10年前の、あの長い一日を思い出しながら記録しておこうと思う

今日はなぜか、朝起きた時から頭が痛かった。日中はそれでも大丈夫だったんだけど、夜になってまた頭が痛くなってきた。
今日は9月11日(日)。あれから10年丁度が経過した。あの日の記憶は、年々薄らいでしまっているので、この辺で思い出せることを書きとめておこうと思う。


日本時間の2001年9月11日朝。私は朝早い飛行機で、実家近くの伊丹空港から成田空港に移動していた。成田空港へは乗り継ぎのために飛ぶだけで、その後の国際線のチェックインも含めて伊丹空港で済ませ、成田空港に着いた時には殆ど手ぶらの状態だった。
国際線出発の時刻までは確か8時間くらいあったと思う。私は国際線にチェックインした状態のまま、成田エクスプレスに乗り、昼前には大好きな秋葉原に到着していた。
しかし、あいにくの雨。それも確か台風の影響で、もの凄い風雨だった。コンビニで急遽購入したビニール傘はすぐに崩壊し、それでも大雨の中、ランチに「じゃんがらラーメン」に行ったのを覚えている。いつもは行列ができているのに、さすがにあの日は並んでいなかった。
あの時、秋葉原で何を買ったのかはよく覚えていない。ただ覚えているのは、ベランダの花用に自動散水機(けっこうデカい)を抱えて成田空港に向かったことだけだ。そう、荷物は全てチェックインしてあり、殆ど手ぶらだったので、これくらいの大きさなら機内持ち込みでOKだろう、ってことで買ったんだった。
余裕を見て、国際線出発の2時間前には成田空港に戻ってきた。とにかく雨でズブ濡れだったので、確か成田空港の有料シャワールームに寄ったような気がする、がその辺は記憶が定かではない。
国際線はたぶん、台風の影響もなく定時に飛んだと思う。機内では、ズブ濡れになった靴のかわりに、通常だとエコノミークラスでは貰えない機内用スリッパを無理を言ってもらって履いていたのを覚えている。


私がその時乗った飛行機は、全日空の NH008 便。成田空港発、サンフランシスコ行きだった。


全日空の成田サンフランシスコ便は、私が1995年にアメリカに来た後に就航した路線だ。確か就航してすぐに乗った時、エコノミークラス全体で十数人しか乗ってなくてビックリしたのを覚えている。その時話したフライトアテンダントの「そうですね、なかなか苦戦しています」の声が今でも記憶に残っている。就航第一便は、何としてでも満席にしなければならなかったらしく、私の職場にも「第一便だったら日本までの往復が$300以下」みたいな話が流れてきていた。
アメリカへの帰りの便は、偏西風に乗って飛ぶため、夕方に成田を出発した2時間後には食事を取ってそのまま一眠りしたらもう到着、みたいな感じで、日本に行く時よりもはるかにラクである。その時も確かそんな感じで結構よく寝ていたと思う。気づいたらすでに機内の明かりが点灯し、飲み物のあと、軽い朝食の時間となった。あと2時間くらいでサンフランシスコに到着である。


朝食の後、なにげなく各席の前に取り付けられてあるモニターに目をやると、そこには「現在の飛行機の位置」が、アメリカ西海岸の地図とあわせて表示されていた。地図には、現在の位置と、それまでの飛行経路が線となって表示されている。その線はゆるく弧を描きながら、サンフランシスコへ向かっていた。現在位置には小さな飛行機の絵が表示されている。が、なぜかその時は、その飛行機の絵が北を向いていたのだ。「あはは〜、これ壊れてんじゃん〜」。その後しばらくして、再度モニターを見てみると、北を向いて表示されている飛行機の絵はまだそのままで、何とその飛行軌跡まで北を向き始めた。そう、今までゆるやかな弧を描いていた飛行軌跡が、いきなり90度カクっと曲がっていたのだ。が、それを見てもまだ「うわ、まじで故障してるわ」と、その時は思っていた。今思えば、その時のモニターをなぜカメラで撮っておかなかったんだろう、そのくらいレアケースな故障だった。そう、故障だとその時は思い込んでいた。
さらにしばらくすると、今度は機内アナウンスが流れた。細かい内容はもう覚えていないが、確かこんな内容だったと思う。


「現在、アメリカ国内におきまして、十数機の同時ハイジャックが発生しております。その影響でアメリカの全ての空港は全て閉鎖されました。当機はこのままカナダのバンクーバー空港に向かいます...」


