color harmony

色彩を自由自在に操るために

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色彩検定1級に合格する方法(1次試験)

2013年に独学で色彩検定の1級に一発で合格しました(同じ年に2級も合格してます)。これから受験する方がいましたら私の勉強法が少しでも参考になればと思います。

 
1級では1次試験と2次試験があり、1次試験は3級・2級と同様に公式テキストからの出題になります。2次試験はそれとは違い筆記試験となり様々なルールを覚える必要があります。
 
1次と2次の両方を解説するとこのページでは書ききれないので何度かに分けて書いていこうと思います。
 
 
まずは1次試験からです。
 
これは2級・3級の試験を受けている人なら分かると思いますが公式テキストからの出題です。基本的には2級のときと勉強法は同じになります(色彩検定2級に合格する方法)。全く同じ内容を書いてもしょうがないので、今回は違うところを意識して書いてみました。
 

勉強期間

1次試験の勉強期間は最低でも1か月は必要だと思います。毎日の1,2時間の勉強と土日の4,5時間ほどの時間が必要になると思います。ただ、3級・2級と違うのがその分量です。3級・2級の公式テキストはどちらも約120ページほどですが、1級は約170ページとページ数で比べると約1.4倍あります。3級・2級の試験を受けた方はそのときにかかった時間に1.4倍程度は時間がかかるとみておいた方がよいでしょう。
 
また、もし3級・2級をすっとばしていきなり1級を狙う場合は注意が必要です。なぜなら1級では3級・2級の知識が前提となっています。そのため明らかに3級・2級を取得していた方が有利です。もし3級・2級をすっとばして1級を狙うなら2か月程度の時間は見込んでおきたいです。
 

試験内容

  • 色彩と文化
  • 色彩調和論
  • 光と色
  • 色の表示
  • 色彩の実務
  • 色彩心理
  • 配色イメージ
  • ビジュアル
  • ファッション
  • プロダクト
  • インテリア
  • 環境
  • ユニバーサルデザイン
 
どのセクションも基本的には覚えるだけです。ただ2次試験のことを考えると、色彩調和論、色の表示の表色系、配色イメージは大切な項目です。何度も繰り返し読んで覚えましょう。
 
 

試験勉強の方法

まずは2週間で公式テキストを3度読みます。でもただ読むだけでは頭に入らないので読むポイントを次のようにします。
 
最初に読むときは1級ではどんなことを覚えなければならないのかを考えながら読みます。なので必死に覚えようとはせずに全体の概要を掴もうとするのがコツです。例えば、1級では歴史について覚える必要があるのかー、心理評価表というデザインを評価する方法があるのかー、など今後覚えなければならないことをインプットしておきます。
 
2度目に読むときは、自分が苦手だったり試験に出そうと思うところにポストイットを貼っていきます。なんとなくでいいです。印象付けるための作戦です。特に段落がついてまとまっているところや、表形式になっているところは覚える必要がありそうですね。
 
3度目に読むときに2度目に貼ったポストイットのところを重点的に読みます。ここではなるべく理解するつもりで読み進めます。というより分からないところをつぶすくらいのつもりで挑みましょう。
 
これでだいたいなにを覚えなければならないのかを把握できるはずです。この時点ではあくまでもなにを覚えなければならないのかを知る作業なので、すべてを覚えている必要はありません。おそらく頭に入っているのは1,2割程度でしょう。残りの項目はこれから参考書などで頭に入れていきます。
 
 
次に参考書で問題を解いていきます。残り2週間はこの作業になります。
 
私の場合はサミュエルの1級1次の問題集を使いました。これで合格できたのですが、単純に公式テキストを抜き出したような内容で解説もほぼ解答のみなので、他の参考書を当たってみても良いと思います(近くの本屋にはこの参考書しかなかったので他の参考書と比べることができませんでした)。
 
