TikTokから考える、ソーシャル「メディア」が勝つ法則
インスタで見る友達の動画はラーメンの動画でも良いが、TikTokではラーメンの動画ではダメ。これはSNSの大原則を示している。抽象化すると、友人や知り合いと繋がっているソーシャルメディアではコンテンツ性は高くなくても平気だが、TikTokのような知らない人の投稿を見ることが多いソーシャルメディアでは、コンテンツ性が高い動画じゃないと成立しない。当たり前だが、知っている人の投稿なら、投稿の中身はなんでもいい。その人が投稿している情報というだけで価値がある。知らない人の投稿は、価値がないと見る気にならないし、見ても時間の無駄と感じてしまう。
TikTokが普及した背景を考えるために、ここでいったん女性向け動画メディアのC CHANNELがピボットした話をしよう。
CEOの森川亮さんは2016年に以下のように言っている。
C CHANNELを始めて早くも1年と2ヶ月が経とうとしています。
分散型メディアという言葉が話題になっていますが当初はそこまで分散型を志向しておらず自社の動画のブログ的メディアというイメージでクリッパーと呼ぶインフルエンサーの皆さんに動画を投稿いただくサービス形態でスタートしました。
ただやはりCGM型というのは投稿のハードルが高く、単に動画を投稿するだけであればそんなにハードルは高くないのかも知れませんが意味のある動画を説明付きでそれも編集してとなるとやはりハードルが高くよっぽどモチベーションが高くないと続かないという状況が起こりました。
また見る方としても可愛い子が楽しそうに投稿する動画は時には羨ましいということになり逆に面白くないと感じる人も出てきました。そんな中でやはり最初は質の高い動画を自社で作る必用がある、またリーチを伸ばすためには様々なソーシャルメディアを活用しそこに合う動画を制作しないといけないということになりfacebookやTwitter、Instagram、YouTubeなど幅広いソーシャルメディアで展開し急成長するということになりました。また自社で制作する動画もHowToに特化する事で見て役に立って繰り返し見たいという事になってきました。
インフルエンサーに、「なんでもいいよ〜女子が興味ありそうなコンテンツをスマホで撮ってアップしてね〜」 ってお願いしたら、出てくるアウトプットは次の動画のような感じだ。
このような動画は、インスタのストーリーに上げてたら、「◯◯ちゃん◯◯行ったんだ〜へー!美味しそ〜!」というわりと好意的な感想を抱かれていたかもしれないが、これがメディア寄りのC CHANNEL上だと、「ふーん。よかったね。」で終わりだ。もちろんインフルエンサーたちは、新しくオープンしたお店とか話題のスポットの「紹介」というコンテンツを提供しようと思ったに違いないが、受け手の当初のC CHANNELに対するイメージは、「知らない可愛いインフルエンサーたちのキラキラ動画を見させられる媒体」になってしまったように思う。投稿する側も、何を投稿すればいいか分からないし、仮に給料をもらえたとしても続かない。もちろん、たまに面白い動画が生まれることもある。
この動画はC CHANNELで最初にバズった動画の一つらしい。だが、インフルエンサーのみんながみんな、こんな動画を作れるはずはない。視聴数が伸びないと、広告クライアントも付かないし、行き詰まりのはずだ。そんな中、おそらくたまたまハウツー系の動画がバズったことがきっかけで、C CHANNELは自社で動画を作り込む方向にピボットしていった。撮影部隊、編集部隊、専用スタジオなどを設けて、ヘアメイクや料理などの女子にとって実用的な動画、すなわちコンテンツ性が高い動画を提供する。これが見事に需要とマッチした。
このように、知らない人同士のプラットフォームでは、
①投稿する人は何を投稿すればいいか分からない
②見る人は価値のある投稿じゃないと集まってこない
という2つの課題がある。C CHANNELはこの両者の課題に対して、個人に動画企画・撮影を委ねることを諦め、自社で需要がある分野を選定し、自社で価値のある動画を作り込むという方法でクリアした。C CHANNEL開始当初から森川さんは「メディア」をやりたい、LINEの次は「メディア」の領域で再スタートすると言っていたので、SNSを作るというよりは、「メディア」を作ろうとしていたのはおそらく間違いない。ただ上記の通り最初はその「メディア」のコンテンツ作成はスマホを持った個人に委ねようとしていたため、あわよくば個人のソーシャル動画ブログ路線も同時に取り込められるかもしれないと考えていたように思う。それを諦め、「メディア」に完全に振り切ったということだ。ちなみにC CHANNELがリリースされてしばらくしてから、InstagramのStoriesが日本に上陸し、C CHANNELが見ていた未来の一つである「縦型動画」や「個人の動画ブログ」の文化はInstagramが作ることに成功した。Instagram上では既に友人・知人と繋がっているので、コンテンツ性の高い動画が作れなくても、見れなくても、全く問題がない。
TikTokに話を戻そう。TikTokは上記の2つの課題をどう解決したのか?