十数機の同時ハイジャック??全空港閉鎖??そんなことってあるのか??意味がわかんないぞ??当然、機内は騒然としてきた。皆が「いったいどういうことだ?」「何が起こってるんだ?」と、口々に、しかし何の情報も無いまま、話あっていた。
そうしてる間にも、席の前のモニター上には、飛行軌跡が一直線に北へ伸びて表示されていた。オレゴン州の横を飛行し、ついにワシントン州の横まできた。もうすぐカナダ国境である。そして再度、機内アナウンスがあった。それまでも何度かアナウンスがあったような気がする。その時は機長からだったと思う。


「当機はこの後バンクーバー空港へと着陸する予定ですが、現在、太平洋上空を飛行中の全ての飛行機がバンクーバー空港へと向かっているため、空港が大変混雑しており、いつ着陸できるかわからない状況です。このまま空港上空を旋回し、管制塔からの着陸許可を待つことになります。燃料はまだ十分にありますので大丈夫です」


みたいな感じだったと思う。アナウンスの通り、我々が乗った ANA NH008 便はバンクーバー上空なのか、太平洋上空なのか、とにかくその辺を延々と旋回しつづけた。そして1時間か2時間後、ついに着陸許可が下りたとのアナウンスが。機体が着陸態勢へと入った。
この段階では、最初に行われたアナウンスで流された以上の情報は、一切アナウンスされていなかった。ニューヨークやワシントンDCでいったい何が起こっていたのかも、実際には何機のハイジャックが起こっていたのかも何も知らされないまま、ひたすらどこかに無事着陸できること、そして本当はいったい何が起こっているのかを一刻も早く確かめることを望んでいた。
そして、ごく普通にバンクーバー空港へと着陸した。が、そこで見た異様な光景は今でもよく覚えている。そう、滑走路からターミナルの方へと繋がる何本かの誘導路全てが、何台もの飛行機によって埋まっていたのだ!「これだけの数の飛行機が全てこの空港に着陸したんだ」という驚き。実際にとんでもないことが起こっているんだという実感が、はじめてそこで湧いたと思う。
我々が乗った ANA NH008 便も、他の飛行機と同じく、滑走路脇の誘導路に侵入したきり、そこで全く動かなくなってしまった。何度目かの機内アナウンスが流れる。


「現在、全てのターミナルが使用中のため、ここから動くことができません。まだしばらく時間がかかると思われます」


そんな感じのアナウンスだったと思う。しかしそれだけで、ハイジャックの詳しい内容や、いったい何が起こっているのかに関しては、一切アナウンスが無い。
そうこうしてるうちに、乗客の誰かが携帯電話でゴソゴソと外部と話はじめた。私も、本当はいけなかったんだろうけど、ついにそれまで切っていた携帯電話の電源を入れてみた。デジタル圏外の音とともに、アナログ回線が繋がった。ラッキー!すぐさまシリコンバレーの同じソフトウェア会社で働く日本人のエンジニアに電話してみた。アナログ回線特有の呼び出し音の後、なんと繋がった!


「かずさん、今どこからですか?確か今日サンフランシスコ空港に戻ってくるはずでしたよね?」「今、バンクーバー空港です!」


その電話で初めて、ニューヨークやワシントンDCで起こったことを、知ったのだった。


「飛行機から降りたらすぐまた電話します」と言って、確か1分くらいで切ったと思う。機内では、私と同じように携帯電話で事情を知った人たちが、その情報を周りに話はじめていた。
しばらくしてフライトアテンダントと話をしたら、彼女らはすでに何が起こっていたのかを無線で知っていたらしく、「そのようですね」と答えていた。なるほど、やはり知っていて、それでもアナウンスでは流さなかったんだな、と確認ができた。恐らく乗客がパニックになるのを防ぐためとか、そんなことだったんだろう。


バンクーバー空港に着陸してから、確か3時間くらい経過したと思う。ようやくターミナルに着けることができ、飛行機から降りることができた。事前に機内アナウンスで、降りた後も ANA の社員の指示に従ってください、と言われていたので、その指示通り NH008 便の乗客は空港の一カ所で固まっていた。そこには、ANA 成田ロスアンジェルス便の乗客も集まっていた。そう、太平洋上空を飛んでいた飛行機は、サンフランシスコ便だけではなく、LA便やシアトル便も当然含まれていたのだ。
我々が一カ所で固まっている間にも、空港内のTV画面に流れるニュース画面が目に入ってきた。そこで何度も流されるニューヨークからの映像を観ながら、それが本当に現実に起こったことなのかどうなのか、何度観ても全く実感が湧いてこなかったのを今でも覚えている。恐らく日本の深夜に、TVの画面を観ていた人たちと同じだったと思う。


