No.1 スズラン缶けり

缶けり




場所は森のど真ん中。
つっても缶がある場所の半径10メートルには木がないという不思議な地形。

G.MAT「あー面倒くせぇなぁ…いきなりこんなことし出すとかGAMEの気まぐれにも困ったもんだよ。」
ZK「まあGAMEだしな。後で埋めれば済むこと。」
GAME「ちょっ!?」

ユキ「…で、これをありとあらゆる手段で守るということかい。ふむ。」
にきば「とりあえず相手全員捕縛してミンチにすればいいと思うよ。」
ムービン「あたいってば最強ね!」
はり「すまんちょっと黙れ」

HN「ん…そろそろ始まりそうだな。みんな…いけるか?」
GAME「作戦は問題ない。つっても俺は役割上動かないけどな。」
マジハン「同じく。」
シデン「お前らいいよなぁ遠距離系で…」
じゃぶ「現環境は近距離一択ですぞwwwwんんwwww」

ユキ「よし。とりあえず作戦はこれでいいな?」
はり「まあ大丈夫だと思うよ。」
にきば「はりさんがいいなら俺もいいや。」
ムービン「おk。敵陣に突っ込んでくるぜ!」
ユキ「お前作戦理解した…?」
ムービン「冗談だよw」

平面「(ったくなんで俺が審判なのやら…)そろそろ始めるか。おいやれ。」
sin「いっくよー!」

ギイイイイイイイイイイイイイィィィイ!!

sinのエラッドが辺りに響く。
その音を合図に住民達は走り出す。

………
……

GAME「さて早速ですがやりますかね?」
マジハン「俺はいつでもいけるよ。」

ユキ「…始まったか。」
ムービン「おいユキ。」
ジャック「ユキじゃないジャックだ。」
ムービン「え?…じゃあジャック。なんでここで待つんだ?はやく探しにいかねぇと。」
ユキ「むこうは茂みの中だぜ?無闇に入ったら相手の思うつぼだ。ここはとりあえず様子を見よう。」

にきば「…しかしこねぇな。これ相手も警戒してるんでねーの?」
はり「まあ本家缶蹴りでもあるよね。こんな感じでグダっちゃうこと。」
ムービン「まあ待てばその内来ー

ヒュンッ!!

ユキ「…!?ムービン!?」
………
……

GAME「…外したくさいね。いいとこいってたんだけど。」
マジハン「ふぅむ…結構キツいなぁ…。」

ムービン「あ…あぶねぇ…なんだこりゃあ?」
ユキ「…これは…ライフル?ってことはマジハンか?」
にきば「しかしいくらなんでもあの茂みから当てるのは難しすぎるだろ。」
はり「まだ始まったばかりだしこの辺にいるとも考えにくいしねー。」

ユキ「あまり呑気にはいられないな…とりあえず作戦開始だ。頼むぜ。」
ムービン•はり•にきば「了解。」

そう言って三人はそれぞれ茂みに入っていく。

GAME「動き出したね。俺らもいくか。」
マジハン「おK」

GAME「よし。ユキが一人になった。いけるぜ。」


ユキ「ふぅ…うまくいくかね。」

ザザッ!!

ユキが呟いた瞬間何者かが茂みからこちらへ飛び出してくる。飛び出してきたのはZKとG.MATだった。
ユキ「…厄介なのが来たね。」

ZKとG.MATはユキに向かって斬りかかる。
ユキはそれを武器で防ぎつつ応戦するが相手のほうが素早くおいつけない。アイテムで捕まえるにも現状を維持するので精一杯だった。
ユキ「ぬー…好戦的だねぇ。」
G.MAT「お前はかなり厄介だからなしばらく寝ててもらうぜ。」
※缶蹴りルールは倒されても気絶するだけの仕様となっています。

ーパチンッ

ユキが指を鳴らす。するとその瞬間なにかが走ってくる音がした。

ムービン「ひゃーっほーう!!てめぇらまんまとかかったな!」

茂みからブーストで飛び出てきたムービンは捕獲アイテムを2つ同時に投げる。
G.MAT「うおっやべぇ!」
ZK「くそっ罠か!?」

二人は避けようとするがアイテムには追尾機能があり、例えムービンのブーストでも避けきることは難しい代物だ。なんなく二人はアイテムに当たってしまう。

ユキ「フフ…ZK、G.MATみーっけ!」
ZK「ちっ…」
G.MAT「畜生早すぎだぜぇ…」

GAME「ありゃあ…?あれは捕まったか?ユキもやるもんだねぇ…。」
マジハン「どうすんの?助けに行く?」
GAME「流石に真っ向からは厳しいな。だが


GAME「まあ想定内さ。」


ユキ「とりあえずうまくいったな。ムービンよくやったよ。」
ムービン「へへへ。俺だってやるときゃやるぜ!」
ユキ「まああまり調子には乗らなー

ビュンッ!

ズッ…

茂みから何かが飛び出してきた。それは確実にターゲットを仕留める。

ムービン「…お…おい…ユキぃ!?」
ユキ「…ッ…」

飛んできたのはクロスボウの矢。紛れもなく攻撃したのはGAMEだろう。矢はユキの利き手を捉えていた。
ユキ「(くそっ油断した…!しかし…いくらなんでもあの茂みから撃つというのは…それにこの辺りにいれば先に行った二人が見つけるハズ…)」

GAME「ぬ…?あの様子だとまだこちらのタネに気づいてないのかな?まあそれならそれでこう都合かな。」
GAMEはそう呟きながらさらに2本矢を放つ。

放った矢は遠くにあるZKとG.MATの捕獲アイテムを貫いた。

ZK「よし。とりあえず撤退だ。」
G.MAT「逃げ足には自信ありぃ!」
捕獲場所は茂みに近いため二人はすぐ茂みへと消えてしまう。
ムービン「くそぅ…!」
ユキ「(またか…一体これは……)」


ユキ「…そうか…ようやくわかったかもしれん。」
ムービン「え?」
ユキ「ムービンはさっきの二人を追ってくれ。ここは任せろ。」
ムービン「え…でも…」
ムービンが心配するのも無理はない。利き手に怪我をおったユキは武器を持つことさえつらい状態。今奇襲されれば間違いなく缶を蹴られるだろう。
ユキ「大丈夫だ。策はある。だから任せてくれ。」
ムービン「…わかった。任せたぜ!」
ムービンはそう言って逃げた二人を探しにいった。
ユキ「さて…と。ボクの読みが正しければ…。」

GAME「え…ユキまた一人になった…?これは…露骨な罠くさいなぁ…。多分近づいたら…ふむ。」
マジハン「とりあえず狙撃狙ってみたら?お前「「透視」」できるから余裕だろ?」
GAME「あのなぁ…乱用可能タイプの能力とはいえ結構キツいんだからな…。まあでもそれが得策かな。」

GAMEはまた矢を放つ。今度はユキの足狙い…移動手段を奪うつもりだ。

ユキ「…そろそろかな。これで奴らはここへ攻めてくる。そしてそこをお返しする。」

ビュン!

…ズッ…

「…ッ…!?」

ユキ「……まあ最もお返しするのは矢だけどね。」

GAME「…っぅ…!?」
マジハン「え!?ちょっ…なにがあったんだGAME!?」
GAME「あれは…反射板…か…?」

ユキは矢が当たる寸前。そのタイミングで「反射板」を作りだした。
反射板は飛んでくる物の勢いを維持させたまま向きを逆方向に変える不思議な壁。ユキはそれを使ってGAMEに矢を返したのだ。
GAME「ぐ…これは読まれたか…?…やるじゃないか…。」

ーその頃

はり「はあ…とは言ったもののこっからどう探せばいいのやら…。続くのはずっと木ばっかり。迷いそうで怖いね…。」
HN「はぁー…こっちは迷っちゃったよ…」
はり「…」
HN「…あ」
はりは無言でアイテムを投げる。唖然とするHNはあっさり捕まってしまった。
はり「こちらはりです。うろついてたHN捕まえましたー。」
ユキ「HNェ…まあいいご苦労。」
HN「えっ!?ちょっ!?なにこれひどくない!?」
ユキ「HNみっけ。」

コンッ

HN「」

GAME「え…」
マジハン「今度はなんだ?」
GAME「なんかHN捕まってるんですけど…」
マジハン「…はぁ?」
GAME「いや…うん…今見たら捕獲されてました。ハイ。」
マジハン「これじゃH(はやすぎ)N(ながさん)じゃねぇか。」
GAME「だれウマ。さてどうしようか…」
マジハン「俺がさっきみたいにお前から位置を聞いて狙撃すりゃいいんじゃね?」
GAME「それが望ましいがー…」
GAMEは透視でユキのいる方向を見る。どうやらユキの反射板はまだ残っているようだ。
GAME「反射板まだあるんだよなこれが。」
マジハン「うーんじゃどうする?」
GAME「どりあえず近くにいると思われるじゃぶとチェシャ辺りに頼もうかね…。俺らではアレを破壊できそうにないし。」

No.2『円卓の住人』スズラン小説/作:ユキ/提供:スズラン荘

円卓の住人-02



「敗者復活戦だぁ?」
二牙がたるそうに立っている高田を下から見上げる。
「うむ。訓練でもこれぐらいしないと盛り上がらないからね」
高田は戦闘で負けてしまった人達に向けて、言い放った。
「1ラウンド1回戦で、DROWになっていて、2ラウンド目1回戦に出場出来る枠が一つだけ開いている。ここで敗北者全員には一斉に戦ってもらって、勝利した者を、この枠に入れようと思う」

「え!?マジかよ!?」
「きたーっ!」
「え?まだチャンスあるん?」

「そうした方がモチベーションが上がると思ってね。あぁ、それと今更だが、この訓練での優勝者には何かいいことがあるかもしれないよっと。」
高田はニコニコしながらそう言った。一体この人はどこまで本気なのだろうか。

「あー、あの。俺はどうすれば…?」
武器を失ったマジハンが駆け寄る。
「あー…バレットM82って高いから予備あったっけ…」
高田は一瞬呆けた挙げ句、ちょっとその場から立ち去り、一つの機関銃を持ってきた。
「仕方ないからこのM60を使っててくれ。」
「え…」
〆〆

100畳程の大きな和室。
先程までの戦闘と違い、そこには戦闘で負けた者達が集まっていた。
「そろそろ始めてくれてOKだ。」
高田の声で各自、所持している武器を構える。剣、銃等その種類は様々である。
一番初めに動き出したのはHNだった。
「…っ!」
HNは和室の中心へと走って行った。向かう者にそれぞれは避け、HNは中心に何もなく、辿り着けた。
「まぁ攻撃しようとインビジブルが発動するだけだけどな」
二牙の冷静な分析は言うまでもないことであり、皆承知している。
「<光の波動>だっ!」
HNの声により、剣を畳に突き立てたHNを中心に波動が拡散する。
光の波動とは、名前こそ光の波動だが、本当は光を操っている訳ではない。辺りに散らばる汚染された空気を吸収し、浄化、それを刃として拡散するだけなのである。
まぁユキのハルバートを盾代わりに防がれるなど、威力は期待出来た物ではないが。

各自、防御体制に入る。HNを中心に拡散している為、波動は外に、外に広がり、回避というものはほぼ不可能だ。天井裏なら、回避出来るかもしれないがそこまで走るにはやや遅い。
「よっ…」
ガション。スラがリベットシールドを前に突き出す。シールドという提だけあり、武器を盾にするよりは性能がいい。
「…」
そのスラの後ろに隠れる人影一つ。
GAMEだ。彼はクロスボウという武器を所持している、だがそれは盾に代用出来る大きさをほこっている訳ではない。この攻撃を避ける為には、こういう戦い方も必要なのだ。波動に触れると、少なくとも刀で切られたような痛みになるだろう。そんな攻撃には触れたくないものだ。

広がる光。周囲は閃光弾でも放たれたようにフラッシュしていた。
「げ…」
ここに一人、回避も、受けることも出来ない人物がいた。シデンだ。
「もしかしてもう間に合わないパターンですか?ははっ、まさか」
…うわあああああああああああ!
悲痛な叫びだった。

そしてここにも。
「鍵爪でどうしろと」
チェシャだ。手にはめ込む形の鍵爪、それが彼女の武器。しかし光の波動を受け切るスペックもなかった。
「…」
ただひたすらに天井を眺め、散り逝く姿。
しかし、そこに一筋の光があった。

「こんなところで死ねるかぁぁいっ!」
それは先程まで絶望を悟っていたシデンだった。彼から滲む、黄緑色の光。
それが彼の持つスタンガンから放出される電撃を過度に増大させ、大量の電撃波として、光の波動にぶつかり合っているのである。偶然シデンの近くにいたチェシャは光の波動の餌食にはならず、シデンに守られた訳である。

「あれはね、[ケイ]のクラスに属している能力だ。自分の武器が水、電気、炎等の特殊な攻撃方法を経て攻撃する場合、その特殊攻撃を助長する力がある。」
高田はこのぶつかり合いを見て、言った。
「じゃあ武器がないと意味がないってことですね」
「…」
二牙の言葉に高田は沈黙を守った。

「なっ!?シデンが!?」
HNが発動する波動が受け止められ、(拡散していた為、受け止められなかった光もあるが、シデンの周りに飛ぶ波動は受け止められた。)HNは少々驚きを交えた。
しかし、
「面白いじゃないか!次はこれだっ!」
HNは西洋の物と思われる長身の剣を構え、シデンの居る方向に走って行った。

シデンとHNが戦っている最中、また別の場所では戦闘が起こっていた。
ここは天井裏。
「やぁ、奇遇だね。こんなところで逢うなんて。」
口では陽気に笑っているが目は笑っていない。ゼロはそこに立っていた人物にトカレフTT-33を構えていた。
「おや、侵入者か。」
ガチャリ、その人物はここが既に自分の場所であるかのようにM60機関銃を構えていた。
マジックハンドだ。
「はりとのバトル、ゾッとしたよ。隠れて狙われちゃ話にならない。」
ゼロはマジックハンドを賞賛した。
「そりゃおかげさまで。しかしこっちは大切な武器を変えられてショボ暮れてる気分なんだ。」
マジックハンドはそう言うと、間髪入れずに機関銃をゼロに向けて放った。連射は止まらない。
「こっちはそう言うつもりでここに来た訳じゃないんだけどな」
ゼロはより頑丈に出来ている防弾服を盾に、機関銃での衝撃を避けていた。
「じゃあどういう要件だい?」
一通り撃ち終えたマジックハンドは切れた弾丸を再度仕込み、構えた。
「協力しようよ。」


「おりゃああああああ!!!」
HNの振り被る西洋風の長剣。狙いはシデンだ。シデンはとっさにスタンガンを構えた。しかし、邪魔が入った。
「おらおらああああああ!!」
ムービンだ。手にはめ込んであるメリケンサックを突き出し、身体全てにブーストを掛けて、飛び込んできたのだ。
「なっ…」
HNは共にそのパンチで吹き飛ばされ、ムービンは勝ち誇ったように立っていた。
「今一番危険なのはHNだ!そんなの馬鹿な俺にでも分かるぜぇ!」
ムービンは狙いをHNに絞っていた。ついでにシデンもHNと零距離にいた為そのパンチで吹き飛ばされたのは言うまでもない。

「…はて。」
HNの出す波動から何とか一命を取り留めたチェシャ。しかし何をすればようのやらただ鍵爪を見つめるだけで時間が過ぎて言った。
「おらっ!」
突如後方に殺気。感じたのが早かったおかげかチェシャは回避に成功した。
「避けたか…惜しい惜しい」
そこに立っていたのは大きな鎌、デスサイズを持っていたじゃぶじゃぶだった。その大きさから分かる通り、回避出来たが、ギリギリのラインだった。チェシャは後ろに飛びのいた。
「なんでまた私を…」
自分を狙うじゃぶじゃぶに悪意を感じながらもいずれかそうなると予見していた為チェシャは鍵爪を構え、戦闘をすることを認めた。
「じゃ、行くぜ。」
じゃぶじゃぶはデスサイズを後ろに一度引いてから、前方を切り裂いた。
「あぶなっ」
チェシャはデスサイズを鍵爪で受け止めた。しかし、耐久性も筋力ももとより此方が劣っている為、長くはもたないと考え、また引いた。
「逃げてばかりじゃ勝負にならないぞ!」
じゃぶじゃぶはまたしてもデスサイズを振り回した。チェシャは、その時、今だ! とタイミングを見計らい、デスサイズに飛び乗ろうとした。デスサイズに乗ることで、回避はおろか、じゃぶじゃぶと一気に距離をつめれることを思いついたのである。
「それっ…」
通常なら、チェシャのジャンプは成功するハズだった。しかし、突如謎の攻撃により、チェシャの足は負傷し、デスサイズはかわしたものの、バランスを崩し、倒れ込んでしまった。足の負傷はどこからともなく飛んできた、クロスボウの矢だった。
「命中…」
30m以上離れた場所にいるGAMEはチェシャを狙い撃っていた。GAMEの隣には後ろからボッコボコにされ盾を奪われたスラが頭にヒヨコを回していた。

「…ッ」
消えかかる意識の中、チェシャはふと横を見る。そこには同じくして、クロスボウを刺され、ぐったりしているじゃぶじゃぶの姿があった。狙われた部位は腹。相当の痛手により、じゃぶじゃぶは苦しそうに悶えている。
「お…、俺もう駄目だわ…。」
流石に痛みに耐えかねたのかじゃぶじゃぶは力を失せさせ意識を飛ばした。
「…」
チェシャも、もう、体力は殆ど残っていなかった。だが、ただ、ここでやられてはいけないような気がした。不意打ちごときで倒されるのはどうにも気にくわない。

