2017年6月 大崎上島ウルトラマラニック

大崎上島ウルトラマラニックに初参加。

前日の土曜日は友人とウサギ島(大久野島)観光してからまたフェリーに乗って大崎上島へ。ホテルの超絶景露天風呂から瀬戸内海の島々としまなみ海道と四国を望む。日本ってなんて美しいのでしょうか。

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翌日は午前5時スタート、距離は70㎞、ゆるゆるマラニックなのでザック背負って走ったけれど、エイドが豊富で携帯したどら焼きとスポーツ羊羮はスタートからゴールまで担いで走っただけ(笑)。

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島内を八の字っぽく走るコースの海沿いは、島と海の織り成すコントラストがもうホントに素晴らしい。はじめは立ち止まっては写真撮影しまくり。そしてエイドでは食べまくり。お腹減らす暇がありません…。

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メインディッシュは島内最高峰の神峰山の長い長い上り坂、展望台からの景色はこれがもうホントにウルトラ絶景で思わず「マジすか!」と叫んでしまうほど。

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島民の皆さまも非常に友好的で「頑張って」と笑顔で応援してくれてました。後半、突然コースに飛び出してきたおばあさんに「お茶か炭酸持ってけ」といきなりペットボトルを差し出され、断る間もなくお茶を頂きました。ビックリしたなぁ。

ゴールタイムは約8時間、ちょうど最も暑い時間帯に突入していたので、これくらいの時間にゴール出来て良かった。

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ランナー無料のお風呂に移動して体重を測ったら大阪出てきた時より重くなってるよ、ダイエットになってないよ!

大崎上島ウルトラマラニック、参加人数は70㎞、60㎞、35㎞で合計300人くらいとこじんまりした大会。運営は島の方々と広島マラニック倶楽部の皆さんでしたでしょうか、アットホームで楽しかったです。エイドで一番美味しかったのは…島特産の椎茸の天ぷら揚げたて!

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なんといっても天気に恵まれた(昨年は大雨でコース短縮)のが大きかったですが、とても楽しい大会で宣伝したらたくさんランナーが集まっちゃうなぁ、と思いました。難はアクセスがよろしくないところくらいでしょうか。だからこそ絶景を楽しめるのですが。

それと、ご当地大崎上島出身で萩往還レジェンドのTさんと一緒に走らせて頂けたのも嬉しかったです。トップランナーの方からいろいろ貴重なお話を伺うことが出来ました。すぐに真似は出来ませんので、まずは減量からやりましょうかね。

萩往還、土佐乃国、大崎上島と続いたので、明日からは心を入れ換え、家族に尽くして次の大会に出られるまで家事ポイント貯めまくります!

 

2017年5月 山口100萩往還マラニック 250km:その1

2017年萩往還250㎞ その1

昨年に続く萩往還250㎞、2回目に挑む。昨年は荒天でコース短縮となり、自分自身は足指がもげるほどの痛みに悶絶しながらのゴールとなった。今年こそは好天のコースを楽しみ、板堂峠からの往還道を駆け抜けて笑ってゴールしたい。

と思っているうちにあっという間に一年が経過した。直前の練習は、3月の淡路島一周140㎞、4月の余呉湖70㎞、同じく水都大阪100㎞と積むには積んだが体重増は解消出来ず。

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今年は前泊してしっかり睡眠を取るため防府にのホテルに泊まった。防府にしたのは新山口よりも湯田温泉よりも安いホテルが見つかったから。

さて5/1、適当な時間にゆっくり出掛けようと思ったらいきなり会社同僚から電話が…。連休中になんだろう、と訝しく思いながらも出てみると、取引先の方が亡くなって今晩が御通夜とのこと。どうする?結局式服と革靴姿で40Lザックを背負って家を出る。家族からは「どう見てもおかしいやろ」と言われるが時間の関係上仕方がない。御通夜に参列してから防府に移動、翌朝に式服と革靴を宅急便で自宅に送り返した。

5/2朝、防府天満宮にお参り。きれいに作られている花文字、でも「幸せます」ってどういう意味?ふと見ると石碑が。そうだ、ここも往還道の一部なんだ。

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鈍行列車でのんびり山口まで移動、駅から会場まで歩いて受付無事完了、今年の参加賞はTシャツではなくトートバッグだった。ここで昨年もお世話になったTさんに再会する。数日前に水都大阪でもお会いしたばかりだが、やはり萩で会うと感じるものが違う。聞けば昨年はあの荒天の中、コース短縮決定前に青海島の静ヶ浦キャンプ場までの往復コースを走破して結局34時間、4位でゴールされたとのこと!「明け方に瑠璃光寺にゴールしたら誰もいなくて寂しかったです」ってそりゃそうでしょうね。あまりのスゴさにしばし絶句…。