何時間か空港内で過ごした後、ANA の人から説明があり、「今日はこのままウィスラーへとバスで移動して、そこのホテルで一泊することになります」とのことだった。その空港では、飛行機会社から「我々の責任は、あなたたちをここまで無事運んでくる所までで精一杯だ。あとは自分たちで何とかしてくれ」と通達され、途方に暮れて唖然としている人たちが溢れている中、この ANA の対応は本当に心強かった。


この後、どのようにしてカナダへの入国審査を通過したのか、その辺の記憶はもう無いが、なぜかウィスラーに向かうバスの中から見たバンクーバー湾の綺麗な光景だけが記憶に鮮明に残っている。機内持ち込み以外の荷物は、全て空港で全数検査をするらしく、その日は受け取ることができなかった。が私はなぜか秋葉原で購入したデカくてジャマな自動散水機の箱をバンフのホテルまでずっとかかえるハメに、、、こんなことなら、こんなジャマなもの、わざわざ秋葉原に寄ってまで買ってこなかったよ!と何度も途中で後悔した覚えが、、、


ANA がチャーターしてくれたバスにゆられること3時間ほどで、冬はスキーリゾートで超有名な、というか 2010 年バンクーバー冬季オリンピック開催地の1つだったウィスラーに到着。なんと ANA が用意してくれたホテルは、そのウィスラーでも超有名な高級リゾートホテル、シャトーウィスラーだったのだ!


とりあえず今日はここまで書いて終わり。書いてる間にも、今まで忘れていた記憶がちょっとづつよみがえってきているので、続きを書く頃にはさらに色々と詳細を思い出してるかも。今日書いた文章も、色々思い出すたびに追記していこうと思う。


2011年9月11日(日)22時15分@カリフォルニア時刻 寺崎和久

iPhone用3D写真アプリについて

今回、Twitter『3D写真が超カンタンに撮影できる iPhone 4 用アプリ作った。3D写真好きな方で試してみてぇ〜って方、声かけてください〜。』ってノリでつぶやいたら、数人の方々が「試してみたい!」とさっそく反応してくれたので、さて、どうやって配布するかいな?とここでようやく真面目に考え始めました(スミマセン、、、)

というのも本来、iPhone のアプリを配布するには、AppleiTunes App Store に登録するのが正当なやり方なのですが、こういう「面白いの作ったからちょっと使ってみてよ〜」的ないい加減な(笑)配布には向かないんですね。ご存知のように、あまりにしょーもないアプリだと「却下!」もある訳で、、、

そこで、配布方法の2番目のオプション、配布先デバイスの UDID(iPhone のシリアルナンバーみたいなモノです)を送っていただき、App Store を介さずにアプリを配布する方法になる訳ですが、ここで問題になるのは、このやり方があまり一般的じゃないので、配布にあたり色々と説明しないといけない点。

で、最初はテキトーに「UDID とメールアドレスを DM で送って下さい、アプリをメールしますんで」で済まそうと思ってたんですが、そもそも UDID の取得方法とかの説明もしにゃならん!インストール方法も説明が必要だ!みたいな感じで、、、で、このページを書いてる訳です(はぁ)

で、もう「なんかメンドウみたいだから、もういいや」って方、スミマセン。でも、そういう世界なんです〜、便利な iPhone って(笑)


さて、では実際の作業です。

Apple社のサイトのこのページ『iPad:シリアル番号、UDID、IMEI、ICCID、およびセルラーデータ番号を確認する』(この例では iPad ですが、iPhone でも同じ手順です)を読んで、ご自分の iPhone の「識別子 (UDID)」を取得して、私の Twitter のアカウントに、あなたのメールアドレスとともに DM して下さい。
そしたら私が、その UDID を開発環境に登録して、あなたの iPhone 上に iTunes から直接インストールできるようにしたアプリを、そのメールアドレスにお送りします。

それを、PC か Mac 上の、iPhone と同期している iTunes の、左側の「ライブラリ」と書かれている部分にドラッグ&ドロップしていただいた後、iTunesiPhone を同期していただければインストールできます。ググったらこんな感じで詳しく説明してるサイトを見つけましたのでご参考まで:『他人のiPhoneをテスト機として使用する(Ad Hocビルド)』

あぁメンドクサ!ですね〜(笑)お手数おかけしてスミマセン、、、

8月に日本に行きます

25年ぶりに、高校3年のクラス会をやるっていうので、8月のお盆の時期に日本に行くことにしました。


例によって日本でのスケジュールは全て公開しておきます:
http://bit.ly/bzjcmJ
スキを見て連絡下さい(笑)