その時、自分の体にふと、光が灯った。
その時、自分にはパワーが溢れていた。


「見たかい?今の。」
「何をですか。」
高田と二牙は会話する。高田はチェシャを指して言った。
「彼女は、[エクター・ド・マリス]のクラスの能力を開花させたね。」
「へぇ、能力は?」
「彼女を見ていれば分かるさ。」


チェシャは倒れたままで動かずにいた。しかしその時確実に彼女の負傷は急速に回復していた。GAMEはぐったりしている彼女に気付く術もなかった。

それは突如として、今、フィールド内で立っている二人、ムービンとGAMEに放たれた。無数の弾丸。
天井から降り注がれたそれは、彼等を貫いた。
「ぬ…」
一発、だ。GAMEの利き手ではない方の手に弾丸がかすった。
「奇襲かっ!」
GAMEはスラから奪った盾を上空に構えた。それは弾丸をことごとく弾いていった。

「うがっ!」
ムービンには足に、数発入れられた。防弾のプロテクターが弾丸のダメージを柔らげたが、ムービンには、少し、衝撃が走った。
「なんのおおおお!」
ムービンはそれに対抗意識を見せ、ブーストパンチにより、左ジャブを上空に放った。それは、弾丸を幾つも撃ち落としていった。

二人は悟った。天井裏に何かいる、と。

「ありゃま、上手くいかんかったやん」
マジックハンドが呟く。
「むぅ…次は方針を変えて見るか。」
ゼロは新たにトカレフの弾を込めた。

マジックハンドは状況を理解した。
ムービンとGAMEが道場の端っこの梯子に向かって駆けていく。
気付かれたな、と。
「おい、気付かれてるぞ。どうするんだ。」
マジックハンドはやや焦り気味の声で言う、しかしゼロは陽気なまま、足でコツコツと地を叩いていた。
「ふむ…」
「何してるんだ?」
「いや、実験。」

ゆらり。弾力により、突き刺さっていたクロスボウが押し出される。既に、外傷はなかった。しかし、気付かれると厄介だ。暫くこのままで潜伏していよう、とチェシャは決め込んだ。
隣にいるじゃぶじゃぶの意識はもうない、デスサイズは今、鍵爪よりも射程が広く、有効な武器となりえるかもしれない。チェシャはデスサイズを再度行動する時に奪うことを決めた。

「おらおらーっ!」
ムービンのブーストダッシュ、それは人間の限界をとうに超えたスピード。ついには5秒もなく100mを走りきり、梯子に手をかけた。
「…」
一方GAMEも走ってはいる。しかし、上方が気になって、盾を頭に抱えながら走ることになっている。

どんっ!
端っこまで叩き飛ばされ、壁にやがて衝突したシデンとHN。彼等の体は絡み合い、気持ち悪い構図になっていた。目が覚める頃が楽しみだ。

「あれ、開かないっ…」
ムービンがどんどん天井裏の扉を叩いても扉は開きもしなかった。
「どうしたっ!」
到着したGAMEはムービンに話しかける。
「扉が開かない。何とかなんねーか?」
ムービンの声と共に、GAMEはクロスボウを構える。狙いはドアの鍵。
「そういっ!」
この時、GAMEは狙っていたのかは分からない。ただ、分かることは、鍵に矢が当たった後、金属部分だった為、矢は撃った後、刺さりもせず落下し、ムービンの鼻に直撃したのだ。
「ぐへっ」
情けない声をあげてムービンは途中まで登っていた梯子から落下してしまった。そしてあえなく気絶。
「あ、すまん。」
軽く南無のポーズを手で取り、梯子を登ってGAMEは鍵がかかってしまった天井裏をどう開けようか考えるまでに至った。

GAMEは推測から、この鍵はクロスボウでは開きそうにないことに気付き、辺りに使えそうなものがないか探した。
近くにあった。それはじゃぶじゃぶのデスサイズだった。
さっと梯子を駆け下り、じゃぶじゃぶの元に近付いた。その場の異変には気付くこともなく。
「…」
近付くGAMEに潜伏者、チェシャは即座にデスサイズを拾い上げ、GAMEに攻撃した。その不意打ちは彼に避ける暇を与えなかった。
「うおっ!?」
GAMEは吹っ飛ばされ、ムービンの上に重ねられた。しかし、意識はある。
「潜伏期間ももう終わり。さっきの傷の仕返し、させてもらうよ」
チェシャは奪ったデスサイズを持って走り、大の字のGAMEに振り被った。
「…ッ」
GAMEはここでやられる覚悟を決めた。しかし、その覚悟こそが、光を呼び起こす起因になったのだが。

「げぶふっ!」
振り被ったデスサイズの餌食になったのは、先程まで、GAMEの下にいた、ムービンだった。

「ど、どこだ!?」
デスサイズが刺さったムービン。GAMEが目の前から消えて、周囲を確認するチェシャ。しかしGAMEの姿はどこにもない。
グサッ…
不意をつかれた。チェシャは先程まで周囲を見回していたが、チェシャの足下まで転がり込み、視界に入らない絶妙な位置からクロスボウを放ったのである。
「迂闊だったよ。まさか治癒能力があるなんてね。」
GAMEは意識が戻らないように2本目を打ち込み、周囲を確認した。残るは天井裏に居る者のみ…


「どうする?下はGAMEだけだぜ?」
マジックハンドはM60機関銃を既にゼロに構えていることはない、仲間として、ゼロを認識していた。
「そうか、ならもういいか。」
ガチャリ。ゼロはマジックハンドに拳銃を向けた。マジックハンドは驚いた顔で、
「冗談…だよな?」
と、言った。
「そう見えるかい?」
直後、ゼロの手元から一発の銃弾が放たれた。

「うぐっ…!」
ゼロの銃弾が直に腹に入る。凄い威力だ。
「おや、まだ立てるんだね。早く楽になってもいいんだよ?」
続け様に弾を入れる。全て、ダメージとなる。
しかし、マジックハンドは倒れなかった。
「…こんなに卑怯な戦い方だとは思わなかったぜ…。いいさ、お前をぶっ倒す!」
マジックハンドに光が灯る。それは鮮やかな赤色だった。
「ここで覚醒とは…厄介だ。」
ゼロはトカレフTT-33をポケットにしまいこみ、その足で思いきり、地面を叩きつけた。
バキィ…! 天井裏の地面は壊れ、いきなり落下していくゼロ。天井裏は銃弾が貫通出来る程薄く、尚且つ防弾服、プロテクターによりゼロは重装備だった。故にこんな荒技が可能になった。
「なっ!?落ちた!?」
ゼロの奇怪な行動に、マジックハンドは再度、驚かされた。

「まぁそうだろうと思っていた。」
GAMEはクロスボウを構えていた。自分が警戒しているのに、わざわざ扉から降りてくることはない、と分かっていたからだ。
「…」
クロスボウが落下中のゼロに飛ばされた。

飛ぶ矢。
それはゼロの落下速度を即座に計算し、矢がその場所にきた時点でゼロを貫くだろう、と完璧に計算された地点に飛んでいた。
「…なっ」
自分の落下に集中し、こんな事態に陥ることを予想していなかったゼロはその矢によって、腹を打ち抜かれた。
「ぐっ…」
吐き出す血痕。それと着地による足の衝撃、流石にゼロの身には負担がかかり過ぎた。ゼロは、崩れ落ちた。

「ふむ。」
GAMEはシールドを天井に向けながら、クロスボウの回収に当たっていた。クロスボウは大きい為、隠し持てる数は限られる。弾数が既に尽きていたのだ。
その作業中にGAMEは言った。
「天井裏、いるんだろ?降りてきな、降りる途中で攻撃なんざしない。」
それはマジックハンドに向けられた言葉だった。
「…わかった。」
腹に銃弾を受けているのに、更には畳への落下でダメージは受けたくない、マジックハンドは大人しく、GAMEの言葉に従うことにした。

「おや、マジックハンド君は覚醒しているようだね。あれは[サグラモール]のクラスのようだ。」
「効果はなんすか。」
「体力が切れにくいしぶとさ…かな?」
「微妙な言い方だな。」
二牙と高田はこういう会話を続けていた。

すとっ。
マジックハンドが地に下りる。M60機関銃はそれに合わせてガシャ…と鳴った。
「やぁ、下りてきたね。此方も丁度クロスボウは回収し終えた所だよ。」
GAMEはマジックハンドの方を向く。すると直後、クロスボウを構えた。
「君は既に数発喰らっているようだが。」
マジックハンドの状態を見てGAMEが言う。そのクロスボウの焦点はその狙われたお腹に向かっていた。
「ダメージを受けている場所にダメージを与える、これほどダメージソースになることはないね。」
淡々とGAMEが喋ってから、遂にそのクロスボウを放った。
「くっ…」
素早い動きは出来ないものの、マジックハンドはすれすれでその閃光のような一撃をかわし、M60機関銃を構えた。
「…じゃあ俺からも言おう。これは機関銃だぜ!」
回転する銃口。それを更にGAMEに向かって振り回す。その弾丸はGAME単体を狙う訳でなく、全方位にぶちまけられた。
「見えているっ!」
その弾丸一つ一つをその動体視力で見極め、盾で防いでいく。しかし、GAMEは弾丸を見つめ過ぎた。
ヒュッ!一つの攻撃。
「がっ!?」
分け隔てなく全方位に散らされた弾丸の数個は上空に向かい、崩れた天井裏の木材に衝撃を与えた。もとより崩れかけた部分。いつ落ちても不自然ではなかった。
GAMEにはその40cm程の木材の塊が頭上に落下してきたのだ。
「今だっ!」
マジックハンドは一瞬怯んだGAMEに突進していった。そして、零距離まで。
チェックメイトだ!」
マジックハンドはM60機関銃をGAMEの腹に放った。




「まさかこんな馬鹿らしいことが起きるなんてね。」
GAMEの腹に入ったと思われた数々の弾丸。しかし、それはGAMEの懐に入れていた数本のクロスボウの盾によって防がれ、直後の手刀がマジハンの首に振り下ろされ、戦いは幕を閉じた。

「やぁお疲れ。」
高田の声により、敗者復活戦は幕を閉じる。
「まさかお前とはな」
二牙が感嘆の声をあげる。
「途中で負けたりしたら面白くないからな、勝てよ」
二牙は戻ってきたGAMEに向けてそう言った。
「お前こそだ。」
そして、そう返された。

「新たな1回戦の始まりだぜー!」
「イェーーーーッ!」
異様な盛り上げを行っているのはHN。それに準じて、白秋が騒いでいた。
「うるさいぞお前ら」
二牙はどこからともなく取り出した煎餅をパリパリ食いながら新しく印刷された次の試合の表を見ていた。
「(ZK と GAMEか…面白い組み合わせだな。)」
「「ヒュー!イェエエエエエエエ!!」」
「だからうるさいっつの!」


「へぇ。黒刀かい?君の武器は。」
自分のクロスボウを仕込みながらZKに聞いた。あまりに自然だったのでZKは普通に返答した。
「あぁ、で?お前の武器はクロスボウと。俺はどうやら射撃を使う嫌らしい奴と当たる運命にあるらしい。」
呆れかえったようにZKが言った途端にGAMEの目が細めいた。
「そろそろやるよ?」
「来い!」
ZKは黒刀を構えた。
初手はGAMEのクロスボウ。ZKの足を狙った一撃だった。ZKはそれを黒刀で防ぐこともなく、よけることさえしなかった。ただ、
「それぇっ!」
飛んできたクロスボウを蹴り飛ばした。
ZKは無傷、散り逝くクロスボウに思わずどや顔をかましてしまったZKだが次のGAMEの行動が待っていた。
「それも計算済みさ!」
クロスボウを放っている間に5m程あった距離を詰め、攻撃を仕掛ける。
「それ!」
留守にしていた手に黒刀を動かさせる。
「…」
それを予見していたかのように後ろに回り込み、GAMEは膝蹴りを入れた。
「フェイント…!?」
ZKは吹っ飛ばされた。


「フェイント…」
GAMEの攻撃にはフェイントがかかっていた。まさに不意打ちにも取れる行動だ。
「今の数パターンで理解した。ZK、俺は君に負けない。」


「強気に出たね。」
高田はGAMEの様子を見て判断した。
「うーん、ZKはああいう攻撃には弱いからなぁ…強気ではなく事実かもしれないです。」
HNはZKの思考が分かっている。ZKは頑固で曲がったことが嫌いであり、どんな攻撃でも正面からぶつかりたい、という性格をよく理解している。
「彼にはまだ秘めたるポテンシャルがある。」
高田は言った。


「ぬぅ…」
ZKはGAMEの言った言葉に少し動揺していた。しかし、諦めてはいない。
GAMEは既に仕込んだクロスボウを持ってZKに近づいていく。
「次は、どうするつもりだ? そう思っているね。顔に書いてあるよ。」
「ぐっ…!」
ZKの考えを読み取り、更にZKを追い込むGAME。GAMEは予備のクロスボウを持ってそのまま突進した。クロスボウとは本来、木で出来た矢なので、刺さりやすい。そのまま刺しに行っても充分使えるだろう。だがGAMEは突如、左右にステップをしながら近づいてきた。
「(…)」
GAMEの攻撃は短い刀と一緒のレベル。ならば率直な話、長い刀であるZKはリーチ的に優位にある。
「それっ!」
ZKは近づくGAMEに横でなぎはらった。しかし、GAMEはその瞬間、後退し、もう片方の手で仕込んであったクロスボウを発射した。
「なっ…!?」
GAMEのクロスボウはZKの腹を抉った。
「何故そんな反応能力が…」
ZKは朦朧とする意識をなんとか保ちながら、GAMEを見た。

GAMEは、既に能力の解放を行っていた。

「切り札は温存しておきたくない主義なんだよ。」

「…」
ZKも無言ながらに能力の解放を行った。…そしてそのまま腹に突き刺さったクロスボウを抉り抜いた。赤い鮮血が飛び散る。
「ふむ、もうやる気か」
GAMEはZKを見て、クロスボウを再度構えた。
実の所、敗者復活戦の途中、腹の傷が原因でZKはGAMEの能力がなんたるかを知ってはいない。だがGAMEはZKの能力について理解を置いている。


それを知りえているかの差の故、GAMEはZKより優位に戦えるのである。

「さて、と。」
先程、短刀として使用していたクロスボウを仕込み、GAMEは距離をおく。
「このままじゃ終わらせねえよ」
ZKは[ガレス]のクラススキル、デメリットの無効を最大限に使用した。デメリットの無効とは、ダメージだけでなく、本来体に負担をかける行動でも負担の軽減を行える仕様になっている。
ZKはクロスボウを地面に突き立て、踏み台にした。そこからのジャンプはGAMEと離れていた距離を一気に縮めた。
「空中が一番危険だと言うのが分かってないのか!」
GAMEは抵抗が出来ないと思っていたZKにクロスボウを放つ。だが、ZKの行動はGAMEの思考を一つ、上回った。
「せええええええい!」
ZKは、ジャンプ途中に次の足を踏み出し、飛んできたクロスボウさえも踏み台にした。
「なんだと…!?」
GAMEはこの人間技ではない行動にのけぞった。
「喰らえやああああああああ!!!」
ZKの、高所からの黒刀が降った。


飛び散る火花。
そこに巻き起こる煙。

「終わりだっ!」
誰かの声。
瞬間、ZKは軌道をねじ曲げた。
軌道を変えていなければ自分は既に、無数のクロスボウに自ら突進していただろう。

「どっちにしろ、変わらないことさ。」
GAMEは地面に刺さったクロスボウを一つ引き抜き、落下したZKに向けた。
「GAME OVER。」

ZKの視界にはGAMEしか映っていなかっただろう。それ故に巧妙な罠に気付くのが遅れてしまった。
GAMEはこの戦闘において、自分に有利な展開を繰り出そうとしていた。
散乱するクロスボウの矢。GAMEは戦闘中、クロスボウで攻撃しようとするがせずに別の攻撃手段を取ってフェイントを幾度となく使用していた。そっちの攻撃に意識が飛んでしまい、もう片方の手でクロスボウがどうなっていたかなんて気付かない。
その時、GAMEはクロスボウをある一定の範囲内に無駄撃ちしていた。
それは、後の布石になりうる罠だった。

「最初から、君がこう、空中攻撃をしてくるのは読めていた。地上戦でのクロスボウの回避に付け加えたジャンプで叩き斬ってくることを予想していたのさ。まさかここまで上手くいくとは思わなかったけど。」

GAMEはクロスボウを地面に刺しておくことにより、自らZKがクロスボウに突進していき、致命傷を受ける戦術を取った。クロスボウの命中率で下手な所に当てるよりは後々機能しにくい所に当ててしまった方が都合が良い。

今、ZKはGAMEの能力により、技を回避され、尚且つクロスボウから軌道修正を強いられ、無理な姿勢で落下した。GAMEがこの機会を見逃すはずはなかった。

「じゃーな。」

クロスボウが飛んだ。

「…」
ZKはまだ動く。[ガレス]のクラス能力による補正により、行動はまだ可能だ。しかし、自分の姿勢と、GAMEの攻撃態勢。明らかに、不利だ。
そして飛ぶ一本の矢。
…これが最後のチャンス。