①「口パク(リップシンク)」動画という型が用意されている。
これはよく言われていることだが、本当に重要。インスタだったら友達や食べ物の動画を撮るだけでよかったが、オープンなプラットフォームでは価値あるコンテンツが必要になってしまう。その結果、何を投稿すればいいか分からない。YouTubeもそうだ。「君は明日からYouTuberね」って言われても、どんな動画を投稿すればいいか全く分からないでしょう。これらに対して、初期のTikTokでは、好きな音楽を選んで、口パクすればいいだけだ。こうゆう動画を撮ればOKというフォーマットがあらかじめ用意されているので、迷うことなく動画を撮れる。もちろん今では口パクだけでなく、あらゆるダンスやお笑いのネタなどの型がたくさん用意されているので、それに乗っかるだけで良い。
②音楽の力によって全てのコンテンツが1.5割増しになる。
たとえラーメン動画であっても、良い感じの音楽と合わさると、見るに耐えうるものに仕上がる。なので、それ単体でコンテンツ性が高い鬼な動画に、音楽という金棒を持たせると、無敵なコンテンツが出来てしまう。顔が「可愛い」っていうのもコンテンツ性を上げる一つの要因だし、お笑いもそうだし、綺麗な景色もそうだ。以下の記事で書いたように、そうして出来上がった高いコンテンツ性がある動画がちゃんと掬い上げられるUI/UXの仕組みも存在する。
音楽の力は本当に偉大で、写真や動画と組み合わせるだけで、既存のコンテンツはいっきに化ける。バイトダンスが買収したFlipagramという動画アプリもその典型例だ。大学時代に旅行から帰ってきたら必ずFlipagramで写真や動画を繋ぎ合わせて音楽を加えて、思い出の動画を作って一緒に行った友達に送っていたが、これが思いの外反響を呼ぶ。
長々と書いてきたが、TikTokが流行った理由を一言で言うと、
強いコンテンツ性がある動画を簡単に作れて、強いコンテンツ性がある動画を見れるから。
当たり前だが、これに尽きる。
なのでソーシャル「メディア」を作る側は、ユーザーがコンテンツの企画・編集・投稿までを迷うことなく簡単に行い、強いコンテンツが出来上がるように手助けしないといけないし、そうして出来上がった価値のあるコンテンツを掬い上げて、見る側の人にちゃんと届ける仕組みも設計しないといけない。もちろん、知人友人と繋がるわりとクローズドなSNS(Facebook、Instagram)であれば、サービス側がここまでする必要はない。
来週は知られざるTikTok誕生秘話について書きます。(間に合えば)
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世界で二番目にTikTokを愛する男がTikTokを語る
年始にこの記事がバズりにバズっていた。
けんすうさん、佐藤航陽さん、イケハヤさん、堀江貴文さんなどをはじめとするネット界隈の有名人が次々と言及し、Newspicks総合欄やはてなブックマーク総合欄のトップにも輝き、今年1のバズになったのではないか。
「目から鱗」という表現がぴったりで、「確かに!」、「なるほど!」と思った。TikTokが流行っている理由として、「動画が簡単に撮れるから流行った」「可愛い子がたくさんいるから」「ぶりっ子する言い訳ができる」などの意見が飛び交い、それらの考察がコモディティ化してる中で、たしかにまだ誰も気づけていなかったポイントを突かれたという感じだ。
バズ記事執筆者のtoricago氏は世界一TikTokを愛する男なだけあって、自分の目で見て、自分の手を動かして、めちゃくちゃ使い込んだ上で、自分の頭でめちゃくちゃ考えた結果が、年始のバズ記事を生んだのであろうw 完全敗北したと思ったw
まだ冒頭のバズ記事を読んでいない方は、先にそちらを読むことをおすすめします。あの記事はFacebook CEOのマークザッカーバーグなども読むべき価値のある内容であり、日本人しか読めないのが勿体無いくらいだw
それでは僕も、TikTokが起こした「価値経済革命」について、UI/UX視点でも補足しておきたいと思う。あくまで動画の「投稿者」ではなく、「閲覧者」視点で書く。 TikTokはUI/UXが良いとよく聞くが、具体的に何がどう良いのか?YouTubeと比較したい。まずはアプリを起動した瞬間の話から入ろう。
YouTube起動後、
まずはこのようにロゴが表示されてから、
次にホーム画面に着地する。
ホーム画面には広告動画、フォロー中のYouTuber動画、視聴履歴に基づく動画のサムネイル(見出し画像)がずらっと並ぶ。ここで気になるものがあればクリックしてもいい。なければホーム画面から「急上昇」タブあるいは「登録チャンネル」タブに切り替えたりする。
「どれにしようかなぁ」って考えながらスクロールする。「これにしようかな」って決める。サムネイルをタップする。人気動画の場合は、まずは広告を数秒間強制的に見させられる。広告を見終わったあと、「どうもこんにちわ、いちいち平成最後って言ってるやつ、だいたい次の時代楽しめない。」的なYouTuberのイントロがやっとスタートする。動画の途中でまた広告が流れ、視聴体験が中断される。見終わったら、10秒くらいかかる次の動画への切り替えロード時間を経てから、次の動画に遷移する。
次の動画にいけたら、もちろん最初はまた広告からスタートだ。自動ロードを待たずして一回戻り、おすすめ一覧などで次にみる動画を取捨選択するケースもあるだろう。
TikTokの場合はどうか?
アプリを起動するとロゴが表示されて、
ドンっ
いきなりおすすめ動画が自動再生される。*1
ここが圧倒的に速い。有無を言わさない速さだ。そして1スクロールしたら、次のおすすめ動画が再生される。
ど、れ、に、し、よ、う、か、なっていちいち考える必要がない。ワンスクロールで、次の動画だ。これはInstagram Storiesが起こしたUI革命を完全に踏襲している。(正確にはSnapchat Storiesが先に起こした革命だが。) これについては以下の記事がイラスト付きで、Instagram タイムラインとInstagram Storiesを対比していて分かりやすい。
インスタ女子が語る「LINE衰退説」 ストーリー起点からの「脱線おしゃべりDM」がチャットアプリの入る隙間を潰している話。|アプリマーケティング研究所|note
動画が面白くないと思ったら、すぐスワイプして次に移ればいい。Tinderような感覚で縦にサクサクスワイプしていくUIは楽しいw
TikTokでは広告も全くストレスに感じない。上記同様、自分の意思で0.5秒でスワイプして飛ばせるからだ。YouTubeの広告がストレスフルなのは、興味のない宣伝を強制的に、5秒間耐え続けないといけないからだ。自分の意思は100%無視されている状態だ。バイトが終わって、「よ〜しYouTube 見るぞー!」ってアプリを開いて、記念すべき最初の動画視聴体験が広告。UXとして良いとは言えない。
TikTokではさらに、「いいね」を押すハードルがめちゃくちゃ低い。気づいたら「いいね」を押しまくっている。今見たらTikTok上で累計1,000「いいね」していた。僕が人生を通して、YouTubeで押した「いいね」と、Facebookで押した「いいね」とInstagramで押した「いいね」をすべて足し合わせても、おそらく、僕がTikTokで押した累計「いいね」数には到底及ばない。
なぜか?Facebookはリアルな人と繋がっているので、投稿に「いいね」と思っても、必ずしも「いいね」はしない。「いいね」をすることは、相手に好意を示したり、暗に何かしらのメッセージを送ることになり、人間関係に影響を及ぼす話だからだ。さらに、自分が「いいね」した投稿が自分の友達のタイムライン上に出てくるので、ますます「いいね」しづらい。あいつはこれに「いいね」したのかってバレる。
