野球は神話だ「あるキング」(伊坂幸太郎)
それじゃ伊坂でも読もうかってことで。
いやもともと喰わず嫌いで(初読のアヒ鴨が自分に合わなかったのもあって)、伊坂が敬遠していたんだけど、ここんとこ結構読んでいるんだよね。「ゴールデンスランバー」「死神の精度」「陽気なギャングシリーズ」「重力ピエロ」「週末のフール」「魔王」「グラスホッパー」『フィッシュストーリー」・・・いつの間にかこんなに読んでるわ。いやねどれ読んでも思うのは
「伊坂上手いな」
ってこと。言葉の選び方もストーリーの展開も伏線の張り方も実に上手い。だから読んでいてするっと入るんだよね。今これだけ文章を書くのが上手な作家は伊坂以外だと米澤くらい(二人に共通しているのは俯瞰だと思う)。
だから人気あるんだろうな。僕自身最初は苦手だったのに今はすっかり伊坂読んでいるもん。こういうの天才っていうんだろうね。あのね、他の作家はなんだかんだで「自分の趣味嗜好」が出ている気がするのね。だからそのジャンルには強いけどそれ以外は書けないでしょって思っちゃう(これは坂木司や有川浩を読んでいて思うこと)。
でも伊坂と米澤だけは違うのね。なんでも書けてしまう感じがするんだよ。しかも軽々と。そのスタイリッシュさこそ伊坂の持ち味なんだろうなぁと思う。
『あるキング』伊坂幸太郎
いやーやられた。この神話にどかんとやられたんだよ、自分は。
野球をすることを「運命」として生まれてきた少年、王求。この本は彼の物語だ。といってもそこにあるのは「頑張ればいいことがある」の単純な世界ではない。伊坂は野球を通して新しい神話を作ろうとしたのだ。
もともと野球は神話的なものだと思っている。漫画家川原泉は「メイプル戦記」で神話的な野球の世界を書いたし(読んでない人、必読の書である)、高橋源一郎は「優雅で感傷的な日本野球」でやはり野球のもつ、根源的な世界を描こうとした(それはある意味で成功している)。
で伊坂の話。
この本の凄まじいことは野球を通して徐々に成長する主人公がまさにスサノオやシーザー的英雄譚を醸し出すのだ。そしてその英雄譚こそわれわれが求めていらものでないかと膝と打たずにはいられないのである。
そう、この本は英雄が「チンケ」になってしまった現在だからこそ(これを世は現実的という都合のいい言葉で誤魔化してる)、そうじゃない英雄は英雄であり、我々とは違うんだと明確に教えてくれる作品なんだ。
最後はいろいろと議論あるだろうが僕はこの最後がいいと思っている。スサノオにしてもシーザーにしても(それは織田信長にしてもそうだが)最後は死ななければならない。それが英雄の持つ宿命なのだと思っている。尾崎豊がなぜいまだに英雄なのかはそこからもわかるだろう。
しかしとんでもない本を書いたものだ。こんな本をさらりと書かれたらそりゃー世の作家たちは困惑するわ。伊坂が孤高な天才なのもそんなところが原因かも(伊坂って他の作家さんとのつながりがあまりにないと思いません?)
最後にもう一度いうが川原泉の「メイプル戦記」は野球ものとしてはほんと必読な漫画である。読んでない人、まずは海に向かって懺悔しな。ましてや川原泉を知らない人はその人生の味気なさをもう一度考えるこった←伊坂どこ行った
まさかのこのミス一位!「フォア・フォーズの素数」(竹本健治)
竹本さんについて。
まあほとんど読まれていない作家さんに竹本健治がいる。僕の読書友人でも読んでいる人はほんとに少ないのである。
たしかに
作品は一般的に駄目なラインだし
マニアックすぎるし
すぐ黒くなるし
それだけでは飽き足らずグロになるし
血はでるし
臓物はでるし
それでいてリリカルだし(稲垣足穂なみに)
で頭だけで書いているし
妄想爆発だし
でもすきなんだよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!!!!!
