ぬるいアートめぐり備忘録

絵を見るのも描くのも好きだけど特に知識などはなく、目の前にある作品が 好きかどうかっていう感覚でしか見てないけど、とりあえずメモっておきたいというブログです。

「ウォーターフロート」ペーターズギャラリー

 

心に触れる絵の前で、何も考えずに突っ立っていたい。

 

どれだけ見たところで自分の糧には恐らくならない。どういう表現がしたくてその絵を描いたのだろう、とか、どういう気持ちがこもっているのだろうとか、あまり考えない。研究熱心とかではないし自分の中に消化するのは苦手。ただただ絵の前に立って、気が済むまでずっと見ていたい。

 

すがわらあいさんの作品が見たくて足を運んだ。

 

グループ展で、1人数作品ずつ展示している中、すがわらさんは大きな絵をどどんと一枚だけ展示されていた。それに魅入った。

 

色、モチーフ、発想、ものの形。世界観が好きすぎてどうにかなりそう。


ギャラリーが閉まる数十分前だったのもあってか客は自分1人で、在廊されている作家さんはいなかったしギャラリーの人は別のフロアにいたので、遠慮なく真ん前で眺めていることができた。ラッキーだった。

 

ホームページに掲載されてる作品も、見てるとうぎゃあああってなる。なんでこんなに素敵なの。

 

ポストカードを1枚買った。下の物販フロアはざっくりとしか見てなくて、もっとじっくり1枚1枚見れば良かったんだけどなんだかテンパっていて、ポスカはどれが誰の絵なのか確認するすべがわからず(帰宅して良く見たら値段シールに記載されてた)、パッと見すがわらさんぽい感じが、手前のものに隠れて端からだけでも感じるのを1枚買ったらビンゴだった。

 

ギャラリーでの物販のありがたいところは、それらをゆっくり見られることだと思う。ほんとはデザフェス行って散財しまくりたいという願望があるんだけど、気になるとこでちょっと立ち止まると渋滞が起こるし、通り行く人や荷物がぶつかり合うのも、仕方ないことだけどストレスなので。

 

あと告白すると、すみません、複数名の方々によるグループ展なのですが、好みの関係で、すがわらさんしか目に入ってませんでした。。

活動のデザイン展

www.2121designsight.jp

何ヶ月も前のものを平気で載せるブログ。投稿日時いじれるみたいだけどもういいや…


この展示のメインビジュアルは、大勢の人が笑顔で集合しているところを俯瞰して撮影した写真。端に小さく書かれてる文字などは全く目に入ってなくて特に気になることもなかったし、正直 「活動のデザイン」という言葉にもピンとこなかった。 気が乗らないまま、でも一応、と、終わる三日前にやっと足を運んだ。


会場に入って、ふーんて思いながら見ていて、1 番広いエリアに入ってすぐのところにあった展示に興味を引かれた。「ロースさんのセーター」だ。壁に大量の手編みのセーターの写真が展示されてあり、それを見始めたところで楽しげな音楽が聞こえてきた。見ると、壁に映し出されたスクリーンで人々が楽しそうに踊ってる。

踊る人々やそれを家の窓から眺める人々、そして時々写る、用意された豪華な椅子に腰掛けた高齢の女性。この人がロースさんか。それを理解して初めて、ポスターの写真に写っていたのがこの人達だと気付いた。鈍い。そして泣きそうになった。

60 年かけて誰にも袖を通されることなくひたすら編み上げられてきた個性的でカラフルなセーター達が、踊 って飛び跳ねて、音楽を奏でて楽しそうに動いている。ロースさんも嬉しそうだ。これだけで来て良かったと思えた。編んだのは全部で 500 枚以上だとか。


他の展示はサクッと総括すると、先へ進んでいく人、進みながら得たものを後ろに差し出す人、様々な方向の“活動のデザイン”を垣間見ることができた。見て初めて、なるほど活動のデザインてこういうことなのねと思った。(ほんとに理解できてるのかしら...) 自分には何ができるのかな?と思った。

展示をみて心を動かされると、思考も回りだすような感じがする。疑問が残ると考えようとするからかな。 なんでこんなに惹かれるの?この作者はどうしてこういう表現をしようと思ったの?など。

 

帰りはミッドタウン地下で親子丼を食べた。卵と鶏肉は普通の鶏と名古屋ナントカの鶏を使ったものがあって、何故かさっき見たデザイン展を思い出して、食べるものが選べるということが大変な贅沢に思えた。 「今日は食べられるかな」じゃなくて「今日は何食べようかな」と考えられるのは幸せ。

