この春
秋を待たずして彼の出る大会のボランティア
新たに、その大会に思い切ってエントリーした
そもそもが、距離・コースともに過酷なレース
彼は途中で体調トラブルに遭ってしまい
私の居るエイドまで到達できずリタイアとなった
私的にもすっごく残念だったけど
彼的にもかなりの悔しさが残ったようだった
レースの翌日には
反省点がつらつらと書かれてるメッセージが
五月雨式に送られてきた
その翌日にも悔しい気持ちが更に溢れ出て
自分への失望と喪失感と相まった心情の言葉が
ポツリと送られてきた
「なぁ、良かったらGW中に会わない!?」
ちょっとリフレッシュしてもらいたい
きっと、話も聞いてほしいんだろうな
そんな、想いから彼に問いかけてみた
「あぁ、ええよ。いつならいけそうか考える」
結局は連休の中日の平日に…実に半年ぶり
いつものようにホテルのデイユースを予約して
会うことにしたのだけど
その日、彼は仕事のPCを持ってきていて
ホンマもんのホテルでのリモートワーク(笑)
仕事をしてる彼の姿を間近で見られる贅沢な時間
私はというと
昼過ぎの待合せの為に一緒に食べるランチを用意
お手製のホットサンド
あとはビタミン補給がてらのフルーツ
それから彼の大好きなコーヒー
朝、駄豆のハンドピックをしているという
こだわりの珈琲屋に立寄り焙煎したての豆を購入
それを仕事中の彼の横で持参のハンドミルで挽き
ハンドドリップする
コーヒーの良い香りが狭い部屋に広がる
ランチ片手に彼のレースの話を聞く
たぶんレース後、すぐに会えた理由はそれだよな
聞いてほしくてたまらなかったんだろうな
同じ空間に居た同士的な気持ちもあるようで
大会を振り返り振り返り
メッセージで聞いたことも含めて話が続く…
そしてその後はお得意の
「マッサージしたくてしゃーなかったやろ?」
殿様モードの言葉を私に投げる
実は私、今回に限ってはその気がさらさら無くて
全くそのつもりがなかったのよね……
なんだけどね
実は家を出る寸前、突如として
マッサージクリームを持っていかなくちゃ
何故かそんな衝動に駆られたんだよね
そして慌ててカバンに放り込んでのその展開
と、なると
見えないところで彼の何かを感じてたのかな…
マッサージをしたくて仕方なかったわけじゃない
それなのに
彼の疲れてる脚と肩周りを念入りに念入りに
マッサージしてる自分に驚いた
ついつい凝ってる筋肉を探したりする私の手
不思議なんだけど、探す手が止まらないの…
あっち触り、こっち触り、凝りを見つけては
念入りにマッサージ
足元から太ももまでの前面と背面は足元から全部
たぶん4時間くらいかなぁ
マッサージと会話の繰返しだった
「もう終わり、マッサージやーめた!」
そう言って少し落ち着くと凝りを探し直し始める
私の悲しき性分
でも、その度にお互いに声を出して笑い合う
「ぼー、残念やろうけど、結局探してまうな〜」
「何だろね……手が止まらなさ過ぎるわ〜www」
まぁある意味イチャイチャになるのか…
エロさは笑っちゃうくらい皆無なんだけど
私的に期待してなかったわけではない、、、
半年ぶりだし、なんか触れたいなと思ってはいた
でも
男のひとって精神的ダメージあるとダメだよね
というのも知ってるから今日はしないだろうな
そんな気持ちや考えもチラホラと
実際
彼もシャワーを浴びる気もなかった感じだし
脱いだのもズボンだけで
ホントにマッサージしてくれって感じだった(笑)
そんな雰囲気の中
マッサージして話しての繰り返しの途中
彼がね
悔しくて悔しくて涙を流したの
目標を持って取り組んでたレースだったし
リタイアするまでの葛藤や
やっぱりやれたかもしれないという後の祭り感
それが話しているうちに一気に押し寄せたようで
抑えきれなかったみたい
すぐにうつ伏せになって泣き顔を隠したけど…
何も言わずに私は彼の背中に手を置き
ゆっくりとその背中をさすり撫でる
確かにその日の彼は
精神的なところで寄りかかりを求めていたのかも
座ってる彼の前に立って話を聞いてるときとか
私の胸に顔を埋めたことが何回もあった
彼の頭にそっと手を回し優しく撫でる
そこに言葉は何もない
そんなふうに甘える彼
メッセージのやりとりでは
精神的なところの繋がりを感じないわけでも
なかったけれど…
あの涙も含め
彼がいつもより近かった
彼の中で忘れられないひとになれたら嬉しい
彼への愛撫で溢れた時間だった