まあ読書はほんと個人的なものだからね。許してちょーだい(財津和夫)。
まあ好きな理由として
アンチミステリが多いこと
囲碁などゲームが好きなこと
数学も好きなこと
SFなんかも書いてしまうこと
グロ描写もどんとこいなこと
それでいて美青年を書くのも上手なこと
なんですよね。ほらぼくの性向にぴったし(カンカンとは言ってやらない)。
今回の短編集はぼくとしてはサイコーでした。
『フォア・フォーズの素数』竹本健治
もう題名から素数ですよ、素敵じゃないかい。
全部で13個の短編集。いやね、ひどいのも多いの。これ阿刀田高の廉価版じゃーんってものまで。
でもこの短編集にはこれ以上ないくらいの傑作が五つも入っているのだよ。それだけでもいいじゃないの~。残りがどんなに屑だってぼくは許せますよ。
「非時の香の木の実」いやグロすぎ。これ「エロティシズム12幻想」ってアンソロに所収されていて再読なんだけど大好きなんだよなぁ。もう駄目主人公の典型ですよ。そしてグロ描写がこれでもか。竹本はたまに友成ラインでグロくなる。
「銀の砂時計が止まるまで」パーミリオンの猫シリーズの一篇。もうリリカルでたまらない。なんであんなグロ書いた人がこんな抒情をかけるんだろう。いや泣くなぁ、展開に。ちなみに僕はパーミリオンの猫シリーズは一冊しか読んでない。SF好きなら結構必読。
「チェス殺人事件」こんな短いのにアンチミステリなところが最高。実はこれも読んでいるんだけど久々読み返してやはり面白いなぁと思ってしまった。竹本の面白さって普通ミステリはすかっと切れるのに、なんかモヤモヤが残ることなんだよなぁ。
「メニエル氏病」これも読んでいる(笑)。でも大好き。だてトリックがとんでもなさすぎて死ねるレベルなんだもん。とにかくトリックの剛腕、たぶん世界一大がかりなトリック。読むだけでぶっ飛ぶぜ。
「フォア・フォーズの素数」やばいやばいやばい。フォアフォーズというパズルを知っているだろうか。これ四つの4を使って数字を作るというゲーム。例えばゼロなら4+4-4-4という感じ。でこの短編ってこの4つを使ってゼロ~100までを表そうという趣旨なんだけど・・・もうラストのオチが数学好きにはほんとたまらなくて死ねるレベル。いやそこでこうくるかぁって感じ。これだけでも読んでほしいなぁ(でも他の短編はグロとかあって全部を読むとトンデモないことになるという罠)。僕は喝采ブラボーでした。
というわけで今日のブログを読んで「どれ竹本でも読んでみようか」という人が出ることを期待しているのだ。これって布教活動?
とおもったらなんと「このミス」で竹本作品が一位になったという情報を得た。なんてこったい!これじゃ人気がでてしまうでないか。
ひっそりと竹本は僕だけのカスミソウであってほしい・・・と言ったら我が儘かしらん。
すごいぞフビライ「フビライ・ハーンの言霊」(大川隆法)
何を血迷ったか幸○の科学出版の本を読んでみた。
いや、どうしたらこれで信じられるんだろう。
どうしたらこれで宗教心がでるんだろう。
どうしたらこれで一個ウン十万の壺が買えるんだろう。
すげーぜ、科学。
まあ、本の紹介を。
『フビライ・ハーンの言霊』大川隆法
まず、この本の凄いことは実際、フビライハーンが現れることだ。当然、言霊として現れるの。つもりイタコの要領ね(by恐山)。で幸○の科学スタッフと対談をするという体裁なんだけど(信者はほんとにこれを信じているのだろうか。信じているとしたら相当なイカレポンチなのだが)。
で、いよいよフビライ降臨。でもこのフビライあまり話したがらないのね。最初はうーんうーんしか言わない。うーんうーんだけで延々20ページくらい進む(これ新手の行数稼ぎか。昔小島信夫は「ねえ」「あなた」「ねえ」だけの夫婦の会話で延々10ページ稼いだけど)。
でしゃべったとおもったら「死刑」。何が気にいらないのかすぐ「死刑」。お前はこまわりくんかと言いたい。