きっとたくさんの人を巻き込む活動なんか一生できないあたくしでした。

風能奈々展「地下の湿度と紙の手ざわり」

渋谷ヒカリエ/小山登美夫ギャラリー


8/03/ART GALLERY/TOMIO KOYAMA GALLERY/風能奈々 展「地下の湿度と紙の手ざわり」

 

明かりの多い場所から夜空を見上げたとき、はじめは星なんかどこにも出ていないように見えてたのが、1つ見つけるとだんだん周りにも別の星が見えてきて、なんだかんだであちこちで輝いていることに気付く。この方の絵を見てたらそんなことを思い出した。

 

この日は別のギャラリー目的で渋谷へ行き、ヒカリエ近いし何かやってるかな~って寄り道しただけだったし、スペースの外から(=遠目に)見た時はただ黒でぐちゃぐちゃっと細かく抽象的なペインティングでもしてるだけなように見えて興味も持てなかったんだけど、せっかく来たしサラッと見ていこうと思って足を踏み入れて間近に見てみたら、はじめに熊を見つけた。

お?と思ってたら、次に女の人がいた。

あれ?その周りにあるこれは木?

ここにも動物がいて、女性がいて、葉っぱもあちこちにある。

あっという間に引き込まれちゃった。

そして白のキャンパスに黒で描いてるのではなく、黒地に白で描いてるのだった。

 

植物、木、女性、動物、船など、全体に描かれていた。その周りに、パッと見ただけではこんなにたくさんのものが描かれていることには気付かない(気付かせない?)たくさんの目くらましのような線がいっぱい。不思議。

タッチは違うけど、「ドレの神曲」の挿絵を思い出した。

 

木炭画(かな?)も面白かった。

白より黒の比率が大きかった気がするけど、優しい、童話のような絵。なんか黒の背景に黒い動物が描かれていたものがあって(あったはず…)、その描き分けがすごいなとか。

 

この方も1日何時間もペンを握ってるような方らしく、羨ましすぎて泣けた。歳近いし。私が1日に描くものを握ってる時間なんか、基本的にhourじゃなくてminuteだもんね。

 

↓ギャラリー内でも延々と流れていた動画(上のリンク先のトップに貼ってあるものと同じ)、その時は流れてる声を聞いてただけでモニターまでは見なかったけど、今これ書くためにサイトへ行ったらあった。見て、「ギャアアア」ってなった。もう、嫉妬。ノートやばい。

[http://]

 

フラッと寄ってみて良かった。ほんとうに良かった。この日は4つ展示見たけどこれが1番良かった。

 

思わずそのあとロフトでノートとペンを買った。ノートなんか使いかけやら未使用やら何冊も持ってるのにまた衝動買い。B5で80枚を2桁の値段で売ってそうな再生紙をシャレオツに綴った、A5で50枚480円のノート…ブランディングって大事だよ…ね…。インクがにじむ紙がいいという気分だったので…。

そんな私はいつかモレスキンの大きい無地のノートが欲しいけど、高いよりも重たそうだという理由で、買えないでいる。

ANY TOKYO

公式サイト(以下、リンクは全て公式サイト内のものです)

ANY TOKYO 2014

東京タワーのお膝元、というより東京タワーを従えている、という方がしっくりくる佇まいの、港区芝公園にある増上寺。 明るい時間に訪れるとめちゃくちゃテンションが上がる増上寺。その本堂横にある光摂殿というところでの開催。

去年行って、良かったので期待しながら行った。 展示作品自体は良かった。面白いもの、とても美しいものに触れることができた。

美しかったもの:

POETIC LAB | ANY EXHIBITION | ANY TOKYO 2014

数十センチくらいの大きい風船みたいな形で前面に凹凸のあるガラス?をゆっくり回転させて、 隣から光を当てて、壁に映る模様を眺めるもの。変化していく光の模様に魅入った。

Jun Murakoshi | ANY EXHIBITION | ANY TOKYO 2014

これが1番好き。ガラスの容器に色糸を張った器が、ずっと見ていたい美しさだった。 器の白と、気持ちのいい色合わせの糸の繊細な線。 果物を置いたりもできるみたいだけど、展示品を見る限りだと花を挿すのが一番きれいだった。

面白かったもの:

Akira Wakita | ANY EXHIBITION | ANY TOKYO 2014

普段意識することのない空気の流れを粒子?としてそれが流れる様子をモニターにうつしていたもの。 空気に色が付いてて可視化したものを見てみたい、と子供の頃に思ったものだけど(そしてもちろんその頃は「可視化」なんて言葉は知らなかったけど)、それを表現したものは初めて見た。

パンフレットが折りたたまれてて開くとA2サイズになるタイプで見づらかったから冊子にしてくれれば良かったのにとか、各作品に添えられてる緑地に黒字で小さく書かれた説明が読みづらかったとか、行ったの暗くなってからだったんだけど会場出口から門までにあるスポットライトがなぜか顔に当たって、夜に前から来た車にヘッドライトを上向きに当てられたときのような眩しさを2〜3発お見舞いされたりとかっていう、作品以外の部分で不満はあったものの、良かったです。 きっと来年もあったら足を運ぶんだと思います。 来年はどこでやるのかな。

THE ART FAIR +PLUS-ULTRA 2014(1st Term)

イベント概要


ジ・アートフェア +プリュス−ウルトラ 2014 | EVENT SCHEDULE | SPIRAL WEB

会場は、表参道駅B1出口を出てすぐ側にあるスパイラルガーデン。

足を運んだのはまだ2回目だけど、気軽に上質なアートに触れられる場所というイメージ。 20時までやってるので、平日仕事帰りに向かってもゆっくり見られるのもいい。

イベントは、ディレクターがチョイスした作家の作品を出展するというもの。 ギャラリーのオーナーが自分のとこで取り扱ってる作家に声をかけてるという認識でだいたい あってるのかな…。アート集団を率いてる方がテーマ決めてメンバーを選んで、っていうのもあった。

40歳以下のディレクターの出展(ULTRA)と、信頼と実績のあるギャラリーのディレクターの出展(+ PLUS)。

ギャラリー巡って作品に触れていろいろ感じることは好きだけど人見知りで自分から作家さんやオーナーさんに話を聞きに行くことをしないので、声をかけられたときだけ話を聞いたり感想伝えたりという受け身な私。

「絵は描かれてるんですか?」という質問には、「趣味レベルのものをたまに...」とか答えるし。 だってこんてんぽらりーあーととか扱ってる人に「手抜きバケツ塗りのゆるキャラを全力で描いてます!」 とか言っても困るだろうし…。(そして趣味レベルなのは嘘じゃないし)

でも今回何人かからの話をきいて、話を聞かないのはもったいないなーとあらためて感じた。どういう意図で描いているのか、どういう手法で描いているのか、そういう話がとても刺激になったから。 出展者側も一切声をかけて来ない人もいるけど。

そしてやっぱり、描かずにはいられないという人が羨ましくて仕方ない。

私なんて何か描きたい!って思うまではいいけど、いざノート広げてペン持っても何描いていいかわからなくてそのまま固まるもんね。

 

以下、印象に残ったものを

01.戸塚憲太郎 / hpgrp GALLERY TOKYO

入場して一発目の作品で目を奪われた。何これすごい!!(ほら、浅い感想…)

そのときはゆっくり見れなくてさらっと通り過ぎてしまったんだけど、後で検索したら野村康生さんの、葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」を自身の手法で蘇らせたというものだそうだ。
とてもきれいで印象深いものだった。

 

03.白子田晶乃 / GALLERY 龍屋

以前ツイッターで誰かのつぶやきで知って気になってsilsilさんの絵を発見して、今日来て良かったと心から思った。エネルギーがあって、複雑な色合いがとても惹かれた。

東京で何があっても前を向いて生きている女の子を描いたという新作の中にカラスが描かれている理由を伺って、おおお…!!ってなった。

 

11.大畠奈緒 / ギャラリーニイク

このギャラリーからの出展はどの作家作品も好みだったけどひときわ関心を引かれたのが小泉匡さんの、小さきひとびとがわちゃわちゃやってる立体作品。一緒に添えられている絵本みたいな文章もすてきだった。

 

b.テヅカヤマギャラリー

タムラサトルさんの、星型・ハート型・矢印型など、歯車とチェーンがひたすら回ってるやつが面白かった。こういうの見てて飽きない。

 

もうひとつ、+PLUSの方で気になるものがあったけどギャラリー名を失念してしまった。 作家さんは勢藤明紗子さん。黒の極細ペンでパターンなど描かれていて、鹿?のような動物が描かれている絵があって、それも当然黒一色のはずなんだけど、色が付いてるように見えた。
白黒なのに色が見える…!と感動した。すごい。

 

ということで、10/31から始まる後半も行ってくる。