TikTokの場合はどうか?基本的におすすめ動画に出てくるのは知らない人たちだ。自分に1ミリも関係ない。「いいね」しようが自分にはなんの影響もないので気軽に「いいね」できる。だが「いいね」を押しまくる理由はそれだけじゃない。TikTokの「いいね」は、ブックマーク的な目的ですることが多い。YouTubeであれば、動画をブックマークしなくても、いつでも「レペゼン地球 ライブ」と検索すれば、過去に見たお目当ての動画と容易に再会できる。それに対して、TikTokでは冒頭の記事にあったように素人がバズを起こしやすい。ページに飛んでみたら、その動画が初投稿だったなんてことはざらにある。素人がバズを起こしやすいということは、後日、「あの動画もっかい見たいな」って思っても、後から検索のしようがないということだ。投稿者の名前なんて知らないからね。そうなると、今この瞬間に「いいね」を押しとかないと、その動画には一生出会えなくなってしまうかもしれない。だから後から見返せるように「いいね」を押しておく。
YouTubeではこれは成り立たない。YouTubeでは基本的には人気YouTuberしか見ない。というより冒頭のバズ記事にもあったようにそもそも底辺YouTuberに出会える仕組みがあまりない。名前を知らない無名YouTuberの動画はそもそも目に入らないのだから、ブックマークの必要すら生じない。目に入る人気YouTuberの動画は、名前を当然知っているので後から検索で探せばいい。
またこの話には、人々のスマホでの可処分時間と、動画の長さも関係してくる。Youtubeでは動画が長いので、1日に数百本も見る時間はない。出会うクリエイターの数が限られている。TikTokは動画が短いから1日に容易に100本を超える動画を消費してしまう。すなわち毎日100人を超えるクリエイターと出会うわけだが、いちいちそんなに多くの無名素人の名前(中にはもちろん有名TikTokerも混ざっているが)を覚えてられないので、ブックマーク的「いいね」をすることで、後から見返せるようにしておかないといけない。
「いいね」を押すインセンティブが構造的に付与されているという話をしてきたが、TikTokでは単純にUI的な意味でも「いいね」を押しやすい。
スマホを右手で持った時に(ちなみに人類の9割は右利きらしい)、「いいね」を示すハートマークはちょうど親指と重なる位置にある。指を大きく動かさなくても、定位置で超イージーに「いいね」が押せてしまう。一番最初にTikTokの前身であるmusical.lyを開いたときは、フォローマークや「いいね」などのボタンが縦軸に整列されているUIが見慣れなく、新鮮に感じた記憶がある。musical.ly買収によってノウハウを得たバイトダンスのUIチームも「いいね」の押しやすさを重視している可能性がある。
他サービスを見てみると、例えば、女性向け動画メディアC CHANNELの縦型動画のボタン群は下の横軸にある。見た目に違和感はないが、TikTokに比べて「いいね」が少々押しづらい。
じゃあYouTubeだと「いいね」(高評価)ボタンはどこにあるのか。
みなさんすぐに分かりましたか?3秒くらいかかったのではないでしょうか。YouTubeのUIは情報が満載すぎて、「いいね」ボタンが埋もれてしまっています。しかも見つけたとしても親指からは程遠く、めちゃくちゃ押しづらい位置にあります。(絶大なる人気を誇るYouTubeも、結局はデスクトップPC時代に生まれたサービスであり、スマホファーストなUI/UX設計になっていない部分もあると感じられる。)
そしてYouTube視聴中にスマホを横にして大画面モードに切り替えたら、なんと、「いいね」ボタンは消え失せます。視聴中に万が一、うおおおめっちゃ「いいね」押してえ!って思ってもボタンすらない。
いくらおすすめ欄に素人動画を混ぜても、ユーザーが「いいね」って思ってもわざわざ「いいね」を押さないようなUI/UX設計だと、AIの教師なき学習問題(冒頭バズ記事参照)は解決できない。AIが学習するためのエサとなる「いいね」が鍵を握る。これらの結果、一定時間内に「いいね」を押される回数が多い、発掘された動画はおすすめデフォルト表示にすくい上げられる。おすすめ欄は実際に「いい」動画が、「いいね」しやすい状態で埋め尽くされ、さらに「いいね」されるという好循環だ。このようにしてバイト終わりにTikTokを開いたら、1秒後には上記の「いい」動画が再生されはじめて、元気が出るというカラクリだ。
また、一瞬脱線するが、YouTubeは自分から能動的にどの動画を見るかを選択する形式であるため、運営側および投稿側が最重要視するKPIは再生回数となる。TikTokのおすすめフィードは、自分から見る動画は選べず、受動的な体験だ。そのため再生回数という数字は動画の質を判断するKPIにはなりえない。TikTokではたとえ素人でも、投稿してくれた人の動画は全て、おすすめフィードに混ぜ込むことで少なくとも一定数の人には再生してもらえるようにしてあげるよ。そこから先は、「いいね」がものをいう世界だ。だからこそ「いいね」の位置が重要になってくるし、逆に再生回数至上主義のYouTubeは「いいね」ボタンの位置はさほど重要ではないのかもしれない。*2
ちなみにYouTubeでは再生回数稼ぎのために過激なサムネイルや釣りタイトルを付けるなどといったモラルハザードを引き起こしやすいが、TikTokではこれらは比較的起こりづらい。中身がつまんなかったら、「いいね」は押されない。「いいね」が押されないと、バズらない。小手先テクニックだけで中身のないものは伸びないし、そもそも初投稿でもおすすめフィードに勝手に流してくれるのでテクニックを使う必要もない。
アプリ起動時においてもう一つ注目すべき点は、フォロー中ではなく、おすすめのタイムラインがデフォルトで選択されていることだ。
Twitterに例えたら、自分がフォローしている人ではなく、最初にトレンドツイート一覧が出てくるような感じだ。なぜか?フォローしている人が必ずしも面白い動画を上げるとは限らないからだ。「誰が発信した情報か?」が重要である評価経済では、フォローしている人の情報が最前面に出てくるが、「その情報自体に価値はあるのか?」が重要である価値経済においては価値のあるコンテンツが前面に出てくる。もちろん、「価値」というのは相対的な要素もあり、受け手によって価値の大きさは変わる。ここでバイトダンスのAIが活躍しているのは言うまでもない。実際、TikTokでは「フォロー中」のフィードよりも、「おすすめ」フィードをスクロールしている方が断然良い動画に出会えるし効用も高い。
最後に、UI面でやっぱり大きいのは、縦型動画という点だ。YouTubeでは画面の中の上部だけが横型動画*3で、他はコメントや他の動画のサムネイルなどの情報が入り混じっておりカオスで、いまいち動画に没入できない。なので僕はYouTubeを見るときはいつもスマホを横にして大画面表示にするが、いちいち横にするのもめんどくさいし、縦型動画の方が往往にしてスマホにフィットしていて綺麗だ。
ここまでが、画面の中の話。
『画面の一部が、動画』
ではなく、
『画面全体が、 動画 』
にしたのが縦型動画。
そして僕は最近iPhone 7からiPhone XRに変えたが、TikTok動画の威力がかなり増した。iPhone X以降だと画面が大きくなるってのももちろん効果絶大なのだが、ホームボタンとふちが見えなくなるってのがとても重要。
『スマホ全体が、動画』
になった。ここまでがスマホの中の話。そしてAppleのスマートグラス時代には他のものも見えなくなる。今は電車でiPhoneXのスマホをいじっていたら、確かにスマホ上は100%動画だ。スマホ上は没入を阻害する余計なものは一切ない。でも、前に目を向けるとおっさんが座っているし、乗ってくる人も気になるし、コンテンツ以外の情報が目に入るので完全には没入できない。VR/AR時代には、視界には動画しか表示されなくなり、これがUIの最終形態になるだろう。
『視界全体が、動画 』
になる。「没入」といいうのは、「そのコンテンツしか見えない」ことがとても大事だと思います。