あとは、どうにかして日本での現在位置を常時公開する方法を考えます。
いい方法知ってる方、教えてぇ〜。機材的には iPhone 4(電話/3GはOFF,WiFiのみ使用) + G1(Android 1.6,電話/3GはOFF,WiFiのみ使用) + イーモバイルのポケットWiFi(みたいなの)となります。

iPhone/iPad歩行ロボットを ITmedia Newsさんが取り上げてくれました

というわけで、プロモーションビデオ 「iPhone Walking Robot」 から2年弱、ついに私の iPhone / iPad 歩行ロボットが、あの「ITmedia News」に取り上げられました!
あなたも作れる!? トコトコ歩くiPhone 4&iPad - ITmedia News


実はこの記事、 「iPad Walking Robot」 を作った頃に出るハズが、「もうすぐ iPhone 4 が出ますよ!そいつも歩かせますから」って無理言って「IT戦士」 @yukatan さんに待ってもらっていたのでした。で、ムービーはこちら: 「iPhone4 Walking Robot」


この記事で、私が伝えたかったことは全て書かれちゃっているので(笑)特に補足は無いですが、実は実は肝心なソースコードとハードウェア詳細(回路図)の公開が遅れちゃってます、スミマセン。
今週末には全て揃えてここで公開しますので、申し訳ないですがまた来週、ここに見にきてください。


ハードウェア構成を簡単に書くと、サーボコントローラにしてるのは 秋月電子通商の AKI-H8/3664F で、そいつの A/D 入力端子に直で iPhone/iPad からのヘッドフォン出力を入れてるだけです。あと、サーボモータも直で繋いでます。なので、配線としてはヘッドフォンジャック、サーボモータの電源系、そして電源のみです。簡単でしょ?


ソフトウェアの方は、マイコン側のファームウェアと、iPhone/iPad 側のソフトウェアに分かれています。
ファームウェアは、2003年に公開した 「Weird-7」ファームウェアをちょっと改造したもので、サーボモータを9個まで制御できます。それに合わせて iPhone/iPad 側のソフトウェアも、9個のサーボモータを制御できるようなAPIライブラリ構成となっています。つまり、アプリケーションの方から「サーボ4番をこの角度にしろ」とか「サーボ7番をOFF」とかAPIを呼び出すだけで簡単にできます。
iPhone/iPadマイコンとの通信は、「リインフォースラボ」さん(Twitter@u_akihiro)の 「public web: iPhone ソフトウェアモデム」 でも書かれているように、音を使って行っています。Faxとか昔のデータ通信モデムと同じ原理ですね。「リインフォースラボ」さんでは、ArduinoWindows/iPhone/iPad で使えるソフトウェアモデムのソースコードを公開されています。 「なんでも作っちゃう、かも。」 の arms22 さん(Twitter@arms22)もソフトウェアモデムのソースコードを公開されています。
私のやつも、基本的にはそれらと同じ仕組みなのですが、しかし私のだけは何と!変調がかかってません。つまり、シリアル波形そのまま流しちゃってるだけ。トンでもないパチもんですね(笑)でも実際に 12kbps で通信できちゃってますから、趣味で使う分には問題ないかと。


今は、せめてもうちょっと簡単にモーションが作れるように、iPhone/iPad 側に簡単なモーションエディタを用意しようとしています。週末中に完成すればいいのですが、、、

5月21日(金)の そらの さんのダダ漏れ @ スタンフォード大学 を

って、わざわざブログに書いてる理由は、Ustream に新しい Show http://ustre.am/i198 を作った際に、間違って古い Show http://ustre.am/98es を消しちゃったから、、、そうなるともう、誰もアクセスできないので、かわりにここからダイレクトにリンクを張る形で残しておきます:


Palo Alto の California Avenue にあるカフェでランチを食べながらダダ漏れ中の そらの さん
http://www.ustream.tv/recorded/7128900


Stanford 大学に移動して、ダダ漏れ準備をするけどネットが繋がらなくて困っている そらの さん
http://www.ustream.tv/recorded/7130763


引き続きゴミ箱の影でダダ漏れ準備をする そらの さん。結局うまく繋がらなくて、国際電話で日本の「上司」と相談の上、結局私の iPhone を借りてダダ漏れすることに、、、
http://www.ustream.tv/recorded/7130940


大学キャンパスを一望に見晴らせる Hoover Tower に登って中継する そらの さん。途中で案内役が、ここまで連れて来てくれたメンバー3人から、イケメンな弁護士のタマゴくんなスタンフォード大学の学生にバトンタッチになって、思わずはしゃぐ そらの さん
http://www.ustream.tv/recorded/7132226


