塾講師バイトは「ブラック」?それとも「おすすめ」?
ここ数が月、塾講師のバイトがブラックであるという内容のニュース・報道・ネットの記事をよく見かけるようになりました。
その内容を分析して、塾講師バイトは本当に「ブラック」なのか?それとも「おすすめ」バイトなのかを分析してみたいと思います。
塾講師バイトブラック報道のこれまでの流れ
3月:厚労省が全国の塾が加盟している任意団体に労働環境の改善を求める文書を送付
5月中旬:NHKの情報番組「アサイチ」がブラックバイト特集。その中で塾講師の実情が取り上げられる
6月:個別指導塾の労働組合が結成されたことがニュースに
塾講師ブラックバイト問題に対する評判
6月上旬、ブラックバイトユニオンの関連団体「個別指導塾ユニオン」が明光義塾などに対して、無賃金時間外労働などの改善を求める申し立てを行いました。
この件は、NHKや朝日新聞を中心に各メディアで大きくとりあげられました。それに対する反響も大きく、ネット上で「個別指導塾ユニオン」に対する様々な意見が見られました。以下に一部を紹介します。
<肯定的な意見>
・個別指導塾でバイトしているが常々、「おかしい」と思っていたことが取り上げられてうれしい。
・新聞やテレビが大きく取り上げたので、労働環境が改善されると思う。期待したい。
<否定的な意見>
・小さな塾を経営しているが、今回の報道で先生を確保できなくなった。ブラックなのは「大手」かつ「個別指導塾」の話。塾講師が全てブラックだと思われるのは非常に迷惑。
・時間外労働は当たれり前。肉体労働でもないのに時給が高いのは、時間外労働を織り込み済みだから。それを今さら・・・。
賛否両論、様々な意見があるようです。労組の関連NPOの方のツイッターなどにも「批判的な意見・苦情も多く寄せられている」というつぶやきもありました。
塾講師バイトがブラックだと言われているポイントは
塾講師のバイトがブラックだと言われているポイントは以下です。
- 授業開始の20~30分前の出勤が義務化されているが、「コマ(授業)」に対してのみ賃金が発生する「コマ給」なので、早く来ても時給の対象とならない。
- 授業終了後に30分~1時間程度、報告書などの作成が必要。その時間も時給の対象外。
- 授業前後の拘束時間を考えると時給は500円前後となり、法律で定められている最低賃金を下回っている。
- やめたいといっても「生徒が困るだろう」と担当している生徒を人質にしてやめさせない。
- 夏期講習のシフトに強制的に入らされる。
- 3人の生徒を指導いる「個別」と聞いていたが、実際には9人を同時指導している。一人一人に割く時間は殆どないので、生徒も可哀そう。塾が儲かるだけ。
- 大学のテスト前・サークルの合宿・帰省などで休みたくても休めない
などです。
求人サイトを見ていると、塾講師のバイトは時給1000円前後が相場となっており、800円~900円の時給が多い他のバイトに比べると「高時給」に見えてしまいます。
ところが、「コマ給」という「業務請負」に近い契約形態である為、実時給は500円程度となることもしばしばのようです。
背景には、個別指導塾の乱立と少子化があると思います。時給1500円前後で先生を募集している小さな個別指導塾が淘汰され、フランチャイズを含む大手チェーンの個別指導塾ばかりになってしまいました。大手は時給1000円前後が相場です。
時給が1500円前後であれば、ある程度の「時間外労働」も仕方がないと考える人も多いと思いますが、時給1000円では、今回のような騒動になったのも当然だといえるでしょう。
マスコミが大きくとりあげたことで、今後、業界が少しずつクリーンな方向にむかっていくことを期待したいと思います。
現時点では、大学生が教育系バイトをするのであれば、長期であれば「家庭教師」、短期であれば「試験監督」のバイトの方がよいでしょう。
家庭教師の場合、CMの影響でしょうか、トライ1社が5割以上のシェアをもっていますので、家庭教師登録の際はトライへの登録は欠かせない状況となっています。
参考記事:家庭教師のトライのバイトについて