VR(仮想現実)の本質を考えてみよう ~VRはなぜ没入感が生じるのか?~ - テクノロジーだよ人間だよ
このように、ポストTikTok時代の動画メディアは、人間の視界を丸ごと使うUI/UXを作り込んだサービスが台頭するでしょう。
長くなってしまったが、この記事で言いたかったことをまとめると、
1. 「いいね」0の素人動画でもオススメフィードに混ぜこむことで、価値のある素人動画をすくい上げる仕組みがある
2. ショートムービーなので消費する動画の数が圧倒的に多い
3. 1と2により、後で見返したくなった時に無数の素人動画を探す難易度が高いため、「いいね」をブックマークがわりに押すインセンティブがある
4. その「いいね」ボタンは最小限の指エネルギーで押せる位置にある
5. これにより素人の「いい」動画に実際に「いいね」が集まり、オススメフィードに固定される
6. フォローしている人の動画よりもオススメを先に見せる
7. スマホに最適化された縦型の「いい」動画を、アプリ起動後1秒で見始められる
8. 動画の取捨選択にエネルギーを使わなくても次から次へと動画を消費できる
次の記事では投稿者視点で、TikTokが起こした革命に迫っていきます。
また来週!
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インスタの寿命が伸びた話
ブログの週1配信を決めました!
日曜朝8時配信と宣言しておきながら、しょっぱなから遅刻です( ^ω^ )
昨日?からインスタのストーリーに新機能が追加された。
これはただの、頻繁にあるインスタの1機能追加に見えて、実は
Instagramの存亡に関わるレベルで!めちゃくちゃ重要
だったりするのではないか?
以下の写真のように、あらかじめ親しい人リストに誰を入れるかを選んでおき、
ストーリーに動画を載せる時には、全員に公開するか、この親しい人リストに共有するかを選べるという機能だ。
なぜこれがそんなに重要なのかと言うと、
アメリカの若者がFacebookからSnapchatに逃げた理由
以下わざわざ解説するまでもないくらい自明だが、
フェースブックは親友、友達、恋人、家族、知り合い、上司、先生など、ソーシャルグラフ上の全員をなんの躊躇もなく一つのタイムラインにぶち込んだ、非常に雑で強引なSNSだ。そんな空間に、昨夜のパーティーではめを外しているセルフィー動画など載せられるはずがないだろう。
その結果、Facebookの日本人の間での使われ方は、
【近況報告】私事で恐縮ですが、このたび結婚することになりました。
【近況報告】私事で恐縮ですが、このたび米国留学をすることになりました。
【近況報告】私事で恐縮ですが、このたび3年間お世話になった会社を辞め、
【近況報告】私事で恐縮ですが、先日痴漢で捕まり、刑務所の方でお世話になることになりました。変わらず楽しい日々を送っております。
という、1年に1回浮上するかしないかという謎なオフィシャル近況報告な場になった。
これもギリギリミレニアル世代までで、Z世代はそもそもフェースブックを入れてない。
僕はミレニアル世代なのでFacebookはまだ入れている。SNSとして使っているのではなく、情報サイトとして使っている。上の世代はまだFacebookを多用するので、IT/スタートアップ界隈の著名人をたくさんフォローして、タイムラインで情報収集をする。
Facebookが普及するとともに、若者がワクワクする隠れ場のような空間から、オフィシャルな謎空間に進化(退化)していってる間に、iPhone普及の波を見事にとらえたのがSnapchatだ。アメリカのティーネージャーは、素を出せるこっちのアプリに逃げていった。
日本ではSnapchatがマス普及する前に、Snapchat機能をパクったインスタが普及してしまったので、
アメリカでのFacebook→Snapchatの流れは、日本でのFacebook→Instagramと置き換えられる。
※Facebook→Snapchatの流れは非常に奥が深く、ただ親や会社の人が入ってきて居心地が悪くなったという理由だけで片付けれらるようなシフトではない。
ぼくのバイブル本である以下の本に全てが記されているが、残念ながら日本語訳されることはないだろう。上述のようにSnapchatは日本にくる前にインスタにパクられアジア進出の機会を絶たれたので、日本のビジネスマンにとってこの本の需要は薄い。だが、SNSに興味がある人にとっては超必読本だ。脱線してしまった。
https://www.amazon.co.jp/Turn-Down-Billion-Dollars-International/dp/1250108616
親しくない人とも繋がっていくInstagram
TikTokの台頭はあれど、今でも一番強いSNSはInstagramだろうし、女子高生、女子大生、みんなが毎日使うSNSだ。
それでもここ数年は微かに違和感を覚える。
ストーリーで流れてくるコンテンツがつまらなく、基本無表情で消費するコンテンツだってのは個人的に思っている文句だが、
それとは別で、インスタグラムもFacebookがたどったようなソーシャルグラフごちゃ混ぜのSNSになってきている。
プライベートネットワークではなく、完全にソーシャルネットワーク。
ここ5年でInstagramはどんどんソーシャル化していった。
リアルで繋がった人と、オンラインで繋がるときはとりあえずインスタで繋がる。
初めて会った人とはラインではなくインスタを交換するケースも全然多い。
フォロワーが500人とかいる中で、もはや外行き用の自分しか見せれない場にどんどんなっている。
これは極端な例だが、知り合いの女子高生は、
クラスの友達には内緒で付き合ってる彼氏と遊びに行ったら、
その事実を知ってる数人としか繋がっていないSnapchatのグループに写真・動画を載せたりする。
Snapchatが勝てるとしたら、Instagramがどんどんオフィシャルになっていっていく間に、創業以来フォーカスしてきたアンチフェースブック路線、すなわち「プライベートネットワーク」にひたすらに集中すること。だよなあと思っていた。
と言っても、今までのインスタでも、投稿を全員に見せざるをえなかったかというとそうでもない。
自分のストーリーを見せたくない人がいる場合、その人のプロフィールページに飛んで、設定から「ストーリーズを非表示にする」を選ぶことで、対応はできた。
自分も数人にはこの設定を施しているw
だが、そんな人にも、別に見せてもいい投稿であるときもあれば、これはここまでの関係の人にしか見せたくないなってのがある。一切見せたくないってケースはレアだと思う。なので一種の完全ブロックに等しいこの機能は万能ではなかった。
また、特定の人、一人にだけ送ることもできた。
送信先を押して、誰か一人を選ぶ。
これはSnapchatに酷似した機能で、よく使う。
写真or動画を受け取った相手は、一回しか見れない。
ストーリーは基本的には24時間以内であれば何回でも見れるので、使い方がまた少し違う。Snapchatにより近しい。
これも良い機能だが、たまに使う機能にすぎず、万能ではない。
基本的にはインスタは全員に向けてストーリー投稿する使い方が普通だ。
Z世代ともなれば、上述のようにSnapchatと使い分けたり、インスタで複数個アカウントを作ったりして対処している。
そんな中で、冒頭で記載した、今回の親しい人リスト機能の追加はインスタユーザーにとっては救世主的存在だ。
あらかじめ作った親しい人リストにだけ、動画を公開できる。
InstagramはFacebookがたどった失敗を繰り返さずにすむ。
僕もこれを機に、ストーリー非表示設定にしていた知り合いの設定を元に戻そうと思う。
個人的にはつまらないインスタははやくDisruptされて欲しいと思っているので、
TikTokを応援している。
また、TikTokの最新動向をおっさんがまとめている記事はこちら。
ほんじゃあまた来週日曜!