下りのエレベーターの中でもダダ漏れする そらの さん
http://www.ustream.tv/recorded/7132552


ダダ漏れに夢中で、階段を踏み外してあやうくコケそうになる そらの さん
http://www.ustream.tv/recorded/7132659
その時の そらの さんのダダ漏れ
http://movie.twitcasting.tv/ksorano/movie/172077


イケメンくんとのキャンパスデートを満喫するダダ漏れ そらの さん、視聴者の方のリクエストで大学内の学食に向かう
http://www.ustream.tv/recorded/7132741
その時の そらの さんのダダ漏れ
http://movie.twitcasting.tv/ksorano/movie/172081


引き続きイケメンくんの案内で学食めぐりからスタンフォードブックストアに移動、そこで視聴者の皆様向けおみやげを選ぶ そらの さん。最後は日本の「上司」に国際電話で任務完了の報告をする そらの さん
http://www.ustream.tv/recorded/7133106


いかがでしたか?なかなか そらの さんがダダ漏れをやっている現場を外から見る機会は無いと思うので、貴重な映像だったのではないでしょうか(笑)

RoboGamesを日本語Ustream中継してみた感想や反省点、使用機材など

RoboGamesを日本語Ustream中継してみた感想や反省点、使用機材などをまとめてミタ


今回、2日間にわたって世界最大のロボットバトルイベント『RoboGames 2010』を日本語で Ustream 中継(http://www.ustream.tv/channel/robogames2010jp, Twitterハッシュタグ: #robogames2010jp)してきましたが、そこで色々と自分なりのノウハウがたまったので、忘れないうちにここにメモしておくことにします。


まずは、この2日間、機材を背負って広い会場中を歩き回りながら、私と「GetRobo」の 影木 さんの二人で中継してきた感想を一言で:


中継してる最中は、全く「機材が重い」とか「腰が痛い」とか感じなかった。そんなこと感じてる余裕すら無かったとも言える。全神経は「とにかく、今目の前で起こっていることを中継しなきゃ」という想いでいっぱいいっぱいだった。


以前お会いしたTVプロダクションのビデオカメラマンの方がおっしゃっていたことを思い出す。「一旦カメラ回し始めたら、何が起こってもカメラは放しません。たとえ死んでも撮り続けます」。その気持ちが少しだけ、わかった気がした。

たぶん、Ustream で(カジュアルではなく)気合い入れて中継したことのある人なら、同じ感想を持ってくれると思う。ダダ漏れライブの そらの さん、貴方の気持ちが少しだけわかった気がします(たぶん)


それでは、今回使用した機材の紹介から:

  • PCMacBook (Core 2 Duo 2.4GHz / RAM-4GB / SSD-32GB) 2年以上前の MacBook です。それに $90 で買った 32GB の SSD を載せて使用(衝撃があっても大丈夫なように)。交換用予備バッテリー1本(ebay で $35 で購入)。MacBook は歩きながらキーボードが打てるよう駅弁売りスタイル(画板スタイル)で首から下げて使用(後ほど説明)
  • ビデオカメラPanasonic DV Camcorder PV-GS31 に 0.5 倍のワイドコンバージョンレンズ(amazon.com で $20 で購入)を外付け。映像は IEEE-1394 (FireWire) で MacBookFireWire ポートに接続、音声はスレテオケーブルでオーディオミキサーに接続。ズーム操作はリモートでできるよう改造(後ほど説明)
  • 三脚:ごく一般的なもの。伸ばすと約 1.5m くらいの長さになるやつ
  • オーティオミキサーAZDEN CAM-3 3 Channel Mic Mixer(amazon.com で $45 で購入)、電源不要のパッシブミキサー。ビデオカメラの音声(R+L)、インタビュー用ワイアレスマイク受信機(R)、私のインカムマイク(L)で計3チャネル。BGM はインカムマイクと iPod を差し替えて入れていた
  • ワイアレスマイクaudio-technica ATR-288W VHF Wireless Microphone System(amazon.com で $131 で購入)、ピンマイクとインタビュー用のハンドマイクが付いてました。今回は 影木 さんがずっと持ってインタビューに使っていました
  • インカムマイク:上記 ATR-288W に付いてきたピンマイクを、AGC 付きマイクアンプ替わりに Roland EDIROL に入力し、EDIROL のモニター出力を上記ミキサーに接続
  • モニター用ヘッドフォンiPod 付属のインナーイヤーフォン