今年も一緒にセミナーと説明会に参加、一番前の席に座る。ここだと前に荷物を広げても他人の迷惑にならなくてよい。昨年は準備時間がなくてバタバタしたが今年は比較的余裕をもって準備を済ませる。会場内で見知った顔にご挨拶、一年ぶりの同窓会そのもの。まだ二度目だけれど、これが萩の魅力の一つなんだなと思う。

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昨年は天気予報を無視して大層痛い目に遭ったため、今年はしっかりと事前確認。雨はなく二日目は暑くなりそうだ、暑いのが大好きな自分には願ってもないコンディションだ。そのため油谷中には荷物を預けず、宗頭だけに送ることにした。防寒着も上は宗頭へ、下は…悩んだ末に携帯した。昨年大雨に生足を冷やされたトラウマが消えそうにない。

スタートは午後6時からウェーブスタート、5時過ぎに行くと既にかなりのランナーが並んでいる。あまつさえ芝生に横になって仮眠しているランナーまでいる!Tさんと二人、所在なくとりあえず並ぶ、ヒマだ。ふとTさんが「このうちの半数は完走出来ないんですよね」とつぶやく。確かに250㎞の完走率は毎年50%前後だ。自分は絶対に完走するぞ!と密かに闘志を燃やす。

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さてそろそろスタートだ。モンベルバックの胸ベルトを閉めようとしてはたと気付いた。ストラップが無い!自分が買ったバックがイマイチだったのか、しょっちゅうストラップがレールから外れるのでわざわざ安全ピンで固定していたにも関わらず、二つともきれいに無い…。スタート数分前に気付くとはなんたることか。預けたザックに入っているかもしれない。でも取りに行ったらスタートに間に合わない。一度は観念するも、やはりこれからの長丁場を考えるとストラップはあった方がいいに決まってる。

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意を決してスタートとは違う出口から瑠璃光寺を出て手荷物預かり所へダッシュ。手荷物預かり所はコース上にあり、スタートしたランナーと間違われてはいけないためザックを手に持って走る。それでも係員や応援客の皆さんからものすごく奇異な目で見られる。「あれ、トップランナー?」違います。「どこ行くの~?」知り合いのHさんが大声で話し掛けてくる。あろうことか、嬉しそうにカメラを向けてくる。違うんだって、フライングじゃないんだって!

急いで預かり所に駆け込んで自分のザックをまさぐるもストラップは見当たらない、家か…。しばし天を仰ぎ、仕方なくコースを逆走してスタート地点に戻ろうとするのとスタート時間がちょうど重なって、大歓声とともに何十人かのランナーがどっとこちらに向かってくる。恥ずかしいやら情けないやらコースの反対側によけて第一ウェーブをやり過ごし、すごすごとスタート集団に戻る。はー、なんだったんだ…。

結局胸のストラップなしでこれから250㎞走るのか。バックが暴れないように肩を張って走らないといけないのか、それって肩凝りそうだな。ショルダーの右ポケットにスマホ、左に空のペットボトルを入れてバランスを取ってみる。もうどうとでもなれ。

自分のスタートは6時15分、芹澤会長のエイエイオーの掛け声とともに走り出す。無いものは無い。とりあえずこれから長い旅が始まるのだ。

(続く)

 

2017年4月 水都大阪ウルトラマラニック 100km

水都大阪ウルトラマラニック、初めて参加しました。

始発で自宅を出て当日受付して当日帰宅出来るウルトラはなかなかありません。前日土曜日は自宅缶詰めでひたすら残務処理、睡眠時間は3時間だけ。年度の始まりで飲み会も多く、ストレスで?食べ過ぎて体重は2年前に戻りつつある。