"思い出アプリ"TikTokはInstagramを超えられる?
「アガる思い出作っとく?」
今年2018年の夏頃、
渋谷にでかでかとTikTokの広告が登場して興奮したことが記憶に新しい。
アプリの謳い文句というのは難しい。
なんと呼ぶかによって、訴求力、広まり方にも影響してくる。
「アガる思い出つくっとく?みんなのエンタメアプリ」
他にもいろんな呼び方ができたはずだ。
リッピシンクアプリ
ダンス動画アプリ
短編動画アプリ
それでも、
アガる思い出つくっとく?エンタメアプリTikTok
と言うような文言を選んだのは彼らの展望が垣間見られる。
思い出を作る。
ただ見るだけじゃなくて、投稿するアプリだということだ。
一部のインフルエンサーだけがおもしろ動画をあげる媒体ではない。
友達といるときにスマホで「動画」を撮るってなったら、
当たり前に開くのがTikTokになったら勝ちなのだ。
Snapchatはできたてのころ、スマートフォンで、どのカメラアプリよりも早くて写真が取れるアプリになることを目指した。
スマホで写真をとるってなったらスナチャを開いてもらうように仕向けた。
TikTokも、若者が動画を撮る時に、iPhoneのプリインのカメラアプリでもなく、インスタでもなく、スナチャでもなく、TikTokを開いてほしいのだ。
どの動画アプリよりも面白くて、盛れて、楽しい動画が撮れれば、そうなっていく。
実際TikTokは友達に動画撮ろうよって勧めやすい。
TikTok普通に楽しいよ、面白い動画撮れるんよって提案して、
曲を選んで、ポーズを一緒に練習して、撮ってみる。
一緒に撮るとこまでが遊びになる。
僕も友達と撮ったTikTok動画や、友達単独を映したTikTok動画がたくさんスマホに入っている。
今はインスタやってる?フォローさせてー!だが、
Tiktokやってる?フォローさせて!に変わる可能性がある。
そうなっても全然おかしくない。
この動画ソーシャルの流れは思ったより早くきている。
この記事で、
もちろん「見るだけ」という使い方も可能なのですが、日本ではアプリをダウンロードした人の66%が動画を投稿しています
とある。
自分も定期的に大学生にTikTokについてヒアリングしているが、
「友達の投稿を見るために入れてる」
という子は多い。
有名なTikTokerを見るためじゃなくて、友達の投稿を見るために入れてるんだ。
ちなみに今年の一月にGumiの國光さんが以下のようなコメントをしていた。
断言して良いけどTik Tokやmusical.lyがインスタを超える可能性はゼロ。閲覧者/投稿者の率が高ければ高いほどバイラルでスティッキーになる。インスタが圧倒的に高い
これは半分合っていて、半分間違っている。
閲覧者・投稿者の率が高いほどバイラルになる。ここまではその通り。
國光さんが見誤っていたのは、TikTokのコンテンツを、初期のリップシンク動画に限定していた点。ただのリップシンクアプリにとどまっていたら、投稿率は限定され、確かにTikTokがインスタを超えることは難しい。
正直僕も1月時点では、musical.lyのリップシンク動画の印象が強すぎて、同じように思った。
今となってはInstagramを超える可能性はゼロどころか、超える確率の方が高いんじゃないか。
何をもって「超える」と定義するかにもよるが...
インスタはもう全く面白いと感じない。
少なくとももう若者のワクワクする隠れ場的なソーシャルな居場所のようには全く見えない。
インスタのストーリーほど垂れ流しのつまらないコンテンツはない。知り合いが食べたランチほどどうでもいい内容はない。そう分かっていながら、自分もランチをしたらストーリーに乗せてしまう。この意味のないループは早くなくなった方がいい。創業者も離脱したことだし、そろそろインスタは廃れた方がいい。
と、最後は謎のインスタDisりになってしまったが...
夏に下書きに葬り去っていた記事なので、
真新しさが全くなくなってしまったのが悔しいが公開しておきます。
そして最近出てきたテレビCM
またTikTok運営の野望が垣間見られる。
また、後輩にTikTok撮ろうって誘われて逃げるシーンも、
初めてのTikTok撮影との出会いをリアルに表していてとてもよかった。
最初は恥ずかしさや抵抗があるが、気付いたら思い出の動画が出来上がっている。
あれ、悪くないじゃん... みたいな。
TikTokあるあるだろう。
TikTokは本当に、思い出の「真ん中」を押さえて、Instagramを超えられるかもしれない...