それでも幸○の科学のスタッフはフビライと延々無駄話をするわけよ。そうするとフビライはルーズベルトは実は俺だとかわけわからないこと言い、オバマはぬるいとか習近平は甘いとかさらにわけわからないことを抜かすのよ。でももともとフビライがバカ設定だからその理由は言わないのね。何か聞かれるとうーんうーんしか言わない(笑)。でとにかく今の人間の人権は駄目、人間は搾取するものと搾取されるものしかいないんだというわけ分からない理論にたどり着くの(これ200年以上前のマルクス主義だよ)。
で、そんなフビライと同じなのが北朝鮮であり中国であるってこの本は言うのよね。そしてその根拠は全くなし。だってフビライは困ってしまうと「うーんうーん」か「死刑」しか言わないんだもん。
そしてそこに我らが大川先生登場(待ってました!)。で先生は実はフビライみたいなのは世界中にいてそれに対抗できるのは幸○の科学の信仰だけだって言うのよ。しかもその理論は全くの根拠レス。だってほらフビライだし細かい理論はいいじゃなーい。やばい。こんな茶番でみんな納得するのかな、信者の方がこれを読んでうんうんうなずいているとしたらそれもまたすげえ。
以下素敵なフビライ語録
相撲を指して「(モンゴル出身の力士を指して)平和裏に今、日本をスポーツで征服してやったんよ。日本の征服は終わった」→ええーあれで征服なの?たしかにモンゴル出身の力士多いけど。
日本に対して「安部がふんどし一つで北京で・・・天安門で「朝貢します。朝貢しますから許してください」って裸踊りしたら許してやらないわけでもない」見てえ、安部のハダカ踊り。
「女なんかもう何千もいたからわからんわ。それはウナギのかば焼き喰っているようでどのウナギか区別つかへんね」なぜに鰻のかば焼きの例なのかさっぱりわからない。ここらへん思考回路が飛んでいる。
「お前らは死刑だよ、ちょっと許されないことをもう20連発ぐらいした」数えたのか、フビライハーン。
「ちっ(舌打ち)」すぐフビライは舌打ちする。ダメな中学生かと問いたい。
ちなみにこの「言霊降臨シリーズ」は数多く出ているそうだ。近刊だと「小保方晴子さん守護霊インタビュー それでもSTAP細胞は存在する」やべえ。読みてえ。いや琴線をつつくよ、幸○の科学。
まあ最後まで読んでなぜこれで信仰できるかはいまだ謎のままなのだけど一つだけわかったことは・・・大川総裁は間違っても大川興業ではないということだ。わかったかね、諸君!
誘拐物です「リスの窒息」(石持浅海)
「お前の爺さんを誘拐した。返してほしければ3000万円用意しろ」
「え!爺さんですか。ありがとうございます。なにせあいつときたら認知症で毎回徘徊、家族はそのたび大捜索。さらにはぼけたフリをして孫のハダカを除くという狼藉。そのくせしわい屋で御金は一切ださないという困ったやつ。そんなジジイ、熨斗つけてあげたいくらい。誘拐ありがとうございます」
なーんてなったら哀しい誘拐事件です。実際には一番「成功しない」犯罪だと言われているよね。だからか最近はあまり起きない感じがします。でもミステリの中では結構な確率で起こるんだよ。
有名どころでは岡嶋二人。まあ誘拐の岡嶋の異名を持つ作家だから誘拐物はお手のものなのかな。「99%の誘拐」なんかメジャーなんだけど自分は実は岡嶋まだほとんど読んでないんだよね。これいけないなぁ。
僕としては法月倫太郎の「一の悲劇」なんかが好き。法月は誘拐ものでもラストにアッと驚きを入れるんだよね。
まああとは天童真の「大誘拐」か。展開が優しいのが人気の理由かしらん。自分はちょっと優しすぎて好きではないんだけど。ただしラストの伏線回収は見事だよ。
あとは真保の「奪取」、歌野の「ガラス張りの誘拐」、芦部の「時の誘拐」、連城の「人間動物園」あたりかしらん(芦辺以外は全部既読)。でもどれもぴんとこないんだよなぁ。誘拐ものって。連城作品なんか僕の中では最低評価だしね。どうも乗り切れないってところがあるんだ。
