『海辺の映画館-キネマの玉手箱』

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映画は光と音の織物

 折しも8月15日、終戦記念日
大林宣彦監督の遺作となった映画を観たのだった。
…くらってしまった。
今でも、予告映像を観ると、よくわからない涙が込み上げてきてしまう。
こんなに切実で、優しいユーモアに溢れた映画ってあるだろうか。

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三十三間堂で、"果てしなさ"に出会う。

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仏像の林に佇む

2018年末、わたしは三十三間堂にいた。
それはそれは本当に久方ぶりに。冷え冷えとした空気の中、入り口でスリッパを借りて、長い長い本堂に足を踏み入れる。

何度見ても圧巻の光景。
これはある意味、日本の絶景のひとつなんじゃないか。
3mを超える丈六の中尊坐像を中心に、左右五百体ずつ、合わせて千体の千手観音がすっくと立ち並ぶ。仏像の林だ。

千の手と、眼を持つ観音が千体。
大きさがパワーを持つように、数にもパワーはある。

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鶴岡八幡宮と、推しについて。

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Youは神仏に「死すべし」と言われたことがあるか…!

 1記事目に綴った證菩提寺の後に立ち寄った、鎌倉でのエピソードを少し。
 その日、私には行きたい場所があった。鶴岡八幡宮である。なぜ鶴八か。おみくじである。年始に引いた、おみくじに理由があるのである。皆様におかれましては、おみくじのコメントに衝撃を受けたことはございますでしょうか。わたしは二度ほどあります。一度目は、悩み多き三十路前後の時代に、気まぐれで引いた浅草寺の凶のおみくじ。浅草寺は凶が4割、なんていわれているので、凶自体にはそう驚くことはなかったのですが…そこに添えられていたのが「フラフラするな」の一言。フラフラするなって…おみくじの文言でそんなんあるのかよ…!
 そして、二度目が、今年の正月、深大寺にて引いた凶みくじ。そこに書かれていた一言。

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魅惑の濱仏①「證菩提寺」の阿弥陀さんは、背中で語りき。

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横浜の仏像に会いに 

 横浜に住まうようになって、はや3年。いま、自分の住んでいるこのエリアには、いったいどんな仏像がいるのかしら、ということで行ってきました横浜市は栄区にある證菩提寺。

 同行者は、今なお緩やかに存在している仏像部の婦人連。仏像エリートの桃さん、仏像部部長のニャンピョウ。同行二人、ならぬ三人。(…わたしは名ばかり副部長です)ちなみに、現在3人が3人とも横浜在住という奇跡のハマっ子トライアングル!を形成しているんだ。元住んでいたところはバラバラなのに、3人集いし横浜、是なにかしらのデスティニー…

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これはデスティニーズチャイルド。人は、きっと「貫禄」と書いてビヨンセと読む…

 

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