Tiktok運営元のByteDanceつよ
Tiktokはもはや日本の若者で知らない人はほぼいないだろう。
でもその運営元の中国ByteDanceのバリュエーションがまもなくウーバーを抜いて、未上場企業で世界1となることは、みんなあまり知らないかもしれない。
Tik Tok運営の中国企業、企業価値「8兆円」でウーバーを突破か | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
晴れていい波に乗れて、いま世界1アツいスタートアップだ。
Bytedanceはもともとはスマホメディアを運営していた会社だ。
この数年で、世界中の動画アプリを買ってきた。
中でも衝撃なのがMusical.lyの買収だ。
Musical.lyは、3年くらい前に、今米国のTeenで最も流行っているものとして、InstagramやSnapchatの次という文脈で出てきていたアプリの一つだった。(Housepartyなども同様)。
Musical.lyは短編縦型動画が音楽に合わせて投稿されるアプリ。Vineのような雰囲気だった。投稿しているのはほぼ外人で、僕もおすすめで上がってくるのを見る専であった。
どうせFacebookが買収するか、機能丸ごとパクられるのかなと思っていたら、
いつの間にかよくわからん中国企業に買収された。そして、結構多用していたFlipagramという動画×BGMの動画編集・共有アプリも、いつの間にかよくわからん中国企業に買収されていた。
そして昨年末くらいからYoutubeで広告が出てくるTiktokというアプリ。瞬く間にiPhoneアプリランキングで世界1となり、何者だ。。。!?と思ったら、
正体はMusical.lyを買収したあのよくわからん中国事業だった。
ここ5年くらい、全アジアのインターネット企業は、中国の2強のアリババとテンセントが喰らい尽くしてきた。彼らが全てを飲み込んでいく流れには逆らえなかった。
しかしこの新星ByteDanceには、2強の資本がほとんど入っていない。
知り合いの知り合いの中国人いわく、この面において、ByteDanceは期待のホープらしい。
シリコンバレーのテックカンパニーら1強時代は終わりつつある。
既存の中国2強に加えて、このような中国新星企業が出てきた。
USのイケイケなソーシャルカンパニーを丸ごと買っちゃう力がある。
そして、ソフトバンクビジョンファンドのような革命勢力らが、勢力地図を塗り替えていってる。
多くの人がTiktok痛すぎ・・・って思ってる間に、世界1のユニコーンになっちゃった。
この会社は、謎が多いのもまた魅力的だ...w
最近でこそTiktok自体に対する分析記事は増えてきたものの、
運営元のByteDanceや、CEO (なんとまだ35歳...)の経歴などに関する記事は調べてもそんなに多くは出てこない。
日本語は当然出てこないが、英語で調べても同じだ。
中国語で調べないとダメなのだろう。
もうそうゆう時代なのだ。
地球人最強説
こんばんわ。最近はyoutuberにすこぶるハマっているカヤバです。
さっきラファエルの動画を見てて思うことがあったので、感想を書いておこうと思います。
今までこのブログはテクノロジーとかインターネット関係の事柄限定で丁寧に丁寧に更新していたのですが、(その分更新頻度も低い)、
これからはわりと思ったことなんでも殴り書きしていくスタイルにしようかと思います。
昨日アップされたラファエルさんの動画をまだ見てない人は、
まずはDJ社長の動画から、次にヒカルの動画を先に見るのをおすすめします。
ちなみにDJ社長はマジでヤバイです、ルフィー現るです。
ラファエルの動画はシュールすぎて面白かったのですが、
ちょっと真面目に考えさせられる一面もありました。
ビッグバンとか宇宙が最初3mmくらいだった話とか地球の誕生とかのDetailについて
説明してくれるのですが、
普段意識することなんてないけど、改めてこうやって説明を受けると、
地球があること、そして今我々がこの時代を生きていることは本当に奇跡だと。
動画に出てくるミロクンミンギアとかいうキモかわいい生物に生まれてたとしても、完全なる奇跡でもうめちゃくちゃラッキーなはずなのに、我々は今、歴史上比較的平等な社会でありながら、なおかつテクノロジーが発展して超便利な21世紀に「人間」の体と脳を授かり、誕生している。
もう生まれた瞬間に死んでも悔いはないくらいラッキー。
そんな中で育って、大切な誰かと一緒に大切な時間を過ごすこととか、
そんなんもはや神を超越する領域ではないか。
そうゆう人に出会えること、それはもう素敵すぎる奇跡以外の何ものでもないと。
というのは置いといて、
動画を見ていて気づいてしまった、
自分がいつのまにか固定観念や常識にがんじがらめになっていたことに。
自分はここ20年の時代しか体験していないから、
ここ20年とここから先3年スパンでしか物事を捉えられていない。
視野がすこぶる狭いと。
僕は平和な日本で平和な生活が続き、ある程度想定の範囲内のことしか起きないと思っている。宇宙・地球の歴史的には、(スパンの違いがあるので比較として適切じゃいかもしれんが)、いつ何が起こってもおかしくない。人類が3年後に滅亡しても、宇宙の歴史的に考えればなんの不思議もない。そんなことは200%ありえないというのが20年しか生きていない僕の固定観念だ。
でも宇宙の歴史から見れば、なんでもありうると。
恐竜なんて一瞬でDisruptされたわけだ。
恐竜らは当時俺らTSUEEEEEE、俺らが永遠に地球代表だろ!って思ってたに違いない。
それが、わずか一日で隕石とかいうテクノロジーによってDisrupt。
これから100年、1000年単位で見ればどれほど変化するのか。
テクノロジーの進化スピードを鑑みれば、変化はこれまで以上に加速する。
自動運転とかよく言われてることは当たり前すぎる世界、キャッシュがなくなるのも当たり前、個人がYoutube、Showroomなど動画サービスやValueやTimebankなどの資金調達プラットフォームを駆使して絶大なる力を手にし、企業をも超越していく存在になるのも当たり前。アフリカの人がメルカリで中国人が出品した北京の中古の豪邸を購入するのも当たり前。今は全く想像ができないことも、なんでもありだ。常識が塗り替えられていく。いくらでもDisruptし放題、何度でもDisruptされうる。
昔就活のインターンでVRについてあつく語ったら女子学生に言われた。
「LINE以上のコミュニケーションツールなんてもう出てこないでしょ。これが最終形態だと思っている。」
とてつもなく反論したくなった。
こんなことをいう人もいる。
「スマホ以上はもうないでしょ〜。」
「もうインターネットとかアプリとかは成熟しきってるよ〜。」
「ソーシャル領域ではインスタ・ワッツアップを操っているFacebook帝国に勝てないでしょ?」
そんなはずがない。不可能なんてない。
なんでもありだ!!