と、書けば言い訳は幾らでもありますが、GWの萩往還250㎞前の刺激注入目的の100㎞参加だから走らない訳にはいかない。

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朝まだ涼しいうち前半はキロ5分台で気持ち良く走るも、後半からガクッとペースが落ちて、あとはひたすら次のエイドを目指す苦行走。暑さはまだしも睡魔に襲われて後頭部が激しく痛む。淀川沿いの単調で長いストレートコースを2往復している間に草野球の試合は終わり、日は昇って傾く。ひたすらフラットなコースのせいか、少しくらいアップダウンがないとかえって足が疲れることを痛感。

それでもエイドメニューは豊富かつオリジナリティにあふれており、スタッフの皆さんの応援も手厚く、手作り感満載の楽しい大会であることは間違いなし! 最後の大阪城内のゴール、地元のラン仲間のお出迎えを受けてレッドカーペットの上を走るのはホントに気持ち良かった。思わず歓喜の叫び声が出る!

タイムは10時間11分。

後半駄々漏れでサブテンはならずも、今の自分はこんなものかな、と素直に納得。萩往還にダメージを残さないつもりが血豆まで作ってしまうオマケつき(笑)。めちゃめちゃ日焼けした二の腕が真っ赤でヒリヒリ…。

  • コース:★ 川沿い2往復はフラットで走り易いとはいえ単調。でもすれ違いが複数回あるのは嬉しい。
  • エイド: たこ焼きからミックスジュースまでメニューは豊富の一言。
  • 応援: スタッフからの応援は熱い。河川敷で余暇を楽しんでいる一般人からの応援は皆無(当然か)。
  • アクセス: 大阪城スタート&ゴールで大阪周辺ならば当日日帰り可。
  • 運営: 至れり尽くせりでストレスなし、ユーモアあり。
  • 総評:川沿いの日帰りウルトラと割り切れば文句なしかと。 

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2017年4月 天女の羽衣伝説ウルトラマラソン 71km

天女の羽衣伝説ウルトラマラソン、走って来ました。
場所は余呉湖(琵琶湖の北東)、距離は71㎞。

年度末からずっと忙しく、でもって夜の宴会は多く、かなり疲れ気味ながらも気合いで午前3時に起きて自家用車で現地へ。

スタート地点から余呉湖までが3㎞、余呉湖6.8㎞×10周。満開のサクラと充実のエイドが楽しみだったのに、サクラは早過ぎてまだつぼみ。おまけに走り始めてすぐに霧雨となり、途中からかなりの本降りでぐしょ濡れ、精神的にキツイ時間が続いて我慢大会と化しました…。

ゴールタイムは6時間32分、と悪くありませんが、もともと体が重いうえに8周目に入る前に食べた豚汁の量が多過ぎて胃にもたれ、そこで終戦。豚汁に手こずっている間に競っていたランナーに抜かれまくった。ゴールしてから食べても遅くなかったかも(食い意地張ってるからしょうがない)。エイドは本当に充実してました。各種オニギリ、各種果物、焼きたてのパンがとりわけ美味しかった。

この大会の名物の一つは、夜のBBQ懇親会&ビンゴ大会であり、ほとんどの参加者はこのまま指定施設に一泊するのですが、私は後ろ髪を引かれつつ帰宅。スタート地点付近にあった温泉に無料で入れてもらったのがせめての救い。

車で往復5時間、ただただ疲れました…。萩往還の良い練習になったと思いたい。

  • コース:★★ 湖沿いの周回はほぼフラットで走り易かった。桜満開なら間違いなく三つ星でした。ただしその場合は観光客も多くて走りづらいそうです。
  • エイド:★★★ パン、オニギリ、豚汁、各種フルーツとメニューは豊富。
  • 応援:★★ スタッフからの応援のみ。雨で人もいなかった。
  • アクセス:★ 車がないと厳しい。ないしはローカル線で来て前泊。
  • 運営:★★★ 12回目も開催しているだけあって非常にスムーズ。
  • 総評:桜満開の時期で、BBQにも参加出来たらサイコーでしょうね。 

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2017年3月 淡路島一周マラニック 146km

昨年に続けて走った「淡路島一周マラニック」の完走記です。

あまり長々と書くつもりもなかったのですが、地図や写真を見ながら記憶を呼び戻していると、距離と時間に比例して結局冗長なレポートになってしまった。

ま、長い備忘録ですので、お時間のある方、ないしは淡路島を愛する方のみ最後までどうぞ(笑)。

一週間の中国出張から帰国した翌日3/18(土)朝は超眠くてなかなか起き上がれず。「もう行かないで寝てたら?」という家族の声に後押しされてやっと布団から這いずり出た。