以上が今回使用した機材のリスト。
ここからは、各機材についての細かい説明やら、中継していて気づいた点などを細かく書いていきます。

  • 中継用ノートPC

今回はとにかく「中継しながら Twitter もやる」というのが1つの目標だったので、カメラを回しながら立った状態で両手でキーボードがバリバリ打てるようにするためには、どうすればいいのかをひたすら考えた。その結果、「駅弁売りスタイル」という、ノートPCにストラップを取り付け、それを首から下げて使用した。実際には、1本のヒモを、ズボンのベルトを通す輪を通して腰回りを一周させ、それがノートPC下でXにクロスして、この上にノートPCが載るような形にした。そうすることでキーボード部分が常に体と垂直になるような形で固定される。最初はその細いヒモを首からかけてみたが、長時間の使用だとヒモが食い込んで痛くなりそうだったので、ビデオカメラに付いていたネックストラップを細いヒモで延長するような方式に変更した。このお陰で8時間にもおよぶ長時間の使用でも、首周りが痛くなることは無かった。
写真http://twitpic.com/1gpx1u
動画http://yfrog.us/bf9l1z
しかし、どうしても重心が前の方になってしまうので、無意識に腰に後ろ向きのテンションが常にかかっていたらしく、1日目の中継が終わる頃には腰がヒドい筋肉痛になっていた。これを防ぐには、背中側にカウンターウェイトを担げばいいような気がするので、後で話する外部バッテリーを担げば丁度いいような気がする。

  • ビデオカメラ

以前使っていた、かなり安い DV ビデオカメラを使用。バッテリーは付属の小さいものと、後から買った大容量のものを2個用意した。大容量のもので約3時間ほど使えたので、実際には途中途中で充電し、小さい方を使うことは無かった。ビデオカメラには DV テープは入れずに、単にズーム付き FireWire カメラ&マイクとして使用していた。
ビデオカメラ側のモニター液晶は一切使用せず、常にPC側の Ustream Producer 画面でモニターしていた。つまり、カメラを操作している間は常にPCの画面を見ていたということ。
ちなみにカメラ側のモニターだと、実際の撮影画面の8割くらいしか表示されておらず、ワイドコンバージョンレンズの周辺がケラれているのは、PCに繋いで見てみるまで気づかなかった。

  • カメラレンズ

かなり広い会場の雰囲気をうまく伝えるためには、絶対に広角系レンズが必要だと思っていたので、迷わず(一番安い)ワイドコンバージョンレンズを購入。倍率が極端だと魚眼レンズになってしまい、逆に観づらくなってしまうので、今回は 0.5 倍というコンバージョンレンズを購入した。確かにズームのワイド端では周辺がケラれてしまっていたが、手動で毎回ちょっとだけテレ側に寄せておけばOKだった。このレンズのお陰で、地上高 3m からほぼコンバットロボットのアリーナ全体が入る画角を手に入れることができた。普通の家庭用として使う分にも、これくらい画角がある方がずっと使い易いと思う。私が常用しているハイビジョンビデオカメラは、買った当初からワイドコンバージョンレンズを付けっぱなしで使用している。

  • マイク&ミキサー

購入したワイアレスマイクは、ほぼ問題なく機能してくれた。ただ時々、インタビューマイクのケーブルがアンテナがわりになっているためか、そのケーブルの状態によっては瞬間的にホワイトノイズが乗ることがあった。送受信機ともに 006P-9V 電池で8時間まるまる使えた。受信機は左腰のズボンベルトに引っ掛けて使用した。左腰だった理由は、MacBookのラインイン入力が左側にあったからという単純な理由です。
小型ミキサーは、本当に簡易的なものだったが、とりあえず使えた。ミキサーは両面テープでワイアレスマイク受信機の上に亀の子状態で接着して使用した。