だってミロクンミンギアがYoutuberに進化する世界に生きてるんだから。
↓
ちなみに孫正義という男は本気で300年スパンで物事を見ている。
こんだけ変化が激しく明日もわからない時代に部下に300年後の事業計画を策定させるなど、ぶっちゃけ甚だしいバカなのか、天才なのかw
あれ、何が言いたいんだっけ?
まあいいや、地球の話から始まったので、地球の話で終わろう、
とりあえず、レペゼン地球が日本一〜!!
スマホAR時代のSNS その2
前回記事では、人にARコンテンツを紐づけるSNSを考えました。
今回は、モノとか場所に紐づけるアプローチを考えます。
これなら、人にスマホをかざす必要はありません。
モノ、場所にARコンテンツを紐付けるSNSのアプローチ
東京の高校生
「ガンちゃん(3代目)が原宿のこのへんににARアップしたらしいよ!」
⇒「え~放課後見にいこ!」
ローラTwitterアカウント
⇒「ハチ公で拡張してきたよ~探してみてね、ウフフ」
高校生
「3階の奥の空き教室の黒板に、スマホかざしてみてね!」
⇒3DのAR型誕生日メッセージが浮かび上がるとともに、友人が登録したボイスメッセージも同時に再生される。(誕生日おめでとう!っていうラインがくるより嬉しいはずだ。)
「先生の机にARうんこのっけたの誰だよwww」
どこかにユーザーがARコンテンツを登録する。そこにスマホをかざした第三者はその登録内容を見れるという仕組みだ。それはテキストかもしれないし画像かもしれないし3Dオブジェクトかもしれない。テキストを投稿する時代の「ツイートする」に相当するような新しい用語がこのAR時代には生まれているだろう。(既にARサービスBlipparではスマホをかざすことをBlippという)
コンテンツはネットにアップロードする時代から、現実にアップロードする時代になる。現実にあるデジタルコンテンツと写真を撮って、それをインスタに上げる。そんなサイクルもできるかもしれない。
そしてARコンテンツは必ずしもビジュアルじゃなくてもいい。
「声」や「音楽」を登録してもいい。
そこでしか聞けない音楽
そこでしか読めない文章
そこでしか見れない映像
好きな人が、どこで、どんな景色を見ながら、その音楽を聴いてたのか分かる、
感情移入できそうですね。(ストーカー匂もするww
こうやって、現実には何もないのに、デジタル世界ではどんどん情報が蓄積されていく。これが拡張現実の面白さだ。もはや魔法の世界のようだ。見えないモノが、コンピュータの目を通すと、見えるようになる。
AR型のSNSは、有名人あるいは身内間のクローズドなSNSというアプローチになるはず。知らない人が登録したARコンテンツとかどうでもいいからだ。
(観光スポットの英語解説、口コミ情報みたいな便利系のコンテンツなら、オープンSNSでも需要あり)
とはいえ、ツイッターと同じで、最終的にはオープンにも広がっていく。そのときは魅力的なコンテンツのみが拡散されていく。ネットやメディア上で、ここにこんな面白いARがあると話題になる。そうなるとデジタル観光スポットができるはずだ。現実には何もない空間に、人だかりができて、みんなスマホで写真を撮っている光景が見られるようになる。これがインスタ映えするコンテンツならなおさら強い。
この羽の3DAR版とかね。
この羽がインスタで流行るのは、
・インスタ映えする
・そこに実際に行かないと撮れない稀少性
の2つを満たしているから。
そうゆう意味ではお洒落でアート的な3DARコンテンツがわりと受けやすいと思う。
ローマが、何千年前の遺跡群が残された歴史の観光都市なら、
渋谷は東京オリンピックの頃にはデジタルAR観光都市に脱皮しているかもしれない。
チームラボにぜひとも活躍してほしいw
こうやって妄想する分にはARはめちゃ面白い。ただ実際にやるとなると、いろんな問題が考えられる。
課題1 ARならではのコンテンツとは??
実際どんなコンテンツを登録すればいいのか不明だ。
今のSNSでは、レストランに行ったら店内を、食べ物を写真で撮ればすむ話だ。
友達と遊んでいたら、友達の写真を撮ればいい。
これが、ARになった瞬間に、ユースケースがいっきに減ってしまう。
ツイッター・インスタではできないことが出来ない使い道がないと意味がない。
仮にテキストなら、次のフェースブックが公開している動画の40秒のとこみたいなアプローチなら、納得がいく。
さらに3Dのコンテンツとなると、ユーザーが簡単に作るわけにもいかない問題が発生する。ある程度の型を運営側が用意することになるのか?
ふたをあけてみないと分からないと楽観視することもできる。
Youtubeに一番最初に投稿された動画は、動物園の退屈な動画だったってのは有名な話だ。今でこそYoutubeにはどんな動画がアップされ、ユーザーがどんな使い方をするかは鮮明にイメージできる。当時Youtubeのコンセプトを説明されても、誰が何のためにどんな動画をあげるのかイメージできる人は少なかったのではなかろうか。
課題その2 コンテンツ不足
現実の場所が多すぎるのに対して、それに付随するコンテンツが足りない。300人フォローしていたとして、街中を歩いていてはたしてどれだけのモノや場所に友人が登録したAR情報が紐付けられているでしょうか?あまりにもモノ、場所の数のほうが多くて、ARコンテンツが足りない。
これが仮に固定された狭い空間だったなら成り立つ。
高校の教室が最たる例だろう。
高校生らは毎日毎日教室という空間に通う。
「黒板に○○と○○のAR相合傘あるらしいよwww」
限られた空間に、仲間が集うため、コンテンツ不足問題は生じないし、コンテンツは毎日更新されていくはずだ。
課題その3 AR型SNSのジレンマ
ARは現実の実際のモノ、場所にデジタル情報を重ね合わせる。未来感あふれる。でもそれは裏を返せば、その場所に行かないとコンテンツを見れないということ。これから出てくる弊害は3つ
●エンゲージメント率の低さ
インスタ、ツイッターなら投稿した瞬間に全フォロワーにコンテンツが行き渡る。ARを登録してからユーザーがそれを見るまでに、タイムラグが発生する。そしてそもそも、わざわざ見に来てくれる確証はどこにもない。そうなったとき、ARでコンテンツを登録するユーザーのインセンティブがなくなる。
●利用頻度が限定される
前回記事でも書いたとおりだ。ツイッター、インスタは24時間どこでも見れる。電車でもできる。エレベータの待ち時間にもできる。夜寝る前ベッドの上でもできる。これこそインターネットの特徴を最大限に享受している。それが、ARだとその場所に行かないとできない。既存のSNSと比べると使える機会はめっきり減ってしまう。
●見返せない