三ノ宮からバスでスタート地点の淡路島 東浦バスターミナル付近のお宿「さつき」に到着したのが午前11時。連休中ということもあり、途中のバス停で満席となり乗れないお客さんが複数いた。会場であるお宿の「さつき」で受付、ゼッケンと地図を頂いてスタート時間の正午までにちゃっちゃと準備する。昼食として三ノ宮駅のセブンで購入したオニギリと菓子パンを食べる、200円也。

宿の前に集まってコース説明を聞いた後、主催者のお一人であるWさん(ウルトラマラソン界のレジェンド的存在)の掛け声でスタート、長い24時間が始まった。昨年は準備が遅れて5分後に出発した結果、スタートから何時間かずっと一人で孤独に走ったが、今年は最初から団体についていく。後で調べたところ今年の参加は63名で、うち4名が2時間遅れの14時スタートとのこと。走り始めてすぐに明石大橋の下を通過。f:id:kaimizu:20170318125909j:image:left
このマラニックは反時計周りに淡路島の外周を走り、距離は約146km、制限時間は24時間、参加費は3,000円で、基本は諸事自己負担&自己責任。ちなみに昨年初めて走ったときは右足小指が見事につぶれて22時間を要した。その反省で今年は各足指に馬油を塗って、五本指ソックスを履いて、シューズの紐をかなーり緩めて、両足小指にテーピングをした。その甲斐あってか最後まで両足小指は生きていた。が、テーピングを怠った左親指がやられた。やはり手抜きをしてはいけないということ。

スタートして2時間、周りのランナーが立ち寄るので自分もファミマにピットイン。オニギリ、どら焼き、ホットコーヒー、締めて358円。スタート時には食糧を持っていなかったのでどら焼きは非常用携帯食とした(結局ゴールまで手つかずで輸送した)。

よく見るとコンビニのレシートは情報量が豊富。お店の住所、購入時間、何を買った(=飲食した)かが明確に分かる。今回はずっと面倒臭がらずに買い物時のレシートを取っておいた。ジャリ銭は重いし音が鳴るので買い物はすべてナナコかイコカで済ました。

このファミマを出てからは単独走、足指に違和感を感じてワックスを塗りたくった以外はひたすら島の西海岸沿い、サンセットロードを黙々と走り続けた。昨年はここら辺ですでにバテてどら焼きかじりながら対岸の小豆島を眺めたなぁ、と一瞬思い出すも足は止めず。結構な頻度ですれ違う自転車ライダーから声援を頂く。そう言えばライダーは皆さん時計周り、おそらく海側を走る方が景色が綺麗だからでしょう。

30キロ過ぎたあたりで「確か昨年もこっちに行ったな」とショートカットっぽい細い道を行くとまた車道と交わる。後ろから来たランナーさんとの会話で、ショートカットしたせいで貴重なコンビニを一カ所パスしてしまったことが判明。「ま、仕方ないか」と切り替えるもなんだか寒気がしてきたので立ち止まってウインドブレーカーを羽織る。本日の格好は、昨年とほぼ変わらず、長袖シャツにユニクロハーフパンツ。キャップは黄色の蛍光色、これは夜間に自動車の運転手に見つけてもらうため。昨年と違うのはタイツを履いておらず、膝下がむき出しな点。幸いにも今日は暖かくなる天気予報だったし、太ってしまってきつくなったタイツは自宅に置いてきた。

このマラニック、基本コースは決められているが事務局からは「とにかく海沿い行って下さい」と言われており、そのため車道が陸側に食い込んでいる場所にはたいてい海沿いを行く細い道があってそちらを走ることになる。と、どうやら道を間違えたらしく小さな港で方向がわからなくなる。幸い地元の人に教えて頂いてなんとかコースに復帰出来たが、夜だったら暗いし人は居ないし、かなりまずかったかも。道端に座っていた見た目おじいさんにも見えるおばあさん(たまにこういう方いますよね)に話しかけられた。「何処までいくの?」「東浦から淡路島一周してます」と答えたら、「ひぇっ!」と素っ頓狂な声で驚かれた、というかこっちがびっくりしたわ。

