そのクリエイティヴに衝撃を受けた〜ポップ・ミュージックの変容となる"引き金"とは
ちょっと"衝撃を受けた"。
この衝撃はここ最近よく感じるんだけど、それらは大概"日本ではない海の向こうの情報"からで、大半はヒップホップやR&B、もしくはライヴにおける刹那的なドラマなどでしか感じていなかったように思う。
もちろん、日本の音楽でも衝撃を受ける瞬間はある。ただ、結局はその時々のプロモーションや奇をてらったコマーシャルであったりと、"シンデレラのかぼちゃの馬車ばり"に時間が経てば元通りなものばかり。CD文化が未だ根強い日本で、シングルCDチャートが存在することも、きっとそんな瞬間でのアクションに業界が躍起になっているからなのかもしれない(もちろん、それらがJ-POPとしての良薬である時もある)。でも実際、何か大きな変化を巻き起こしたいなら、それ相応の条件を成立させるための下準備と鍛錬が必要なはず。
そんなことを日々の音楽を聴きながら考えていると、このツイートが自分のTwiterのタイムラインに流れてきた。
https://twitter.com/Official_KEITA/status/872389753622061057
どうやら音楽メディア"CINRA.NET"とw-inds.が手を組んで行う企画のようで、単にリミックスを作成し、大賞に選ばれたら音源化、みたいな流れではなく、それぞれ"橘慶太との共同制作"と"CINRA.NETで橘との対談インタビュー掲載"が特典なっており、これが一過性の話題作りではないことをしっかり掲示している。
そして確信である"衝撃を受けた"のがこの記事。上記リミックス企画を橘自身が経緯も含めて語っている特集である。
企画の話はもちろん、ここ数年彼らがアイドルから完全にアーティストとして独自のポジションを築き上げよう試行錯誤していた経緯なども語られている。そんな濃厚なインタビューで、個人的にこの人は別格だな、と痛感させられたのがここ。
(今回の企画を通して"サウンドクリエイター同士のクオリティーを上げていくこと"も目的とし、海外のクリエイター同士の交流を日本と比較した上で)
慶太:僕が3年間勉強したことを誰かに1年かけて教えれば、その人は2年間を他のことに使えるわけじゃないですか? その2年間で勉強したことを僕に教えてくれたら、相乗効果でお互いがレベルアップできるんですよね。
シングル「We Don’t Need To Talk Anymore」のグローバルなサウンドディレクション、最新アルバム『INVISIBLE』でみせた明確なアイドルからの脱却。さらに橘自身のツイッターにおけるマニアックでクリエイティブな発言など、数年をかけて、おそらく大多数の否定を乗り換えながらこの沸点を迎えたんだと思う。材料の選定から切り方、火加減にアク取り、その場から離れることなくじっくりと煮込み続けた彼らの音楽は心底リスナーの音楽的満腹中枢を刺激したことだろう。
「We Don’t Need To Talk Anymore」のテクニカルな部分、『INVISIBLE』の作品におけるグローバルな視点などは以下の記事を是非。
3月にアルバムがリリースされてから約3ヶ月。橘君が刺激を制作からのインスピレーションを受けていたBruno MarsにしてもThe Weekndにしても、ここ日本では体験することができない規模(主にスタジアム)のライヴを世界各地で行っている。スマホに目を落としフリックすれば、Calvin HarrisとDJ Khaledがまもなく2017年を決定づけるアルバムを用意しているのだ。それらは日本人がマストで聴かなければならない作品、とは言わないが、少なくとも彼ら(w-inds.)は間違いなくチェックして次なる覚醒の肥やしにするはずだ。
今回"衝撃を受けた"発言やリミックス企画に関しても、より多くのクリエイターとリスナーを紐付けるものとして作用することだろう。それを証明するものとして、様々なアーティストがほぼ同タイミングで楽曲ステムの配布をし始めたりしている。
https://twitter.com/andthelights/status/872245201535979524
Francis and the Lightsは「See Her Out」のトラック・ステムを一部ファンに向けて提供(もちろん普通にダウンロードできます)
そして、Gotchの新曲、Taxi Driverのステムデータを無料で公開しました。よろしくどうぞ。 https://t.co/nMMW01YepI
— Gotch / Masafumi Gotoh (@gotch_akg) 2017年5月26日
GotchことASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文も新曲「Taxi Driver」のステムを配布。実際は2ndアルバム『Good New Times』の全曲分を配布したかったとか。以下コメントも。
[News] Free Download 新曲「Taxi...|Gotch / 後藤正文 / ASIAN KUNG-FU GENERATION / ゴッチ