ただもしこの問題集を使うようでしたら次のように使ってみることをお勧めします。
「問題を解く→解答を確かめる→公式テキストをもう一度読む」。しかし問題を解いてる時点で全く答えられないこともあるので、そのときは「公式テキストを読む→問題を解く→解答を確かめる→間違っていたところの公式テキストを読み返す」、としてみましょう。自分の場合は最初は全く問題を解けなかったので後者の公式テキストを読んでから問題を解く方が多かったように思います。
 
また、1度では頭に入らないので何周も繰り返す必要があります。私も5回は繰り返したでしょうか。ただ毎回1から問題を解いていては時間が足りないので、自信を持って解答できる部分については問題集にチェックを入れて次回からはパスできるようにしておきます。
 
私はそうやって解答できた部分からチェックを付けていくことで、できなかった部分が残るようにしていき、最終的にすべてチェックが付くようしています。そうすれば自分が解けるところと解けないところがはっきりと分かるので勉強するときに効率がよくなります。試験前に参考書をチェックするときにもチェックのついていないところから確認するのにも役立ちます。
 
私はそういうやり方のため、解答は直接問題集には書かずに別のノートに書いていました。
 
そしてある程度チェックがついた段階で過去問を解きます。これは現時点での成果を測るためです。自分の苦手なところや覚えていないところをチェックすることができます。2週間前からこれができればベストです。最低でも1週間前にはやりたいところです(1週間前であまりにも問題が解けなかったらかなりやばいです)。
 
 
最後に私が使ったテキストや参考書をリンクしておきます。よかったら参考にしてください。
 

必要な参考書

公式テキスト
これは必須です。これがなくては合格できません。 
A・F・T色彩検定 公式テキスト1級編

A・F・T色彩検定 公式テキスト1級編

 

 

問題集

これも必須です。私はサミュエル本を使いましたが、他のでもよいでしょう。 
合格のカギシリーズ  色彩検定1級1次 公式テキスト対応問題集

合格のカギシリーズ 色彩検定1級1次 公式テキスト対応問題集

 

 

過去問

これもぜひやりましょう。現時点での成果を測るにはこれしかありません。 
色彩検定過去問題集2014年度1級

色彩検定過去問題集2014年度1級

 

 

 今回は1級の1次試験について焦点を当てました。2次試験については別の記事にしたいと思います。
 
これから1級を受ける方、ぜひ頑張ってください!!

色彩検定2級に合格する方法

私は2013年に2級を受けて一発で合格しました。同じ年に1級も受けて合格できました。

今回は2級において私が取り組んだ勉強方法を伝授します!(おおげさ)

 

2級ではどんな問題が出るのか

試験の範囲はATFの公式テキストから出題されます。そのためこの本の購入は必須です!少し値段は高いですが損はしません。なによりこの本は試験の対策として役立つことはもちろん、合格した後でも色彩に関することで調べるときに重宝します。  

A・F・T 色彩検定公式テキスト2級編

A・F・T 色彩検定公式テキスト2級編

 

 問題の内容については、出題はこのテキストからになるので目次を載せておきます。

  • 生活と色
  • 光と色
  • 色の表示
  • 色彩調和
  • 配色イメージ
  • ビジュアル
  • ファッション
  • プロダクト
  • インテリア
  • エクステリア環境 

全部で120ページあるのでそれなりのボリュームがありますね。

 

勉強期間

最低でも一か月は時間を確保しましょう。そして毎日1時間、休みの日は3時間程度やれば確実に合格できます。ネットでは1週間や2週間で合格できたという記事も見ましたが、それだと毎日2,3時間+休みの日は5時間くらいの勉強量は必要になると思います。事前知識のない人や時間に余裕をもって勉強するならやっぱり一か月は見ておいた方が良いと思います。

 

参考書

上記にも書いた通り公式テキストは必須です。ただそれだけだとどんな形で問題が出題されるのか分からないので1冊問題集のようなものがあったほうが勉強しやすいです。

私は西川礼子さんの「1回で合格!色彩検定2級テキスト&問題集」を使いました。公式テキストの内容がきれいにまとまっていて、問題集が付いています。それに加えて暗記BOOKが付属してあり覚える内容な簡潔にまとまっていて確認するときに役立ちました。 