あー、なんだか今日は不調だ、と思いながら名勝である五色浜、慶野松原を抜けてやっとローソンに到着。時刻は午後6時、50km強を6時間の良いペース。4人ほどランナーが駐車場で休憩しており、自分も食糧調達して会話の仲間に入れて頂く。お買い上げは、サンドイッチ、ポカリ、アーモンド(携帯食)、レッドブル(眠気覚まし)。他のランナーが食べているのを見てカップヌードルも買い足して締めて1,054円也。

お腹が満ちたら復活した。ここは昨年もコーヒーを飲んで復活した縁起の良いエイド、じゃなくてコンビニ。暗くなってきたので前後の点滅灯を点けて、ハンドライトを持つ。今回ヘッドライトは置いてきた(正確に言うと、預けた荷物に入れっ放しだったのに自分ではずっと持参して走っていると思い込んでいた)。

ウェストポーチ一つの身軽な女性ランナーとしばらく併走。明かりが少なくて空気が澄んでいるせいか、星がものすごく綺麗だ。オリオン座がよく見える。そのうち「先に行って下さい」と言われてまた単独行になるも分岐点で立ち止り、ここで本日初めてスマフォで自分の位置を確認。どう見ても右折するのが正しいコースなのだが、街灯の無い真っ暗闇だけが広がっている。自分のライトを消すと本当に漆黒の空間...

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後ろを見ても先ほどの女性が来る気配はない。しょうがないか、と頭を空っぽにして暗闇の坂を登り始める。昨年走ったお陰でなんとなくコースを覚えている、ような気がする。山を越えた分岐点では、まっすぐ行くと「道の駅うずしお」までの往復3.4キロのオプションコースで四国が目の前に見える展望台に出るらしいが、真っ暗だし3.4キロも余計に走る気にもならずパスして鋭角に左折した。


この後はどこかで右折して港に下りるはず...と思ってまたまた分岐点で立ち止まり、今度は受付時にもらった地図を取り出して眺めるも、暗いしそもそも字が小さいし、まったく読めない(結局最後まで地図は読まず)。たぶんここ、という勘が当たって港に出て20キロぶりのコンビニに到着。空腹感は無いもののここから洲本までの約40キロ間にコンビニなし、と言われているためオニギリとミニッツメイトを買い足し、コーラと饅頭を食べる。お支払いは512円也。このローソンがちょうど75キロ地点でほぼほぼ中間点。車で先回りしていたWさんに教えてもらったところ、自分はなんと3番手を走っているらしい。マラニックだから順位は別に関係ないとしても、出来ることならこれから待ち受ける暗い登りの難所を一人で走るのは避けたかった。Wさんに言われて先にピットインしていた2番手の方としばらく一緒に走ることにした。走りながらその女性に「長崎橘湾スーパーマラニック」の魅力について教えて頂く。ちょうど2018年のGW大会に参加するつもりだったので情報がもらえて良かった。

途中からまたまた単独行となり、第二の難所を登っていく。真っ暗闇の中、道路脇の無人ビニールハウス内が赤いLEDライトで照らされている。おそらく生育促進のためか、それとも動物よけか「去年もあったなぁ」と思いながらも不気味なので視界から外して走る。と、坂を登り切った辺りで路上に動くものを視認。初めはかなり大きな野良犬か、と思ったがよく見ると2頭の鹿だった。近付くと向こうから逃げて行った。うーん、野生の王国。

90キロ地点の灘港付近私設エイドに到着。時間は23時半だから11時間半でここまで来たことになる。勿論疲労や筋肉痛はあるけれど、幸いにもまだバテてはいない。チーズと生ハムとキュウリの乗ったリッツ、オレンジ、たくわんをしっかり頂く。大盛りのうどんも大変美味しかったが、過去の経験から言って調子に乗って食べ過ぎるとお腹にくるので食べ残した(ごめんなさい)。
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居心地の良いエイドを出るのはかなり名残り惜しいものの、とにかくまだ走れるうちに走ろう、と気合いを入れ直して出発。すぐに先行ランナーさんに追い付いてしばし併走。やっと海上に昇った月が得も言われぬほどに美しい、都会ではまず見られない光景。「寝待月」というのか半月よりは満月に近い大きさ。オレンジ色に輝く月光が海上をこちらに向かってまっすぐ伸びており「月の道が出来てますね」と併走ランナーさんが粋なことをおっしゃる。