「うおおおおおおおおお!」
利き手からの黒刀投げ。
その黒刀はクロスボウを真っ二つにし、GAMEへと飛んでいく。
「忘れたとは言わせない。僕にはこの目がある。」
飛んできた黒刀を即座にかわし、そして、奪う。そこに隙は生じた。
「そこだぁぁああああああああ!!!」
ZKに灯る、更に大きな光。それは、ZKの全身に回る。


「お、Lv.2のようだ。早いね。戦場ならもっと早い進化速度だろうけど。」
高田が若干興奮気味に見ている。
「Lv.2能力はなんなんですか?高田さん。」
HNが聞く、それに高田は答えた。
「「思念遠隔操作」、といった方が現代人の君達には分かりやすいかな?物を自分の好きなように遠隔操作出来るんだ。自分の大切な物とかに限るけどね。」
「へぇ…凄いですね。」


「何を…」
GAMEが奪った黒刀がGAMEの意志に反し、勝手に動く。
「む……く…」
GAMEは遂に、刀の力を抑え切れず、手を離した。そして次の瞬間、刀はGAMEに飛びかかった。


「あらら。惜しい展開だ。」
高田の声が通る。
そこには、防御の姿勢を取ったまま、動かないGAMEと、意識の念が途切れた刀と、倒れたZKがいた。
「体力切れ、か。」
ZKは既に体力を切らしていた。ゆえに、GAMEは何とか、命拾いをしたのである。


「あっけね。」
二牙の言葉で戦闘は無理やり幕を下ろされた。

ガシャ…ガシャ…
何かの音が聞こえる。それは多分、あの少年が持つ、大きな斧だろう。


ユキ vs 白秋 

「見てらんねえ…」
外野に戻ったGAMEが言う。そう、ユキの武器は大型のハルバート、それに対し、白秋の武器はバールとスパナなのだ。
「鬼だな…」
隣にいたG.MATも口を重ねる。

「やぁ。」
軽い挨拶。しかしそれは挨拶というより、猟奇殺人現場になり兼ねない雰囲気であった。
「や、やぁ。その恐ろしい物体を下ろしてくれないかな?」
白秋が半歩下がって発言する。ユキは今、ハルバートを白秋に向けてニコニコしている状態だ。
「戦いは既に始まってるんだよ?」
ユキはその重そうなハルバートの重量を無視した動きで大きく飛んだ。
「なっ…」
そして、そこからハルバートに付属したチェーンで、穴がぽっかり空いた天井に引っかかった。
「何…してるんだ?」
「いや、君の攻撃は威力がないしこれで終わらせようかと。」
ユキはハルバートに捕まり天井にぶらさがった状態から、ハルバートに飛び乗った。天井が軽くズズッ…と痛む音がする。
「熱化。」
ユキが唱えると共に、ハルバートを中心にして、暑い空間になった。
「な、なんだ!?」
「君はこの暑さで体力が削られていくだろう。それまで僕はのんびりしていられるわけだ。」
白秋は、サウナ地獄に服を着たまま放り出されたのも同じ状況となった。

「暑いです。高田さん。」
外野達は抗議を高田に向ける。
「むぅ。分かった。一人一つ扇風機と冷えた飲料水を支給しよう。白秋くんには与えないが。」


「あつっ!」
既に白秋は汗まみれだった。しかし、更に絶望的なのは。自分の武器であるバールとスパナはどんどん熱を吸収して熱くなっていっている、ということだ。
「おぉう…ピーンチ。」
白秋は悟ると、ユキにバールを力いっぱい投げてみた。
「それ!」
ゲシッ。
しかしそのバールは軽く足で蹴り返された。
「なっ…」
白秋はそれでも諦めず、天井裏の方に向かった。そうしている間にも白秋にはダメージが蓄積されていく。

「天井裏か。」
ユキは白秋が天井に登ったのを確認してから畳にハルバートを落としてから、自分もそっと落下した。

「あー!汚えぞ!てめぇ!」
白秋はユキの行動に憤りを感じた。ユキに何とかダメージを与えるべくユキが落下した所に自分も落下して飛び蹴りをかましてやろうと白秋は飛び降りた。


グシャア。


目の前、そこには形容し難い物体と化した人間がいた。
「…生きてる?」
ピクリともしないその体、ユキは軽く熱を帯びたハルバートでつついてみた。
ツンツン。

「死んでますねっ!」
「死ぬかああああああああ!」
突っ込みと共に起き上がった白秋がバールとスパナを持って飛びかかってくる。
「うわっ!」
思わず避ける。そしてハルバートで殴りつける。
「げふっ」
ズシャアアアアアアアア。白秋が殴り飛ばされる。
「…生きてる?」
「ぬおおおおお…」
しぶとくも白秋は立ち上がる。既に汗はだらだらで熱中症になりそうだ。
「解せん…解せんぞおおおおおおおお!」
白秋はその瞬間、何かにキレ始め、体から光を放ち始めた。白い閃光。



「覚醒って案外簡単な物なんですかね。」
HNは高田に問いかける。
「知らない。」
高田はどうでもよさそうに扇風機に顔をくっつけているだけであった。
「じゃああのクラスは何だと思います?」
「[ラモラック]じゃないかな。ていうか白秋君は最初の戦いの時に能力解放を一度だけごく僅か成功させている。」
「え?」
「[ラモラック]のLv.1スキルは身体能力の向上ってことさ。成長率もね。」

「わっ…わっ…」
バールとスパナの攻撃。
「干将・莫耶!」
意味のわからないようなことを呟きながら白秋は交互に突き出すような形でハルバートで受け止めにかかるユキを押していった。
だが人間、汗はかく物である。
「あっつ!」
突如として攻め続けていた白秋の腕が止まる。熱さに耐えかねたのだろう。
「もう終わりかい?」
さっきまで押され気味だったユキは威勢を変え、白秋に向き直る。
「クッ…いいだろう。ならばここで決着をつけるぜ!」
白秋はそう言ってバールとスパナの構えを変えた。


「はっ!見てろよ!」
白秋はそう言って半歩下がり、そしてバールとスパナを投擲した。
「鶴翼三連!」
白秋は投げたバールとスパナをハルバートを盾にするユキにぶつけた。
「うぐっ…!」
「まだ終わらないぜ!」
そして[ラモラック]の能力の恩恵を得て、跳ねたバールとスパナを回収し、凄い勢いで跳んだ。
「いっくぜえええええええ!」
白秋はバールとスパナ2本をまとめて、両手で持つと、そのまま空中落下の姿勢から振り下ろした。
「北原の恨みじゃあああああ!」
「誰だあああああああああああ!」
その突撃を何とかハルバートで受け流したユキ。
「早くくたばれえええええ!」
白秋に向かって今度はユキがハルバートを振り回して行った。
「げふっ。」
しかし既に立つだけで精一杯、避けることは白秋には不可能だった。
「な…」
あまりにものあっけなさにユキは少し驚くがよく見ると、白秋は枯れた花、いいや干された魚のように湿気を失っていた。
白秋は既に限界だったのだ。

ユキの勝ちで今回は幕を閉じた。

2回目の3回戦。
対戦表には「二牙」vs「G.MAT」と記載されている。

「…」
G.MATは自分の武器を見てから自分の前に立つ相手の武器を見る。
そして深呼吸をしてから言い放った。
「理不尽だぁああああああああああ!!」


「どうですかね?高田さん。」
HNは高田に向かって勝負に関して問いかける。
「んー、みんなG.MAT君を哀れな目で見ているけどそう決めつけるのは早計だと思うよ。」
高田の言葉にHNは目を丸くし、改めて問う。
「というと…?」
「ナイフと槍では勿論のごとくリーチは槍の方が有利だが、ナイフは投擲にも扱い易く、槍の投擲は[ユーウェイン]クラスのLv.1スキル「射撃カウンター」の圏内に入ってしまう、と言うことだ。つまり一定の距離を保ちながらダメージを少しずつ蓄積していけば勝ち目はある、ということだ。」
高田の言葉にHNは「へぇ…」と理解したかのように頷いたが、一つ言葉を口にした。
「でも結局槍の方が有利なんですよね。」
「うむ。」

「どうする?」
二牙は既に戦闘態勢を取っていない。
「俺は結果が決まった勝負をしたくない訳だが。」
槍を肩で支え、時には回したりしたまま、二牙はG.MATの返答を待つ。
数分後、G.MATは一つだけ、口にした。
「勝負は既に始まってるからな!後悔すんなよ!」
G.MATは距離を取って、跳び、ナイフを投擲した。この辺武器の相性は分かっているように見えるが、初期ナイフ所持量は12本である。
「ふあぁ…」
あくびをしながら二牙は飛んできたナイフに距離を取って射程圏内から離れた所で槍を使ってゴルフのようにナイフを打ち返した。
「ひでぇ!」
飛ばしたナイフはG.MATの元にカランカランと音を立てて帰ってきた。
G.MATの投げるナイフの速度は時速80kmにも到達していない。最早こういう芸当がされても仕方ないのだろう。
しかし、打つ手は失ってしまった。

「…」
二牙は気付けば、G.MATの後ろに回り込んでいた。
「勝負すると言ったからにはフルボッコだ。いいな?」
二牙は槍の連撃を3回置きに6回続けて、いきなり現れた二牙の前に硬直してしまったG.MATの背中に打ち込む。
「ガッ…!?」
G.MATはそのまま倒れ込んだ。そこから槍をうつ伏せになったG.MATの背中に突き立て、二度目の質問をした。
「まだ、続ける?」
と。
既にG.MATは打つ術がなく、紛れもないピンチの状況に陥った訳である。

G.MATはその背中に響く痛みに別れを告げるように、その伏せた状態のまま、手を上げた。
銃を打つ時、手を上げろ!と言う時があるだろう。その時のシーンを頭に思い浮かべた二牙は、この手を上げる行為を、降参だと思い込んだ。そして、背中に押し付けられた槍の先端が離れる。
その時だった。
「かかったな!」
槍がある程度まで離れた瞬間そのうつ伏せの手を上げた状態から、即座に駆け出したのだ。そして一瞬の出来事に驚く二牙に、去り際、ナイフを投擲した。
「なっ…!?」
刺さるナイフ。それは利き手に。
「もう一本!」
放たれたもう一つは二牙の利き手の腕に突き刺さった。
身体における、腕の部分には、武器からの攻撃に身を防ぐ為の防具がない。G.MATは油断した二牙を狙って、そこを狙い、槍を封じたのだ。勿論背中の痛みも尋常じゃないが。

「フェイクですね。」
HNがG.MATの行動を見て言う。
「優秀な戦術だが、模擬戦で使うと嫌われるだろうな」
高田はその様子に苦笑いで答えた。

「卑怯だな。お前。」
二牙はそう愚痴を漏らし、利き手と反対の手で槍を掴む。
その言葉は直にG.MATのメンタルに突き刺さる。
「う…」
G.MATは半歩後ずさったが、これは二牙の罠、勝ち筋が薄くなった以上、精神面で勝とうとするやり方である。
「正々堂々とやってこその模擬戦だろ?」
「そんな卑怯なやり方で勝手嬉しいかよ」
「まぁ所詮はそんな奴だったってことか」

どんな言葉もG.MATの心に突き刺さる。
もとより彼はメンタルが弱点だ。
「う…っ」
「(今か…?)」
頭を抱えてうずめき出したG.MATに、二牙が槍を構える。行動のチャンスを作るには丁度いい余興だった。
「よし、行くぞっ!」
二牙はG.MATに突進する。
「いけえええええ!」
渾身の一撃で。


しかし、攻撃は謎の闇に吸収された。

闇。
G.MATを覆う、薄暗い闇。彼を丸く覆っている。
今、その闇に二牙の槍が刺さっている状態だ。
「…ッ!?どうなってんだ!?」
危険をどことなく察知した二牙だが、槍が抜けない。
その闇の中から無数の放たれたナイフ。
そのナイフは、槍を抜こうとしている二牙に確実に刺さっていった。


「あれは…、何でしょうかね。」
HNが高田に問いかける。薄暗い闇がどことなく不気味だったので少し鳥肌がたっているようにも見える。
「あれは…[ユーウェイン]のLv.2の能力に該当している能力の一つ、防護フィールドだね。」
「防護フィールドとは?」
聞き慣れない言葉にHNが尋ねる。
「自分を守る殻さ、彼の場合、心の闇がフィールドを展開している為、なかなか解除してくれないだろうね(笑)」
高田はそう言った。


「うぐっ!?」
無数のナイフ、一本一本に火力はそこまでない。刺さると痛い程度である。しかしダメージは蓄積されるのもまた事実、少しずつ血が流れて行く。
「こ……報…だ…!受……れっ!」
闇から漏れる声。その聞きにくい声が聞こえた瞬間、二牙の半分くらい刺さった槍がふと、軽くなった。二牙は逃さずその瞬間引き抜いた。が、
「な、な…」
引き抜いた時の感覚はあっけない物だった。何故ならば二牙の槍のその半分から先は切断されていたのだから。
「なんだこれはぁああああああああっっ!?」
二牙の渾身の叫びは道場全体に響いた。

半分に折れた槍、もとより槍とはそこまでの耐久力を持たないのだが、闇の中で折るというのは難しい…というより、闇の中で何が起こっているのかは半ば謎である。

すると、闇からカランコロン…と、折れた槍の片割れが転がる。
そして、闇が解かれる。
「制御フィールド…解除…」
スキルというのは発動ごとに、自らに反動を及ぼす。また、フィールド展開式のスキルは多大な反動を自分に与える。一定時間ごとにその反動が帰ってくる為、生半可な体力では耐えきることは出来ない。

突如、G.MATは畳に倒れ込んだ。


「あちゃー、どうやらやってしまったようだね。」
高田はその様子を見て、呟く。
「なにをですか?」
HNはそれに対応するように応える。
「彼は自らのスキルにより自分の体力を全て消費してしまったんだよ。」


「なんだこれ、俺の勝ちでいいのか?」
倒れ込んだG.MATを少し見てから高田に向く。
「あぁ、どうやら戦闘不能のようだしね。」
「ふぅん…」
二牙はどうにも納得いかない気持ちで戻って行った…が、何かを思い出すと高田に近づいていった。
「これ、どうすればいい」
槍、二本に折れた。
「あー…もう二槍流でもやっちゃえば?」
「俺には新しいの支給はなしかよ!?」
「うーん…あ、接着剤使う?」
「使わん!」
         ☆☆
「えーっと、次の試合は…」
HNが対戦表を見る。
「はりとsinか。」
両者は既にフィールドに立っており、緊迫した雰囲気を醸し出していた。

「詰んでね?」
最初に言ったのはGAMEだったか。
あれこれで試合が始まって数分。
sinの武器はエラッド。音量により、聴覚を通してダメージを与える武器である。打撃にも使えないこともないが、正直、ペットボトル詰め込んだ鞄よりも威力がないように思える。
対するはりの武器はチェーンウィップ。
自在な動きによって相手を翻弄し、刺したりなど、色々便利な武器である。

浮上した問題、それははりの能力にある。
「無意識化」
それは、ダメージ干渉をないように錯覚させる能力であり、不快感等も勿論無力と化す。
これを前提に置いた場合、
「詰んでるな。」
偶々近くにいた二牙が答える。
無意識状態にある時、音量によるダメージは無に等しい。どう戦うんだと見学勢はざわざわしている。
「まぁさっきからの戦況見る限りsinがいじめられてるだけだがな。」


「うわぁあああああああ!」
チェーンウィップが飛ぶ。sinの足下の畳にグサ、グサ、と刺さり、必死に回避するsinは攻撃にも動けない。
「…」
はりは既に能力を解放しており、試合を早期に決めようとしている。
「は、はりさん!もうちょっと楽しくバトルしようよ!」
sinの声ははりには届かない。
その瞬間、チェーンウィップの動きが変わる。先ほどは地面に刺し続けていたが、鎖の部分を駆使して、sinを巻き付けに行ったのだ。
「あわわわわわわわ」
鎖でまかれたsinは身動きが取れず、エラッドも落としてしまった。
「は、はりさん?」
そうこうしているうちにはりはsinに近付いていく。
そして蹴る。
「あわっ!?」
sinは蹴り倒される。
その戦場は強者が弱者をいたぶる図その物だった。

「期待した俺が馬鹿だった。」
それは、他の誰からでもなく、シデンの口から飛ばされた物だ。一回戦、惨敗を遂げたシデンは、せめてsinに勝ち抜いて欲しい、と願っていた。しかし、現実は非情である。

勝負は既に終盤に来ていた。
sinの声はもうかすれるようであり、今にもリタイアしそうな勢いだった。
「ゃ…やめようよぅ…一方的過ぎて観客から見るとつまらないハズだよぅ…」
sinも気付いていると思うがはりに声は届かない。
「…」
だが、はりはやがて、鎖を解除した。
「…ぉ、正々堂々するつもりなんだね!おーし…やるぞぉー!」
はりが解除したので、勢いよく立ち上がり、sinはエラッドに向かって手を伸ばしていった。
その時か。
無情にも、とどめの一撃が、sinを貫いた。
正直、鎖の解放など、何か意図があるようにしか思えない、それをsinは気付くべきだった。
蹴りだけじゃとどめのダメージは入らない。これを知っていたはりはとどめを刺しにいったのだ。

だが、勝負というのは簡単には終わってくれない。sinはとどめを刺されたハズなのに、ずっと立ったまま、倒れもせず、動かないのだ。


「おや、少しだが能力反応があるね。」
「あ、本当ですね、光が少しずつ。」
高田とHNが会話を交わす。その会話をしている間にもsinの光は力を増していた。
「…もしかして…」
高田は何かに感づいたように、こわばった顔をした。
「あのスキル…もしかすると彼のクラスは[ランスロット]に該当するのかも知れない、すると彼女が危険だ!」
「な、なんでですか」
HNが取り乱した高田に尋ねる。
「あのスキルは[バーサーク]!全てを破壊しかねないぞ!」

TRPG

TRPG
GAME\GM

sin\Hard導入編

ーここはとある住宅街ー
時刻は13:00。ちょうどお昼をすぎた頃である。
空は曇っており、まるでそこにいる一人の男の未来への不安を表したかのようだった。

…さてキミはとある依頼の派遣でこの場所にきている。
なにかロールプレイしてくれ。
ただし技能は使わないこと。
ちょっと練習ステージみたいなものなので。

「降りそうだな…」
それだけ言ってナイフや麻酔銃の確認を
服の裏でしながら目的地に向かうよ。

こんな感じでいいか?

