【東京】伝統銭湯を満喫したければ“帝国湯”へ行こう!
銭湯好きではなくても、おっ?!と足を止めてしまうような荘厳な建物。
入り口の磨りガラス。読めない。
宮造り・木造の銭湯は東京に数あれど、番台がフロント形式に変更されていたりと、所々で雰囲気が損なわれるような改装がされていることが多い。
それはそれで快適だし、アリだと思うのだけれど、少し残念な気になってしまうのも事実。
都内の古い銭湯に興味があるなら、まずはここへ行っておけば間違いないと
思う。
それくらい完成された空間だ。
脱衣所で囲碁や将棋に興じるのも楽しい。
正月にはご主人の書き初めが飾られる。
難点を挙げるとするならば、駅からのアクセスが少し悪いこと。
それとお湯が熱すぎることだ。
お湯の温度に関しては、常連客らしき人達もみんな水で埋めながら入浴していたので、
真似して入ってみよう。
典型的な東京型銭湯を楽しみたい人には是非行って欲しい!
営業時間:15時〜24時
定休日:月曜
【北九州】門司港の繁栄の跡。巨大料亭“三宜楼”
かつては外国との貿易で栄え、今は“門司港レトロ”として人気の観光地である門司港だが、海沿いに並ぶ洋館建築以外にも当時の繁栄を偲ぶ建物が残っている。
高級料亭として建てられた“三宜楼”は門司港駅から海を背にして少し歩いた所。
古い建物が並ぶ静かなエリアに、門司港を見下ろすように建っている。
明治44年創業、今の建物は昭和6年築。
こんなデカい料亭を建てられるくらいだから、かつての門司港がどれだけ賑わっていたか分かる。今建てたら何億かかるのか…
中は自由に見学できるようになっている。
当時はここで、偉い人たちが一晩で何百万という金を使って遊んでいたのか。
すっかり廃れてしまった現在とのギャップがすごい。
観光地エリア以外は静かで寂れているけれど、当時の繁栄の面影がいろいろなところに垣間見える。じっくり散策するのも楽しそうな町だった。
【北九州】大正7年築の「高橋酒店」で“角打ち”。昼から飲むビールが最高!
北九州と言えば小学校で習った「北九州工業地帯」くらいしか思い浮かばない。
その程度の知識でやって来た北九州市は、初めて訪れる九州地方の都市だった。
門司レトロはさらっと観光する程度にして、「労働者の町」で育まれてきた工業地帯ならではの文化を楽しみたい。
そう思って調べると“角打ち”というものがあると知った。
簡単に言うと「酒屋の店頭で酒を飲むこと」らしい。
工場での夜勤を終えた人達が、朝から開いてる酒屋で飲み始めたのが始まりだとか。
角打ち(かくうち)とは[北九州角打ち(かくうち)文化研究会]
イマドキの立ち飲みバーを角打ちと言ってる店もあるようだが、どうせなら本物の角打ちを味わってみたい。
そんな訳で本場の角打ちを体験すべく、八幡西区の折尾にやってきた。
JR折尾駅を降りると、いきなり壮観な景色が。
ぜーんぶ飲み屋。
夜はギラギラなんだろうなぁ。
“堀川運河”というらしく、史跡が結構残っているみたい。
時間があれば散策するのも楽しそうだ。
真昼間なので飲み屋は閉まっているが、お目当ての店はあくまで“酒屋”である。
「高橋酒店」はこの運河沿い、駅から徒歩3分。
酒屋なのだから昼間からやってるはずだ…。
やってた!
店の外観は改築されて少し味気ないが、内部は木造バリバリだ。
先客のオジサン3人組は相当酔っぱらっている様子で、「太平洋戦争でなぜ日本軍は負けたのか?」というディープな話題で盛り上がっている。
これは入るのにとても勇気がいるぞ…と思ったが入ってみるとビックリ、なんとも居心地が良い。全然身構えることなかった。
店番は女将さん一人。
とってもフレンドリーで気さくな人だ。
お婆ちゃんちに似た感覚…
いやしかしこの雰囲気の中で!昼から!酒を飲めるなんて!これ以上の幸せはない。
ここはあくまで“酒屋”であって飲み屋ではない。
そのため酒は自分で冷蔵庫から取って飲む。
スーパーで買うのと変わらない値段で飲めるのだから、コスパ最強だ。
ビール、日本酒、梅酒、にごり酒まで。さすが酒屋、品ぞろえも完璧。
おつまみも缶詰や市販のお菓子・チーズ等を買ってカウンターでそのまま食べる、というスタイル。
焼き鳥やゆで卵も売っていた。どれも100~150円ほどだ。
缶詰や焼き鳥はしっかり温めて出してくれる。
うーん、近所にあったら確実に通っちゃいますね…
それに、隣が銭湯なんですよね。
風呂→飲む、が隣り合わせの2軒で済んでしまう。最強の町か?
いっそ折尾に住もうか。
「オススメのエロ動画サイトを教えてくれ!」とオジサンに囲まれる友人。
この後ビールをおごっていただきました。
この高橋酒店は角打ち好きには有名な店らしく、テレビでも紹介されたりしているようだ。
外国人もハマってしまう素晴らしさ。
多くの日本人がここの楽しさを知らないままなのはもったいない!
動画でも言われていたが、本当に楽しいのは博多でも新宿でも六本木でもなく、こういう所!
まさに「本当の日本はここにある」でした。
そんな折尾にも再開発の話があるらしく、いたるところに「企画整理反対!」の看板が。
数年前まで木造の古い駅舎だった折尾駅も、今ではどこにでもある四角いだけの建物に。
何でも小奇麗に画一化して便利にするのもいいけれど、本当の豊かさっていうのはこういう酒屋で知らないオッサンと酒を飲みかわせるようなことを言うんじゃないだろうか。
営業時間:7:00~21:00(月〜土)
7:00~19:00(日・祝)
定休日 :無休