1回で合格!色彩検定2級テキスト&問題集

1回で合格!色彩検定2級テキスト&問題集

 

 特に問題集にはこだわりはないので好きなものを選べばいいと思います。それと問題集は1冊あれば十分でしょう。不安であれば過去問を購入して解けば万全です。

色彩検定過去問題集2014年度2・3級

色彩検定過去問題集2014年度2・3級

 

 

勉強方法

私が行った勉強方法です。一か月で合格できるように時間を調整してあります。実際に私が勉強した期間も一か月程度でした。

最初の2週間は公式テキストを3回読む

目安として2週間で公式テキストを3回読みます。

1回目は色彩検定ではどんなことを覚えなければならないのかを把握します。細かい内容は後回しにして全体の内容やボリュームを把握します。

2回目は読んで理解できなかったところや覚えるのがたいへんそうなところにポストイットなどで印を付けていきます。つまり2回目の時点ではすべてを理解する必要はなく分からないところは後から覚えればよいです。

3回目は2回目でポストイットを貼ったところを覚えていきます。この時点で後何を覚えなければならないのか見えているはずです。一つずつ確実に理解して分からないところを無くしていきます。

2週間で3回読んだとしても決してすべて覚えることができるわけではありません。でも3回読めばそれなりになにを覚えなければならないのか分かってきます。

後の2週間は問題集を解く

ここからは問題を解きながら内容を覚えていきます。問題を解いていくうえでひとつコツとしては答え合わせのときに正解した(理解している)問題にはチェックを入れて次からその問題はパスしていきます。そうすることで2周・3周するときに1周目よりも高速に問題を解いていくことができます。最終的にすべてにチェックが付けば完璧です!

また、間違えた問題については公式テキストで正解を確認しましょう。これをやらないと解答の暗記になってしまうので、面倒でもやった方がいいです。

ちなみに公式テキストの最後に慣用色名が載っていますが私は覚えませんでした。1級の2次試験だと必要になるので時間に余裕があれば覚えればよいです。

最後に

私はこんな感じで2級を勉強して一発で合格することができました。基本的には暗記です。暗記なのでショートカットする方法はなく、結局繰り返して覚えるしかないです。根気が必要ですね。

これから色彩検定2級を受験されるから、ぜひ頑張ってください!

書評 色彩がわかれば絵画がわかる

色彩の基本を説明し理解できたところで、絵画や建築物の見方をその色彩の知識を活かして見ようと試みます。

 
色彩の基本とは、
 
  • 三原色
  • 三属性
  • 順応
  • 対比
 
に始まり、
 
  • 四原色説
  • 進出色・後退色
  • 膨張色・伸縮色
  • 暖色・寒色
 
と続きます。
そして最後には調和の理論まで一通りの内容が記載されています。
 
色彩論といえば、ニュートンの科学的側面とゲーテの心理・生理的側面がありますが両方とも網羅している内容です。難しい表現もないので色彩学の初学者でもスラスラと読んでいくことができるでしょう。色彩とはなんなのかを手っ取り早く知りたい人には新書のサイズもあって適していると思います。
 
しかし、一つ残念な点を挙げるとすると、図が少ないことです。本書での例は色彩は目の見える人で異常のない人であれば自分で試してみることができますが、それを本書で行わずに読者の想像に委ねてしまっているのがもったいない。なかなか新書を読みながら自分で実際にやってみるのは難しいでしょう。
 
その点で一つマイナスですが全体的にはまとまっていて読みやすいので誰にでもお勧めのできる本です。
 
著者の布施英利さんは色彩学を学ぶことで物の見え方が変わってくるといいます。それが絵画であったり建物であったりアートへの見方をこの本で示しています。
 
色彩を学べば世の中の色への関心が高まり見方が変わってくるのは自分の体験したことでもあります。まずは体験の入門としてこの本はいかがでしょうか。

 