ああいいぜ。

するとそこへ2人の男が駆け寄ってきた。
男1「よぉ兄ちゃん?ここらでは見かけない顔だねぇ?」
男2「ここは俺らの縄張りでさぁ…?勝手に入ってきたからにはちょいと痛い目見てもらおぅかぁ?」

〜強制 戦闘〜

[このバトルは逃げられません]

行動順 ハード→男1→男2

ではsin行動どうぞ。
まあチュートリアルとでも思ってやってくれ。

でわ

sinの組みつき→男1

あ、この時ハードくんは
無言で行ったものとする。

特に意味無いけどw

対抗ロール苦手なんだよな…(

sin 組み付き 85
出目 70

男1 回避18
出目 63失敗

筋力対抗ロール

成功率 75
出目 78 失敗

ではsinは男1に振り払われてしまいました。

男1 パンチ 55
出目 41 成功

回避する?

男1強いのかよ

回避しまっす。

ナイフって反撃おkだったっけ?

75ってはキミの成功率なんで筋力はキミのほうが上。
ん、クリティカル出したらできるよ。

sin 回避 76
出目 1 クリティカル

はあああああああ!?(
え!?ええ!?(

よっしゃあ( ´ ▽ ` )

じゃあハードは服の裏から
睡眠薬ナイフを出して
男1のほおをかすらせるよ。

ふむ。

sin ナイフ術 99
出目 65 成功

クリティカルなので回避不可能

ダメージ 1d4÷2=1

男1に1ダメージ!

男1のPOWロール

成功率 50
出目 11成功

では男は少し眠くなったようですがまだ立ってますね。

男2 パンチ 55
出目 92

ではまたsinどうぞ。

じゃぁハードくんはもうめんどくさいので
ナイフ投げの派生技、
<全体投げ>で2本、
男1に一本、男2に一本投げるよ。

sin 全体投げ 99-15=84
出目
男1に対して 01 クリティカル
男2対して 91 失敗

男1の回避 18-5(眠気)=13
出目 21 失敗

ダメージ 1d4=4

男1に5ダメージ!

男1は眠ってしまった!
3d3→7 7ターン睡眠

男2のパンチ 55
出目 17 成功

回避する?

回避するよ

sin 回避 76
出目 66 成功

では行動どうぞー


ほおに睡眠薬ナイフで
攻撃でお願いします( ´ ▽ ` )

ふむ。

sin 睡眠ナイフ 99
出目 2 クリティカル

え…え……(

ダメージ 1d4=2

男2に2ダメージ!

男2は眠ってしまった!

「二人とも寝たので戦闘終了」

さて、どうする?

ではナイフをすべて回収して血を拭き取り、
睡眠薬を塗りなおし、服の裏にしまうよ。
それから寝てしまった2人を
近くにゴミ捨て場があるならゴミの中に埋める。
ないなら適当に隠すよ。

ふむ。するとゴミに埋めようとした時に気づいた。
この二人が今回のターゲットだったと。
どうする?そのまま埋めてもいいし殺してもいい。
一応依頼内容は「こらしめてくれ」だそうだが
あっ言い忘れたが日本での表向きの仕事は殺し屋じゃないからな。

設定についての説明
•sinは日本に派遣された殺し屋
基本的には組織からの指令をこなしつつ指令がないときには生活維持費稼ぎのためにこういう仕事をしているって感じ。


「ふん、こいつらがターゲットだったのか。」
ならばそいつらを全裸にして
人が通りそうな木にきつめに縛り付けるよ。

ふーむ…ww
まあいいだろう。
では事務所に戻るかい?
ナイフは全て回収できたものとする

じゃあそうするよ。

ではキミは事務所でくつろいでいる。
料金は前払いだったので既に貰っているぜ。

…ではそこへ玄関のドアを叩く音がする。
どうする?出てみる?

念のためその場で誰か聞く。
「どなたですか?」

ふむ…
sin 聞き耳 25
出目 05 クリティカル

ではなにを言ってるかはよく聞き取れなかったが声の主が未成年の女性であることが推測できた。
どうする?

クリティカルめっちゃでるなぁ( ´ ▽ ` )

くつろぐのをやめ、
事務所を簡単に片付けてから入ってもらう。
「どうぞ、入ってください。」

…ではその女の子の姿を見た。
いや…見てしまったというほうが正しいか。
その女の子は制服からして女子高生だろう。
ただどこの学校までは推測できなかった。



だって血で真っ赤な制服なんてキミは見たことなかったのだから。

SANチェック

sin SAN 70
出目 09 成功

ではキミは恐ろしい光景を見たがその職業の都合からか平常心を保つことができた。
すると女の子がこう告げる
女の子「私を殺して!!!私が…私でなくなる前に…これ以上殺してしまう前に私を殺してください!!お願いします!!!」

…どうする?

いきなりゲテモノかよw
とりあえずおちつかせて、話を聞く。

ふむ。
sinは女の子の話を聞こうとした。
しかし女の子は「殺して」としか言わない。
確実に一時的に発狂してますね。

ふむ、では

組みつき→ノックアウト

で頼みます

眠らせる?俺がそんなことを許すと思う?(

すると次の瞬間女の子は苦しみだします。
女の子「う…うぐ…がぁっ…ぎ…ぁ…も…ぅ…い…や…」

すると女の子はみるみる内に姿を変え、恐ろしい怪物になってしまいました。
女の子?「ガ…グゥゥウウアアアアアアアアアアアアアア!!!」

sin SAN 70
出目 13 成功

〜戦闘 開始〜

行動順 女の子の怪物→sin

怪物 叩き潰す 30
出目 53 失敗

では次sinの行動。

え、mjすか
いきなりこの世ならざるものとの戦いですか

Hard「…!?」

Hard→睡眠ナイフ投げ×3本

ナイフ投げ 99
出目
41 成功
25 成功
20 成功

怪物の回避 60
出目 22 成功

ダメージ 2d3=5

怪物に5のダメージ!

とここで幸運ロール 70
出目 18 成功

ふむ…。

??? SAN 71
出目 38 成功

怪物 叩き潰す 30
出目 27 成功

回避する?

ん?SANチェック?

Hard→回避
クリティカルなら反撃による組みつき

sin 回避 76
出目 68 成功

ふむ…

??? 武道立ち技系+キック 70
出目 91 失敗

???「ぬぬ…。そこの方大丈夫ですか!?」

Hard「む?誰です?
入る場合は必ずノックしろって…
それどころじゃないですね。助かります。」

Hard→投げ睡眠ナイフ×2、投げ毒ナイフ×1

sin ナイフ投げ
出目
91
40
23

ダメージ 2d3=4

怪物に4ダメージ!

怪物 悲痛の叫び 80
出目 56 成功

sin POW×5-45=25
出目 32 失敗

1d3=2 sinは2ターン行動不能

平面 武道+キック 70
出目 23 成功

怪物の回避→自動成功

特殊攻撃 <フェイント>

出目 39 成功

ダメージ 2d6+1d4=6
怪物に6ダメージ!

sinは…行動不能ですぬ

怪物 叩き潰す 30
出目 11 成功

??? かばう 75
出目 48 成功

??? 受け流し 70
出目 88 失敗

ダメージ 2d6+1d6=4

???「ぐはっ」

sinはまた行動不能(

Hard「…………ッ……大…丈夫ですか…!?」

怪物 叩き潰す 30
出目 25 成功

??? かばう 75
出目 59 成功

??? 受け流し 70
出目 65 成功

ではsin解放されたので行動どうぞ

Hard→睡眠ナイフ投げ×3
→残りナイフ6本

sin ナイフ投げ 99
出目
81
5
97

怪物の回避 60
出目 72 失敗

ダメージ 3d3=5
怪物に5ダメージ!

怪物 叩き潰す 30
出目 44 失敗

??? 武道+キック 70
出目 74 失敗

次sinどうぞー

Hard→睡眠ナイフによる接近戦攻撃

sin ナイフ(接近) 99
出目 38 成功

怪物の回避 60
出目 97 ファンブル

2d4=4

怪物に4ダメージ!

怪物は気絶しました。

〜戦闘終了〜

Hardは投げたナイフを回収しながら言うよ
Hard「はぁ…なんだったんだよこいつもう…
すいません、この度はありがとうざいます。
その…私をかばってくれたんですか…
大丈夫です?」

???「これは…一体なんなんだ…」

??? 医学 85
出目 93 失敗

???「あっしまった手当て間違えてしまったか」

??? 耐久力 11→変化なし

??? 医学 70
出目 25 成功

???「ん、この怪物まだ息がありますよ。どうしましょうか…?」

Hard「えー…と、私の組…じゃなくて
友人にこういうの詳しそうな人がいるので
写メ送ってみます。」
そういって写メを撮り、
適当に組織のそういう関連の知識が
豊富な人の所に写メを送るよー

ふーむ…

sin 幸運 70
出目 97 ファンブル

え(

では組織にはこの手に詳しい人間はおらずしかも写真を見た一人がパニックに陥ったそうです(

ナイフ回収
1d6→1

では3本回収したぜ。

???「はぁ…。幸い骨は折れてないようです。あなたも大丈夫でしたか?」

Hard「私はあなたのおかげで無傷です。
それより…なぜうちに来たんですか?
極秘の依頼か何かですか?」
まだナイフを回収するよ

Hard「…と、すみません、
私の友人は知らないそうです。
あなたはわかりますか?」
まだナイフを回収するよ

???「あっいえ…あくまでここを通りかかっただけです…って…ん…?」

??? アイデア 85
出目 80 成功

???「…………………」

???がなにか考えていると怪物の姿がみるみる内に元に戻っていき、元の女の子の姿に戻りました。

どうする?

とりあえず救急車呼ぼう。
私の携帯じゃいろいろアレだから
???に頼むよ。
Hard「すいません、私の携帯が充電切れなので
携帯貸してもらえますか?」

???「あっではお願いしますね。」
電話番号かけて通話できる状態にしてから渡すよ。

??? 医学 70+15-30=55
出目 34

???はなにか戸惑ったようだが適切に手当てした。

1d3→2
女の子 耐久力→1→3

女の子「あ…ぅ…ここ…は…?」

プルルルルル…プルルルルル…
???が戸惑ったのも気になるけど、
まずは女の子にこう聞くよ。
Hard「ぉ…大丈夫?
目覚めてすぐで悪いけど、意識がなくなるまで
なにしてたか覚えてる?」

女の子「い…いえ…覚えてません…。あ…でも…私…」
女の子は少し涙を浮かべている。
女の子「お母さんを…お母さんを…」

…殺したんだな。

Hard「…そうか。
とりあえず、自己紹介してもらっていいかな?
キミの意識で来たのかわからないけど
いちよう依頼で来てくれたんだから。」

???「…あのちょっといいですか?」
そう言って携帯を使って電話を掛けた
???「もしもし、すみません。救急車なのですが私の間違いでした。申し訳ありません。」
そう言って電話を切った。

Hard「?なんで切ったんですか?」

???「あの服に染み込んでいるのは血液ですよね?明らかにあれは致死量と見えます。恐らくこの子が誰かを殺したのでしょうがこの子がやるにしては出血量が不自然です。さっきの怪物なら説明がつかなくもないですがさっきの怪物が病院で暴れても困りますしこの格好では警察に疑われてしまうでしょう。なのでしばらく様子を見ませんか?今は弱っていますし暴れ出したとしてもなんとかなります。」

Hard「ーそうですね、
ではここで皆さんの自己紹介をしましょう。
皆さんについて何もわからないので…。
あ、飲み物持って来ます。
2人は何がいいですか?」
そう言って冷蔵庫へ向かうよ

女の子「え…あ…いや…私…」

??? 精神分析 79
出目 15 成功

平面「大丈夫です、落ち着いて。私達はあなたの見方です。なにがあったかお話していただけませんか?あっ申し送れました。私は平面 解夢男と申します。」
女の子「は…はい…。その…実は…私は……お母さんを…殺してしまったんです…。といっても…私はいつものように生活していただけなのに急に意識が遠のいたかと思ったら…次に見た時には…私の腕に…お母さんの首が…。」

やっぱり平面すごいな( ´ ▽ ` )

平面の邪魔しちゃ悪いから
Hardは黙って聞いてるよ。
そんで2人にプラスチックコップに入れた
麦茶を差し出すよ。

平面「そうだったのですか…。」
女の子「信じられないかもしれませんが本当なんです…。なんで…なんで…お母さん…。」
平面「…申し訳ありませんがあなたのお名前だけでも聞かせていただけませんか?やはりお互いを知って安心しあう意味でも…。」
綾香「は…はい…私の名前は佐倉綾香。高校三年生です…。」
平面「…………(やっぱりか…いや私の考えすぎか…?)」
なにかあればロールプレイどうぞ。

Hardは事務所内の血を拭いたり、
散らかった所を片付けながら言うよ。
Hard「佐倉綾香さんね。
ちなみに私は神風真。
ここで探偵…というか
ほとんどなんでも屋みたいなことをしてます。
最近は荒事の依頼しか来なくて
困ってます。質問があればどうぞ。」

ふむ。
綾香「あ…そうなんですか…。いえ…今は特に…」
平面「とりあえず綾香さんをどうしましょうか…。今は大丈夫だとしてもやがては疑いがかかります…。怪物の歯や爪が綾香さんのDNAと異なっていてその怪物の状態で行ったならごまかすことは簡単なのですが状況がわかりませんしね…。うーん…。」



G,MAT(アステル)\井上照夜  導入編


ーここはとある裏通り。

普段人一人来ることさえ珍しいこの路地に二人の男が追いかけっこをしている。
一人は万引き犯、もう一人は探偵である。

ではアステルさん。今あなたは犯人を追ってますお。
どうしますか?

舞台はごく普通の日本の都市。
地理詳しくないので地名などは基本架空で。

勿論追いかけるぜ
俺の手持ちはなんだ?さすがに脇差しはないだろうからメリケンサックかスタンガンくらいか

いや単に犯人追ってこういう所まで来ただけさ。
いきなりグールだしたりしないから安心しなさい(

まあスタンガンは認めよう。

敏捷対抗ロール
井上 18
犯人 10

出目 2 ムダティカル(

…では井上は追いついた上に犯人を行き止まりに追いやった。
犯人「ぐ…くそっ!どうすれば…っ」

「はい、行き止まりですね。どうしますか?素直に出頭しますか?それとも気絶して出頭しますか?前者ならとても物分かりのいい警官を紹介してあげますよ。」

犯人「ぐぅぅ…」

井上 言いくるめ 15
出目 6

はぁ!?(

犯人「うぅ…お…おとなしく出頭します…」

「うん、物分かりが良くてよろしい。安心しなさい。いい警官を紹介します。」と、いっとくが知り合いの警官がいるか幸運でロールしようぜ(((

井上 幸運 70
出目 36 成功

ではキミの知り合いに刑事さんがいますね。
とても優しそうな人です。

じゃあそいつに電話するよ。
「もしもし、また迷える子羊捕まえたから面倒見てやってくれないか。」

新速刑事「おっけーだお!今すぐ蹴り飛ばしに
〜「Take2」〜
新速刑事「おぉ、ご苦労さまだお。本当にキミは頼もしいねぇ。」

じゃあその犯人を連れて警察署いくぜ 遠いなら110

井上が犯人を引き渡しに新速刑事と合流したってことにしといてぬ。
新速「いやぁーお手柄だお!キミもう刑事になっちゃったらいいんじゃないかお?」

「何を言ってるんですか新速さん。私が警官の制服を着るなんて似合いませんよ。それに、今の職だからこそ一人で解決できますし。」

新速「そんなことないお!きっと似合うお!でも確かに刑事って自由に動けないのは事実だお…」
そんな話をしているとふと目につく。
なんと一人の大人が空き地に子供達を引き連れてきてなにかを話している。
子供の人数はおよそ17人。どうする?

