。ローラーは履かずに、地に足つけてバキバキに踊ってほしい。アクロバットができるふたりなのでバク転とかも盛り込んで、間奏は交互に踊ってダンスバトルっぽくしてほしいです。ディスコナンバーっぽさもあるので、イントロでそれぞれステージ袖から飛び出すように出てきて、交互にスポットライトがあたる感じで。「夢見がちなFloor 飛び込みたい」って客席を指さしながら煽って欲しい。「キラキラ煌めく日々を」で手をひらひらさせて踊る瑞稀くんが見えます。衣装はがんがん踊れるように大きめのトップスに細身のパンツがいいけど、ストリートっぽくはしすぎずに、ミラーボールっぽさがあるようなキラキラした要素は欲しいです。瑞稀くんと作間くんが仲良しなのは知っているけれど、ふたりがパフォーマンス中に絡んでいるところはあんまり見ない気がしたので、がっつり絡むパフォーマンスが見たいです。
15.NEW AGE
・シングル「キミアトラクション」通常盤収録(2015年)
・ライブ未披露
パステル衣装でかわいく踊る「キミアトラクション」と、ごりごりにエフェクトをかけたEDMっぽいこの曲が同時に収録されていて、この1枚でかわいいJUMPもかっこいいJUMPも楽しめます。これから新しい時代を切り開いていこう、なんなら時代がこっちに追いついてきてよって感じの強気な歌詞。その一方で、エレクトリックで極端に盛り上がるわけではないメロディから、気負いすぎず冷静にやっていこうとするスタンスを感じました。歌詞のアツさとメロディの無機質感のバランスが絶妙な楽曲だと思っています。
“sneaker” は靴の “スニーカー” そのものを表す意味以外に、革靴のようにコツコツと音を立てずにこそこそと歩けることから “こっそり歩く人” という意味もあるそうです。サビに出てくる「sneaker」をカタカナではなくアルファベット表記にすることで、強かに今までとは違うやり方で、カジュアルなスニーカーでも蹴飛ばして風穴あけてやるぜってふたつの意味を含ませたのかなと考察しました。それゆえ、その後の「お堅いルールじゃ」の “お堅い” は “革靴” を換喩していて、スニーカーとの対比になっているのかなとも考えました。「SneakerでKick down」のワンフレーズだけでも、従来のやり方ではなくあくまで自分たちのやり方で蹴破っていこうとする新時代感が表現されている気がしました。あと、個人的に2番の「夢みるだけじゃ 恋もできない」って歌詞も好きです。
【ユニット案:猪狩くん、作間くん】
前述した、この曲のアツさと冷静さのバランス感が猪狩くんと作間くんの雰囲気に合いそうだし、彼らの好きなテイストじゃないかな~と思いました。選曲後に調べてわかったことですが、よくKis-My-Ft2やV6の楽曲を作詞されている方が関わっていたので、勝手に答え合わせできたようで舞い上がっています。超やってほしい。
「アスファルトを刻むこのステップが栄光のIDさ」「未知なるEcstasyが欲しいのなら」「夢ならMany Many この手あまる」を猪狩くんに歌ってほしくて、歌ってほしくて。人生3回目なのでは?と思うほど大人っぽい作間くんに「人生は言うまでもなく 等しく たったのOne chance」を歌ってほしいです。JUMPでは光くんか有岡くんがラップ部分を歌うことがほとんどですが、このパートは知念くんが担当していて、サクラップ風の歌い方がとても良いです。同じ嵐担として、作間くんはどう魅せてくれるのかが見たいです。
誕生日が10日違いで同じ年に入所、同じグループになる前からよく一緒に過ごしていて育てられた環境も似ていて、お互いの直してほしいところはなくて、お互いのことをとても信頼し合っていて。ふたりとも17歳とは思えないくらい達観していて大人っぽくて。似ているところもあるようでいて、猪狩くんは文系タイプ、作間くんは理系タイプで。正反対の方向に同じ強さのベクトルを出し合って互いを支えあっている最強シンメのパフォーマンスが見てみたいです。いがさくの正反対感を表現するために、あえてユニゾン部分はなしにしました。
はしみずが必然なら、いがさくは蓋然(ガイゼン)的なシンメだと思っています。"必然" だと絶対にそうなるという逃れられない感が強い気がしていて、"蓋然" だと大体こうなるのが正しいだろうという少し猶予がある感じを含ませられる気がしたのでこの表現を使いました。はしみずは生まれ変わってもジャニーズでシンメになるだろうけど、その一方で、今からでもジャニーズ以外の道にもいけそうな猪狩くんと作間くんが同じ時代にジャニーズに在籍していて、且つ同じグループに所属していたら、もうこのふたりがシンメになる以外なくないか?ってニュアンスです。ジャニーズでいてくれてありがとう。
ちなみに、歌詞に度々出てくる「world order」の訳は「世界秩序」です。現時点で多才すぎるにも関わらず、まだまだ未知なる可能性を秘めまくっているHiHiの末っ子シンメがつくりだす新しい “世界秩序”、見てみたくないですか…?
以上、バンド形式、ユニット形式で披露してほしいHey!Say!JUMPの楽曲7選でした。
現場がないのは寂しいけれど、楽曲を何度も聞いたり、DVDを見たり、過去のインタビューを読んだり。改めてJUMPとHiHiの好きなところを認識したり、いろいろと考えを巡らせてみたりもして。そんなふうに過ごすのもいいなと思いながらこれを書いています。巡らせすぎてつい長くなってしまうのが難点ですが。
おうち時間が増えている今、偶然このブログにたどりついた方の暇つぶしにでもなっていれば幸いです。
stay homeも、ジャニオタも、どうせやるならシアワセいっぱい~!!!!!
こぼれた分だけ誰かもらって~!!!!!
~後編に続く~