アイドル応援日記

平成生まれしか居ない

Pretenderの歌詞が嫌いって話※だったが、最終的にめちゃ高度に練られてる歌だと解釈する様になった話

逆張りとかじゃなく、Pretenderの歌詞がめっちゃ嫌いなんですよ。

どう嫌いかを書きます。

まずこの歌、あえて設定を具体的に書いてない(=いろんな人が自己投影しやすくするため)と思うんですよ。だから、この歌が設定してることって

・失恋した

・たった一つ確かなことは「君は綺麗だ」

の2点だと思うということで話を進めます。

AメロBメロ、とにかくグダグダグダグダ未練がましく失恋した事実、苦しさを語ってますね。そこはいいんですよ。ここまでグダグダ言わなきゃやってられない程の大失恋ってことですよね。わかるよ。(もっと違う〜シリーズのもっと違う性格でだけはよくわからんけど。性格まで変わっちゃったらそれ別人やん。心身二元論?肉体だけ自分(君)ならいいの?)

で結局さ、事実として失恋に終わったわけでしょ。その上でたった一つ確かなことは「君は綺麗だ」

キモくね????

キモいよね???

私の解釈ね。

本心を言ってしまえば、「まだ君が好きだ」なんですよ。だけど失恋に終わったのに好きだってもう伝えられない。伝えても受け入れてもらえないしね。でもそれでも君への想いは微塵も消えてないわけだから、君に伝えられるたった一つ確かなことがあるとするのならば、「君が好きだ」を含む上位概念としての「君は綺麗だ」という、人としての好意、最上級の賛辞という結論に至ったってことだと思うのよ。

ここから怒涛の批判始まるけど、それって、失恋した相手にもかかわらず人としての最上級の賛辞を送ってあげられる自分という自己陶酔、そして失恋相手にそんな賛辞を送ってくれるなんて、恋愛関係では上手くいかなかったけど人としては素敵な人だったなって「君」に思ってもらえるのでは?という驕りが透けて見えるよね。

恋愛関係で報われなかったからといって、せめて人としてなら好意的に受け入れてもらいたいっていう見苦しい足掻きをするなよ。失恋してもなお自分を取り繕ってんじゃねぇよ。

いやわかるのよ。そうやって自己防衛しなきゃやってられないってことよね。そりゃ苦しいよなとか、それもこれもロマンスの定めなら悪くないよなとか、どこまでも自己防衛を正当化してる。「まだ君が好きだ」という本心に向き合わず逃げてる。でもそれでいいんだよって言いたいのかもしれない。ぶっちゃけ私もそれには賛同してる。自分の気持ちに向き合えって言われてもは??逃げるのも自由ですが???って思う。でもさ、逃げるって逃げてることを自覚くらいはしておくべきなのでは??

ここで、AKB48の最新シングル「失恋、ありがとう」の話を挟みます(私は秋元康の歌詞は女性蔑視が無理という理由で好きじゃないものもありますが、それは今回おいといて)。

秋元康の歌詞ってとにかくシンプルだと思うんですよ。

・失恋したけど、ありがとうと強がる

・失恋バカヤロー、ホントは今でも大好きだ

言ってるのはこれだけ。私はこっちの方が何倍も清々しくて潔いなって思うのよ。失恋を美化したり、失恋相手に綺麗な言葉を向けるって、結局それって強がりじゃない?自己満じゃない?認めようぜ。それでいいじゃん。

プリテンダー何よりさ、めちゃ美しいメロディ、韻を踏むオシャレな歌詞、人生柄とかロマンスとかグッバイとかおしゃれスカした言葉をあえて使ってるよね?全体的にオシャレで超イケてるサウンドなんですよ、音楽全然知らない私にもイケてるのはわかるくらい。

そこが無理。

結局最後まで、「とても綺麗だ」で締めてる。英訳だとyou're beautifulになってたから君のことを言ってるのかもしれないけど、日本語だと君に加えて自分の失恋自体、このロマンスもある種とても綺麗だって言ってるとも取れるよね。そしてそれを全編おしゃれスカしたメロディにのせて。

いやダサくね??

「君は綺麗だ」ってめちゃ強い表現じゃない?人生に一回言うか言わないかっていう言葉じゃん。それを失恋相手にぶつけてもさ(声に出してなかったとしても)、相手もへ?いや重いわってならん?

マジでプリテンダーの主人公が友達だったらめちゃぐちぐち言っちゃうわ私。お前がそれでスッキリできるなら良いけど、君は綺麗だは普通にサムいよって感じ。

この歌さ、もっと違う価値観で出会える世界線選べたら良かったとか言ってるから、もしかしたらこの世の中では受け入れられにくい恋愛の話なのかもしれないよね(同性愛とか)。で、お互い好き同士なのまだ。でも外的要因によって別れなきゃいけなくなった。だから最後に一つ言える確かなことで、「まだ君が好きだ」って言って縛りつけるんじゃなくて、「君は綺麗だ」って言って君の人としての美しさを変わらず思ってるよとだけ伝えて解放してあげたかったってことなのかも。それだったら「まだ君が好きだ」って本心を言わなかった理由があるからわかる(ただPVを見る限り高嶺の花にフラれた話を第一に想定してるっぽいけどな)。

失恋した→諦めるor再アタックする、どっちを取るにしてもさ、「まだ君が好きだ」って本心を言えばいいじゃん。自分の気持ちの上位概念でフワッとさせてんじゃねぇよ。てか歌をそこで終わらせちゃダメだろ。自己防衛してる、強がってるの分かってる、本当はまだ好きなんだって素直な本心で終わらせろよ。

まさかの自己防衛で本心を隠し、なんならそれすらも「とても綺麗だ」で締めくくった浅さがこの歌の嫌いなところでした。おしまい。

 

え??プリテンダーってコンフィデンスマンJP映画の主題歌だったっけ??映画観に行ったのに忘れてたわ。そうか。あの映画の主題歌って考えると、全部あえて茶番にしてるってことか。もっと違う設定で、もっと違う関係で、もっと違う性格で、もっと違う価値観でってのは、自分はpretenderだからだ。コンフィデンスマンとして出会った君のことを本気で好きになってしまった苦悩を描いてるってことか。でもそれすらも映画でオチがついてるように、ぜーーんぶウソ。だからあえておしゃれスカした歌詞、曲調にしてる。ロマンスとかいう言葉を使ってるのも映画がロマンス編だから。最後のまとめを「君は綺麗だ」とかいうサムい台詞で締めくくったのも、歌全編通して胡散臭さを演出するため。この歌が最後まで描いてる、コンフィデンスマンが騙していた君を好きになってしまったという物語自体がウソだから。

 

……勝手に納得しちゃった!!めちゃ練られてる!!いい曲だな!!!!前言撤回!!!