そのうち先行させてもらうことになり、とうとう一番前になってしまった。この辺りが100キロ地点だったかな、と昨年のことを思い出しながら走っていると、ふいに道路の継ぎ目にけつまずいて派手に転倒。しかしながらうまく受け身をとって半回転出来たので右前腕部を打撲しただけで済んだ。どこにも擦り傷なし、胸ポケットのスマフォも無傷。もしも回転せずにスライディングしていたら衣服は破れてきっと出血もしただろうし、スマフォは割れただろう。不幸中の幸いだった、ボーっとしていて危なかった。月を見ていただけにツキがあった。

10キロ以上も続く長い海岸沿いから最後の難関の登り口に到着、発電機を使っており夜間工事の現場かと思いきや2つ目の私設エイドだった。やはり空腹感は無いので温かい紅茶とアメだけを頂いて出発。ちょうど2人のランナーが入れ違いでエイドに入ってきた。ここからの登りはきつくてさすがに歩きが入る。と、あっという間に後ろから一人に追い抜かれる。うーん、と数秒間だけ熟考のうえ付いていくことにした。どうせなら引っ張ってもらってこの難関を乗り切ってしまいたい。頑張って急なうねうね坂を走り、長い下りも併走させてもらって海岸沿いまで無事に降りて来る。一人だったら気が滅入っていたかもしれなかっただけに、この時間のこの区間に同行者がいたのはラッキーだった。

午前3時過ぎ、117キロ地点に約40キロぶりのコンビニ発見して当然のごとくピットイン。カフェラテとメガシャキを購入、450円也。店内のイートインで2つとも飲み干す。目覚ましのつもりで飲んだが胃の中で変な化学反応が起きないことを祈る。坂道で併走させてもらったランナーさんは2時間遅れの14時スタートの方だった、すごいペースだ!(あとで聞いたところこの方も桜道250キロ大会の上位に入る有名なランナーさんらしい)

温かいコンビニから出るとさすがに夜明け前の風が肌身に凍みる。ここまで自分にしては薄着で走り通してきたけれど、とうとう上も下もザックから取り出してフル装備に変身。その間に14時スタートランナーさんに置いていかれる。洲本市内では少し道に迷いかけるもスマフォで自分の位置を確認しながらなんとか正規ルートを進む。大きな橋を渡ると真後ろの山上に洲本城がライトアップされているのが見えた。突き当たってT字路っぽい分岐点を右折、ここからの海沿いルートはしばらく路肩が無いため、飛ばしてくる対向車に要注意。というか早めにこちらの存在に気付いてもらわないとカーブを膨らんで曲がってくる車とすれ違うのが本当に怖い。運転手だってまさか海沿いのこんな道をこんな時間に誰かが歩いたり走ったりしているなんて夢にも思わないだろうし。

ドリンクが底を尽いて125キロ地点のローソンで麦茶を購入、100円。時間は午前4時22分。もはや食欲なく、自分が甘いものなのかしょっぱいものなのか、どちらを食べたいのかも分からない、目の前に並ぶ様々な食べ物を見ても食指が動かない。結局ときどきアーモンドだけをポリポリとかじりながら走り続ける。やはりさっきの山の上り下りで足を使ってしまったせいか、ここにきてペースが落ちてきた。太ももが固まって痛い、左足の親指も痛い。風呂入りたい。ならば走るしかない。

街中に入って、去年この辺りで午前6時に日の出を迎えて写真を撮ったな、と思い出していたら正面から来るトラックの動きがどうにもおかしい。明らかに蛇行しており、こちらから見て右、トラックから見て左にある低い岸壁にぶつかりそうになり、直前に急ハンドルで回避。こちらが足元の穴に一瞬気を取られた時にはそのトラックが目前まで迫っており、思わず「うわっ」と叫んだ瞬間、また急ハンドルで回避。危うく岸壁とトラックにサンドイッチにされるか、ミラーに引っ掛けられるところだった。肝が冷えた...あれは絶対に飲酒運転だったと思う。

あとはひたすら歩きそうになる自分を鼓舞し、スローペースでも歩かないことだけを心掛けてゴールまで走った。最後に初めて自販機でスポドリを購入、120円也。

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ゴール到着は午前6時54分。

昨日の14時スタートのランナーさんから遅れること約30分、2番目でゴールしたけれど、今回は実力のあるランナーさん達は他の方の付き添いやファンランでのんびり走っていたようで、順位は関係なし。何よりも146キロを約19時間で走れたタイムが上出来で、昨年よりも3時間も短縮出来た。ほとんど歩かなかったことも嬉しかった。1週間前の鳥取マラソンの不調はなんだったのだろうか?