目星だ その方向に目星する

井上 目星 70
出目 70 イチタリタ(

ではあなたはその大人をどこかで見たことあるような気がしますね。
知りたいなら知識ロールどうぞ。

よっしゃ知識いくぜ

知識80 49 成功

あれ冷静に振っちゃったけどいいのだろうか まあ都合悪かったら振り直し頼む

今回はこちらの表現が悪かったので認めるよ。
では井上はその大人が以前プロ野球で暴力沙汰を起こしてニュースに報道されていた「朝倉 たまも」選手であることに気づきました。
新速「ん…あれ朝倉選手かお?なんでこんな所に?」

「ええ、あの朝倉選手みたいですね。シーズンも終わって帰ってきてたんですね。しかし、あんなところで何をするつもりでしょうか?少し見てきます」とそっちに歩いてくよ そんな目立たないような距離まで

ふむ。
ではユキ、適当に三角ベースのロールプレイどうぞ。


合流。

G,MAT\井上照夜
ユキ\朝倉溜真藻


「おいおい!全然球速出てねーぞ!オラッ」
カキーン
「そんな〜。野球選手に合わせるなんて無理だよ。」
「俺がお前らくらいの頃には100k出してたな」

…では井上はこれを見ました。
するとしびれをきらした新速刑事が駆け寄ってきて
新速「キミ!一体子供達になにをしているんだお!」

「ぬ…あー…誰すかあんた」

井上は新速のすぐ後ろから眺めてますね

新速「私はこういう者ですお。」
そう言って刑事手帳提示(名前確認できた)
新速「近頃人々が突然疾走する事件が増えているお。キミはここでなにをしているんだお!」

「いや、何をって…三角ベースですけど」

新速「え…?あっそうだったのかお!いきなり疑ってごめんだお。でもなんで子供達とやってるんだお?」

「大の大人はこんな遊びにもつきあってくれませんよ…はは」

新速「それならやる夫達もやるお!ちょうど今日は仕事ないんだお!さあ井上もやるお!」
そう言って無理やり井上を引き込んだ(
※犯人は違う警官が連れて行ったのでご安心を。

「(好き勝手にするひとだなぁ…)」

「(この人なんでクビにならないんだろ)いいですよ。今日は予定はないので」

とりあえずそのまま三角ベースを楽しんだ3人と子供達。
では時刻はそろそろ6:00。夕方…と言ってももう秋真っ只中なので少々暗くなってきているね。
子供達はそろそろ帰りたがっている。
二人ともどうする?

1人ずつ家に送っていく

新速も入れて家に連れて帰る

では全員分幸運ロール

新速 60
朝倉 75
井上 70
子供達1〜8 50
子供達9〜17 50

出目

88 失敗
68 成功
1 成功(クリティカル無し)
36 成功
7 成功

…。
???「クケケケケケケケケケケ!!」
空き地から出ようと思ったその矢先、そんな気味の悪い声が聞こえてくる。
※ここから翻訳しますが実際はなに言ってるかわからないってことで
???1「おい!こんな時間に人間どもがいるぜ!!」
???2「どうする?どうする?」
???1「勿論壊すに決まってるじゃないか!」
???2「よしそうこなくっちゃあ!」
そこに降りてきたのは巨大なヒキガエルのような化け物だった。頭には無数の触覚があり、とてもこの世の物とは思えない。

皆さんSANチェックですよー(

新速 60
井上 70
朝倉 75
子供達 50
子供達 50

出目
新速 50 成功
井上 21 成功
朝倉 33 成功
子供達 55 失敗
子供達 44 成功

子供達1d3→「3」!!!

子供達「なに…あれ…こ…こわいよぉ…!!」

構造としてはまあドラえもんの空き地でも想像しとけ。
ただし壁よじ登るヒマはないぞ。

化け物1「おい!早くやろうぜ!」
化け物2「おお!そうだな!」

〜戦闘開始〜

[このバトルは逃げられる確率が低いです]

井上→朝倉→化け物2→子供達1→子供達2→新速→化け物1

新速の攻撃技能
マーシャルアーツ 50
キック 25
パンチ50
拳銃 70

まあたしなみくらいに武道習ってましたよ程度のスペック(

よし、取りあえずバットをてにとって どうすっか

バット取るならターン消費するぞ。
幸運ロール次第では持っていることにしてやってもいいが。

やれることは
1、殴る
2、通報
3、逃走
3は場所てきに厳しいから1、2のどっちか
1だな 通報はおれより新速のほうがいい
「新速さん!こいつら襲ってくる気だ!失踪事件の犯人が分かったとか火事とかなんでもいい!警察に応援をよんでください!」そういいながら化け物2へバットを振り回す

では新速は今回のみ自分のターンに攻撃せずに通報を行うものとする。
井上 日本刀 99-10
出目 79 成功

化け物2 回避 50
出目 93

ダメージ 1d8+1d4
出目 11!!!

メキィッ!!!

化け物2「グ…グギィイイイ!」
次朝倉な。

化け物2に硬球で<投擲>、<ストレート>発動します

朝倉 投擲 89-15
出目 65 成功

ダメージ 1d6+1d4
出目 8

化け物2「グガァ!」

化け物2は少し弱っているがまだ立ってる。
では化け物2のターン

化け物2 槍 50
出目
67 失敗
8 成功

対象は井上。どうする?

二回だと!?
回避!

井上 回避 90
出目 30 成功

新速は電話をかけた。
新速「も…もしもし!今○□地区の空き地に凶悪殺人が起きているお!早く応援よこせお!」
新速 言いくるめ 70
出目 47 成功

警官「ほ…本当ですか!?今すぐ向かわせます!」

では応援を無事呼べたね。

子供達1 逃げる 成功率25
出目 34 失敗

子供達2 逃げる 成功率 25
出目 90 失敗

化け物1 槍 50
出目
2 クリティカル
49 成功

対象は朝倉。どうする?ちなみに回避しても一撃くらう。

む、とりあえず回避


朝倉 回避 89
出目 32 成功

ダメージ1d10+2d6
出目 12!!!!

朝倉耐久力 13→1 「自動気絶」

朝倉さんお疲れ様っしたー(
次井上ー

一応化け物1の槍を受け流し宣言しとくぜ
そんでもって化け物2を撲殺

井上 日本刀 99-10
出目 33 成功

怪物2の回避 50
出目 26 成功

怪物2の槍 50
出目 92 83 失敗

子供達 逃げる 25
出目 51 失敗

子供達 逃げる 25
出目 37 失敗

新速 マーシャルアーツキック 50
出目 33 成功

怪物1 回避 50
出目 73 失敗

ダメージ 2d6+1d4
出目 9

怪物1に9ダメージ!!

怪物1 槍 50
出目 28 7 両方成功

井上 受け流し(パンチ) 70
出目 79 失敗

…回避する?

避けろ俺!

井上 回避 90
出目 8 成功

※受け流しに失敗したので一撃入ります

ダメージ 1d10+2d6
出目 8

おいダメージ腐ってんだけど

井上 耐久力 13→5

ショックロール 70
出目 98 ファンブル

なにか言い残すことは(

「ガキども・・・生きて帰ったら親孝行しろよb(バタッ」

まて、まだ最強の警官新速が残っている それに応援は呼んだ 幸い出血でダメージなんてない きっと生きて帰れるさ 

ふむ…。
幸運ロール
新速 60
出目 11 成功

警官a「おい!ここか!?凶悪殺人…ってなんだこれ!?」
警官b「と…とりあえず発砲用意!!」
警官c「みんな打てぇー!!!」

1d3-1=1

では懸命な発砲により怪物1が蜂の巣になった。
怪物2 槍 50
出目 83 85 失敗

子供達は警官に保護されました。

新速 マーシャルアーツキック 50
出目 70 失敗

警官達 発砲(全員での連射)
1d30→21発

怪物2「ぐ…ぐぎゃああああああ!!」
怪物2 死亡

応援呼んでよかったね(

戦闘に勝利(?)した!

もう俺たちいらないんじゃないかな

いらないね。

そんなことないぜ。
キミらがまともに戦闘しなければ子供達が足とか引きちぎられてSANチェック入ってたぞ。

あ、私 子供達の足とか引きちぎられるの見たかったかも((

女の子にやられるんならよかったけどな

おい変態w

女の子に殺してもらえるなら本望(好いている人限定)

とりあえず、救急車 あとその前に全員がかりで朝倉に応急手当

ふむ…。

応急手当て

新速 60
子供達補助 +5

出目 60 成功

ふーむ…。じゃ1d3回復

出目 3

朝倉 耐久力1→4

あれこれ朝倉復帰するのでは(

朝倉寝とけ

俺の親孝行パワーだな
あ、俺も頼む 俺を助けろッ!
てか新速俺より応急手当高いんだけど


ではその頃…

平面「あれ…?電話か。」
看護婦「平面さん!重傷患者が二人いれそうです!そこからのほうが近いので救急車お願いします!」
平面「ええ!?わ…わかりました!」
平面「どうしましょうか…。あなた方も一緒に来ますか?」

Hard「…あぁ。あとこの子も連れて行きましょう。私1人では少し不安ですので…」
あと、ナイフをすべて服の定位置に戻すよ。


新速 応急手当て 出目 45 成功
出目 2

では井上は回復しておきましたね。

俺は目覚ますな 
「一体これはどうなってるんだ?」って起きてからすぐ言うぜ

あ、GM最後に 怪物の死骸はまだしっかりあるか?

まだ一応あるよ。
ただまあメタになるけど少ししたら消える



•朝倉 □□□□■■■■■■■■■(残り4)
•井上 □□□□□□■■■■■■■(残り6)
•ハード □□□□□□□□□□□□□□(最大値14)
•平面 □□□□□□□□□□□■■■■(残り11)



ではまず救急車で平面、綾香、ハードが朝倉、井上、新速と合流する所だったね。
ここからみんなでロールプレイで
平面「大丈夫ですか!…っておい朝倉!?どうしたんだよその傷!?」
新速「あんた知り合いか?すまねぇお…刑事のやる夫がいながら守り切れなかったお…」
平面「とりあえず救急車の中へ!」
新速「運転は任せてくれお。お医者さんは治療頼むお。」
朝倉井上はなにか平面たちに言いたいことがあればどうぞ。
綾香とハードは隠れてることにしてもいいがどうする?

「悪いな…今喋るのがすげーつらい」

その前に、今は綾香の服に血は付いてないのか?

それなんだ 化け物になったのに服はまず破れてないのか
いや別に巨大化とか一度も言ってないけどやっぱ怪物化と言ったら服がビリビリ破れて戻ったらすっぽんぽんって流れだと思ってたんだああなんて羨ましい

やめれ変態w

平面「わかった。じっとしててくれよ…」
平面 医学(器具があるということで特別に二回目施工)85
出目 16 成功
1d3→2 朝倉2回復

出目 53 成功
1d3→2 井上2回復

井上「朝倉さんのお知り合いでしたか。まあ、今は朝倉さんの治療を最優先にお願いします。」

「…っ。少し楽になったよ。しかし…話は明日でいいか…?」


sin
うん、明らかに致死量の血がついてるよ☆(
だがハードの貸した服に服着替えたってことにしてもいいよ。
アステル
怪物になっても服が破ける程に肥大化はしない。
耐久力は底上げされてるけど

平面「わかりました…。しかしあなたもすごい怪我ですよ…。一体なにが…」

平面「わかった。苦しい所喋らせてしまってすまないな…。」

もう少しRPしたいんだがその前にハードと綾香がどんな状態なのかだ

で、ハードと綾香はどうする?
平面の知り合いということで紹介くらいはしてもらえるが。

じゃあ着替えたことにしてくれ。
あと、Hardと綾香に手伝えることがありそうならみんなの前に出て作業するよ。

ふむ。とりあえずはやることないかも(
でもプレイ的には早めに合流できたほうがいいで

平面「あっ、ちなみにそこにいるのはさっき知り合った真さんと綾香さん。ちょっとこっちでも大変なことになっててね…。」
ということで全員お互いの名前を確認できたってことで。
そろそろいいかな。病院についたぜ

ここは都内のスズラン病院。
いつもは穏やかな雰囲気のこの病院もいきなりの緊急患者たちによってあわてふためいている。

平面「………」
新速「ど…どうなんだお…?」
平面「安心してください。二人とも一命を取り留めましたよ。」
ハード君なにかあればどうぞ

ん、じゃあ…Hardは新速の見た目から警察と判別したとして、無言で待機だよ。

ふむ
新速「それはよかったお!はぁ…しかしあれは一体なんだったんだお…?」
平面「ん…?あっそういえばなにがあったのですか?あんな傷そうそうないですし…。」
新速「…うーん…キミは見たこともない化け物が襲ってきたと言ったら信じられるかお…?実際の所そうなんだけど…。」
新速 信用 60
出目 24 成功

平面 アイデア 85
出目 27 成功

平面「…!」
平面はハードと出会った時の化け物のことを想像したみたいですね。
平面「…実は私たちも同じような目にあったのですよ。それはどんな怪物でしたか…?」
新速「なんというか…でっかいヒキガエルみたいな化け物だお。頭に触覚学校いくつもある…。」
平面(…俺と真さんが見たのとは違う…のか…?)
平面「そうでしたか。とりあえずお互いゆっくり休みましょう。今日はここに泊まっていっても構いませんよ。」
新速「じゃあそうさせてもらうお…」
ハードはどうする?
綾香は治療受けるので強制的に残り

警察がいるから…ん…いや、
綾香が心配だという理由で一緒に泊まってくよ。
ただし、衣類や荷物は厳重に管理
寝る時はみんなと違うところで…
そうだなぁ…廊下で適当に音とかを敏感に聞き取れる座った体制で寝るよ。

ふむ。
ではとりあえずみんな休養を取ることになるかね。
ちなみに綾香は医学治療成功で1回復した。

では次の日の朝だね。
最初に起きたのはハードだ。
どうするかい?

1日経ったら耐久力回復させようず

ふむ…。ではみんな1回復で。
平面 11→12
朝倉 6→7
井上 7→8
綾香 5→6

さてと。どうしよっかなー(

ん…とりあえず
Hardくんって料理できたりするのか?

現在は朝方の5時だね。
Hardくん料理したいなら<芸術>の初期値でどうぞ。

初期値って5だよね?
え、失敗しろっていってるの?((←

んー…じゃあまぁ、
とりあえず何もしないで
寝てた場所で仮眠するよ

ふむ…ではそんなキミの前に人影が。
綾香「あの…」
さてどうする?寝たふりしてもいいし答えてもいい

でわ仮眠の体制のまま
Hard「ん?どうかしたか?」

綾香「あ…その…どうして…助けてくれたんですか?私みたいな人間…いやもはや怪物同然の私を助けるなんて…。」

Hard「…なぜかな、
キミを見たら昔のことを思い出したんだ。
それで放っておけなくなってな…」

綾香「昔…ですか…?…あなたもなにかあったのですね…。」
綾香はしばらく黙り込んでこう続けた
綾香「あの…私…これからどうすればいいんでしょうか…。もう…自分でもなにがなんだかわからなくて…。」

Hard「…私にはわからないな。
みんなが起きたらこれからどうするか
考えよう。」

綾香「そ…そうですよね…いきなりすみません…。」

では朝倉、新速、井上が起きたね。
お二人どうする?

ちなみに朝倉、井上はそれぞれのベッドの上ですので。
新速は無傷なのでイスに座ってる感じで。

「ハ!?夢か…!?」

新速「お、起きたかお。朝倉君一体なんの夢見てたんだお?」

俺たちとsinの場所は?

Hardと綾香は井上と朝倉の病室出てすぐの廊下だね。

「…いや、なんでもない。
今何時だ」

新速「今はー…午前5時半くらいだお。」

「…病院ってことは昨日のあれは夢じゃないんですね。いまだに信じたくないですが」

朝倉の体動きます?





ここでNPCのキャラクタシート

•新速 やる夫
筋力15 頑健11 精神12 敏捷9 外見8 体格13 知力13 教育14
•マーシャルアーツ 70
•くみつき 70
•拳銃 75
•応急手当て 60
•言いくるめ 70
•信用 60
•運転(常用自動車) 80
•回避 60

•佐倉 綾香
筋力9 頑健9 精神9 敏捷11
外見17 体格6 知力11 教育8
•隠れる 60+15
•聞き耳 50
•目星 60
•芸術 80
•忍び歩き 20+15
•応急手当て 50
•コンピュータ 25
•図書館 52

•平面 解夢男
筋力14 頑健12 精神15 敏捷15
外見14 体格18 知力17 教育14
•医学 70+15
•応急手当て 30+15
•目星 70
•投擲 70
•聞き耳 70
精神分析 79
•武道立ち技 70
•キック 70
•回避 89

それぞれの起用の仕方アドバイス
•新速
突っ込ませても回復させても説得に使ってもそれなりにこなせる。
そのうえ警官なのでかなり万能。
•綾香
芸術や隠れるが高いのでそれをいかしたい。
が、なるべく敵には近づけられない。要は難しい。
•平面
戦闘事はお任せ。
運次第では一人でムーンビースト潰してしまう。
ただ一度スイッチ入ると高い知力のせいで発狂しやすいため発狂イベントに滅法弱い。





みんなが起きた頃に平面がやってきた。
平面「おはようございます。昨日は大変でしたね…。そしてなにより朝倉さんと井上さん二人とも一命を取り留めることができてよかったです。」
ちなみにこの時点で全員集合してるということで。

朝倉「朝倉さんって…お前よそよそしいなぁ」

hardと綾香の見た目どんな感じ?主に服装

Hardくんは昨日と同じ服装だよね?