漫画なんかのがかえって緊迫感あって面白いかも。本宮ひろしの「俺の空 刑事編」はプロファイリングも駆使したなかなかな誘拐物。犯人との緊迫感もありで好き。小説よりこっちのが面白いなんて思ったりして。
そうだ、筒井康隆の「虚人たち」も誘拐ものだ。まあ読んでない人は読んでくださいよ、すげえから。これだけ苦痛な読書は僕はいままでしたことなかったよ。それぐらい読むのが辛かった。ただじゃ評価は悪いかというとこれがまたそうでもないんだけどね。
今日の本は誘拐だ。
『リスの窒息』石持浅海
昼の新聞社に一通のメールが届いた。そこには拘束された女子中学生のファイルが添付され、メールには身代金要求の件と書かれていた。少女を救うために新聞社は誘拐犯と対峙する・・・
まあネタバレになりますけど早い段階で誘拐犯人はわかります。つまりこの本は誘拐犯と新聞社との頭脳戦になるんだけど・・・
どうもねえ。テンポ悪くて読みにくいんだよな。まあ僕が誘拐物苦手だというところもあるんだけど、それでも今までの石持作品に比べるとうーんとなるところがある。テンポの悪さが200ページくらいまで続き、そしてやっと解決。流石に石持なんで最後は「もってくる」けど、そこまでが辛いし薦められないなぁというミステリでした。まあなしだな(切って捨てた!)。
石持お得意の変化球なんで読みたかったらですな。しかしこの石持の最近の詰めの甘さってなんだろう。ここんとこ石持にはガッカリさせられてばっかりだ。これだと読み続ける人減っちゃうぞ(余計なお世話)。
「お前の娘を誘拐した。返してほしければ娘のために3000万円用意しろ。大丈夫だ、その費用は娘の私立の入学金と養育費にあてる。彼女にはワンルームのマンションも用意するつもりだ。食事はケータリングで10年は保障するから安心しよ。お前のようなDV家庭に育つよりも娘は幸せなはずだ。わかったら3000万円用意しろ。彼女を立派なレディとして育ててやる」
それは誘拐でなく保護と言います。
みすてりーらんど「野球の国のアリス」(北村薫)
世の中には羊頭狗肉という良い言葉がある。
見た目は良いが中身空っぽという意味です。別名、板野知美とも言う。あるいは角川映画とも言う。あるいはチャーリーシーンとも言う(すべて悪口です、念の為)。さらには平成帝京大学とも言う(念の為もう一度言うが悪口です)。
で
これ本の世界でもあるあるなんだよなぁ。
まあ国書刊行会の本はみんなこれでしょ。もう装丁ばかり凝りに凝って必ず1冊2000円以上ぼったくり、どこの馬の骨ともわからんC級思想家の本をほら凄いでしょと売り出し、出したら5000部返本の嵐初版絶版当たり前田のクラッカー。留めてくれるなおっかさん背中の牡丹が泣いてるぜ(橋本治)ってな感じ。
でこのシリーズもそう感じていた。
講談社ミステリーランド
まず箱入りである。
そして各ページにこれでもかの挿絵
さらに本はビニールコーティング
ページの角もかわいくカット
金かけたでしょ、講談社。
執筆陣も豪華だ。今一番油ののっているミステリ作家たちの夢の饗宴。子供たちにミステリの楽しさを。綾辻行人、有栖川有栖、歌野晶午、小野不由美、山口雅也、島田荘司、法月倫太郎・・・ 新本格を知っているものなら涎だらだらのラインナップ。
でもねえ・・・今のところ2冊読んだんだけど(小野不由美「くらのかみ」歌野晶午「魔王城殺人事件」)ダメ。ダメダメダメダメダメダメダーーーーーーーーーーーー。いや小野不由美も歌野晶午も好きな作家なので痛かった。お前ら子供舐めすぎだろ。こんなこと書けばことども喜ぶんじゃないの子供はこんなの読んでいればいいんだよ、ほらほらほらーーー。
もうこのシリーズ読むのやめようかしらん・・・
そう思って読んだこの本
『野球の国のアリス』北村薫
いい!
これいい!