  • カメラアングル

今回は三脚にカメラを載せていたのだが、実際に三脚を地面に置いて使用していたのは、恐らく全中継時間の半分以下だったと思う。あとはひたすら三脚を両手で支えながらの中継だった。その間は両手がふさがってしまい、結果として当初予定していた「Twitter でつぶやきながら中継」というスタイルを実現することがほぼ不可能となってしまった。
影木 さんがインタビューをしている間は、ずっとその場面(とかグループとか)を映していてもつまらないので、結局は三脚を地面に置いての撮影が半分、三脚を抱えてロボットなどを撮影するのが半分、という感じだった。
あと、イベント会場ではよくある光景だが、とにかく人気のブースには人が群がっていて後から近づくのは超困難。なので、そういう場合は、三脚を応援団の応援旗よろしく腰の辺で支えながら、カメラを地上 2.5 ~ 3m 付近まで高く掲げて中継していた。1日目にその撮影スタイルをあみだしたものの、その間ズーム操作が全くできないため、ほぼ広角固定で中継するしかなかったが、1日目の夜に「リモートズーム操作装置」を開発し、2日目からはカメラを高く掲げながらにして、手元で自由自在にズームすることができるようになった。これはかなり画期的であった。
ちなみにその「リモートズーム操作装置」だが、実はズームスイッチの上に、強力両面テープでヒモを引っ掛けるためのプラスチック片を接着し、そこに荷造り用のヒモを結んだだけの簡単なもの(笑)だったが、一度も不具合なく動作してくれた。制作時間たったの約10分で、ここまで役に立ってくれたのは感動。
写真http://twitpic.com/1i3mqx
ただ実際には、これだけの装備をかかえ、二人でインタビューしながら会場中を歩き回っていたため「この人たちは RoboGames の中の人たちかな?」と思ってもらえてたようで、そういう混み混みの場所でもサッと前の方に入れてもらえることも多かった。

  • ネット回線

今回の中継を残念ながら失敗だったと位置づけてしまうとすると、その原因はとにかく「ネット環境が不安定だった」からに尽きると思う。
今回、事前に主催者側が用意する WiFi を使用させてもらう、という約束で会場に向かったのだが、そこで我々を待っていたのは、携帯電話の 3G 回線を使用するための USB データモジュールが WiFi ルータがわりの MacBook Pro に刺さっているという、それだけの物だったのだ。それも会場から少し離れた貴重品管理室の中に設置されていて、近くまで行かないと電波すら入らないという状況であった。
なので仕方なく、バックアッププランの 3G 携帯電話を Bluetoothテザリングして使用する方法で、まずは配信をスタートしたが、今度は Bluetooth のコネクションが数分おきに切れるという、今まで体験したことの無い不思議な現象が発生した。恐らく会場内で 2.4GHz 帯の無線が多用されていたためなのか、ロボットバトルで発生した異常な電磁波のせいなのか結局わからなかったが、とにかく微弱電波系は実に不安定であった。
そのため最後は1日 $10 の、会場に設置された有料 WiFi を使用することになった。しかしこの有料 WiFi がまたクセモノで、どこにベースステーションが設置されているのかわからないが、肝心の建物の中ではシグナルが弱く、外に出ると大丈夫という状態であった。手元で常時 ping で接続状況をモニターしつつ使用していたが、ターンアラウンドタイムが 20ms ~ 2000ms と激しく変化し、パケットロスが多発する中、やはり中継も途切れ途切れとなっていた模様。
しかし、そういうことも想定して、WiFi レンジエクステンダー(D-Link DWL-G710)という昔買った WiFi 中継機を持って行っていたので、それを1日目の最後の方で導入してみたところ、パケットロスはほぼ無くなり、かなり安定して中継できるようになった。
これで2日目は大丈夫だろうと安心していたのだが、実際には1日目よりも状況はヒドくなっていた。もしかすると土曜日で参加者と観客が増え、有料 WiFi を使用する人も増えたのかもしれないが、詳しく原因を調べる余裕は無く、そのまま中継をつづけざるお得なかった。後から考えると、恐らく会場内で有料 WiFi を使っていた人たち全員が、私が設置した中継機経由でアクセスしていたのではないだろうか。というわけで、この部分の改善方法を少し考えてみた。
例えば、有料 WiFiベースステーションからできるだけ近い場所の会場内に、独自の WiFi 中継機を設置する、というものだ。ここで言う中継機とは、私が今回使用したような WiFi レンジエクステンダーではなく、一旦 WiFi を受信し、Ethernet に変換した後、それを今度は独自の WiFi ベースステーションから別の SSID で流す、というものだ。こうすることで、有料 WiFiベースステーションに対して、会場内の誰よりも安定したコネクションを維持することが可能となる一方、そこから先は独自の SSID で自分だけが使用できる WiFi 回線となるため、他の人と共有することは無くなり、安定した通信を確保できるはず。欲を言えば、その中継機に複数の通信回線(キャリアが違う複数の 3G 回線など)も接続しておき、複数回線を1本の仮想の太い回線としてネット上のプロキシーサーバまで通しておいて、そこから Ustream サーバと繋ぐようなことができればいいのになぁ。

  • その他、こうすればよかった、こういう機材が欲しかった、など:

そもそも、コイツら何やってんの??と周りから思われていたっぽいので、次回はTシャツや三脚に「We're USTREAMing to Japan NOW!」とか書いておこうと思った。背中に 10 インチくらいの液晶TVを担いで、中継画像を流しててもいいかもしれない。
それと、主催者側が用意してくれるはずだったプレス向けネームプレートが当日用意されていなかったので、それも「コイツら何なの?」感をうみだす原因だったと思う。
あと、使用した機材が当然のことながらバッテリー駆動のものばかりだったため、そのバッテリー残量の確認や交換などがかなり面倒だった。なので次は、多少重くても外部バッテリーを1つ用意して、そこから各機材に必要な電圧で一括供給できる電源システムを用意したい。HyperMac の 150W のやつくらいがあれば8時間の中継でも大丈夫なような気がするけど、バッテリーに $400 ってどうよ(笑)その場合は USB から DC-DC コンバータ経由で他の機材に電源供給することになるかな。
中継でWiFiを使う場合には、先ほど書いた独自の中継機を設置するというのと、その設置場所を選ぶための正確な WiFi 電波強度計が必要だと思った。
WiFi 関連だと、USB WiFI アダプターで外部アンテナに対応してるやつがあるので、それで高利得の外部アンテナを付けておくというのもいいかもしれない。ちなみに余談だが、私はそういう WiFi アダプターの中で、何と外部小型パラボラアンテナが付いたモノを持っています(笑)中継だと、しょっちゅう動くので使い物にならないだろうなぁ。
インタビュアーの人が話してる間、私は結構離れた位置から撮っていることが多かった(ロボットも撮影したりするため)。そのような場合に、何か指示とかを出すためには、かなり大声を出さないといけなくて、そのたびにカメラ/インカムのボリュームを OFF にしたりしていた。次回は私のインカム音声をワイアレスでインタビュアーの人に飛ばせればいいと思った。
あと、インタビュアーの人がいちいち1本のマイクを、相手に向けては自分に向け、みたいなことをするのは大変そうなので、インタビュアーの人用のピンマイクも必要だと強く感じた。ワイアレス送信機を改造して2入力に対応させてみたい。
2日目の中継の時には、後半インタビュアーの人に私の iPhone を持ってもらい、常時 Twitter で #robogames2010jp ハッシュタグの検索結果を見てもらうようにしていたけど、iPhone の電池がすぐ切れてしまうのが難点であった。そういう時のためにも iPhone には外部バッテリーが必要だと思った。そうすれば、PCからの中継を切ってる間でも、iPhone からすぐに予備で中継ができるだろうし。
ネット上で、誰か中継の状態を常時モニターしてくれる人が欲しかった。その人と Skype でつなぎっぱなしにしておいて、リアルタイムで中継状況を知れたら、実は回線状況が悪くて中継されてないのに必死でインタビューしてたりするのを防げたかも。
それと、最悪の状況(がまさに今回だったんだけど)を考えて、中継は全てPC側で録画しておきたかった。そうすれば今回のように、サーバ側での録画がうまくいってなかった場合でも、後日あらためてUstreamYouTubeにアップロードできていたかもしれないのに。 Ustream Producer にはそんな機能は残念ながら無いみたい。Pro 版だったら付いてるのかなぁ。もう一台の HDD ハイビジョンビデオカメラの方だったら、全てを録画しておくことが可能なので、USBビデオキャプチャバイスとか経由でそちらを使うことも検討してみます。

  • さいごに

今は、とにかく「何か中継したいしたい病」にかかってる感じ(笑)もっと場数をふんで、機材を最適化して、どんな状況でも中継してやる!をひたすら目指したい感じがしています。
今回、初めて本格的な機材(でもないか)で Ustream 中継をやってみましたが、自分なりに工夫してみたり、無い物は作ったりして、中継以外の部分でもとても楽しめました。
中継手法としても、三脚を高く掲げて高さ3mの地点からのイベント映像を中継するなど、恐らくプロでもできない(プロ用カメラの重さじゃ絶対に持ち上がらないし)方法をあみ出したりと、なかなか独自色を出すことができたのは、これまた楽しかった。
これからどんどん、固定カメラでの Ustream イベント中継が多くなって、ごくあたりまえのことになっていくと思いますが、そうなった時でも恐らく今回我々が挑戦した「イベント会場を歩き回りながらの中継」は、スマートフォンでのカジュアル中継を別として、そんなに出てこないのではないでしょうか。
そういう意味できっとこのレポートは、今後そういった「歩き回りながらダダ漏れライブ中継」スタイルでやってみよう、という人たちの参考になるのではないでしょうか。っていうかなってほしいデス!


それではまた、シリコンバレーのどこかのイベント会場からの中継でお会いしましょう〜


かづひ
Twitter: kaduhi