平面「ははは…だってみんな初対面の人もいるんだしさ。」

hardはsinに聞いておk。
綾香は何故か男物の服を着てる。

でわでわHardくんは
Hardくんなりに気に入ってる
昨日と同じ仕事用の秘蔵ポケットいっぱい
の服を着てるということで

「・・・?お二人は知り合いなんですか?あと、そちらのお二人は?」

朝倉「ふむ、それもそうか」
そう言って朝倉はポケットから煙草とライター取り出します。ヒュ-病人

平面「ええ…朝倉と私は高校時代の友人でしてね。そこのお二人は少しトラブルに巻き込まれたようでして…。そこを偶然私が通りかかったのですよ。」

「そうでしたか、私ども以外にトラブルが・・・。遅れましたが私、探偵をしている井上とお申します。以後お見知りおきを。」と営業スマイルで言っとくか

平面「おいおい朝倉ぁ…大怪我してる時くらいタバコは控えとけよ?」

朝倉「かぁあああっ、なんだお前。さっきまでのさんはどこに飛んでった。まぁここは病院内、少し自重するか。それとお前煙草吸わねーんなら何時か持ってたあのライターよこせっての。んでもってそこの二人…誰だっけか。」

「それ以前に病院って禁煙じゃないんですか?」

平面「えぇ…まあ一応そうなんですが最近は守ってくれない人も多くて…。困ったものですよ。」

→朝倉
平面「あれはー…先生がくれたものだしな。あげるにあげられないんだよ。」

→井上
平面「ええ…あっ私はこの病院で医師をしております平面と申します。」

朝倉「お前昔からケチだよなぁ…(シケた顔) ん、そそ、あんたらだよ。俺は朝倉って言うんだが…ま、会話聞いてたら名前くらい分かるか。プロの野球選手してるんだが今はシーズンオフでね。」

「さて、そちらの二人(hard、綾香)も自己紹介お願いできますか?」ニコニコ

→朝倉
綾香「私は作倉綾香です…。朝倉さんですか。よろしくお願いします…。…そういえばたしか以前テレビで暴力
平面「あーっ!!あーっ!!あそこにゆーふぉーがぁー!」

→hard
綾香「あとこちらは…えっと…すみません…お名前…」

朝倉「ははっ。いい子じゃないか。それに対して平面、お前はそれでも本当に医者なのか?ただの馬鹿だよな?お前。」

→井上
綾香「あっ…ハイ…私は作倉綾香…高校3年生です…。神風さんと平面さんには暴走している所を助けていただきました…。」

→朝倉
平面「あのねぇ…。」

朝倉「ふむ、そうかい。神風さんね、覚えとくよ。にしても…奇怪な事件に巻き込まれたもんだよ。これからどうしろってんだ…イテテ、傷が少し痛むな」

朝倉「いやいや、お前がいきなりUFOだどうの言うからそう言う勘違いをされるんだぞ。うん。まぁお前の高校の成績の良さは保証するからよ」

→Hard
井上「同業者でしたか。(はて、聞いたことない名前ですね。年齢的にはどこかの事務所に所属してるのかな?)」

朝倉「…ん?暴走?」
他人の会話に聞き耳を立てる朝倉。

なんかブラックの仕事っぽいし表向きには有名じゃないと判断>hard

「??????ぼ、暴走ですか・・・。はい、えーっと、何か嫌なことでもあったんですか?」

暴走を何か嫌なことがあって錯乱してたと解釈

TV「次のニュースです。えー昨日、東京都○○地区で女性が喰いちぎられたかのような状態で死亡している所を発見されました。」
綾香「…!!!」
TV「えー第一発見者は被害者の家から化け物が出て行ったと訳の分からない供述を述べ、捜査は難航しています。この事件は

綾香は思いだしてしまう。自分の姿をうっすらと…鏡に映るその醜い姿を…そして自分の目の前で赤く染まった動かない母親を…

綾香「あ…ああ…ああああ…あ…」

朝倉「お、おい、どうした!?嬢ちゃん!?」

「んな!?あの化け物他のところでも被害を出してたのかッ!!
・・・綾香さん?どうしました?」

井上は驚いた時や怒ってるときは素が出ます

Hard「!平面さん、ちょっとお願いします」
Hardは平面に精神分析を頼んで
TVを消しにいくよ

平面「わかりました!!」

平面 精神分析 79-20
出目…



平面「綾香さんとにかく落ち着いて!深呼吸して下さい!!」
綾香「うあ…あ…ぁ………………………」





綾香「ドグァアアアアアアアアアアアアン!!」

みんなは目を疑った。何気ない会話。
そこにいた少女。いたはずの少女がいない。
いや…しかしなにかがいた。



とてもおぞましい怪物が…



出目 87 失敗

朝倉「お、おい。こんなの聞いてねえぞ!事情説明しやがれ!」
と言いながら偶々持っていたライターを構えます。

綾香?「ゥウ…ウゥウ…ガァッ…」

平面「怪物に…なっ…た…!?」

SANチェック
井上 成功
朝倉 成功
hard 成功

平面 失敗
綾香 失敗
新速 失敗

朝倉、井上、hard 減少なし

平面 -1
綾香 -1
新速 -2

戦闘…ですか?

ですねー(

戦闘開始

怪物→井上→平面→hard→朝倉→新速

怪物 叩き潰す 60
出目 38 成功

1d6→4

対象者 朝倉

おい、痛いじゃねーか 回避回避

朝倉 回避 89
出目 57 成功

次井上ー

「アレ以外にもいたのかよ!新速さん!ドア閉めて一応鍵も掛けてください!」
ベットから出て臨戦態勢

新速を使わせる 位置関係考えると
ドア   平面ら  ベット だと思われるからね 

新速「りょ了解だお!」
ということで新速はターン消費して戸締まりしました。
平面「ぬぅ…」

平面 投擲 70
出目 5 クリティカル!

平面は近くにあった花瓶を投げた。

ダメージ 1d4
出目 1

1-1=0

しかし怪物はビクともしない。

次hard

組みつきまっす

元美少女に組みつきだと…?貴様…正気か…?

いやいや、ここは組みつきが一番でしょっ

hard!貴様にはまだ早い!ここは俺が組みつきを!

やめときなさい、
キミがやると確実に発狂するよ←
いろんな意味で

hard 組み付き 85
出目 40 成功

怪物 回避しない

筋力対抗ロール 40
出目 67 失敗

hardはあっさりふりほどかれてしまった。

次朝倉

mjですかー

鞄からー。バット2本取り出して、井上に1本投げるぜ。これで1ターン。よろしく!

了解。次ターンより井上はバット所持で。

怪物 叩き潰す 60
出目 4 クリティカル

対象者 2 井上

井上 クリティカルにより回避不可能

ダメージ 2d6+1d6
出目 8 自動気絶

平面 医学 70+15
出目 64 成功

1d3→1

井上 HP0→HP1

次hard

うい、もっかい組みつくよ

hard 組み付き 85
出目 64 成功

筋力対抗ロール 40
出目 4 クリティカル

なんとか組み付けたね。
ここから行動おこすにはまた筋力対抗ロールだけど。

先輩 攻撃は二度目の筋力対抗ロールいらないっすよ いるのは相手を身動きできなくするときだけ 抑え込むってやつだね

おk、そっからのっくあうとこーげき

No.1『円卓の住人』スズラン小説/作:ユキ/提供:スズラン荘

円卓の住人
作:ユキ
提供:スズラン荘

ここは戦場。
鳴り止まない多数の爆発音。
戦力差は圧倒的、しかし、奴等は攻撃の止めることはない。彼等は、何故砲撃を止めないのだろうか。
既に此方の軍の死傷者は何万人と上る。

この俺達が戦闘を逃れる為に入り込んだ洞窟からはもう、こちらの軍と思える人物はたった一人しか戦ってないではないか。そう…たった一人しか…。

「…」
無数の爆発…。しかし最早この戦場で鍛えられた肉体は何にも恐れたりしない。
と、言えど既に左手、右足は俺にはない。
それ所か、左足には弓が刺さっている。しかし、右手がある限り、まだ戦える。

彼が手にしているのは流星の剣。
彼が一つ振るう度、星が降る。

「この、一等地。昔はスズラン荘という建造物があったそうだ。」
男は言った。男は懐かしそうな顔をして、…だが顔を伏せた。
「今は昔の話ですが。」
「どんな、建物だったんですか?」
若い男、横には若い女。多分此処を購入するつもりなのだろう。ならば、彼等に昔話をすることにしよう。
「昔の話さ、ここは、[普通の人間]が住んでいたのさ。普通の人間、そう。君達は、普通の人間が力になりうる物を手に入れたら…どうすると思うかね?」
「力…ですか。それは…金や権力を欲する…ですか?」
「ふむ。まぁそう思うだろうね。ここから先の話は長くなるが、それでも聞くかい?」
「…はい」

「こんなもん見つけた。」
フードの人物、仮名ユキ。彼はこのスズラン荘に存在する一住民。
このスズラン荘という建築物、実に愉快な構造となっている。地下の存在、謎の栽培場、無駄に大きな研究室。
それは管理人、通称HN(変態-流れ星)にも内蔵がよく分からなくなっているらしい。
今回、ユキという人物が持ってきたのは、

大きなハルバートだった。

「ハルバート!?」
巨大な鎌でもなく、斧でもなく…な造形を見て住民達は慌てふためる。
「そう、ハルバート」
ユキは軽くハルバートを持ち上げた。…外装と音から軽く100kgあるようにも思える。
「んなのどこで見つけたのさ!?」
HN。ここの管理人。あまりに物騒な武器に少々驚いている。
「えーと…そうだ。地下10階だ。」
「地下10階…?うちには9階までしかなかったハズだけど。」
「なんかあった。あったから寄った」
ユキは自由奔放な人柄であり、行動が気紛れ、適当で片付けられる。
とにもかくにもスズランの住民達は、謎の10階に行くことになった。

「あれぇ…本当にあっちゃったよ。」
地下10階、天井を見ると、地下9階で栽培していたレモンの木の根っこが見えなくもない。ここはコンクリートで出来てる訳でもなく、自然に出来た空洞に見える。
「こっち」
先々と進むユキ、すると、ある場所で立ち止まった。
「ここが最深部に繋がる道だ」
最深部の前に住民は立て札が立てかけられているのが気になったらしく、皆そこを見つめていた。
そこには [一人ずつ入ってネ!]
…と。
「これ明らかに人為的に作られてません?」
黒服で身を包む年中暑そうな人物のGAMEが言った。
「気のせいだ。」
「え、ちょ、おい」
「とりあえず、ここの奥で、ハルバートが見つかった訳ですわ。お前らにも見合った武器があるかもなー。」
脳天気なユキとハルバートの前にHNが言った。
「そんな危ないもん回収するに決まってんだろ…」
と言ってHNがユキのハルバートに手の伸ばした。住民達もそりゃそうだな、と解散しかけていた、が。
言葉に表せない無数の数の羅列がHNを襲った。
「うわあああああ!!」
「ふむ、どうやらこれは自分以外の人間には回収出来ないようだね。」
HNは、膝を地につけ、へたりこんだ。

「どうした!?」
へたりこむHNにラフな格好をした寝癖男ZKが近づく。
「な…なんだ…今の。」
HNは指を震わせていた。
「だからどうしたって。」
「無数の数の羅列が…俺を…」
そこに、最深部への道から、誰かがやってきた。

「とったりー!」

ムービンだった。その手にはしっかりと、武器、メリケンサックがあった。
「やっほいメリケンサック(キラ-ン」
「何してんだあああああ!」
HNはムービンの勝手な行動に叫びをあげた。
「いや、だって武器とか格好いいじゃないか。欲しくて何が悪い」
「いやいやいや…」
HNの声は涙と共に消えていった。
「いいか?もう誰も取るなよ?いいな?」
HNは管理人として、安全の為に声をかけていっていた。だがその時。
「おい、後ろ。」
二牙の声で振り返ると、そこには、全身が灰色、しかし全てのスズランメンバーが、武器を持って立っていた。
「…え?」
すると、灰色のスズランメンバーが自分自身に向かって襲いかかっていった。
「おい、足止めをしておくから早く武器を取りに行け!」
ユキは駆け出し、ハルバートで飛び込んでいった。
「ムービンも戦ええええええ!」
言われてからハッとしたムービンは、足止めに加わった。
「…ッ!まさかこんなことになるとは…」
HNは、事態がよくわからないまま、焦りを感じていた。

「おんどりゃああああああ!」
動くだけでガシャガシャと鳴る、重く、動きが鈍るハルバートで全ての面子を相手に足止めをするのは無理があった。しかし、不幸中の幸いと言うべきか、これらの自分自身の分身は、本物よりも多少運動能力が劣っていた。
「せええええい!」
街中で暴れ散らす不良のようにムービンも戦っていた。

「くそっ!一人ずつしか入れねえんだったな。どうする…!?」
焦りを感じるHNに、無駄な洞察力の白秋が言った。
「おい、よく見ろ。ユキの武器と、敵のユキの武器、ムービンの武器と敵のムービンの武器。あれ一緒じゃないか?」
「ん、ああ、そうだな。」
「あの中で強そうな武器を持ってる奴から中に入って応戦に混じっていくのはどうだろう。」
「ふむ。それもそうだな。んで、一番強そうな武器持ってる奴って誰」
「お前だよ。速くいけ」
「え」
ゲシッと背中を蹴られ、HNは道を進んでいった。
敵の灰色HNの武器は、長身の剣。何やら青いオーラを纏っており、いかにも主人公です臭がする。


「戻ってきたぞ!」
HNの雄叫びが響いた。
「遅い!43秒!」
典型的なもやしっ子のアステルが突っ込む。
「えええ…、とりあえず戦闘に混じればいいんだな。」
HNが駆け出し、剣を振るう。
「いっけええええええええ!!!」
HNの加勢により、戦況は楽になったが、やはり厳しいまま。
そのまま、スズラン住民は次々と武器を取っていった。

「やっとか…」
戦闘が始まって約10分。
スズラン民の殆どが武器を取り、自分自身との戦いを行っていた。
「もう無理。ばたんきゅー」
ユキは相手と数歩距離を取り、
「HN、任せた」
と言い捨て、休憩に入ってしまった。
「何してんだよお前えええッ」
HNの叫びも届かず、ユキの分身も仕方なくHNが止めていた。
「そうりゃああああ!!」
声の主は二牙。彼は1m50cm程のランスで自分自身の分身の胸を貫いていた。
「どやあぁ」
「「「(こ、こいつうぜー)」」」
「終わったなら手伝えボケ」
どや顔をかます二牙にユキが言った。
「へいへい…ってお前休んでんじゃねーか!!」
ノリ突っ込みも健在。が。
「俺はいいんだよ。いっぱい戦ったから」
「ぐ…納得いかねえ…」


「片付いたか?」
HNが声をかける。
「みたいだな。しっかし、自分自身を殺すっていうのは気味が悪くてしょうがない。」
ZKが返す。灰色の自分自身はやられた後は砂になってしまっている。
「しかし…なんなんだこれは…」
HNは非現実じみた事に焦りを感じている。
すると、階段から一人の人物が降りてきた。
「やぁ、君達は全員合格だね。」
引き締まったスーツを着た、渋いオジサンであった。彼は陽気そうな人柄で、しかし、隙などはなかった。
「合格ってどういうことかな?」
怖い視線を投げつけるはり。
「いやはや、合格って言われると気分がいいだろう?」
「そうだな」
ユキは棒読みで返す。オジサンは続ける。
「まぁとりあえず簡単に説明してお「そうだな」くとだな、君達は私の在する組織であ「そうだな」る通称[catastrophe]の…って君聞く気ないよね!?」
「うん」
「いやいや、君は聞く気がなくても気になっている人はいるは…」
「オジサン、他の全員は部屋に戻ったよ」
その場所には、もう、他の住民は一人たりともいなかった。

「へぇ。カツカツ」
ここはユキの部屋。オジサンを入れて会話を行っている。因みにユキは飯を食べながら聞いている。
「じゃあさっきの続きから」
オジサンはどことなく目を真剣にした。
「私は[catastrophe]という団体に属しているこんな者だ。」
オジサンは名刺を差し出し、言った。
「[catastrophe]っていうのはね、今世界各地で起こっている戦闘を武力で介入して止める団体なんだよ」
「ソレ○タルビーイングみたいっすね」
「おい」
「冗談です。続きをどうぞ。」
「うむむ…それでだね、各地で戦える人材がいないかという人材集めをしてる訳だよ。勿論試験つきでね」
「そんなのに応募した覚えないんですけど」
「いや、此方で抽選をして、そこに寄っているのさ」
「果てしなく迷惑ですね」
「五月蝿いぞ。とりあえず君達はその抽選に選ばれた訳だ」
「だからってあの灰色の何かで戦闘させるなんて危険じゃないですか」
「大丈夫だ。あれは君達にダメージを与えない。ただ、襲いかかるフリをしているのさ」
「果てしなく迷惑ですね」
「…ゴホンッ…まぁ兎に角、合格した訳なんで君達はうちに入る権利を得た訳だ。」
「それはさておき、あの灰色のどうやって出来てるんですか?現代の技術じゃあんなのは無理なはず。」
「ふふん。知りたかったら入るのだな。…おっと、一度加入してしまえば退団出来なくなるがね。」
「じゃあやめます」
「案外あっさり!?お願いぃいい武器もあげるからぁああああ」
オジサンは飯を食べ終わって部屋を出ようとするユキの足に泣きながらしがみついてくる。
「はぁ…そんなの他の住人に聞いてからですよ」
ユキはロビーに行き、皆を集めた。