やるじゃん北村。こんな本書くなんて。まあ北村はもともと高校教師だからかもしれないけど「児童文学」の素養があるんじゃないのと嬉しく思っちゃう(そういえば北村の書いた「月の砂漠をさばさばと」はとっても素敵な絵本だった)。北村はさりげなく子供に「いろんなこと」を考えさせるのね。そこがほんと素敵なんだよなぁ。
野球少女、アリスが主人公。彼女はある日、鏡の中に入ってしまう。その中ではほとんど同じ世界だけど、負けた方が注目されるという「さかさま」の世界が繰り広げられていた。
その中で懸命に生きるアリス、彼女を自然に応援してしまう。この主人公を応援する雰囲気にさせることこそまさに児童文学の真骨頂。そうこなくっちゃ(前2作にはそれが欠けている)。児童文学だからこそ感情移入させる装置が必要だということを北村は分かっているんだよね。
「現代のほうが大人が甘くなっている。子供が考える前に感じる前に答えを差し出そうとする」そう物語で語る北村の視線は教師のそれだ。だからこの本は自分で答えをだそうとするアリスを応援してしまう。
僕はこの本が好きだ。これくらいのレベルで児童書を出すならこのシリーズは応援したくなるなぁ(ちなみに今作はミステリではないです。念のため)。
というわけでミステリーランドは購入を控えていたが(1冊の値段も高いしね)また買おうと思ってます。これ文庫でもアヤツジの「びっくり館」や麻耶の「神様ゲーム」は出ているんだけど、やっぱりこの装丁で読みたいねえ・・・
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つまりロクは見た目ですっかり騙されるタイプだということです。
作家ランキング「ランキングの罠」(田村秀)
極私的ロクランキング(エロ編)
女性だけど私生活もエロい作家ランキング
5位 金原ひとみ
4位 山田詠美
3位 中村うさぎ
2位 宮木あや子
1位 斉藤綾子
斉藤綾子はほんとにエロくて困ってしまう。1位が気になった方は「愛より早く」「スタミナ」を読むべし。
エロも書くけど本当は童貞な作家ランキング
5位 村上春樹
4位 西澤保彦
3位 東野圭吾
2位 渡辺淳一
1位 乾くるみ
5位は本当な気がするんだけど。1位が気になった人は「イニシエーションラブ」を読むべし。ちなみに乾くるみは男性である。念のため。
性生活は全て風俗な作家ランキング
5位 円城塔
4位 竹本健治
3位 小林泰三
2位 新堂冬樹
1位 西村賢太
ってか西村賢太は事実。新堂冬樹もたぶん事実。今日もソープだレッツゴー(賢太は最近デリヘルだっけ)。1位が気になった方は「小銭を数える」を読むべし。
実は性豪な作家ランキング
5位 野坂昭如
4位 司馬遼太郎
3位 筒井康隆
2位 宇能鴻一郎
1位 団鬼六
これは結構あっている気がする。昭和の作家はなんか性豪な気がするんだよねえ。ってか団鬼六は事実だし。1位が気になった方は「アナコンダ」を読むべし。
エロなんて私には関係ないと言っているけど実は少し興味のある作家ランキング
5位 坂木司
4位 近藤史江
3位 有川浩
2位 北村薫
1位 梨木香歩
梨木はなんか実はエロいのではと勝手におもっている。ほら、「西の魔女」エロくないですか。ええ、違う?そうかなぁ、エロいと思うんだけど・・・1位が気になった方は「家守奇譚」を読むべし。
おれモテるんだよねーってアピールしているけど実は女性に縁がない作家ランキング
5位 綾辻行人
4位 伊坂幸太郎
3位 東野圭吾
2位 花村萬月
1位 新堂冬樹
新堂はどうしようもない気がする。あとね花村の本は「俺モテる」アピールが半端ないから。読んでいてダメな人は蕁麻疹がでるぞ。1位が気になった人は「黒い太陽」を読むべし。
今日の本
『ランキングの罠』田村秀
あの住みやすい県№1とかFIFAランキングとか、大学ランキングとか自分らって見てなるほど○○位かぁっていつも思うじゃないですか。でもそのランキングって何が基準なの?そこを明確にしようとするランキング裏の裏。
なるほど東大がいつも世界の大学ランキングで20位にも入ってないのは留学生を受け入れてないだけなのねとか、結構読めば鱗のことが多い。大体ランキングを付けるやり方が結構恣意的なんで、大事なのは「まあそこはそれ」(酉つ九芸者)だと思うことなんだよなぁ。
でも日本人ってランキング好きだからすぐそこに左右されちゃうよね。一応この本はそこんとこにも警鐘を鳴らしている。ランキングはあくまでランキングってこと。その「見る目」を養わないと痛い目にあうぞって言っているのね。でもねえ、自分もそうだけどミシュランなんかで星ついているとついつい行きたくなってしまうのよね。ううん反省だなぁ。