お宿の風呂に入って少しお喋りして早々に帰宅。後で調べたところ63人がスタートして24時間以内にゴールしたのは37人、時間内完走率は59%でした。

今回に関して言えば「なんでこんなことやってるんだろう」など余計なことを考えずに頭を空っぽにして走り続けたことが良かったらしい。エイドやコンビニで食べ過ぎずに自重したのも功を奏した。なによりも天気に恵まれ、暑くもなく寒くもなくほとんど風もなく、走りながら本当に何度も「今日は本当に走り易い」と口にしたほどだった。

果たして、来るべき5月の萩往還250キロの良い練習となったのでしょうか。昨年の萩往還のリベンジとなるのでしょうか。それは本番までのお楽しみ。

ただ一つ言えるのは、マラソンはフルよりもウルトラの方が長丁場な分、レース中の自己管理がその日の結果を左右しやすいということ。要は「冷静な判断力と熱い根性次第」。

そういえば、今回コンビニ(含む自販機)で買い食いした回数は7回、合計出費額は2,794円でした。

今回はマラニックなので採点はなし。

でもオーバーナイトラン目的ならとってもお勧めのイベントです!

2017年3月 鳥取マラソン

鳥取マラソン、久々痛い目に遭いました。

大阪から高速バスで移動。鳥取駅から会場近くの田舎の良い感じのお宿まではローカルバスで移動。時間があったのでお宿からスタート会場まで歩くも「これが明日マラソンがスタートする場所なの?」というくらい閑散としている、前日受付が無いだけあってランナーが一人もおらず着替えテントと仮設トイレしか置いてない。作業中のおじさんに「まだ準備中ですか?」と尋ねると「もう準備完了だよ」と言われた...鳥取だけに砂のモニュメントがあったのがまだ救いか。 

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鳥取砂丘に立ち寄って宿に戻る。夕飯なしなので一人で食べていたらお宿のオーナーのおばあさんに呼ばれて一緒に食事を頂く。夜中、民宿の部屋が寒すぎて目が覚める。ダウンまで着込んで寝たがそれでもまだ寒い。ノドを痛めないよう暖房を消していたが背に腹は代えられない、仕方なく暖房を着けると今度は音がものスゴくて寝られない。ガタガタ、プシューと定期的に音を立てる暖房の振動が耳を当てると枕にまで伝わってくる。余計に寝られません…。ま、萩往還の徹夜ランの練習、と前向きに考えるしかないか。


結局たいして寝られないまま朝を迎え、コンビニパンとオニギリを食べてスタート会場まで歩く。天気は快晴、芝生広場にシートを敷いてゆるゆると準備。ゲストで地元倉吉市出身、この前の東京マラソンを走ったタレント?の西谷綾子さんが来ていた。
さてスタートは10-15分おきくらいの目標タイムに合わせてグループごとに並ぶ仕組み。自己申告なので結構好き勝手なグループに並べる今時珍しいユルさ。ワタシもしっかりとサブ3に並ばせて頂く。と、ワタシの前のお揃いTシャツ三人組は明らかにサブ3とはほど遠い体型、背中には「Beer&Run」と書いてある。走るよりもビールのイッキ飲みの方が速そうですけど大丈夫ですか?
午前9時の号砲で走り出すと三人組のペースが案の定遅く、後方からのプレッシャーもあり危なく突っ掛けそうになるも間一髪側道から追い抜く。これもご愛敬、人数が少ないので渋滞することなくのっけから自分の好きなペースで走れる。長い上り坂を勢いよくガーっと登り、鳥取砂丘入口を越えてからの下り坂をグーっと駆け下る。スタート地点から海の向こうに雪を被った中国地方最高峰の大山が綺麗に見えてテンション上がる。


5㎞通過が20分48秒、おいおい身の程わきまえないと後で痛い目に遭うぞ!と思いながらも、まぁいいや、今日は特に目標もないし、苦しくなったら4分半まで落とせばいい、と馬なりで走る。
と、10㎞を越えた辺りからもう苦しくなって集団から離される。後ろから別の大集団が追い付いてきて吸収される。ペースが4分12-15秒くらいでどうやらこれがサブ3チームらしい。ありがたくこの集団についていくも、両足がどうにも上がらない。脇腹下の臀部、太もも、膝上周辺、すべて潤滑油の切れたようにギシギシと擦れて可動域が広がらない。今日はダメだわ、と自分にしては珍しく早々に気持ちがキレて15㎞地点で自らペース落として集団から離れる。あとはもうひたすら4分半で走ろう、と思ったが世の中そうも甘くはない。


