希望と絶望のはざまで

次に目が覚めるとそこは真っ暗な部屋だった
「やぁ...ようこそ僕の世界へ」
「お前は...確かあのとき何かいろいろ言ってた...」
「覚えててくれたんだ!うれしいなぁ」
「ところで...ここどこだ?」
「ん?あぁ死後の世界」
「はぁ...やっぱり死んだのか...」
「アハハ、大丈夫さチャンスをあげよう」
「チャンス?」
「そう、僕の作った世界...ガリドアで生きてほしいんだ」
「...」
「今ガリドアは危険な状態だそれを救って欲しいんだよ」
「ふーん...つまり勇者?」
「んー...そういうことさ!あ、でも君以外にも勇者はいるんだよ勇者の中でガリドアを救った人が生き返れるんだ」
「もし...死んだら?」
「輪廻のサイクルから外される」
「つまり...サバイバルゲーム...」
「そうそう!どうする?参加する?」
「もちろん!早くつれてってよ!」
「ん?...君まさか楽しんでる?」
「楽しいよ!だってこんなありえないことなんだし!」
「気楽でいいね〜」
そう言うと少年は指をパチンと鳴らした次の瞬間パカッという音がして僕の足元が開けた
「あーそうそう君のガリドアでの名前はウィンダグね」
その声を聞くと同時に僕は落下し始めていた
「お、落ちるぅぅぅぅぅぅ!!!」 <落ちる>じゃなくて<落ちている>正しいんだよねそんなことを考えながら
絶賛落下中の僕だった

しばらくして地面に着地とてもじゃないがこんな体験は御免だ...
それにしても...
「何もない...」
周りをみると草だらけだ、
そう、そこは草原だった
「...道も無いな...」
とりあえず僕は立ち上がる
「んー...」
そして背伸び
「さてと...どうするかな...」
僕が途方に暮れていると
「おーい!!そこの君ー!!」
後ろから声がした、振り向くとそこには
頭に包帯を巻いている少年(左目も包帯で隠れてる)がいた
「えーっと...?」
「あ!僕はゾアル!よろしくね!」
これが全ての始まりであり終わりでもあったんだろう...

希望と絶望のはざまで

突然だけど死ぬっていうことはどういうことだと思う?
心臓が止まる?そうだねそれも一つの死だ
存在を忘れ去られる?つまりは記憶の死だね
何も考えず何も感じなくなる?人としての死だね
でも君達の死は個人の死だ僕の思う死は...

「っ!!」
僕は跳ね起きた、変な汗が止まらない
「悪夢...はぁ」
僕は下の階に降りた
「おはよう」
「おはよう、母さん」
たいして変わりのない朝
たいして変わりのない親
たいして変わりのないご飯
普通、普通、普通...
「飽きた...」
自分の部屋で誰に呟くわけでもなくポツリと言った
制服に着替えてカバンを持って家をでる
親は普段仕事でいない
学校も受験が終わり退屈... <普通が一番難しい>
ありえないね...こんなにも普通は簡単だ!
ふと気がつくと道路の真ん中に立っていた
「危ない!」
誰かが叫ぶ声とブレーキの音が重なる
次の瞬間僕は宙に舞い上がっていたそして
地面に叩きつけられる
「だ、誰か!救急車を呼べ!」
悲鳴...怒号...サイレン...いろんな音が遠くから聞こえる...
「やーっと死んだかー今まで何度も殺そうとしたのに死なないんだもん...これでまた一人ゲーム参加者が増えた...」
でもそいつの声ははっきりと頭に残った...