この本では住みやすい街、FIFA、病院ランキング、食べログ、大学ランキングなどについて細かくデータを提示している。そっかこんな風にランキングって作られているのね。ただ、弱点はケレン味が薄いことで「実はこのランキングはこうなんですよー」って書き方はあまりしていない。だから読んでも「どこが罠なの」って思ってしまうんだ。まあこれは作者の文章能力(正確には構成力)のなさが出てしまったと言えるんだけどどうにも読んでいて欲求不満になるぞ。いらいら。これがパオロマッツリアーノあたりに書かせるともっと面白いものができると思うんだけどなぁ(作者全否定)。
まあそれでもランキングに関して「そこはそれ」とおもえるようにはなる本です。流されてはいけないよね。自戒自戒。
エロではなく内臓にしか興味のない困った作家のランキング
5位 小林泰三
4位 平山夢明
3位 J・ケッチャム
2位 飴村行
1位 友成純一
この5人の作家の本を読めばエロからはすっかり卒業できます。間違いない(長井ヒデカズ)。
カップル四景「ロード・キル」(J・ケッチャム)
昨日、ガストにいたカップル
男・・・この寒いのに半袖。しかもかなり太っている。髪型は落合の息子みたいな感じ。
女・・・眼鏡かわいい女子。時東ぁみみたいな感じ。アニメ声。
二人で必死になって、PSPをやっていた。たぶんやっているのはモンハン。
「ああー、○○がみつからないよぉ」(ちょっと涙声)
「違うよ、そこじゃない。ほらここにあるじゃなか」
「あったー。やったやった」(明らかに女子のテンションが上がる)
でしばらく動き止まり
「好き」(ここで自分、鼻からコーヒーを出す)
男、どうだという顔でポテトフライを食べる。
先日、電車の中で座っていたカップル
男・・・スーツ。かっこいい。今風で嵐の松潤みたい。
女・・・美人。石原さとみのような感じ。
「あたし、今日、カロリーメートしか食べてないんだ」
「カロリーメイトは食事じゃないぞ」
「そんなことないよ、カロリーメートは食事だよ」
「いや違う。あれはただの御菓子だ。しかも口がぱさぱさする」
「違う、食事だよ。カロリーメートに謝って!」
険悪になる二人。そのまま喧嘩が始まる。困惑する自分。二人の前に立っていた。
「もうカロリーメートが食事じゃないという男とは一緒になれない!」
「ああ、俺もカロリーメートが食事だなんていう女はお断りだ」
カロリーメートで大ゲンカ。沈黙する車内。二人はエスカレートする。
「じゃあ何だったらいいのよ」
「ソイジョイなら食事だ」
先日(といっても結構前だけど)映画館にいたカップル
男・・・ヤンキー。頭は金髪。
女・・・・やっぱりヤンキー。鈴木奈々と若槻千夏を足して二で割った感じ。
映画は硫黄島からの手紙。女ダダ泣き。
「ひどいよ、戦争ってやばいよねえヒロシ。やばすぎるよねえ」(その後しばらく女はやばいを連呼)
「いや、これはやばくないよ」
「そんなことないよー。これやばいし。やばいに決まってるし。ヒロシはこの映画ヤバくないって言うの?」(女ちょっと怒っている)
「いいか、カナコ。この映画はやばいんじゃない」
「?」
「この映画はゲロやばいんだ」
「そっかー、ゲロやばいのか」
今日はヤバいカップルの話です。
『ロードキル』J・ケッチャム
キャロルとリーは不倫関係。しかしキャロルの夫であるハワードの暴力に我慢ならなくなり二人でハワードを殺害する。
しかしその殺害場面をバーテンダーのウェインに見られてしまい事態は混濁する・・・
いやぁ、ケッチャムの身も蓋もないシリアルキラーもの。もともとウェインは殺人願望が強く二人の犯罪を見てから自分も殺人したいという欲望にかられる。
で二人の殺人が契機となってウェインはあっちでどかーんこっちのぶしゅーっと殺人を繰り広げるってわけ。いやぁ、もう後半になるとつぎつぎに人が死んでおいおいとなる。まあケッチャムだから想定内なんだけどここまで酷いのは久々である。
で、肝心のきっかけを作ったキャロルとリーはウェィンに拉致されるは暴力振るわれるはで、もう酷い。酷い酷い酷い。
まあ読んでいてああ死んじゃったよ、ああああ死んじゃったよって感じです。もうこれはないわぁ。ほんとないわぁ。なんか読んだら1キロぐらいダイエットできそうな小説です(まあケッチャムはどれも読んだらダイエットできそうだけど)。
酷いのが好きな方は読むべし。そうじゃない方は読んじゃダメよ。ダメダメ(もう風化したネタを) 。
電車の中にて。
男・・・体重120キロぐらい。明らかに太っている。
女・・・体重80キロぐらい。やはり太っている。
「好きだよ」
「私も」
一目も気にせずいちゃいちゃする二人。男は女の耳元にふーふー息を吹きかけている。見ている自分も少し辟易。
新橋駅につくと酔っ払いが乗り込んできた。
「ん?ん?相撲ですか?相撲ですか?ハッケヨイ!残った!残った残った!」
となりのOLが飲んでいるカフェオレを吹きだしていた。