そして彼もリミックス・コンテストをスタート。トラックメイカーや専用機材でなくてもリミックスが作れるアプリ"8Stem"を使用しているので、遊び感覚でも参加可能。
[Gotch]「Taxi Driver」のステムデータが“誰でも簡単にリミックスを作れるiOSアプリ「8Stem」”にアップされました!リミックスコンテストも実施!ウィナーにはGotch直筆サインつきTシャツ等のグッズをプレゼント!https://t.co/rxyLzC7fIT
— only in dreams (@oid_info) 2017年6月21日
同時多発的にリミックスという、プロから素人までがフラットに楽しめる土壌に愉快な遊び道具(ステムやトラック)を設置するクリエイターの共鳴に、2017年のタイムリーな制作欲 を垣間見た気がする。
そんなクリエイティヴは、リミックス企画を挟んでいよいよツアーで肉体的にアップデートされていくことになる。おそらく、彼らがここ数年着々と土壌から慣らしてきた音楽フォーマットが、ここで極まるはずだ。洒脱でゴージャス、一挙手一投足の隅々まで血肉の通ったパフォーマンスを、きっと自分のような新規のリスナーにも見せつけてくれるだろう。
そして、沸々と湧き上がる期待の中、橘自身が所属するプロデュースチーム"DMD"から彼自身も制作に加わったという新曲がシェアされた。平成元年生まれのフィメール・シンガー:Chicaを迎え、テラスハウスからインスピレーションを受けたというこの曲も、非常にトレンディなトラックメイクが施されてる。
EDMからトロピカルハウス、フューチャーベースを駆け抜け、J-POPであることも肯定して仕上げられてる。これはZeddがAlessia Caraを迎えた最新曲「Stay」や、さらにポップネスとの親和性を高めたPorter RobinsonとMadeonによる「Shelter」とも、少なからず共通項を見つけることができるはずだ。
これら最先端のグルーヴをバンドのフォーマットに落とし込んでいるのが、それこそ記事で橘自身も挙げているyahyelやNulbarich、さらにはWONKがデジタル限定で発表した「Give Me Back My Fire」も、ここまで挙げた楽曲の延長で聴けば、自然と身体に馴染んでくることだろう。
急遽差し込むyahyelの新曲「Iron」もタイムリーだ。
記事の締め括りでは、今後は”オタクが勝つ時代”と評していたけど、これは我々リスナー側にも言えるんじゃないかなと思う。Twitterにしてもブログにしても、プロか否かは差し引いて、ある程度影響力を感じさせる人には、必ずコンプレックスにも等しいオタク気質が存在しているはず。全てにおいてオタクが勝つべきとは思わないが、衝撃を受けたクリエイティヴを生み出すオタクたち(=w-inds.)こそ、この瞬間のポップ・ミュージックを内側と外側から変容させていく引き金になり得る存在だと、ちゃんと言い切っておきたい。
※おまけ
大半は2016年より以前のものだが、未だフリーダウンロードに対応しているステムデータ
・Phoenix - Trying To Be Cool (Stems) :ステム・ダウンロード(直リンク)
・Phoenix - Entertainment (Stems) :ステム・ダウンロード(直リンク)
・Local Natives - Hummingbird Stems
・ラブリーサマーちゃん - ベッドルームの夢(Vo & Cho)
MY BEST 40 ALBUM 2016(邦楽編)
2017年、新年明けましておめでとうございます。
24時間以上前に年は明けてしまいましたが、遅ればせながら2016年の年間ベストアルバム 邦楽編を発表します。実際はこのプロローグ文も別に認めてはありましたが、せっかくなので、年の明けた現状も加味して書き直してみました。
紅白が終わり、SMAPも解散した今、改めてこのランキングを見返してみて思うのこと。それは“日本の音楽と世界の境界線がいよいよ無くなってきた"という事実。自分が聴いている音楽に限ったことかもしれないけど、言語を超え、ジャンルやカテゴリに媚びず、音と感性を使って海を越えていく。インターネットを用いて渡る音楽の海は快適な旅とは言えない分、たどり着けた時に聞こえる世界基準のトレンドに、日本人としてちゃんと反応している音楽が、この40枚の中には数多くあります。
またそれらとは別に、アイドル、声優、J-POPといった"日本特有"とされがちな音楽も、実はちゃんとワールドミュージックと接点が生まれ始めていることを、僕らは理解しておかなければなりません。日本のガラパゴスな発展を揶揄するつもりはないし、かといって世界のトレンドと無理やり結合する必要もないですが、いま、多くの人のミュージック・プレイヤーの中は様々な音楽がごく当たり前に並列化されています。ストリーミングが一般化した現在地では、目には見えずとも隣にいる人のイヤフォンからFrank Oceanと宇多田ヒカルが聞こえ、スクロールすれば欅坂46もハイスタもリストアップされている。それらが当たり前である以上、リスナー自身が自覚して“今何を聴いているのか"考える必要があるように思います。
