遺伝子工学に欠かせないアガロースゲル電気泳動を多検体用コームで時短とコストダウンについて考える

目的

 生物系のラボでは日々、PCRをしていると思います。遺伝子の発現チェック、クローニング、コロニーPCR、ジェノタイピングなどなど幅広い用途でPCRを行っています。この際に必要な過程の1つがアガロースゲル電気泳動です。サンプル数が多いときにめんどくさいのが悩みの種です。今回は、多検体アガロースゲル電気泳動について記事を書こうと思います。

アガロースゲル電気泳動装置

 私はMupidを使っています。 今のラボに着任したときは、標準で付いてくるコームしかありませんでした。このコームを使うと大きいゲルで12または17ウェル、小さいゲルで6もしくは8ウェルのゲルが作製可能です。

多検体用コーム

 17サンプルしか同時に電気泳動出来なくて不満を感じていたワタシは多検体用コームが無いかなぁと思い探してみました。そうすると純正品でもオプションですがありました。

www.mupid.com

コーム-25という多検体用コームを使用すると、大きいゲルで25ウェル、小さいゲルで12ウェル出来ますので、標準品よりも多数のサンプルを処理できます。ちなみに2本で5140円(笑)

www.mupid.com

(2018年7月現在)

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このコームを使用したゲルにはサンプル、1〜2 ulアプライしており、こんな感じになります。

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導入すると

 これを導入すると時短が可能になるだけでなく、アガロース使用量も減らすことができます。研究費に乏しい貧乏研究者なワタシは、コストダウンを考えた結果、多検体用コームを使用し、アガロース濃度は0.6%程度にしています(笑)

終わりに

 このように、普段使用する試薬であるDNAポリメラーゼの場合、多検体コームを導入するだけで早く帰れますしアガロースコストも半額程度カットが可能になりました。浮いたお金でDNAラダーぐらい買えちゃいますね(笑)!

研究費もマンパワーもないけど、なんとか実験して論文を出していきたいですね。

以前の参考記事

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