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なぜ日本人は「成長実感」できないのに「成長志向」は強いのか?

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Photo by geralt from Pixabay.


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【本調査のサマリ】

  • APAC14カ国で「仕事を通じた自身の成長」について調査(対象:20~69歳)
  • 日本人が過去1年間で「成長を実感した」と答えた割合は60.2%と最下位
  • 成長を重要視する「成長志向度」は85.5%。実感度とのギャップが調査国の中で最大


調査結果を興味深く読んだ。(ちなみに、タイトルの主語はでかい)

残念な結果ではあるが意外性はなく、おおむね納得いくものである。なぜなら、我が国の経済水準は、一定程度まで成熟が進んでいるからだ。

語学学習・筋力トレーニング・ゲームのスコア。どんな類いでも「成長率」というものは、どうしても漸減していくものなので、若くて力強い、成長真っ盛りのアジア列国と比較すると成長性は乏しいものになる。

一方で、アジア諸国の現状はいわばボーナスステージだ。成長は得てして、周囲の環境に依存する。大きく成長しているところで戦っていれば、仮に特別な何かがなかったとしても成長の実感は味わいやすいのである。

これらの状況を踏まえると、上記の結果は妥当なものだと言えるだろう。もし、これが主要先進国を交えた調査であれば、結果もまた変わってくる公算は高い。


そんななか、本調査で気になったポイントは以下だ。

成長を重要視する「成長志向度」は85.5%。実感度とのギャップが調査国の中で最大


なぜ日本人は成長志向であるにも関わらず、成長実感ができないのか。言い換えると、なぜ成長実感できない環境なのに成長志向は下がらないのだろうか。

これは、ひとえに現実と理想の乖離に気づいていないことが要因だと考える。


社会人であれば、多かれ少なかれ誰もが上司や先輩から「成長とはなんぞや」ということについて説かれてきた経験があると思う。その成長にかかる根拠は、(あくまで私の主観だが)その上司や先輩の、そのまた上司や先輩、あるいは先輩世代にあたる先達者の発言が出処であることが多い。

つまるところ、日本が今のアジア各国のように成長可能性が高かった時期を骨子としているのである。それを下敷きにしてきた我々の成長志向は概して強い。

だが、今はそのときと条件も環境も全く違う。これまで理想として伝えられてきた成長像と、現実の成長曲線に乖離が生まれているが、それに気づいていない人が多いのである。

だからこそ成長実感はできないのに、成長志向は高いという矛盾が生まれているのではないか。

現実を受け入れて成長している環境に移動するか、成長率が鈍化している日本で最適化を目指すのか。いずれにせよ、今自分たちがどんな状態にいるかを客観的に見ることが大切になりそうだ。

【参考にした記事】
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