洋楽編と見比べて、どの音楽が繋がっているのかを模索するもよし。これこそ日本独自の表現だと納得するもよし。リスナーが発信者になり得た2010年以降のSNS社会の中で、自分の”好き”を押し付けずにピックアップしたアルバム40枚に、改めて愛聴盤の判を押したいです。
紅白の裏で、テレビではなくラジオで、中居正広一人でSMAP全員の名を叫んでさよならを言うなんて…ズルイぜ、中居君…
— m.jun (@Lockup_1960) 2016年12月31日
というわけで、中居正広が紅白の裏でメンバーの名前を叫び、SMAPに別れを告げた2016年に聴いた音楽たちをどうぞ。
40. 神聖かまってちゃん - 夏、インストール
39. アイドルッサンス - アワー・ソングス
38. 内田彩 - Bitter Kiss / Sweet Tears
37. 綿めぐみ - ブラインドマン
36. Gotch - Good New Times
35. aiko - May Dream
34. CRCK/LCKS - CRCK/LCKS
33. 韻シスト - CLASSIX
32. KANDYTOWN - KANDYTOWN
31. 宇宙ネコ子 - 日々のあわ
30. 赤い公園 - 純情ランドセル
29. SOIL & "PIMP" SESSIONS - BLACK TRACK
28. AL - 心の中の色紙
27. WONK - Sphere
26. UNISON SQUARE GARDEN - Dr.Izzy
25. Special Favorite Music - World's Magic
24. OGRE YOU ASSHOLE - ハンドルを放す前に
23. KIRINJI - ネオ
22. Seiho - Collapse
21. METAFIVE - META
20. sora tob sakana - sora tob sakana
19. indigo la End - 藍色ミュージック
18. Galileo Galilei - Sea and The Darkness
17. 蓮沼執太 - メロディーズ
15. 坂本慎太郎 - できれば愛を
13. Hallelujah - THE NOVEMBERS
12. ザ・なつやすみバンド - FHANTASIA
10. ラブリーサマーちゃん - LSC
9. yahyel - Flesh and Blood
8. Kikagaku Moyo / 幾何学模様 - House in the Tall Grass
7. Gi Gi Giraffe - Gi Gi Giraffe
6. サニーデイ・サービス - DANCE TO YOU
5. STUTS - Pushin’
4. NakamuraEmi - NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST
3. odol - YEARS
2. スピッツ - 醒めない
1. 宇多田ヒカル - Fantôme
MY BEST 40 ALBUM 2016(邦楽編)【List】
40. 神聖かまってちゃん - 夏、インストール
39. アイドルッサンス - アワー・ソングス
38. 内田彩 - Bitter Kiss / Sweet Tears
37. 綿めぐみ - ブラインドマン
36. Gotch - Good New Times
35. aiko - May Dream
34. CRCK/LCKS - CRCK/LCKS
33. 韻シスト - CLASSIX
32. KANDYTOWN - KANDYTOWN
31. 宇宙ネコ子 - 日々のあわ
30. 赤い公園 - 純情ランドセル
29. SOIL & "PIMP" SESSIONS - BLACK TRACK
28. AL - 心の中の色紙
27. WONK - Sphere
26. UNISON SQUARE GARDEN - Dr.Izzy
25. Special Favorite Music - World's Magic
24. OGRE YOU ASSHOLE - ハンドルを放す前に
23. KIRINJI - ネオ
22. Seiho - Collapse
21. METAFIVE - META
20. sora tob sakana - sora tob sakana
19. indigo la End - 藍色ミュージック
18. Galileo Galilei - Sea and The Darkness
17. 蓮沼執太 - メロディーズ
16. ティー・フォー・スリー - Negicco
15. 坂本慎太郎 - できれば愛を
14. D.A.N. - D.A.N.
13. Hallelujah - THE NOVEMBERS
12. ザ・なつやすみバンド - FHANTASIA