インスタはもはや自分が所有するアルバムと化していますよね。これがARソーシャルだと、せっかくの思い出を見返せない!!せっかくばっちり決めた自分の考えを記したテキストや友達とのツーショット写真を現実にアップロードしても、そこに行かないと見返せない。
ここで思い出されるのが、スナチャとインスタのストーリー機能。アップした写真が消える。消えたら見返せないじゃないか!?と最初は思った人は多いはずだ。それでもバズりにバズった。
「見返せないというデメリット」 < 「残らないからこそぶっとんだ投稿もできるし、いいね数も気にせず気軽に投稿でき、投稿の心理的ハードルの低下からくるメリット」
という式が成り立つからだ。メリットがジレンマに勝った瞬間だ。
(しかもインスタの場合は、残したい画像はストーリーではなく普通のタイムラインに投稿すればいいだけ。)
見返せなくても、現実にコンテンツを登録し合う体験から得られるメリットが、ジレンマからくるデメリットを上回れば、ユーザーは動くはず。
課題の解決策
街を歩きながらたまたま友達のARコンテンツに遭遇する。そんなポケGO的サービスを想像するから難しい。
⇒インスタで写真を撮ったらすぐにフォロワーにシェアできるように、ARも登録した瞬間にその画像・動画をタイムラインにもシェアできるようにすればいい。それを見たフォロワーは、面白そうだと思ったら見に行けばいい。
インスタで友達があげていたお洒落なお店を実際に行ってみるのと同じだ。ネット上で知ったARコンテンツを気に行ったら、ピンポイントで見にいけばいいだけ。
(友達がARコンテンツをアップした瞬間に、通知が来る。あるいは、フォローしてる人がアップしたARコンテンツの近くに来たら、通知がくる。という仕掛けも考えられるが、これだけだと、フォロワーの目にARコンテンツが届くとは限らないから、ARを登録するインセンティブが足りない。)
ちなみに課題1の、ARならではのコンテンツとは??という疑問はいまだ残る
既存サービス
ここでいったん立ち止まって、歴史を振り返ってみよう。
やはりインターネット業界の先駆者たちはすごくて、昔に既にサービスとして出している。
セカイカメラだ。これはユーザーが場所にARコンテンツを登録していく、オープンなサービスです。
このサービスは2009年にリリースされたが、残念ながら失敗してしまった。その要因について、セカイカメラのCEOが次のように述べている。
運営会社CEOが語る「セカイカメラ」の終わりと未来 | 日刊SPA!より抜粋
「まず、ダメだった点から3点お話しします。1つ目は、使うにあたりスマホをかざさなくてはいけなかったこと。セカイカメラが登場する前から研究されていたAR(拡張現実)を、スマホというデバイスを使って身近なものにしたことは大きい。けれど、かざすのは実際恥ずかしいですよね。周辺の情報はスマホの画面を見てリストや地図で見るのでも十分なわけですし」
たしかに、繁華街でスマホをかざすと不審な目で見られる。さらに、「2つ目は、情報の整理ができていなかったこと。街中を歩いていると多くの情報が目に飛び込んできます。混沌としている現実に、混沌としているウェブ上の情報を載せると、混沌が合わさって、何を見たらいいのかわからない、有用な情報の取捨選択を困難にしてしまった。3つ目は、毎日使う必要性がないこと。いつもの通勤経路で、馴染みの繁華街で、前に見たときと違う情報があれば人は使うけど、それがわからなければ使ってくれない」
人・モノ・場所に紐付けるAR型SNSは、自分がフォローしている人が登録したものしか浮かび上がらないから、2つめの情報のカオス問題はクリアしている。(その代わり、コンテンツ不足問題が生じるが)。コンテンツを登録する人も、オープンに公開するのか、フォロワー限定に公開するのか選択できるようになるはずだ。ここはツイッターとおんなじだ。
そしてSNSなので、ユーザーはTwitterのようにその都度登録しているARコンテンツを書き換えたり(人に登録する場合)、新たに登録(場所に登録する場合)していくので、毎日使う必要性がないという壁もクリア。
1つめの、スマホをかざさないといけない壁は、越えられない壁。
それでもなにより、技術・ユーザーの動向の変化を考慮しないといけない。
セカイカメラは早すぎた。
ARの精度は当時より上がっているし(そもそもセカイカメラで登録するテキスト/画像の“エアタグ”は二次元の平面だ)、ユーザーもポケGOでARの使い方を覚えただろう。
最近のサービス
セカイカメラ以外にこうゆうサービスは見聞きしたことがなかったが、
つい最近MIRAGEというアプリを発見した。8月にリリースしたばかりだそうだ。
Apple出身者が開発!ARを応用した画像コミュニケーションアプリ「mirage」 | Techable(テッカブル)
実際に使ってみたが、この記事で書いてきた問題を1つも解決できていないので、
流行らないと思う。一応画像を載せておこう。
紐づけたい対象をカメラでぱしゃり。
テキストでも写真でも3Dスタンプでもなんでものっけられる。
いえい。
上記はiPhoneだが、iPadで別のアカウントを登録して、かざしてみたらちゃんと幽霊が浮かび上がった。
公開範囲を選べる。Publicにしたら、はてなマークのアイコンが自分のプロフィールアイコンになる。もちろん、このマニアックなアプリを使ってる人が僕の周辺にいるはずがないがw
POKEMON GOは流行ったじゃん?
待てよ、こんなだけ課題が山積みなのに、ポケGOはなんで成立したんだ??
よく言われている、「ポケモンはARというより、最強のIPがあったから成功しただけ。」と簡単に結論づけることもできるが、もう少し考えてみよう。
・コンテンツ不足問題
→コンテンツ(ポケモン)は運営側が無限に作って、そこら中に落としまくれる。
・ARのジレンマ問題がない
上記の無限に生成されたポケモンは、GPSの「位置情報」に紐づいているので、電車の中でも家でも遊べる。
・コンテンツが変わらない問題もない
→日にち、時間帯によってどこの場所にどんなコンテンツを落とすかを運営が自由自在に操れるので、コンテンツは日々変化する。
最後に
上記のようにいろんな課題を見てきた。
これらの問題を交わす仕掛けを上手に作って、ARファーストなインターフェースで最適なフォーマットでサービスを提供できたところが勝つのだ。
次は、ARコンテンツを紐づける対象がないアプローチを考えてみるよ!
追記20170921
9/20にARKit対応のiOS11が公開され、WorldBrushというアプリが出てきました。スマホ上での描画がそのままその場所に残り、第三者が見れるというもの。