「はぁ、で、何?俺達に参加しろと?」
二牙がオジサンに語りかける。今、ロビーにスズラン住民が集合し、オジサンの話を聞き終わったところだ。さっきから飛び回っている蚊が鬱陶しい。
「まぁ、そうなるね。ああ、忘れていたよ。自己紹介をしなければね。私の名前は高田だ。」
ユキは名刺を渡されていた時点で分かっていた模様だが、他のみんなは名前をここで初めて知った模様である。
「それで、あの武器ですが、どうして一人ずつしか入れないようにしたんですか?」
GAMEがどうでも良かった疑問のうちの一つを問いかける。
「君達にも個性、特徴ってものがあってね。それによって相性の良い武器が異なってくるんだよ。」
「元々その、紛争地域で戦わせるつもりで武器を渡していたんですか…」
小さく頷き、また、こう彼は言った。
「君達にしか出来ないことなんだ。」
と。
「…何故俺達にしか出来ないんですか?」
シデンが問いかける。まぁ普通の疑問だ。
「配布された武器、見てみ。」
各自配布された武器をどこからともなく取り出す。
「何か、あるんですか?」
「いいや。それ以前の問題だ。」
「それ以前とは…?」
マジックハンドが問う。
「そう、君達は今武器を持っていたろ?」
「え…」
そう、各自、どこからともなく取り出したのだ。
「いつでも戦闘体勢が整っている証拠さ。今までこんなことなんてなかったよ」
「…」
「また、武力で介入だけじゃないさ。そんな荒々しい真似じゃ世界がうちを潰しにくるからね。世界に戦争がない、これが真の平和だと俺は思っている。」

今日は各自が自分と向き合い、戦闘に参加するかじっくり考える時間となった。
若い彼らには彼の言葉はどう響いたのであろうか。と。




追記.
世界観-各地で紛争が絶えない世界。日本は比較的平和だが、内戦が起こるかもしれないと噂されている。

武器-武器には使用者との相性があり、使用者が最大限まで能力を引き出せる武器が本作では配布された。最大限に能力を引き出すとは、この世界ではどんなのであろうとも、武器に能力が宿っている。その能力の解放幅、ということだ。

catastrophe-ソレ○タルビーイング( じゃなくて各地で起こる紛争を止める組織。武人、能力者などが存在する。尚、能力者とは人全員がそうであり、苦難を乗り越えた時、酷い拷問等を幼い頃受けた時等に解放される。

ユキ str11+9 con13 dex11-4 pow14 app12 int17 siz12 edu14
アステル str12+2 con9 dex13 pow10 app13 int13 siz14 edu13 
sin str11 con11 dex15 pow12 app15 int12 siz11 edu15
白秋 str15+3 con12 dex10-1 pow13 app10 int11 siz16 edu15





HNは長身の剣を両手で持ち、高田の待つロビーに走っていた。前日の出来事に決心をつけ、HNは紛争を止めるべく行くことにしたのだ。
そして勢いよい扉を開け、言い放った。
「俺、catastropheに入団します!」
と。しかし、返ってきた返答はHNの予想を一つ上回っていた。
「君で最後だね。これで全員が揃った。」



「ついたぞ。ここが基地だ。」
スズラン荘は実は駅に近い。駅を利用し、幾つか駅を越えた所で、catastropheの基地のある駅に辿り着いた。また、そこから数十分しか歩いてはいない。
道中に聞いたことだがcatastropheの本拠地はイギリスにあるらしい。遠い話だ。
「凄い…デカいな…ここ。」
じゃぶじゃぶの発言から、ここがかなりの施設であるのが再度認識される。
「ここだ。ここに集まってくれ。」
高田の声に釣られ、施設に夢中になっていた住民達は走り出した。

「これだよ。」
高田が指差したのは、かつての大国アメリカだった。アメリカでは数十年前とは比べようもない程に治安が変わってきている。内部紛争が絶えないのだ。
「ここの内部紛争へ戦闘を君達には仕掛けて貰おうと思っている。」
高田は俺達に向かって、そう言ったのだ。

「まぁ、訓練もなしに行かせるわけじゃないさ。」
高田はまた歩きだし、そう喋りながら、一つの部屋で止まった。
「ここの部屋で君たちには3ヶ月の間訓練をしてもらうよ。」
高田が案内したのは、100畳はある広い和室だった。
「武器を出してごらん。」
高田の声と共にそれぞれ武器を出す。
「訓練ってどういうふうにするんですか?」
軽くsinが問いかける。高田はこう返事をした。
「君達同士で戦ってもらうんだよ。バトルトーナメント形式でね。そっちの方が楽しいだろう?」
とんでもなく、また愉快な発言だった。



「うぉおおおおおおおりゃああああ!!」
ブリュンッッッッ!!大きな風邪を斬る音。
日本刀を手にしたZKの一刀両断である。
「よっと。」
しかしその攻撃は、対戦相手であるゼロには回避され、反撃が下った。
「そうれっ!」
ゼロの手の内から発射される無数の弾。トカレフTT-33の射撃である。

「すっげー試合だなー」
「ですねー」
アステルとGAMEが体育座りしながら眺めている。さっきの試合の回想をして、今の試合と見比べているようだ。

「えいっ!たぁ!」
チェシャの装備は鍵爪であり、その長く、細い先端が相手に先程から何回も襲いかかっているのだが、
「わっ!わっ!」
スラの装備のリベットシールドにはじかれ、スラは攻撃出来ずで泥試合だった訳である。

「よう、どうだい、調子は。」
暫く部屋から離れていた高田が戻ってくる。
「順調ですよ。俺は強くなりたい。」
HNは強く拳を握っているのであった。

「せいっ!やぁあああ!」
大きく振り被る。じゃぶじゃぶのデスサイズ。それに対抗するのは二刀流。
「うわあぁ!危ない!危ないってえ!」
バールとスパナの使い手である白秋だ。

「さっきからあいつ何気に器用ですね。デスサイズをバールで受け止めてその間に本体にスパナを投擲したりとか。」
「うむ。みたいだね。」
HNと高田は語る。しかし対戦順では次はHNの対戦の番である。

「落ちろぉぉ!!」
バールで受け止められないようにギアを変え、速度重視で振り降ろされた鎌。
ズドンッ…!
勝負あったかのように思われた。しかし、
「ふんぬ…!!」
さっきの投擲で見失ったスパナが取れず、苦戦を強いられていた白秋だが、右手の人指し指と中指の関節でデスサイズの真剣白刃取を収め、その状態に若干見とれていて、身動きが取れなかったじゃぶじゃぶに、バールの一撃をかましていた。

「なんかあいつヤバくないですか」
「うーん、彼は能力の開化が少し早いようだね。反射神経が格段に上がっている。」
「そうみたいですね。おっと、次は俺か。」
「行ってらっしゃい。」
高田との会話を終え、HNは長身の剣を両手で持ち、次の対戦相手を確認した。
「えーと、次は…」
「僕だよ」
HNの前に現れたのは巨大なハルバートを背負ったユキだった。

カシャン…カシャン…
ユキが歩くだけで鎖がついたハルバートの音が鳴る。これが初戦のマッチでの対戦相手。HNは長身の剣に力を込めた。

「ありゃあ…負けるね。」
高田の独り言に、聞き返す者がいた。
「どちらがだ?」
二牙である。肩に槍を据え、両手で抱えている状態である。
「長身の剣の方がだ。ハルバート持ちの動きをよく見ておけ。」

「うらぁあああああ!」
両手で握られた剣を自分の前に据え、HNはユキに向かって駆けて行く。
HNの持つ長身の剣の柄からは蒼い光が漏れだし、それが収束され、波動となった。
「喰らええええええっ!」
蒼の波動はユキに向かって一辺倒に飛んでいく。しかしユキは、
「それっと」
ハルバートで奇怪な波動を全て受け止めたのである。

「HNの能力の覚醒も速いが、相手に問題がある。ハルバートっていうのは使い方次第で武器にも盾にもなりうるからね。」
「あの光はなんすか」
「あれは、24種類の能力の内の優秀な部類だね。種類としては、[アーサー]に属している。」
「[アーサー]?」
「ああ、言ってなかったね。覚醒能力には固定の種類があるんだ。アグロヴェル、アグラヴェイン、アレミラ、アレスタント、ベディヴィア、ボールス、ユンスタンチン、エクタード・マリス、フローレンス、ランスロット、ガヘリス、ガラハッド、ガレス、ガウェイン、モルドレッド、ゲライント、ケイ、ラモラック、ルーカン、パロシデス、パーシヴァル、トリスタン、ユーウェイン、アーサー…とね。」
「へぇ。」
「でも見たまえ、ハルバート持ちも既に能力が覚醒しているようだ。」

「…」
ユキのハルバートからは灰色の光が滲み出ていた。

「彼の能力は、ガウェインに起源するようだ。」

「灰色の…光…?」
HNは目の前のユキが放つ光に気を取られていた。自分の光にも気付かないぐらいに。
「そうれっ!」
ユキが振り下ろしたハルバートは振り下ろした瞬間、灰色から赤色に変色し、HNを襲った。
「くっ!」
HNはハルバートの一斬を間一髪で回避したが、かすれた部分が若干焦げていた。また、振り下ろした部分の頑丈な造りになっていた畳が、真っ黒に焦げていたのだ。
「なっ…!?」
HNの悲鳴にもならない声よりも先に、次の攻撃が出る。HNも流石に避けきれないと悟ったのか、被害を最小限に受け流すことを考えた。
すると、HNの全身を剣からでていた蒼い光が包んだ。
「む…っ」
ユキの大振りは回避され、HNが消えていた。次の瞬間、HNが現れたのはユキの後方、そして剣でユキをなぎ倒した。

「な、こんなことがあり得るのか…!?」
HNの覚醒能力を見て、高田は圧倒される。
「どうかしたのか?」
二牙の問いかけに、高田は震え、答えた。
「彼は、多重能力者だ。それも、[アーサー]と[マーリン]のクラスに属している…!」
と。

「[アーサー]と[マーリン]?」
二牙はHNの能力を見て聞いた。
「そう。彼の起源だよ。それによって彼は、光の波動と、透明化の能力を手に入れた訳だ。」
高田は先程の戦闘でのHNの能力が2種類あることを見抜いた。本来、多重能力者とは異端扱いなのである。
「俺には何の能力があるんすかね」
「[パーシヴァル]じゃないかな?」
「また聞いたことのない…」
「まぁそれはさておき、よく見たまえ、まだ戦いは終わっていないようだ。」

「やったか…?」
砂煙みたいな埃が舞い散る中、HNはユキの動きが見えずにいた。
「…どこだ……ん?」
せいやぁあああああっ!」
次の瞬間、HNの頭上から、巨大なハルバートと共に、ユキが降ってきていた。
「な、いつの間に!?」
HNは受け止める暇がなく、オート仕様のインビジブルを展開した。だが。
「それっ!」
ユキの畳に深く刺さったハルバードは、再び熱気を帯び、やがて畳を燃やすに至った。
「あつっ!」
インビジブルとは、物理攻撃にのみ、かなり有効な回避手段となりうるが、電気や熱、ましてや、水を浴びせられただけで、状態が解けてしまうのである。また、即座に展開、というのも不可能なのである。
「そこかっ!」
ハルバートに付属するチェーンにより、HNを巻き上げ、ハルバートで、とどめを刺した。
「うぐぁ…!」
勿論、死んではいない。


「ヒヤヒヤする戦いだったな。」
GAMEの言葉に軽く会釈をつけて休憩に入る。
「ん…次はお前の試合のようだが?」
ユキはGAMEに問いかける。
「へ?誰とさ。」
「G.MAT。」
GAMEの初戦のマッチは、GAMEと一緒に体育座りでずっと見学していた人物であった。
「今回はまた、変わった組み合わせで。」
高田と二牙が会話している。HNに至っては、疲れきって寝ている始末だ。
「ふむ。何かトリッキーな戦いになりそうだ。」


「お手柔らかに。」
G.MATは、右手でナイフを構えた。それに対し、GAMEは、クロスボウを大きく構え、G.MATに突き出している。
「こちらの弓の残数は今構えているのを含めて6本だ。全て回避出来たら、自動的に君の勝ち、ということになるね。」
GAMEは早速の一本目をG.MATの足下に撃った。それは、誰から見ても、明らかにワザと外したようにしか見えなかった。
「いいのか?一本目を無駄にして?」
「いいんだよ。試し撃ちだよ。」
GAMEがクロスボウに次の弓を取り付けているところで、G.MATは動きだした。
「隙がありすぎじゃないのかっ?」
G.MATの踏み込みで突き出されたナイフ。だがGAMEは、そのナイフをクロスボウ自体で薙払った。
「なっ!?」
ナイフは弾き飛ばされ、畳に突き刺さった。
「さて、2発目、いくよ?」
G.MATがナイフを取りに行く前に、GAMEはクロスボウを構え、狙う先は、

G.MATでなく、飛んでいったナイフであった。

「まるで策士だな」
高田の発言により、二牙はGAMEを相手にはしたくない、と思うのであった。

「さて、どうするかな?G.MATは。」
高田は武器を失ったG.MATを見て言った。
戦いは降参するか、気絶するかしかない。高田の目にはG.MATがそう簡単に諦めるようには見えなかった。


「どうしたんだい?降参しないのかい?」
GAMEはG.MATを横目で見る。
これは、痛い目を見たくなければ、降参した方が良いだろう。だが、クロスボウ一発分でナイフを取り戻せるのである。
「…」
何も言わずにG.MATはナイフに駆け寄った。それと同時にGAMEはクロスボウを、

撃つことなく、何もない方向に走り出した。

「…なっ!?」
G.MATがナイフに手が届こうとした瞬間だった、GAMEの2本目の弓が発射される。それは、ナイフを弾き、GAMEが立っていた位置に飛んでいった。
「嘘だろ…?」
GAMEはナイフをキャッチし、弓は、G.MATの手に直撃した。手からはドクドクと血が滲み出す。
「うっ…これからどうしろってんだ…」
利き手が封じられ、武器さえも奪われているのだ。もう成す術が見つからない。
「とどめだ。」
GAMEは3本目の弓を手にかけた。
GAMEは皮肉かのごとく、3本目の弓の先端にナイフを括りつけた。
「いくよ。」
手の痛みで、動くことさえままならないG.MATにGAMEが絶対射程圏内まで駆け寄る。
「それっ!」
GAMEの3本目は射出された。

まず、本来人間という物は、痛みを感じる。しかし、一つ痛みを感じてからまた別の場所に痛みを感じることがあれば、そっちの痛みが気になって、前の場所の痛みが感じなくなることがある。
そして、弓とは、銃なんかよりは余程遅く、視認出来る可能性がある。それも身体能力が底上げされることがあれば、だが。

「こりゃあもう勝負決まったんじゃねーの?」
鼻ほじr(禁則事項です)ながら、二牙は背もたれに倒れかかる。しかし高田は、まだ、そんな発言はしなかった。


「…」
G.MATは気を集中させている。それは、相手の一撃を見極める為の一点集中である。また、右足で、左足を強く踏みつけていた。手の痛みに気付かぬよう、足に負担をかけているのである。
「何だ?その、お前の光。」
GAMEは構えた所で気がついた。
G.MATから緑色の光が出ていることに。
「…まぁいいか。」
GAMEの放つ一撃は迷いもなく、G.MATの胸に飛んでいった。心臓かすれかすれで当たったら死ぬかもしれないような攻撃だ。

「[ユーウェイン]だな」
高田は小さく呟いた。

「…ッ!」
途端、G.MATは横に反れ、弓をその瞬間に掴んだ。その一瞬の間だった。
「…なんだと!?」
GAMEが声を上げ、尚且つ、次の瞬間、GAMEの腹にはナイフが突き刺さっていた。

「カウンター攻撃だね。[ユーウェイン]のランクに与えられた能力か。」
「[ユーウェイン]ってなんすか」
「クラスの一つ」
「いや、知ってますって」

GAMEはそのまま倒れ込んだ。気絶判定、勝利はG.MATにあった。

「ナイスファイト。」
そして、わああああああ!と、見学勢も歓声に包まれたようだ。





HN…長身の剣
ZK…黒刀
二牙…1m50cm程の槍
ムービン…メリケンサック
ユキ…チェーン付属ハルバート
スラ…リベットシールド
GAME…クロスボウ
はり…チェーンウィップ
白秋…バール&スパナ
マジックハンド…バレットM82
じゃぶじゃぶ…デスサイズ
チェシャ…鍵爪
G.MAT…ナイフ
シデン…スタンガン
sin…エラッド

大体こんなもんか。





「えっと次の対戦は…」
背もたれにもたれながら二牙が配布されたプリントを眺める。
「君だよ。二牙君。」
高田の声に反応するように、二牙は、
「あ、本当だ。俺だ。」
と、言った。

「対戦相手誰だっけ」
槍を肩にかけ、両手で支えてる状態のまま前に踏み込んだ二牙。それと同時に立つ者がいた。
「俺だぜ」
ムービンだ。メリケンサックを手に装着し、前に出ていった。
「なんだお前かよツマンネーな。もっと強い奴と戦いたかったぜ。ったくよー。」
二牙の軽い挑発により、ムービンの額からは、アニメでお目にかかれるような血管が浮き出ていた。
「ほぅ、調子に乗ったこと…」
ムービンは左足を後ろに下げ、かがみ、
「後悔させてやるぜええええ!!!」
加速を付けて、前に突進していった。
「攻撃一辺倒で勝てると思うな阿呆が」
二牙は、その発言の直後、槍を構え、前に突き出す姿勢のまま待機していた。
「うわぁぁあ!」
自分で止まることも出来ず、加速してしまったムービンは二牙の槍にそのまま…