11. chelmico - chelmico
10. ラブリーサマーちゃん - LSC
9. yahyel - Flesh and Blood
8. Kikagaku Moyo / 幾何学模様 - House in the Tall Grass
7. Gi Gi Giraffe - Gi Gi Giraffe
6. サニーデイ・サービス - DANCE TO YOU
5. STUTS - Pushin’
4. NakamuraEmi - NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST
3. odol - YEARS
2. スピッツ - 醒めない
1. 宇多田ヒカル - Fantôme
MY BEST 40 ALBUM 2016(洋楽編)
さて、年間ベストの発表です。
今年ほど頭を抱え、順番に悩み、あれもこれもとわがままになった年は今までなかったんじゃないか。選考は難を極め、順位も日ごとに入れ替わり、もうこれで...と思っても次の日にはまた新しい作品が世に出ている。めまぐるしく通り過ぎていく音楽を逃すまいと、必死に手を伸ばしては飲み込んでいく作業の結果が、このランキングには表れているように思います。
今年は音楽だけじゃなく、それを取り巻く環境や表現にも変化が訪れました。サブスクリプションサービスの本格的な参入、ストリーミングサービスの一般化によって「作品をリリースする」=「シェアする」と表現すること、音源に込めきれなかった思想や指針をコンパイルするZINEやアナログ盤などマーチ(マーチャンダイジング)する動きなど、CDかダウンロードかで議論するのが馬鹿らしいぐらい音楽は今この瞬間も自由になり続けています。
自由なフォーマットで生まれた音楽に洋楽か邦楽か隔たりをつける必要があるのか、そんな意見があるのは知っていますが、自分はとにかく見やすい・聴かせやすい・知りやすい環境にて、芳醇な今年の音楽を評価したいと思い
、例年通りの洋楽/邦楽を分ける形をとりました。
CD、アナログ、ダウンロードで購入したのはもちろん、ストリーミング限定、Bandcampなどを介した作品もランキングには入っています。つまらない内容かどうかはその人にその人に委ねますが、少なくとも3〜4枚は誰かの耳に刺さった作品があるはず。
前置きはこれぐらいで、早速年間ベスト洋楽編をどうぞ。
40. Okkervil River - Away
39. Kadhja Bonet - The Visitor
38. Tycho - Epoch
Apple Music / Spotify / Bandcamp
37. Yussef Kamaal - Black Focus
36. THE YEARNING - Evening Souvenirs
Apple Music / Spotify / Bandcamp
35. Carla dal Forno - You Know What It's Like
Apple Music / Spotify / Bandcamp
34. Big Thief - Masterpiece
Apple Music / Spotify / Bandcamp
33. Nao - For All We Know
32. ANOHNI - Hopelessness
Apple Music / Spotify / Bandcamp
31. UN BLONDE - GOOD WILL COME TO YOU
30. Ash Walker - Echo Chamber
Apple Music / Spotify / Bandcamp
29. KAYTRANADA - 99.9%
28. Esperanza Spalding - Emily's D+Evolution
27. katie dey - Flood Network
Apple Music / Spotify / Bandcamp
26. clipping. - Splendor & Misery
Apple Music / Spotify / Bandcamp
25. The Avalanches - Wildflower
24. Skepta - Konnichiwa
23. Noname - Telefone
Apple Music / Spotify / Bandcamp / HNHH (Free DL)
22. Beyoncé - Lemonade
21. Cass McCombs - Mangy Love
Apple Music / Spotify / Bandcamp
20. Jenny Hval - Blood Bitch
Apple Music / Spotify / Bandcamp
19. David Bowie - Blackstar
18. TheMIND - Summer Camp
Apple Music / Spotify / HNHH (Free DL)
17. Blood Orange - Freetown Sound
