先日、私の愛用していたPS3(CECHL00)がYLODに発症してしまいました。
PS3には大事なデータやゲームのセーブデータがあり、ほかのPS3などにHDDを取り付
けたとしても認識しませんし、SONYのサポートセンターで修理を受けたとしてもHDD内のデータはすべて消去されるため、どちらにせよデータはパーです。
今回はそのPS3を一時的に直す方法を紹介したいと思います!
まずYLODというのは「Yellow Light of Death」の略でPS3の電源はつくものの、システムが動作しなくなる故障の一種で「YLODに発症したPS3は死んだも同然」という意味があり、初期型に多く見られます。
そしてそのYLODは一時的に直ったとしても、再発する可能性がほぼ100%というのが現実です。(持って、一か月ほど)
なので、これはあくまでデータ救出にしかむいていません
症状としては、
電源スイッチON→緑色ランプ点灯(三秒ほどファンが回り稼働)→黄色ランプ一瞬だけ点滅(HDD読み込みと同時)→赤色ランプ点滅(電源が落ちる)です
〇YLODにかかる原因と経路
PS3には高性能のCPU(CELL/B.E)とGPU(RSX、Reality Synthesizer)が使われています。
高性能なCPUやGPUなどの発熱を冷やすにはそれなりの冷却システムが必要で冷却システムが弱かった場合はCPUやGPUが熱暴走を起こし、そのシステムが落ちたりするなどの色々な問題を招きます。
そしてこれが原因で起こるのがハンダクラックです。
ハンダクラックが起きるCPUやGPUにはCPUとGPUを基盤につなげるためにBGA(BallGridArray)というものが使われています。
この中のハンダボールが発熱と冷却(システムからの重い処理などにより発熱したCPUとGPUからの熱によるハンダボールや基盤の熱膨張)を繰り返すうちに熱膨張などによるストレスを吸収できず金属疲労を起こしハンダボールにヒビがおきて(ハンダクラック)、電気が流れなくなり起動できなくなるわけです。
人などに例えると、辛い仕事などで疲れた人が仕事や人間関係などの溜まっていたストレスが爆発(?)し、ストライキみたいなことを起こすようなものですね(??)
当時、現在のハンダボールはROHS(環境に関する問題?)などにより有害で環境汚染物質な鉛を含まない鉛フリーハンダというものが使われているようでスズ(Sn)、銀(Ag)、銅(Cu)系などの鉛をふくまないハンダが使われるようになりました。
ですが、これにはある問題がありました。...それはスズ鉛合金ハンダよりも固く、脆い性質があることでした。
そして、PS3にはその鉛フリーハンダが使われていてハンダクラックが起きやすいです
それに、PS3に使われているCPU(CELL/B.E)とGPU(RSX)はものすごい熱を起こします
さらに、初代のPS3は消費電力が高く、最新のPS3(CECH-4000など)よりも発熱量が高いです
つまり、初代のPS3は発熱がヤバく、ハンダクラックが起きやすいということです。(もちろん最新のPS3もハンダクラックが起きる可能性はゼロではないと思います)
〇PS3の修理法など
※壊れたり事故が起きても責任は一切とりません
PS3は”YLODにかかる原因と経路”で話した通り、ハンダボールが金属疲労を起こし亀裂がはいることでYLODになります。
ハンダは約250度で溶けます。だったらまた熱してハンダボールを溶かして亀裂をなくしてやればいいんです
修理法はさまざまな方法があり、どちらにしてもYLODが再発する可能性は極めて高いです(⑤以外)
個人的には②がおすすめです
①ドライヤー(ドライヤーだけ)
②ヒートガン(ヒートガン、フラックス、シルバーグリス、内部を掃除するための掃除道具)
③オーブンで基盤丸焼き(オーブン、アルミホイル、フラックス、内部を掃除するための掃除道具)
④ぶっ叩く(勇気、やる気)
⑤リボール(ヒートガン、フラックス、半田ごて、シルバーグリス、内部を掃除するための掃除道具、その他の工具)
>方法
①コンセントは抜いた状態でPS3の通気口(冷却ファン側)にドライヤーの熱風を約二~三分ほど送る
②分解(基盤がむきだしになるまで)してCPU(CELL/B.E)とGPU(RSX)の間にフラックスを塗ります(間にたらしいれる感じ?)
そしてCPUとGPUがある側とその裏側の基盤全体をヒートガンであたためます(そうしないと基盤がまがります)
ある程度温まったらCPUとGPUとヒートガンの間を5cmくらいあけて三分くらいあたためます(CPUに対して三分、GPUに対して三分)(必ず平らな場所で)
加熱後、そのまま一時間くらい放置します(この時間にたまっていた汚れを掃除するのもいいと思います)
そしてしっかり冷えたらCPUとGPUにシルバーグリスを塗り(この時最初に付いていたグリスなどはしっかりとアルコールなどでふきとります。残っていたグリスがついたまま新しいグリスを塗るとかえって冷却効果が悪くなります)、
ヒートシンクについていたグリスなどもしっかりふきとります
そして元通りにして電源スイッチをおして確認します
③分解(基盤がむきだしになるまで)してCPU(CELL/B.E)とGPU(RSX)の間にフラックスを塗ります(間にたらしいれる感じ?)
そして基盤をアルミホイルでまき、CPUとGPUだけむきだしの状態にします
オーブンで三分ほどじっくり焼きます
オーブンからだして一時間ほど放置します(この時間にたまっていた汚れを掃除するのもいいとおもいます)
元通りにして電源スイッチをおして確認
④その言葉の通りです。ぶったたきます(詳しくはYouTubeで”PS3 もっとも原始的な修理法”)
>説明
①は一番有名な修理法で何より封印シールをはがさず修理できますが、ケースはプラスチックなので変形したり変色する可能性があります。
そしてこの方法はハンダボール熱膨張させて通電させているだけなので(ドライヤーの温度は約100度くらいでまずハンダボールは溶けません)再発する可能性大です。
それに基盤や他の部品が壊れるかもしれません
②はPS3のハンダボールの亀裂などを熱し、溶かして修理する方法なので直る確率は他の修理法よりも高いです
フラックスを塗らないでやると直る確率が下がります
③②のヒートガンがない場合の方法です
部品が壊れる可能性大です
④PS3は昔のテレビではありませんが割とガチで直るかもしれません。
⑤リボールはハンダクラックをしてしまうハンダボールを取り除き、また新しいハンダボールを取り付ける事です
再発する可能性はほぼゼロですが、難易度が高いです
〇YLOD対策、修理後の再発防止
一番いいのが発熱防止だと思います
冷却ファンやヒートシンクがある場所に穴を開けてファンを取り付けるのもいいです
〇まとめ
YLODは発症する前からしっかりと対策することが大切です。
発症するまえにフラックスを塗るのもいいと思いますし冷却ファンを取り付けることも大事です
特に真夏は要注意です。
そして日ごろからしっかりバックアップをとっておくことも大切です
PS3のYLODはいつ発症するかわかりません。なので、
しっかり対策をとってもっと長生きしてもらいましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました
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※このブログは私の経験と修理方法を紹介したものだけであって、このブログに書いてあることを推進しているわけではありません。あくまでこのブログのことを参考にと書いています。このブログに書いてある方法を実行したりする場合、すべて自己責任でお願いします。このブログに書いてある方法などを実行して起きた事故などには一切責任をとりません。そのことを承知でよろしくお願いします。