泣く、怒る、脅す、を繰り返す男。これを目の前でやられたら恐怖だろう。身が持たない。
だが電話で数時間繰り返されるのも拷問に等しい。あの時の私は神経衰弱になっていた。
妙に勘が冴え渡り、要らぬ波動のようなものを感じていた…ような気がする。一瞬だけ霊感のようなものが身についた…ような気がする。
あの男と最後の電話をしたとき、スマホの向こうで蛇が笑ったのが見えた。見えるはずがない。でも見えた。怖くて震えた。自分はおかしくなるのかと思って、さらに怖くなった。
生き霊に取り憑かれていると言われ、素直に聞き入れた。
「氣」の先生のセッションを受け、指示通りの生活を続けた。
今のあなたにぴったりのアロマが今ここにある、と言われ素直に受け取った。
この世はなるようにしかならない。私は自分が信じるものだけを受け入れた。それらは全て良心とか善意でできていたのではないかと思う。
束の間の霊感体質から解かれた。