色彩がわかれば絵画がわかる (光文社新書)

色彩がわかれば絵画がわかる (光文社新書)

 

 

色相環の順序

色相環とは下図のように色が環状につながった図のことです。

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隣同士の色は明度や彩度が類似し反対の位置にある色は補色と言って隣同士とは逆に高いコントラストを表します。インパクトの強い配色を選びたいときによく使う配色です。
 
さて、ここでこの色相環とはいったいどの順に並んでいるのかを考えてみましょう。
 
もともと色相環を最初に作り上げたのはあのアイザック・ニュートンです。1600年後半のことです。
 
それまでは白から黒に向かって直線的な順序だったようです。白と黒の間に純色の色の薄さと濃さに基づいて色を並べていました。そのため黄色は白に近くなり、青は黒に近くなります。その歴史は2000年ほど続きました。
 
でもニュートンはプリズムを用いてスペクトルを発見し光には様々な波長をもった光が存在することを証明し、それぞれバイオレット・インディゴ・ブルー・グリーン・イエロー・オレンジ・レッドと呼びました。これらは波長順に並んでいて、それらをつなげることで環状にしたわけです。つまり色相環は光の波長順に並んでいることになります。
 
色相環が生まれてから色相環の色相を三角形や四角形で結んでみたりして色の相互関係を研究しそこになにか法則や規則などを作ろうとしたようです。
 
ちなみになぜ7色を選んだかというと、それは音階に合わせたそうです。音階という自然の摂理に色彩も対応していると考えたわけです。

明度と彩度の違い

RGBのような混色系で色を選ぶのは難しいからHSVのような顕色系で色を選びましょうという説明がよくあります。赤・緑・青じゃなくて色相・明度・彩度ですね。
 
でも意外と直感的に分かりずらいのが明度と彩度。明度とは明るさのことで彩度とは鮮やかさのことと言われますが、明るさってなに?鮮やかさってなに???となりがちです。
 
そこでここではもっと直感的に分かる説明をしたいと思います。
 
実は色を「純色の色+白色の量+黒色の量」と考えると分かりやすいです。実際にオストワルト表色系ではその考え方に基づいて色を決定します。
 
では次の図を見てみましょう。
 

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この図は色相を緑として、明度と彩度を変化させたグラフです。(色相と明度と彩度をすべて変化させると3次元になるので色相を固定して明度と彩度が変化する2次元で考えます。)
 
この図では一番外側にある色を円グラフを用いて純色と白と黒の量で表しています。純色とは混じりっ気のない色のことです。混じりっ気がないとは白と黒が全く入っていない色のことです。
 
まずは横のラインを見てみましょう。横のラインは彩度を表しています。純色と白と黒の量を見てみると、彩度が高い色は純色の色が多く、低い色は純色の色が少なく白や黒の量が多くなります。淡い色とは純色が少ない色のことです。逆に鮮やかな色とは白や黒の量が少ない色のことです。
 
今度は縦のラインです。縦のラインを見てみると明度が高ければ高いほど白の量が多くなります。逆に明度が低くなると黒の量が多くなります。
 
つまり彩度とは純色の色の量のことで、明度とは白と黒の量のことになります。白の量が多ければ明るく、黒の量が多ければ暗くなります。
 
最後にまとめると、
彩度
白や黒に対する純色の色の量。純色の量が多いほど鮮やかで少ないほど淡くなる。 

 明度

白の量が多いほど明るく、黒の量が多いほど暗くなる。 

 

原色と純色の違い

意外と違いを説明しようとすると難しのが原色と純色の違い。

原色

 原色とは色を作り出す元となる色のことで、他の色を混ぜても作り出せない色のこと

 純色

純色とは彩度の最も高い色のことで、白色や黒色が混ざっていない純度の最も高い色