「もう分かったろ、やめとけやめとけ」
槍を元の体制に戻し、ムービンの突進をするりと回避した二牙は帰っていこうとした。
「あー!待て待て待てぇ!」
「なんだよ」
「こんなんで納得出来るかよ!正々堂々としやがれ!」
ムービンは、二牙に殴りかかろうとした、その時、ムービンのメリケンサックのパンチには光が灯っていた。黄色の。
「ッ」
ガッ…はじくように、間一髪で槍で二牙は受け流した。二牙はムービンに好奇の視線をよせ、笑った。
「たかだか単純な怒りの感情ごときが覚醒に繋がるのか。面白い、やってやろうじゃねーか。」
二牙は槍を握り直した。
「そうこなくっちゃあ!」
ムービンの手に灯る光は火力がブーストしているように見えた。

高田はシデンに話しかけていた。
「君はどう思う?」
「どうって…何がですか?」
スタンガンの整備をしているシデンは質問の意味がよく分かっていなかった。
「今の試合だよ。」
「うーん…二牙が武器的に優勢ってところですかね。」
シデンは客観的に見た判断を言った。
「こういう考え方もある。ムービンが覚醒したから何とか出来そうだな、と。」
「ふむ。」
「見たまえ、ムービンも互角に戦っているよ。見たところ君の武器は不遇っぽいが君も覚醒次第では優位に戦えるかもしれない、ということだ。」
「覚醒…ですか。」

「おらぁ!」
ムービンは右ストレートしかさっきから打っていない。左ジャブじゃ、二牙の武器に打ち負けるからである。
「む…」
二牙の槍の動きは速い。ましてや常人の拳ではとても追いつけないスラッシュレイブである。しかし、ムービンの手の光。それがブーストを起こしている為、火力、素早さ共に互角まで追いつかれているのである。
また、槍を動かすというのは、普段使わない筋肉も使用する為、非常に疲れ易いのもある。
「おらおらぁ!」
「…っ」
二牙は手に負担を感じたのか距離を取って攻めることを考えた。通常、槍のリーチではムービンのような、接近型には有利なのだが、どうにも光の効果で射程範囲も伸びているように見える。
(どうでもいい事書くならムービンの手は今ポケモンバシャーモみたいになってる。)

「せぇえええい!」
ムービンは、今確実に、有利であった。


「彼の能力は何に該当するんです?」
シデンは高田に問いかけた。
「あれは、[パロシデス]のクラスだろうな」
ムービンの手はまるで大砲のように動いていた。

二牙は、距離を取った。
一度ムービンから距離を取ってしまえば、単調な突進しかしてこないムービンには有利なのである。
「はっ…はっ…」
既に息は切れかけている。しかしムービンは余裕しゃくしゃくの顔である。正直憎たらしい。
「…はっ…はっ…ようし、かかってこいよ!ムービン!」
二牙の挑発にムービンは望むところと言わんばかりに加速した。ここで二牙の想定外の事が起きた。挑発してから2秒と経っていないのに、15m程開けた距離をムービンは詰めて攻撃してきたのだ。
「そいやっさぁああああ!」
ムービンのメリケンサックが二牙の腹に食い込む。
「ぐっ…!?」
二牙は加速のメリケンサックを直に受け、10mは吹き飛んだ。その時、ムービンの足にもブーストがされていたのが見えた。

二牙はそのまま倒れこまずに、爆転を利用して再度立つことが出来た、が。腹にめり込んだ時に臓器がぐしゃぐしゃになっているのではないかという位の吐き気に襲われた。
「どうしたぁ?降参しないのかぁ?」
ムービンの軽はずみな台詞に二牙はかなり、イラっときた。その弾みで二牙の何かがぷつっと切れてしまった。
「上等だぁああああ!覚悟は出来てるんだろうなあああああ!」
底力を振り絞って出した声と共に、二牙に青色の光が灯った。

「へへっ。何しても無駄だっつの!」
ムービンの加速ラッシュにより、攻撃は再開される。この時、二牙は目を瞑った。
怖いのではない。感じているのである。
「そうれえええええええ!」
ムービンの一発目の右ストレート。常人には回避出来ないスピードで打ち出された一撃、しかし、二牙は槍で打ち返さず、避けるような真似もしなかった。何故ならば、“既にムービンの攻撃から避けていたからである。”

「あれは何だと思うかね?」
高田はシデンに問いかける。
「分かりません、ただ、二牙、目ぇ瞑ってますね。」
「そうだ。あれが[パーシヴァル]のクラスの能力の一つ、真眼だ。」

「なっ…!?」
そこから二牙の槍のリーチにより、ムービンは15連撃。攻撃され、気絶した。

「あれはね、相手の攻撃を先読みし、回避してから後から攻撃するんだ。そっちの方が相手の隙が多いからね。」
「それだけじゃないんでしょう?」
「あぁ、彼には、もうムービンの動きが全て、見えているだろうね。」

「…ざまーみろ」
ムービンは気絶した。二牙はそれと同時に座りこんでしまった。
そこにいつから起きたのかHNがやってきていた。
「いい試合、見せてもらったよ。」
見学はどおおおおお!と盛り上がっていた。




1回戦…DROW
2回戦…未記録
3回戦…勝者 白秋
4回戦…勝者 ユキ
5回戦…勝者 G.MAT
6回戦…勝者 二牙




〜2回戦回想〜

「さて、次の対戦相手はZKとゼロだな。」
HNは対戦表を眺め、楽しみそうに言った。
「君はどちらが優勢かと思うかね?」
高田はHNに向けて問いかける。
「うーん、やっぱり遠距離攻撃って強いですよね。ゼロが優勢かと。あー、でもでもZKも捨てられない…」
「はは、君は優柔不断なようだ。」
「…はい。」

「さて、対戦相手は君か。」
腰に据えた、黒い刀を取り出し、ZKはゼロに向けた。手加減はしないぞ。と語りかけているような気がした。
一方のゼロは陽気にトカレフTT-33を担いでいた。
「じゃあ、行くぞ。」
ZKは駆け出し、黒刀をジャンプしてからゼロに叩きつけようとしたが、ゼロはすかさず、トカレフを盾に使った。
トカレフはこの程度では簡単に壊れず、既に弾丸が込められていたトカレフから数発、のけぞった、ZKに撃った。
ZKはその体勢では回避など出来なかった為、黒刀で弾き飛ばすことにした。しかし、一つは当たるのは覚悟だろう。どれを弾くか。
「これだっ!」
ZKは足と手に飛んできた弾を全てはじいた。だが、腹に飛んできた弾ははじかなかった。
「うっ…!」
「どうして致命傷になりうるのをはじかなかったんだい?」
ゼロの問いは誰でも気になることだった。
ZKは腹に攻撃を受けながらでも答えた。
「手足に当てられちゃ、ロクな動きが取れないからなっ…ぐっ」
と。

「これでも君はZKがも捨て難いと思うかね?」
高田がまた、HNに質問をふっかける。
「はい!ZKは絶対状況を覆しますよー」
HNのハキハキとした声に近くで座っていた二牙はは小さく、
「何の期待をしているんだこいつは…」
と、呟いた。

「さて、どうする?このまま続ける?降参する?」
ゼロはもう既に勝負がついたかのように喋った、けれどもZKに向かっては決して銃口を降ろさなかった。
「降参なんてしてたまるかよっ!」
喋るのがつらいにも関わらず、ZKは大きな声を出し、突進して行った。
「よく言った!」
ゼロは続けざまに4、5発放った。
3、4発は常人ならぬ、持ち前の反応速度と、外しで回避出来るが、必ず、一発は当たってしまう。それにより、またZKは、脇腹に一発、入れられてしまった。
「うっ…!!」
それでも走るのをやめなかった。
「くっ、止まらないか…!」
ゼロは一度引き、再度、引き金を引いた。しかし、その隙が甘かった。ZKはその瞬間に最も、加速し、ゼロに一撃を…
「うぉおおおおおおおりゃああああ!!」
ブリュンッッッッ!!大きな風を斬る音。
それは、あくまで風を斬ってしまい、ゼロには回避されてしまったのである。
ゼロの手の内から、無数のトカレフTT-33の弾が発射された。

「君は、どんな時に覚醒というものが起こると思うかね?」
高田はHNに投げかけた。
「えー…ク○リンのことかぁあああ!!…ってなる時ですかね?」
「こら、よしなさい。…それはさておき、私はね、覚醒っていうのは感情の起伏が激しくなった時、仲間のピンチの時、そして、自分のピンチの時って言うのが挙げられると思うんだ。」
「ふむ…ZKは今若干ピンチですね。」
「ははっ。そうみたいだね。」


ゼロからの無数の弾丸。これを大振りで隙を見せまくった今、回避は難しいだろう。また、刀ではじけるのは手前のみ、絶対当てまいと思っていた、手足に当たることになるだろう。
そして、直撃した。
「うぁああああ!!!」
言葉にならない叫びであった。
「どうだい…?」
手足全て使用不能である。しかし、
「こんなところで負けてられっかよ…!」
ZKの全身は赤い光に包まれていた。

「彼は覚醒したようだね。彼の能力は[ガレス]に該当するだろう」
「なんすかそれ。」
「後の試合で説明するよ、彼に解放された能力は、あらゆる自分に対するデメリットを無効化する、だ。」

「な、なんだい、それは?」
ZKの赤い光に少々気が引けながらも銃口は突き出し、撃った。
「体が、言うことをきく!」
飛ぶ弾を全て回避、はじいたりをして、ZKは、ゼロの正面までやってきた。
「終わりだ!」
ZKは、その黒刀で、ゼロを一刀した。

「まだ試合してない人も少なくなってきましたね。もうすぐ俺かな?」
そろそろスタンガンを構え出すシデン。
「ん、違うよ。次はマジックハンド対はりになってるよ」
HNは配布されたプリントを横目に告げる。
「あー、じゃあ俺は最後の試合か…」
シデンは落胆して、元の場所にへたりこんだ。

「マジックハンドはどこいったんだろ…」
周囲をキョロキョロ見回すはり、しかしマジックハンドはどこにも見当たらない。
その時だった。はりのすぐ隣に少し大きめの弾丸が大きな音と同時に飛んできたのだ。
「…!?」
はりは、音の鳴った方角が、西から、ということしか分からなかった。しかし西には何も見えない。

「チッ…外したか。」
マジックハンドは、天井裏に歩伏前進の体勢で、微かに開けた穴からはりの様子を伺っていた。
天井裏に続く梯子は、この150m近くある和室…いや、道場の西の端にあった。
余り置物はないが、ここは物置になっていた。

「…もう始まっているという訳ですか。」
はりはジャラジャラと鳴るチェーンウィップを取り出し、もう一度、周囲を確認した。西には何もない。…?いや、梯子がある。そしてマジックハンドの武器は狙撃銃であったことが思い出される。正面からやっていたら、隙がありすぎる武器だろう。
「ははっ。高田さーん、ここには天井裏がありますかーっ?」
出来る限り大きな声を出して質問した。
「あるぞ」
高田の返答を聞いて、はりは確信した。
はりは梯子に向かって、走り出した。だが、そこで2弾目が飛んできた。
その2弾目ははりの膝を打ち抜いた。

「うぐっ……」
はりは膝を抱えてしゃがみ込んだ。ジャラジャラと音が鳴る。尋常じゃない痛み。少なくとも歩けない。そう歩けはしない。

「なんか一方的っすね。」
「みたいだね。高田さんはどう思います?」
高田はふむと考え込み、一つ。
「覚醒が起きてないし何とも、ね。」

「歩けなさそうだけど…うん?」
はりは自分のチェーンウィップを見た。全長は最大で8mぐらい。先端に尖った物がついている。両方の。
「…一か八か、だね。」

「あれ、弾なくなってる。…初期は2発しか入ってなかったのかよ。」
予備弾層を次々と込めていく。足場が悪いのか少々込めるのに時間がかかる。
その時、ガッ…と音がした。
「ん…?何か音がしたけど…気のせいだよな?」
マジハンは予備弾層を次々に込めていった。

「く…」
はりは天井に引っ掛けたチェーンを伝って、登って行っていた。流れ落ちる血液。機転を利かせた作戦だ。天井に張り付いていれば、マジハンからは見つけられない。しかし、だ。彼女は負傷の身。

…そして、手を滑らせた。
「うわぁああああ!」
ズドン。足の負傷している状態、そして3m位の高さからの落下。

「お、おい。あれ大丈夫なのかよ。」
二牙が心配そうに見ている。
「お、丁度だよ」
高田は言った。直後、はりが落ちた地点から紫色の光が滲み出ていた。

「彼女の覚醒は、[モルドレッド]のクラスのようだ。自分の体を無意識で抑圧しているようだね。」
「つまりはどういうことですかね」
「人間って言うのはね、自分が不可能だと思うから力を制御しちゃうんだよ。」
「怒りに身を任せたら何でも出来そうな気がするけど…」
「そう言う問題じゃない。君は自分の足が沈む前に次の足を出したら水の上を走れると言われたとする。走れると思うかい?」
「無理っすね。人間には限界がありますから」
「今の彼女は人間という提さえ無意識によって抑圧している。」

「さてと。」
弾層を込め終わった後、マジックハンドは再び、狙撃銃を構えた。
その瞬間だった。バキィ!と近くで音がした。
「また音か…ネズミでも住んでんのかな」
気を散らされたと少し憤慨したがマジハンは焦点を合わせた。さっきの場所ではりを見つけた。そして、もう一度、撃つ…

撃った瞬間、バレットM82は暴発した。


「はり、天井に向けてチェーンウィップ飛ばしてましたけど何してたんでしょうね。」
「ほら、目を細めてみてみなさい。あそこ、微かに天井から穴が幾つか開いている。彼女はそこに向かってチェーンウィップを投げ込んだ。」
「それで、どうなったんです?」
「そこの穴に銃口を向けていたマジックハンドはチェーンウィップを銃口にさされても気付かなかった。そして暴発した。」
「バレットM82なら普通にチェーンウィップくらい破壊しそうなんですけど。」
「あぁ、あれの先端部分はね、ダイヤモンドで出来ているんだ。」

「なんか戦いが高度過ぎてついていけない…」
シデンが横目で言う。
「私もだよ…」
次の対戦相手であるsinも言った。

今、道場の真ん中に、シデンとsinが立っている。シデンはsinの方を見つめていた。いや、正確にはsinの持つ大きめの拡声器をだ。明らかに違和感を醸し出している。
「…それが武器?」
シデンは恐る恐る訪ねこんだ。
「うん、そうだよー。エラッドって言うんだよー。」
sinはエラッドを片手に交互に持ち、その間暇になった手で耳栓を突っ込んでいた。
「じゃあいくよー。」
sinはそのエラッドの音量を最大音量にして、叫んだ。


「五月蝿っ!?」
うとうとしかけていた二牙が一気に飛び起きた。
「やぁ、起きたかい?」
HNと高田は耳栓を装着していた。
「今から試合が始まるようだよ。」

「うわああ」
持っていたスタンガンを思わず落とし、耳を塞ぐ。鼓膜が破れそうな声だ。まさに砲撃。
「ふぅ」
エラッドから音の割れる音がする。
ピィッ…ピィギギ…
凄く不愉快で、頭に残る音である。
シデンは何か対抗策がないか、焦っていた。

とりあえずシデンは、スタンガンを拾い上げ、距離を取った。5m程の距離だったらこちらの耳が壊れてしまう。
「待ってよー。逃げなくてもいいのにー。」
sinから遠ざかっていると、遂に見学勢の近くに来てしまった。
「ちょ、こっちくんな!」
「耳が壊れる!あっちでやってくれ!」
飛んでくるのは罵詈雑言だ。
「…ん?」
そこで高田とHNが耳栓をしているのが見えた。シデンはすぐさま駆け寄り、HNに、
「借りてくぜ!」
と耳栓を奪い取ろうとした、が。
「させるか!」
と、インビジブルでかわされてしまった。
高田から取ると何か言われそうだ。
「ほら、君、エラッドが来たぞ。」
高田の声でこんなことしてる暇は少ないことに気がついた。

「…くそ…」
シデンは走っていた。しかし、耳栓がなければ、音が邪魔で戦いにもならない。
しかし奴等は耳栓を渡してはくれない。高田から取るのは気が引ける。HNから奪うのが得策だろう。しかしHNは取ろうとするとインビジブルを発動する。シデンはポケットにスタンガンを忍ばせた。
「…?スタンガン…?」
再びシデンはスタンガンを取り出した。HNはインビジブルを展開中は特殊な攻撃…水、電気、炎等に攻撃されると解けてしまう、ということを思い出した。そして、スタンガンは電気攻撃である。
「やってみるか…」
シデンはまた、HN達の方向に走り出した。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」
耳を壊すような大きな音が聞こえてくる。しかし、それを防ぐ為に第一優先なのが耳栓なのだ。両手で耳を抑えつつ走った。

「HN!その耳栓いただいたああああ!」
駆けるシデン。
「また来るのか!?しつこいぞ!」
その度にインビジブルを展開するHN。
「はは、甘いぜ!」
持っていたスタンガンで放電する。
「なっ…おまっ…!?」
ジジジッ…ボフッ!…。その音でHNは見事に気絶させられた。
「フフッ…ついに耳栓が…」
ガコン。耳栓を手にしたところで、既に彼にその先の記憶はなかった。
「ごめんねー。」
sinは鈍器としてエラッドを使って、シデンを殴っていた。
「気絶判定。sinの勝ちだな。」
高田の言葉でsinの勝ちが決まった。





シデン「解せぬ」