16. Danny Brown - Atrocity Exhibition
15. Courtney Marie Andrews – Honest Life
Apple Music / Spotify / Bandcamp
14. PJ Harvey - The Hope Six Demolition Project
13. Radiohead - A Moon Shaped Pool
12. NxWorries - Yes Lawd!
Apple Music / Spotify / Bandcamp
11. Childish Gambino - Awaken, My Love
10. Rihanna - ANTI
9. The Weeknd - STARBOY
8. Kamaiyah - A GOOD NIGHT IN THE GHETTO
Apple Music / Spotify / HNHH (Free DL)
7. Francis and the Lights - Farewell, Starlite!
6. Bon Iver - 22, A Million
Apple Music / Spotify / Bandcamp
5. A Tribe Called Quest - We got it from Here... Thank You 4 Your service
4. Angel Olsen - My Woman
Apple Music / Spotify / Bandcamp
3. Chance the Rapper - Coloring Book
2. James Blake - The Colour in Anything
1. Frank Ocean - Blonde / Endless
MY BEST 30 ALBUM 2016【List】
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40. Okkervil River - Away
39. Kadhja Bonet - The Visitor
38. Tycho - Epoch
37. Yussef Kamaal - Black Focus
36. THE YEARNING - Evening Souvenirs
35. Carla dal Forno - You Know What It's Like
33. Big Thief - masterpiece
33. Nao - For All We Know
32. ANOHNI - Hopelessness
31. UN BLONDE - GOOD WILL COME TO YOU
30. Ash Walker - Echo Chamber
29. KAYTRANADA - 99.9%
28. Esperanza Spalding - Emily's D+Evolution
27. katie dey - Flood Network
26. clipping. - Splendor & Misery
25. The Avalanches - Wildflower
24. Skepta - Konnichiwa
23. Noname - Telefone
22. Beyoncé - Lemonade
21. Cass McCombs - Mangy Love
20. Jenny Hval - Blood Bitch
19. David Bowie - Blackstar
18. TheMIND - Summer Camp
17. Blood Orange - Freetown Sound
16. Danny Brown - Atrocity Exhibition
15. Courtney Marie Andrews – Honest Life
14. PJ Harvey - The Hope Six Demolition Project
13. Radiohead - A Moon Shaped Pool
12. NxWorries - Yes Lawd!
11. Childish Gambino - Awaken, My Love
10. Rihanna - ANTI
9. The Weeknd - STARBOY
8. Kamaiyah - A GOOD NIGHT IN THE GHETTO
7. Francis and the Lights - Farewell, Starlite!
6. Bon Iver - 22, A Million
5. A Tribe Called Quest - We got it from Here... Thank You 4 Your service
4. Angel Olsen - My Woman
3. Chance the Rapper - Coloring Book
2. James Blake - The Colour in Anything
1. Frank Ocean - Blonde