中間点の通過が1時間31分30秒、とこのタイムは悪くないが既にペースはガタ落ち、落城寸前のキロ5。もういいや、と開き直って途中エイドで鳥取名物の梨を摘まむも缶詰なのか食感が桃のようで残念ながら美味しくなかった。シーズンじゃないから仕方ないか。食べたら復活するかも、と淡い期待を寄せてオニギリを貰うと「これも食べて!」と、らっきょうも頂く。それらをまとめてスポドリで流し込むと微妙な味が口に広がる…。


あー、もう今日は本当にダメだ。気分転換にダメな理由はいったい何だろうと考えてみる。寝不足か、練習不足&夜の飲み会連チャンのせいか、金曜日からトイレ対策で断水したせいで脱水になったか。エイドの数は十分あって、むしろ積極的に給水して胃が少しタプタプしてるくらいなのに。
両太ももが激しくつっている。めったに足がつることはないので余程疲れているのか、走り方が悪いのか。35㎞地点辺り、とうとう上り坂の手前で立ち止まる。フルで立ち止まってしまった…。橋の欄干に捕まって膝を曲げて太ももを伸ばす、と今度はハムストリングがベコッと凹んでつりそうになり、慌てて手を離す、危機一髪…。
もうそこからは無理せずテレテレとゴールだけを目指す。38㎞地点を越えた辺りでとても人の良さそうなスタッフのおじさんから「あと5㎞!」と声をかけられ、少しだけイラッとしたが(ごめんなさい)やり過ごす。


ゴール地点のスタジアムに入り、ラスト直線のゲストとのハイタッチはタイミング合わず、そのままゴールに駆け込む。

ゴールタイムは3時間21分35秒、後半のダメダメを考慮すれば、御の字のタイムか。
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久しぶりにマラソンの難しさをしこたま味わったつらいレースになってしまった。何度走っても難しい。


ゴール後はさっくり着替えて、村上水産の無料トン汁を頂いて、シャトルバスで鳥取駅に戻り、駅近の温泉に入ってからバスで帰阪。そういえば記録証をもらったら「当たりです」と言われ、裏を見ると何やら書いてあって景品を頂いた。一等賞は松葉ガニだった。
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鳥取マラソン、天気は快晴文句なし、ちょっと暑かったくらい。途中雪山が遠くに見えて景色の良い所あり。コースは確かに坂が多いかもしれないが、12月の奈良マラソンよりはマシでしょう(笑)。フルにしてはエイド数は十分あり、給食種類も結構あったけれど、自分は不調であまり食べられず勿体ないことをした。応援に派手さはないものの、地元の皆さんが沿道から温かく応援してくれたのが嬉しかった。ランナー数が3000人台と少ないこともあり運営もスムーズで好感持てました。


前日受付なく、ランナー数も少なく、関西から片道3時間で来られるお手軽な大会です。お祭り的な派手さを求める方には物足りないでしょうが、むしろ派手さを求めずストレスなく参加したい方には自信をもってお勧めします。

  • コース:★★ ごく普通。当日お天気よくて海向こうに雪景色の大山が見えた。坂はそこそこ多いかも。
  • エイド:★★★ フルにしてはエイド数もメニューも多かった。
  • 応援:★★★ 鳴り物や仮装は無いものの沿道の応援は温かかった。
  • アクセス:★★ 大阪から高速バスで3時間。鳥取駅から当日シャトルバス送迎有り。
  • 運営:★★ 前日受付なし、ランナー3000人でストレスなし。でもスタート地点には出店一つなくちょっと寂しかった。ここは改善しても良いかもしれない点。
  • 総評:少し地味かもしれないけれどそれもまた良し。隠れたお勧めの大会。 


しかし、今回の自分の走りにはホント得るものがなかった…。いや、得るものはあった、最後に景品でもらった鳥取砂丘名物「砂たまご」。  

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開けてみると、ふつうのゆで卵っぽい。

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殻を割ってみても...普通のゆで卵っぽい。

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ちなみに食べてみてもフツーのゆで卵でした...